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赤字決算や債務超過の会社でも資金調達でキャッシュフローの改善ができる方法をご紹介します。
こんにちは、ベストファクターの四ツ柳と申します。
弊社をご利用いただくお客様のなかには、慢性的にキャッシュフローに問題を抱えているわけではなく「今月末から来月にかけて資金繰りが厳しくなった。元請けの支払いが1ヶ月早まればなんとかなるんだけど…」といった、急なキャッシュ不足に悩まされるお客様も少なくありません。
そもそも資金調達の目的で弊社にお話をいただくお客様は、融資を受けることに抵抗のある方や、またさまざまな理由で金融機関からの借入をご利用になれない方も大変多くいらっしゃいます。
今回は、赤字や債務超過で借入が利用できない会社様を対象に、ベストファクター独自のファクタリングによる資金調達をご提案いたします。
記事の目次
赤字と債務超過
赤字と債務超過について「企業にとって悪いことだが、どのようなものなのかわからない」「何を原因として起こるのかわからない」という方も多いのではないでしょうか?
赤字と債務超過は密接に関係し、どちらも銀行などの外部から企業の評価を下げる大きな要因ですが、内容は異なります。
まずは赤字と債務超過の特徴や違いや原因を理解しておきましょう。
赤字とは
赤字とは事業の収入を支出が上回り「収入ー支出」がマイナスになっている状態です。
売上から営業活動で生じた支出を控除したものを「営業収支」といいますが、営業収支がマイナスの状態を「営業赤字」といいます。
営業収支から経常的に発生する支出を控除したものを「経常収支」といい、経常収支がマイナスの状態「計上赤字」といいます。
営業赤字は本業で赤字になっているということですので、事業のあり方そのものを見直す必要があります。
一方、営業収支では黒字なのに、経常赤字の場合には利息の支払いや有価証券売却損などの営業外費用が膨らんでいる可能性があります。
営業赤字なのに経常収支の会社は、有価証券の売却などで一時的に利益を出しているだけですので、良い状態とはいえせん。
赤字が生じると、その赤字を自己資本や借入金で補填しなければなりません。
以下の貸借対照表の会社が300万円の赤字を出した場合、貸借対照表がどのようになるか見ていきましょう。
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
現金1,000万円 | 資本金1,000万円 |
合計1,000万円 | 合計1,000万円 |
・300万円の赤字を自己資本で補填した場合
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
現金700万円 | 資本金700万円(1,000万円ー当期純損失300万円) |
合計700万円 | 合計700万円 |
このケースでは、300万円の損失を自己資本の現金で補填したため、現金と資本金ともに300万円減少し、700万円となります。
・300万円の赤字を借入金で補填した場合
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
現金1,000万円 | 借入金300万円 資本金700万円(1,000万円ー当期純損失300万円) |
合計1,000万円 | 合計1,000万円 |
このケースでは、損失を計上したことによって資本金から300万円が減少しますが、その分を借入金で穴埋めしているため、借入金300万円を計上します。
その結果、貸借対照表の総額は1,000万円となります。
債務超過とは
債務超過とは、自己資本(資本金)がマイナスになり、負債の額が資産総額を上回っている状況です。
以下の会社が2023年に1,000万円の赤字を計上、2024年に500万円の赤字を計上した場合、貸借対照表がどのようになるか考えてみましょう。
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
現金700万円 固定資産300万円 |
借入金300万円 資本金700万円 |
合計1,000万円 | 合計1,000万円 |
2023年:1,000万円の損失を自己資本(資本金)700万円で賄い、不足の300万円を銀行から借り入れた
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
固定資産300万円 | 借入金600万円 資本金▲300万円(700万円ー当期純損失1,000万円) |
合計300万円 | 合計300万円 |
2024年:500万円の損失を計上し、損失分を全額銀行から借り入れた
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
固定資産300万円 | 借入金1,100万円 資本金▲800万円(▲300万円ー当期純損失500万円) |
合計300万円 | 合計300万円 |
赤字が重なり、自己資本を上回る損失が発生すると、借入金によって赤字を補填するしかありません。
資本金がマイナスになり、その分借入金が総資産を上回る金額まで膨らんだ状態を債務超過といいます。
赤字と債務超過の関係
赤字と債務超過は密接に関係しています。
損益計算書で計算された最終損益は、貸借対照表の資本の欄に計上します。
そのため、黒字であれば資本が増えて、赤字であれば資本が減少します。
以下の貸借対照表が黒字と赤字でどのように変化するか考えてみましょう。
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
現金700万円 固定資産300万円 |
借入金300万円 資本金700万円 |
合計1,000万円 | 合計1,000万円 |
・300万円の黒字の場合
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
現金1,000万円 固定資産300万円 |
借入金300万円 資本金1,000万円(資本金700万円+当期純利益300万円) |
合計1,300万円 | 合計1,300万円 |
・300万円の赤字の場合(赤字分を自己資本で補填)
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
現金400万円 固定資産300万円 |
借入金300万円 資本金400万円(資本金700万円-当期純損失300万円) |
合計700万円 | 合計700万円 |
翌年さらに500万円の赤字を計上し、自己資本からの不足分100万円を借入金で補った
資産 | 負債・資本金 |
---|---|
固定資産300万円 | 借入金400万円 資本金▲100万円(資本金400万円-当期純損失500万円) |
合計300万円 | 合計300万円 |
赤字を計上し、自己資本ではカバーできない損失額になったとき、資本金はマイナスになります。
この状態が債務超過です。
債務超過の企業は、自己資本から支払うものが何もないので、借入金に頼るしかありません。
そのため、銀行の方針によって借入金がストップすると、倒産する可能性が非常に高いといえます。
ただし、一時的に大きな赤字を計上して、債務超過に陥ってしまうことは珍しくありません。
この場合、翌年以降にしっかりと利益を計上し、必要な支払いを自己資金で賄えるのであれば、少しずつ債務超過を解消できるため大きな問題にはなりません。
また、借入金によっておこなった投資が失敗するなど、本業とは無関係な損失であれば、こちらも翌年以降に本業で利益を出せるのであれば問題ありません。
しかし、毎期毎期、赤字が続いて、債務超過が年々拡大している企業は、事業を継続すればするほど借金が増えていくだけです。
このような企業に融資をしても、どこかのタイミングで資金ショートする可能性が高いので、融資審査に通過するの非常に困難です。
赤字のみ、債務超過のみという一時的なものであれば問題ありませんが、債務超過の原因が慢性的な赤字である場合には融資審査では圧倒的に不利になりますし、経営改善をしないと倒産するリスクも高くなるでしょう。
赤字と債務超過が継続して併発していると、債務超過解消の目処がたたないため、融資審査のみならず企業経営においても非常に危険な状態だといえます。
借入をしない中小企業が多い理由
日本の企業は、諸外国に比べ、借入への依存度が高いとされています。
実際に会社を経営されている方、個人事業主の方のなかで「一切の借金をしたことがない」という方はほとんどいらっしゃらないでしょう。
しかし、元請け先や取引先からの支払いが遅れたりして急にキャッシュフロー(資金繰り)が苦しくなり、仕入先への支払いや従業員への給与などのつなぎ資金が必要となった場合、果たしてその支払日までに金融機関は手を差し伸べてくれるでしょうか?
日本の中小企業の6割強は赤字経営
国税庁が2023年に公開した「国税庁統計法人税表」によると、2021年度決算における赤字法人の割合は65.3%となっています。
実に6割以上の企業が赤字となっており、赤字経営というのはどの企業においてもありうることだと理解しておきましょう。
もちろん、経営不振によって赤字となっている企業も多数ありますが、節税対策として、多額の経費を計上して意図的に赤字にしている企業も多数存在するので、必ずしも日本の65%以上の企業が経営難に陥っているというわけではありません。
赤字・債務超過での借入は困難
大企業に比べて経営基盤の弱い中小企業や個人事業にとって、赤字が続いたり、負債の総額が資産の総額を超える債務超過になったりすると、キャッシュフローが苦しくなるだけでなく、借入による資金調達もままなりません。
当然ながら、赤字や債務超過で返済能力が無いとみなされれば、銀行などの金融機関からは融資を断わられます。
ただでさえ、赤字で経営が苦しいのに、外部からの資金調達も困難になるのが、赤字や債務超過の企業の辛い点です。
節税対策の赤字決算が借入審査で裏目に出る
また、コンスタントに利益を出している非上場企業のなかには、節税のために赤字決算をしているところもあるでしょう。
経営が順調ならキャッシュフローも問題ないと思われますが、ふとしたことからキャッシュが不足することもあるはずです。
その場合、赤字決算が裏目に出てしまい、融資を受けることができません。
中小企業の経営者や個人事業主は、たとえ赤字であっても、無借金経営を続けていても、万が一のときに資金調達できる方法を複数用意しておく必要があります。
多様な調達源泉の存在は、経営のリスクヘッジとなります。
赤字・債務超過の企業の借入が難しい理由
赤字や債務超過の企業が融資を受けるのは難しいのが実情です。
主な理由は以下の6つです。
- 返済原資がない
- 自転車操業に陥ってしまう
- 経営改善の目処がたたない
- 融資がストップした時点で資金ショートする
- 借入金返済のためのお金は借りられない
- 税金滞納が発生する
赤字・債務超過の企業に融資をしてしまったら金融機関も返済を受けることが難しいことに加え、債務者の資金繰りをさらに悪化させてしまうリスクがあります。
赤字や債務超過の企業が融資を受けるのが難しい理由を詳しく解説していきます。
返済原資がない
赤字・債務超過の企業に融資をしても返済するために必要なお金である返済原資がありません。
赤字の企業は日常的な営業活動で支出が収入を上回っている状態ですので、借入金の返済にお金を回している余裕はありません。
また、債務超過の企業は返済に充てるだけの資産がないので、やはり金融機関は回収が困難だと判断します。
審査の際に「融資によって経営状況が改善し、返済できるようになる」と判断できない限り、金融機関のリスクが高いため借入することは難しいでしょう。
自転車操業に陥ってしまう
赤字・債務超過の企業は事業を継続するために必要なお金を借入金で賄っている状態です。
そのような企業に融資をおこなっても、借入金返済のためにさらに資金繰りが苦しくなり、再び借入金を利用し、さらに資金繰りが苦しくなる..という状態を繰り返すだけに自転車操業になってしまいます。
自転車操業状態の企業は、どこかのタイミングで融資がストップした時点で資金ショートに至る可能性が非常に高いため、銀行とすれば融資をしたくない企業です。
経営改善の目処がたたない
赤字と債務超過の企業は経営改善の目処がたっていない企業です。
このような企業は借入金によって企業を運転しているだけで、事業活動によって運転できているわけではありません。
赤字が年々縮小しているなど、経営改善の兆しがあるのであれば、赤字と債務超過でも大きな問題はありません。
しかし、基本的に赤字と債務超過を併発している企業は経営改善の目処が立たずに、単に借金によって経営をおこなっていると判断されます。
やはり、銀行が納得できる経営改善計画を提出できない限りは融資を受けることは難しいでしょう。
融資がストップした時点で資金ショートする
赤字と債務超過を併発している企業は「融資が止まった時点で資金ショートする」と銀行は判断しています。
売上よりも支出が上回った状態の赤字ですので、日々の事業活動から融資金の返済に充てる余裕はありません。
また、債務超過であれば資産から返済に充てることも困難です。
つまり、資金の不足分を借入金で穴埋めしている状態ですので、このような会社は融資がストップした時点で資金ショートに陥る可能性が非常に高いと判断されます。
ただし「去年は赤字と債務超過だったが、今年はが出ている」という、事業活動から返済できる見込みがあるのであれば、優位を受けられる可能性があります。
大切なことは、赤字を継続して債務超過を拡大しないということです。
借入金返済のためのお金は借りられない
借入金を返済するためのお金は基本的に借りることはできません。
例えば、Aという借金を返済するためにBという借金をしたら、翌月以降はAとBの返済によって毎月の返済金負担は大きくなります。
その結果、さら資金繰りが苦しくなりCという借入金を調達し、翌月以降はA、B、Cの返済金の負担が増えて、さらに資金繰りは苦しくなる..という悪循環に陥ります。
これが多重債務者が破綻に至るメカニズムですが、そもそもは借金返済のために借金をしたことが原因です。
赤字・債務超過の企業へ融資をおこなうということは、まさに借入金返済のためのお金を融資するということですので、銀行にとっては非常にリスの高い融資です。
なお。複数の借入金をまとめる「おまとめ」であれば、赤字・債務超過の企業でも融資を受けられる可能性があります。
税金滞納が発生する
赤字・債務超過の企業は税金の滞納が発生している可能性があります。
日々の資金繰りが苦しいため、税金を支払うためのお金が不足しているためです。
そして、税金滞納がある企業に対して、銀行や日本政策金融公庫はまず融資をおこないません。
銀行が取り扱う制度融資や、日本政策金融公庫の融資は税金を原資としているため、税金滞納のある企業に対して融資をおこなうことは基本的にありません。
また、税金を滞納すると行政は裁判所の許可なしに差押えが可能になります。
預金口座や不動産なども差し押さえられてしまうので、銀行とすると融資先が急に返済原資を失ってしまうリスクがあります。
このような理由から税金滞納先には融資をおこなわないのが原則です。
赤字や債務超過の企業は融資の際に最も大きなリスクの1つである、税金滞納が発生するリスクが高いという点も融資審査に不利になる原因の1つです。
赤字・債務超過の企業が資金調達する方法
赤字・債務超過の企業は融資を受けることが難しいですが、以下の方法であれば資金調達できる可能性があります。
- 経営改善計画を策定して銀行へ申し込む
- 資産を売却する
- 経営者個人で借入をする
- ビジネスローンを利用する
- ファクタリングで資金調達する
銀行で経営改善計画が認められれば審査に通過できる可能性がありますし、資産を売却することでも資金調達できるでしょう。
このほかにも、ビジネスローンやファクタリングでも資金調達できる可能性があるでしょう。
赤字や債務超過の会社が資金調達するための5つの方法について詳しく解説していきます。
経営改善計画を策定して銀行へ申し込む
銀行や日本政策金融公庫など、すでに融資を受けているメインバンクに対して経営改善計画を策定した上で「追加融資をしてほしい」と交渉することで融資を受けられる可能性があります。
メインバンクは、融資先の企業が倒産してしまったらすでに融資している債権が不良債権化してしまい大きな損失となります。
そのため、経営再建には協力的です。
「追加融資をおこなって経営改善ができるのであれば、協力したい」と考えています。
そのため銀行が納得できるような経営改善計画を策定すれば、融資を受けられる可能性があるでしょう。
銀行が納得できる経営改善計画を策定するポイントは以下のとおりです。
- 売上拡大の根拠をつける
- 具体的な経費削減計画を立てる
- 不要な資産は可能な限り売却する
どこへどのように販売して売上拡大を図るのか、どの経費をいくら削るのか、売却して返済に充てられる資産はないかなどを、具体的に説明することで銀行が納得できるようなものとなります。
単に「売上を〇〇%拡大する予定」などの絵に描いた餅のような経営改善計画では銀行を説得することはできないため、不安な方は経営コンサルタントなどへ相談しましょう。
資産を売却する
不要な資産があるのであれば売却しましょう。
- 不動産
- 機械設備
- 有価証券
これらの資産のうち、事業に必ずしも必要のない資産があるのであれば、売却した資金化することで資金繰りは円滑になります。
また、できる不要な資産や負債を持たずに貸借対照表を小さくする「オフバランス経営」をすると、銀行などから評価されます。
不要な資産を売却し、バランスシートを軽くすることで、資金調達がしやすくなるでしょう。
会社の事業の中で本業ではない事業や、不採算の事業があるのであればM&Aによって売却することも検討してください。
不採算事業を売却してしまえばコア業務に経営資源を傾けられため会社の収益力が上がりますし、売却代金も手に入ります。
「売れない」と考えているような採算の取れない事業でも、他社にとっては魅力があるケースも多いので、不採算事業を売却したい方は相談してください。
経営者個人で借入をする
会社での借入が難しいのであれば、経営者個人で個人向けのローンを借りるという方法もあります。
経営者の個人信用情報に問題がなければ、個人ローンを利用できる可能性があるでしょう。
経営者個人で金利の高いローンを借りて会社を回すことはおすすめできません。
それほど高額の資金は調達できませんし、経営者個人で消費者金融などからお金を借りる時点で、会社の存続は非常に厳しい状況にあると考えられるため時間稼ぎにしかなりません。
また個人ローンを事業資金に利用することは原則的に禁止ですので、金融期間に借入を知られてしまうと一括返済を求められるリスクがあります。
確実に返済できるというあてがない限りは利用しない方が無難です。
ビジネスローンを利用する
銀行や日本政策金融公庫からお金を借りられない企業も、ビジネスローンであれば有利を利用できる可能性があります。
ビジネスローンとは、消費者金融や信販会社などの貸金業者が実施する融資で、銀行融資よりもかなり審査難易度が低くなっています。
ほとんどのビジネスローンは税金滞納があっても利用できる点も特徴です。
しかし以下の2点には注意してください。
- 金利が高い
- 借入限度額が少ない
金利は10%〜15%程度と高く、融資限度額は300万円〜1,000万円程度ですので、高額借入は期待できません。
短期的にお金が必要な場合や、税金滞納を解消したい場合などに、短期間のみ利用し、税金滞納解消後は銀行融資を利用しましょう。
ファクタリングで資金調達する
ファクタリングは銀行融資や日本政策金融公庫の融資、さらに個人ローンやビジネスローンも利用できない場合でも資金調達できる方法です。
売掛債権を売却し、早期資金化を図る方法であるファクタリングの審査は「売掛先企業の信用」に対しておこなわれるためです。
そのため、利用者が赤字・債務超過や税金滞納などを原因として融資審査に通過できない場合も、支払能力に問題のない売掛先企業に対する売掛債権であれば、問題なく審査に通過できる可能性があります。
ファクタリングはどこからもお金を借りられない場合の、資金調達手段として重宝するため、経営者の方はファクタリングという資金調達手段を頭に入れておくとよいでしょう。
赤字・債務超過でも資金調達できるファクタリング
赤字・債務超過で金融機関からの借入も望めない場合、支払い期日までにどうやって資金調達をすれば良いのでしょうか?
どこからも借入ができないときに、資金調達できるシンプルで確実な方法は、入金前の売掛金をファクタリング会社が買い取り、現金化する「ファクタリング」の活用です。
ここでは、銀行融資をはじめとする借入とファクタリグの違いや、ファクタリング独自の利点をご紹介します。
ファクタリングは融資ではなく売掛債権の譲渡
ファクタリングは融資とは異なり、自社がすでに持っている売掛債権という資産の譲渡に過ぎません。
たとえ赤字経営や債務超過、さらには税金の滞納を理由に融資が断られていても、ご利用者様の元請けや取引先の入金前の売掛金があれば速やかな現金化が可能です。
銀行融資やビジネスローンにありがちな、長期間にわたる厳しい審査もありません。
さらに、私どもベストファクターにご相談いただけましたら、売掛先に売掛債権の譲渡を知られることなく、最短即日での現金化をご提案させていただきます。
赤字・債務超過・税金滞納中でも利用できる
なぜファクタリングは赤字・債務超過・税金滞納があっても利用できるのでしょうか?
その理由は、融資とファクタリングの審査基準の違いにあります。
融資の審査では利用者の信用力が重視されるため、すでに赤字や債務超過のある利用者は返済能力が無いとみなされ、借入ができません。
一方のファクタリングの審査では、ファクタリング会社が買い取る売掛債権の種類や売掛先企業の信用力が重視されます。
つまり、たとえ利用者が赤字や債務超過でも、売掛債権や売掛先企業の安定性を確認できれば資金化が可能なのです。
弊社では、実際に金融機関から融資を断られたというご利用者様の売掛金を買い取り、早期の資金調達を実現した実績がございます。
信用情報への影響がない
中小企業・個人事業の経営者様のなかには、健全経営を目指して融資自体を回避する傾向のある方も多いのではないでしょうか?
融資を利用すると、信用情報と呼ばれる金融機関が保有しているデータベースに「いくら借り入れがあるか」「税金を滞納していないか」といった情報が登録されます。
返済の滞納や債務超過が信用情報に登録されていれば、銀行融資などの審査が通りにくくなってしまいます。
その点、ファクタリングは融資ではないため、信用情報を参照することも信用情報に登録されることもありません。
非負債資金でオフバランス化の達成
さらに、貸借対照表に借入として計上されないということは、決算書上では赤字となることもないということです。
貸借対照表では、ファクタリングによる売掛債権という資産の活用で経営指標を向上させるオフバランス化を図ることもできます。
オフバランス化により経営指標の向上
オフバランス化 とは、経営指標で分母となる総資産を増やさずに資金調達をすることで、総資産事業利益率などの経営指標が向上することを指し、融資や増資などによる資金調達と対照して使われます。
ROAなどの経営指標は、現在のすべての資産でどれだけの利益を生み出したかという点が考慮されます。
以下、表を使って説明いたします。
負債による資金調達
負債100万円が増えることで、総資本が100万円増加します。
資産の増加 | 負債の増加 |
---|---|
現金:100万円 | 短期借入金:100万円 |
経営成績が向上しても分母である負債が増加しているため、経営指標が低下するケースがあります。
ファクタリングによる資金調達
使えない資産100万円が減少することで、使える資産が95万円増加します。
資産の減少 | 負債の変動なし |
---|---|
売掛金:-100万円 | - |
資産の増加 | 負債の変動なし |
現金:95万円 支払手数料:-5万円 |
- |
経営成績が向上した場合、負債による調達と比べて分母が小さいため、経営指標の向上が期待できます。
経営指標が良ければ、銀行からの融資や、投資家からの投資を集めやすくなるため、実際の経営に好循環をもたらす効果を与えます。
節税のための赤字決算でキャッシュが不足した場合も有効
非上場企業の会社様のなかには、赤字決算をして節税を行っているところも少くありません。
無借金経営ができて、なおかつキャッシュフローに問題のない状況であれば、銀行からの借入等も必要ないでしょう。
しかし、元請けや取引先からの売掛金の支払いが一時的に遅れたことでキャッシュフローが厳しくなり、急なつなぎ資金が必要となった場合はどうでしょうか?
節税のためであっても、会社が赤字経営なら金融機関からの借り入れは望めません。
そういった状況でご活用いただけるのがファクタリングです。
節税のために赤字決算をされている会社様であっても、支払いが滞っている売掛金を弊社が買い取り、最短即日で現金化いたします。
赤字・債務超過でも資金調達できる!おすすめファクター10選
赤字や債務超過の企業であってもファクタリングであれば資金調達できる可能性があります。
その中でも、以下のファクタリング会社であれば利用者に対しては柔軟な審査をおこなっているため審査に通過できる可能性があるでしょう。
- ベストファクター
- ビートレーディング
- OLTA
- ラボル
- フリーナンス
- ペイトナーファクタリング
- QuQuMo
- 日本中小企業金融サポート機構
- アクセルファクター
- PAYTODAY
利用者が赤字や債務超過でも資金調達できる可能性の高いファクタリング会社のスペックや特徴を解説していきます。
ベストファクター
取り扱いサービス | 2社間、3社間 |
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契約方式 | 対面 |
手数料 | 2%〜 |
入金スピード | 最短即日 |
買取限度額 | 30万~ |
公式サイトURL | https://bestfactor.jp/ |
弊社ベストファクターの最大の特徴は「お客さまと対話をして、お客さまにとって最良の資金調達手段をご提供する」という点です。
弊社が事業者様にとって最良の資金調達手段がファクタリングであるとは考えておりません。
財務状況や収支状況などによって、最適な資金調達手段はさまざまです。
そのため弊社はお客さまとしっかりと対話をして、経営分析をおこない、お客さまにとってファクタリングが最適であると判断できた場合のみファクタリングをご提供させていただいております。
お客さまとの対話から経営診断をおこなうので、弊社の契約は面談が必須となっています。
また、審査の際には財務コンサルティングを実施させていただいておりますが、これが多くのお客さまから評判です。
単なるファクタリング会社ではなく、お客さまにとって頼れる相談先でありたいと思っておりますので、ぜひ赤字や債務超過で資金繰りに困っている方はお気軽にご相談ください。
なお、事業者様の中には「遠方だからオフィスまで訪問できない」という方もいらっしゃいます。
そのような方に対して、弊社の担当者が訪問させていただきますので、訪問を希望される方もお気軽のお申し付けください。
ビートレーディング
取り扱いサービス | 2社間、3社間、診療・介護報酬債権買取、Beトレペイメント |
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契約方式 | 対面・オンライン |
手数料 | 【2社間】5~20%
【3社間】2~9% |
入金スピード | 最短2時間 |
買取限度額 | 10万~7億円(過去の実績から) |
公式サイトURL | https://betrading.jp/ |
ビートレーディングは店舗型のファクタリング会社として高い知名度と豊富な買取実績を誇るファクタリング会社です。
累計買取実績は1,100億円を超えており業界最高水準の取り扱い実績を誇ります。
担当者の知識レベルが非常に高いので、審査の際には財務コンサルティングを受けられますし、ファクタリングのみならず、さまざまな資金繰り改善方法の相談ができます。
豊富な取り扱い実績があるので、赤字・債務超過の企業でも資金調達できる可能性が高いでしょう。
店舗型のファクタリング会社であるため契約には面談が必須ですが、コロナ禍以降オンライン契約にも力を入れています。
オンラインで面談し、契約することで最短2時間で資金調達が可能です。
信頼できるファクタリング会社から急いで資金調達したい方に、ビートレーディングはおすすめです。
OLTA
取り扱いサービス | 2社間 |
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契約方式 | オンライン |
手数料 | 2~9% |
入金スピード | 最短1日 |
買取限度額 | 制限なし |
公式サイトURL | https://www.olta.co.jp/ |
OLTAはオンライン完結型のファクタリング会社として最も有名で、安心できる企業です。
メガバンクをはじめとして多くの優良企業と提携し、資本金は44億円を超えています。
また、日本中の銀行と提携し銀行専用のファクタリング商品を提供しています。
大手企業や銀行が提携するほどの企業ですので、OLTAは信頼性抜群のファクタリング会社だといえるでしょう。
オンライン完結型のファクタリングを日本に広めた会社ですので、申込から契約まで全てオンライン完結です。
請求書のアップロードから24時間以内に審査結果が届き、最短即日で資金調達できるので急いでいるときにも最適です。
さらに店舗を持たないことから低コストでのファクタリングを実現しており、上限手数料9%という業界最安値水準でファクタリングを利用できます。
安全な業者から速く低コストで資金調達したい方にOLTAはおすすめのファクタリング会社です。
ラボル
取り扱いサービス | 2社間 |
---|---|
契約方式 | 非対面式 |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短60分 |
買取限度額 | 1万円〜限度なし |
公式サイトURL | https://labol.co.jp/ |
ラボルは東証プライム市場上場企業の株式会社セレスが100%出資する企業が運営するファクタリング会社です。
ファクタリング会社に対して「運営企業の安全性が心配」という方も多いですが、セレスであれば上場企業が運営しているため安心して利用できます。
最短60分資金化、手数料10%固定ですので、急いで資金が必要なときにも10%のコストを負担できればすぐに資金調達できます。
また、1万円〜上限なしで買取に対応してくれるので、個人事業主から中堅程度の企業まで幅広く利用できます。
ラボルには24時間365日入金に対応しているという大きな特徴があります。
休日や夜間に資金調達する方法はほとんどありませんが、ラボルであれば24時間曜日を問わずに資金調達できるので、土日や夜間に営業している事業者の方も必要なタイミングで資金調達できるでしょう。
オンライン完結型のファクタリング会社として、他社よりも優れた特徴をいくつも持っているファクタリング会社です。
フリーナンス
取り扱いサービス | 2社間 |
---|---|
契約方式 | 非対面式 |
手数料 | 3%〜10% |
入金スピード | 最短即日 |
買取限度額 | 〜1,000万円 |
公式サイトURL | https://freenance.net/ |
フリーナンスはGMOグループであるGMOクリエイターズネットワークが提供するフリーランス向けのサービスです。
運営会社が信頼のGMOグリープですので、安心してファクタリングを利用できるでしょう。
フリーランスはアカウントを作成すると次のようなサービスを受けられます。
- 即日払い:2社間ファクタリング
- あんしん補償:業務上生じた賠償責任を補償
- フリーナンス口座:屋号やペンネームなどで口座を作成
- バーチャルオフィス:バーチャルオフィスを格安料金で利用可能
2社間ファクタリングの「即日払い」は、これらのサービスのうちの1つです。
事前にアカウントを作成しておけば、請求書のアップロードから最短30分で審査が完了し、即日入金を受けられます。
上限手数料は10%ですが、繰り返し利用することで信用度が上昇し、さらに低い手数料で利用できます。
アカウント作成だけで無料で補償を受けられ、屋号の口座を作成できるので、ファクタリングを利用しない人もアカウントを作成しておくとよいでしょう。
ペイトナーファクタリング
取り扱いサービス | 2社間 |
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契約方式 | 非対面式 |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短10分 |
買取限度額 | 〜100万円 (初回25万円迄から徐々に拡大) |
公式サイトURL | https://paytner.co.jp/factoring |
ペイトナーファクタリングは最短10分で資金化できることで人気のファクタリング会社です。
1万円から100万円まで対応していますが、初回は25万円までなので、数万円程度をスピーディーに調達する小口専用のファクタリング会社だといえます。
事前にアカウントを作成しておけば、請求書のアップロードから最短10分で審査が完了し、審査通過後すぐに振り込みを受けられます。
急いでお金が必要な場合に重宝するファクタリング会社でしょう。
また、個人事業主への売掛債権もファクタリングできる唯一の主要ファクタリング会社です。
法人宛の請求書でなくても利用できるので、個人事業主相手にビジネスをされている方もペイトナーファクタリングであればファクタリングで資金調達できます。
手数料も10%固定なので、事前に資金調達コストを把握できるのはメリットです。
QuQuMo
取り扱いサービス | 2社間 |
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契約方式 | 非対面式 |
手数料 | 1%〜 |
入金スピード | 最短2時間 |
買取限度額 | 下限上限なし |
公式サイトURL | https://ququmo.com/ |
QuQuMoはオンライン完結型のファクタリング会社として、利用者からの口コミや評判が非常に高いファクタリング会社です。
ファクタリング会社の中には「最短即日」と謳っていながら、実際には数日程度の時間がかかってしまうことも珍しくありません。
しかしQuQuMoであれば、「当日中に資金調達できた」という口コミが多いから、高い確率で即日資金調達できるでしょう。
契約はオンライン契約システムである「クラウドサイン」を使用します。
クラウドサインは弁護士ドットコムが監修しているため、個人情報流出のリスクを心配することなく、安心して利用できるでしょう。
手数料は15%弱程度の高めに設定されることが多いようですが、その分審査が柔軟なので、他社の審査に通過できない企業でもQuQuMoであれば資金調達できる可能性があるでしょう。
日本中小企業金融サポート機構
取り扱いサービス | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
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契約方式 | 対面・オンライン |
手数料 | 1.5%〜10% |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 下限・上限なし |
公式サイト | https://chushokigyo-support.or.jp/ |
日本中小企業金融サポート機構は一般社団法人が運営する非常に珍しいファクタリング会社です。
一般社団法人は非営利法人ですので、手数料が低くなっている点が他社と比較したメリットです。
審査によっては10%未満の低い手数料で利用できる場合もあるでしょう。
また、ファクタリングと同時に経営コンサルティング業務もおこなっており、国から認定経営革新等支援機関として認定されています。
国が中小企業支援の専門家として認定している法人ですので、取引をする上で安全な業者であることはもちろん、審査の際には財務コンサルティングを受けられます。
日々、資金繰りなどに悩んでいる企業は、ファクタリングのみならず財務改善などについても相談してみるとよいでしょう。
アクセルファクター
取り扱いサービス | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
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契約方式 | 対面・オンライン |
手数料 | ~100万円:10%~ 101~500万円:5%~ 501~1000万円:2%~ |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 〜1億円 |
公式サイト | https://accelfacter.co.jp/ |
アクセルファクターは店舗型のファクタリング会社として利用者の口コミや評判が非常に高い業者です。
アクセルファクターも認定経営革新等支援機関になっているので、ファクタリングだけでなく幅広く経営改善の相談ができます。
また、国が認定している会社ですので、安心して利用できるでしょう。
店舗型のファクタリング会社ですので、原則的には面談が必要ですが、最近はオンライン契約にもかなり力を入れています。
ホームページには「申込者の約半分が即日入金」と明記されていることから、遠方の企業もオンライン契約によって即日資金調達ができるでしょう。
店舗型ファクタリング会社の信頼と、オンラインの利便性を兼ね備えた優良なファクタリング会社だといえます。
PAYTODAY
取り扱いサービス | 2社間ファクタリング |
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契約方式 | オンライン |
手数料 | 1%〜9.5% |
入金スピード | 最短30分 |
買取可能額 | 10万円〜上限なし |
公式サイト | https://paytoday.jp/ |
PAYTODAYは「AIファクタリング」という名称でオンライン完結型のファクタリングサービスを提供しています。
最短30分入金、上限手数料9.5%、1万円から買取と、速さと安さを兼ね備えながら、小規模事業者から規模の大きな事業者まで幅広く利用できるファクタリング会社です。
運営企業は大手企業ではありませんが、すでに100億円を超える取り扱い実績があるので、安心して利用できるでしょう。
急いで資金調達したい方も、手数料負担をできる限り抑えて利用したい方にも安心です。
赤字・債務超過の企業がファクタリングを利用する際の注意点
赤字や債務超過の企業がファクタリングを利用する際には以下の点に注意して利用しましょう。
- 手数料負担はさらに赤字を拡大させる
- ファクタリングは本質的な資金繰り改善方法ではない
- 悪徳業者に注意する
- メインバンクには知られない方がベター
利用のしすぎはさらに倒産のリスクを高めるだけですので、利用する場面を限るのはもちろん、業者選びには注意してください。
そして経営が悪化している状態だからこそ、メインバンクにはファクタリングを利用していることを知られない方がよいでしょう。
赤字や債務超過の企業がファクタリングを利用する際の注意点について詳しく解説します。
手数料負担はさらに赤字を拡大させる
ファクタリングは手数料が高額です。
10%の手数料で1ヶ月先が期限の売掛債権をファクタリングした場合、手数料は年率で120%(10%×12ヶ月)にもなります。
銀行融資の金利が年1%〜4%程度であること比較すると、ファクタリングの手数料は銀行融資の100%倍程度です。
手数料負担は営業外費用になるので、ファクタリングを利用しすぎると経常収支が圧迫されます。
せっかく本業を頑張って営業収支を黒字にしても、ファクタリングを利用することで経常収支が赤字になる可能性があるので注意しましょう。
ファクタリングは本質的な資金繰り改善方法ではない
ファクタリングでは本質的に資金繰りを改善できません。
売掛債権の期日になれば入金になる売上を前倒しで受け取っているだけだからです。
そのため、当初の入金期日には入金がなくなるので再び資金繰りが苦しくなる可能性が高くなります。
ファクタリングで解決できるのは「緊急でお金が必要になった」という場面だけです。
本質的に資金繰りを改善したいのであれば、経営改善計画を銀行へ提出し、長期借入金の融資を受けましょう。
悪徳業者に注意する
ファクタリング利用時には悪徳業者には十分注意してください。
ファクタリング業には登録も許認可も免許も一切不要ですので、どんな業者でもファクタリング業を始められます。
そのため次のような悪徳業者が混じっています。
- 法外な手数料を要求する
- ファクタリングを装って違法な貸付をおこなう
手数料が20%を超える業者や、償還請求権あり(ウィズリコース)でファクタリングを実施する業者は悪徳業者の可能性が高いと判断し、取引しない方がよいでしょう。
特に、ファクタリングは償還請求権なし(ノンリコース)で実施されるのが大前提ですので、償還請求権がある業者とは絶対に取引しないでください。
メインバンクには知られない方がベター
ファクタリングを利用していることはメインバンクには知られない方が無難です。
銀行が抱える赤字・債務超過の取引先というのは銀行にとっては不良債権一歩手前の要注意の債権です。
この取引先が、ファクタリングというコストの高い方法で資金調達していることを銀行が知ってしまったら、格付けがさらに低下して「融資金を一括で返済してほしい」と請求がおこなわれるリスクがあります。
赤字・債務超過の企業がファクタリングで資金調達していることを知ったら、メインバンクからの印象が悪くなることはほぼ確実です。
メインバンクにはできる限りファクタリングを利用していることを知られないようにしましょう。
赤字・債務超過の企業が経営再建する方法
赤字・債務超過の企業は資金繰りと同時に経営改善を図る必要があります。
赤字・債務超過から立ち直るには以下のような方法があります。
- 不要な経費を削減する
- 不要な資産を売却する
- 不採算事業を売却する
- 売上拡大を図る
- 借入金はできる限りまとめる
まずは会社の経営状態を見直し、上記のうちできることがないかを検討しましょう。
赤字・債務超過から立ち直るための5つの方法について詳しく解説していきます。
不要な経費を削減する
支出の中で削っても問題のない不要な経費はできる限り削減しましょう。
最も支出が大きく簡単に削れそうなものは人件費ですが、人件費は削るべきではありません。
従業員のモチベーションが下がったら仕事になりませんし、人材が流出するリスクがあります。
- 売上原価の圧縮
- 水道光熱費や通信費
- 手数料の高いサービスの見直し
- 費用対効果のない広告費の見直し
これらの見直しをおこない、売上減少のリスクが少ない経費削減を検討しましょう。
不要な資産を売却する
会社に売却しても事業に差し支えのない資産があるのであれば売却してしまいましょう。
売却代金で資金繰りは円滑になりますし、貸借対照表も軽くなるので外部からの評価も高くなります。
また、資産を売却することで減価償却費を計上する必要がなくなるので、支出が減って赤字解消に寄与します。
まずは会社の資産を一覧にして、その中で売却できる資産がないかどうか慎重に検討しましょう。
不採算事業を売却する
会社が本業とは別の事業を営んでおり、その事業の採算が悪いのであれば売却も検討しましょう。
不採算事業を売却することで以下のメリットがあります。
- 多額の売却代金が手に入る
- 本業に人材を集約できる
- 会社全体の収益率が向上する
自社にとっては採算の悪い足を引っ張るだけの事業でも、他社からすると価値のある事業というものは数多くあります。
M&A仲介会社などに相談し、不採算事業の売却を検討しましょう。
売上拡大を図る
経費の削減と同時に売上の拡大を図りましょう。
売上を拡大するため方法はいくつか考えられますが、営業活動と広告の強化が基本になります。
選択と集中を図る中で、コア業務に集中できる人材を営業にあたらせるなど、営業活動を強化して売上の拡大を図るようにしてください。
また、最近は営業活動のアウトソーシングも可能なので、業者の活用も検討するとよいでしょう。
借入金はできる限りまとめる
複数の借入金を抱え、多重債務状態になっているのであれば、借入金はできる限りまとめるようにしてください。
借入金は本数の分だけ返済負担が増えるので、複数の借入金を1本にまとめることによって毎月の返済額が少なくなることがあります。
返済額が減った分を広告費に充てるなどすれば売上が拡大する可能性があります。
融資を受けている銀行へ「複数の借入金を1つにまとめたい」と相談してみましょう。
赤字・債務超過についてよくある質問
赤字や債務超過についてよくある質問をご紹介していきます。
- 赤字が1年あっただけでも融資を受けることは難しいですか?
- 債務超過ですが黒字です。融資を受けられないでしょうか?
- 売掛先が赤字や債務超過ではファクタリングを利用できないでしょうか?
- 赤字や債務超過の企業はM&Aができませんか?
疑問点を解消したうえでファクタリングや借入を検討しましょう。
赤字が1年あっただけでも融資を受けることは難しいですか?
会社経営の中では、社会的な不景気によって一時的に赤字に陥ってしまうことは決して珍しくありません。
そのため、1年だけの赤字は全く問題ありません。
翌年以降は収益を確保できる見通しがあれば、銀行も日本政策金融公庫も問題なく融資をしてくれるでしょう。
問題なのは、毎期赤字が継続して資本が削られ、債務超過が拡大していく状態です。
債務超過ですが黒字です。融資を受けられないでしょうか?
黒字であれば債務超過でも融資を受けられる可能性は高いでしょう。
大きな投資の失敗や、一時的な大きな赤字によって、一気に債務超過に陥ってしまうケースは少なくありません。
このような企業でも黒字を計上しているのであれば、次第に債務超過は解消できると考えられ、解消の見込みのある債務超過は全く問題ありません。
「今は債務超過だが、次第に解消できる見込み」と判断されれば、問題なく融資を受けられるでしょう。
売掛先が赤字や債務超過ではファクタリングを利用できないでしょうか?
ファクタリング審査では売掛先企業の信用が重視されます。
そのため売掛先企業が赤字や債務超過で「支払能力がない」と判断されてしまったら審査に通過できない可能性があります。
ファクタリングはノンリコースでおこなわれるので「できれば支払いできるかどうか怪しい企業に対する売掛債権を売却したい」と考えることも多いですが、このような売掛債権は審査に通過できない可能性があるので注意が必要です。
複数の売掛債権を手元に保有しているのであれば、できる限り業況のよい企業に対する売掛債権を売却しましょう。
赤字や債務超過の企業はM&Aができませんか?
赤字や債務超過の企業でもM&Aを実施できる場合があります。
収益力がなくても買い手にとって必要な技術や設備やノウハウやブランドを持っていれば、買い手にとって必要な事業を見做される可能性があるでしょう。
また、赤字になっている不採算の事業だけを切り離して事業譲渡することも可能です。
自社にとっては「売れるわけがない」と考えている事業でも他社からすれば魅力があるケースも多いので、赤字や債務超過の企業や、赤字事業を売却したい方はファクタリング会社へ相談してください。
赤字や債務超過の会社の資金調達をご提案
赤字や債務超過の企業は銀行にとってはリスクが高いため、融資の審査に通過できない可能性があります。
赤字や債務超過の企業が資金調達できる方法は限られており、そのうち1つの方法がファクタリングです。
また、たとえ自社の経営が順調であっても、元請けや取引先の事情でキャッシュ不足に陥ることがないとも言い切れません。
そんな万が一の場合に備えて、複数の資金調達方法を準備しておくことはきわめて重要です。
銀行融資や事業者ローン、日本政策金融公庫などの借入もひとつの資金調達方法ですが、より審査が簡単でリスクが低く、資金調達までのスピードが早いファクタリングをぜひご検討ください。