事業資金の調達方法
個人事業主資金調達方法10選とメリット・デメリット【完全版】
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個人事業主、自営業者の方は事業が順調で信用情報がクリーンであっても、社会的信用が得にくく、法人に比べてどうしても資金調達の選択肢が狭まってしまいます。

実際に、「個人であることを理由に融資を断られた」「法人成りすれば融資が可能と言われた」という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

「いざというとき、どこから、どうやって資金調達するか」は、個人の事業者の方にとって大きな課題です。

今回は、個人事業主や自営業者の方が利用しやすい資金調達方法とそのメリット・デメリットについて解説します。

記事の目次

日本政策金融公庫」個人事業主の資金調達方法①

日本政策金融公庫は財務省管轄の特殊会社で、主に国内の事業者に向けた資金調達支援を行う金融機関です。

民間の金融機関からの資金調達が難しい個人事業主や自営業者に対して、雇用の維持や創出、地域の活性化を目的とした融資を積極的に行っています。

融資を受ける条件としては「しっかりとした事業計画書がある」「税金を完納している」くらいで、業績や業歴のない事業者の方であっても無担保・無保証人で借り入れができます。

金利が1~2.5%(年利)と低く、審査の可決率も高いため、条件を満たしているのであればぜひとも活用したい資金調達方法です。

日本政策金融公庫を利用するメリット

日本政策金融公庫の融資制度を利用するメリットは次のとおりです。

  • 圧倒的に低金利(無担保・無保証人の新創業融資制度で~2.85%まで)
  • 審査の可決率が高い
  • 担保・保証人が不要の融資制度もある

圧倒的に低金利

無担保・無保証人の場合の一般貸付が2.16~2.45%の年利、同じく新創業融資制度が2.51~2.80%の年利と、業績・業歴の浅い個人の事業者が利用できる資金調達方法としては圧倒的な低金利で融資を受けられます。

審査の可決率が高い

日本政策金融公庫の融資制度は、民間の金融機関よりも条件が緩く、審査の可決率も高いです。

たとえば新創業融資制度の場合は、利用条件が「税務申告を2期終えていない」「所得税を完納」で、事業計画書が評価されれば審査に通ることは難しくありません。

担保・保証人が不要の融資制度もある

創業融資制度は担保も保証人も不要、一般貸付も個人営業の方なら不要です。しかも無担保・無保証人でも3%未満の金利で融資を受けられます。

日本政策金融公庫を利用するデメリット

日本政策金融公庫の融資制度を利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 調達するまでに時間がかかる
  • 創業融資の場合は10分の1の自己資金が必要

調達するまでに時間がかかる

必要書類が多く、申込から審査、融資実行まで平均して3週間~1ヶ月かかります。「急に資金が必要なった」というような早急な資金調達には向いていません。

創業融資の場合は10分の1の自己資金が必要

新たに事業を始める方、または事業開始後に税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金)を預金通帳等で確認できる必要があります。

信用保証協会の保証付融資」個人事業主の資金調達方法②

信用保証協会(全国信用保証協会連合会)は、小規模事業者の方が事業資金を調達する際に、保証人となって融資を受けやすくなるようサポートする公的機関です。協会は全国各地の金融機関にあり、各地域に密着して業務を行っています。

この信用保証協会が保証する融資を「保証付融資」といい、銀行や信用金庫などの金融機関で申し込みます。なお、信用保証協会を通さずに銀行から直接借り入れる融資を「プロパー融資」といいます。

保証付き融資の「保証」とは、万が一、借主の返済が滞った場合に、借主に代わって信用保証協会が金融機関に立替えを行うことです。借主は保証の対価として所定の信用保証料を支払います。

保証を利用するには「規模」「業種」「区域・業歴」の3つの基準を満たしていることが必要です。

規模 資本金か従業員数のいずれかの条件が合致していること
業種 農林漁業や金融業などの一部の業種は保証対象外
区域・業歴 各信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる

参考:http://www.zenshinhoren.or.jp/basic/index.html

「信用保証協会の保証付融資」のメリット

信用保証協会の保証付融資を利用するメリットは次のとおりです。

  • 金融機関からの融資が通りやすくなる
  • 融資枠を拡大することができる

金融機関からの融資が通りやすくなる

一般的にプロパー融資は業績や業歴、銀行との安定的な取引がなければ融資を受けることはできません。

保証付き融資であれば借り主が万が一返済できなくなっても保証協会が肩代わりしてくれるため、銀行側も融資を実行しやすくなります。

融資枠を拡大することができる

取引のある金融機関のプロパー融資と保証付き融資は併用することができるため、融資枠を拡大することができます。

信用保証協会の保証付き融資のデメリット

信用保証協会の保証付き融資を利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 信用保証料が発生する
  • 調達するまでにやや時間がかかる

信用保証料が発生する

信用保証協会の「保証」を受ける対価として、信用保証料が発生します。信用保証料は原則として融資実行時に支払います。

料率は借主の財務状況などから判断、9つの料率区分から適用されます。

調達するまで時間がかかる

申し込みから融資実行まで、1週間程度の時間がかかります。また、個人で利用する場合は確定申告書や納税証明書などの書類が必要となります。

信用金庫」個人事業主の資金調達方法③

信用金庫とは、信用金庫法にもとづく会員の出資による営利を目的としない協同組織の地域金融機関です。

「地域で集めた資金を地域の中小企業と個人に還元することにより、地域社会の発展に寄与する」という信用金庫の理念があり、各地域の方々が利用者・会員となって地元の事業を行っている中小企業、個人事業主の資金調達を支援しています。

たとえば東京都には東京信用金庫、多摩信用金庫、世田谷信用金庫、青梅信用金庫など地域密着型の信用金庫が20庫以上存在します。

「非営利」で「相互扶助」を掲げる金融機関であるため、銀行と比較すると個人事業主でも融資が受けやすいという特徴があります。

信用金庫のメリット

信用金庫の融資を利用するメリットは次のとおりです。

  • 個人でも親身になって対応してくれる
  • 貸し渋りや貸し剥がしがない
  • 信用金庫独自のサービスを利用できる

個人でも親身になって対応してくれる

信用金庫の強みは何と言っても、個人の事業者にも事業資金の支援や事業のサポートをしてくれるところです。

融資の審査では当然ながら経営状況や事業計画などが重視されますが、経営者の人柄や成長性もしっかりと見てくれます。

担当者が定期的に事業所を訪問して、資金需要がないか、困りごとはないかと親身になって気遣ってくれるため、個人の事業者の方にとっては長く付き合っていけるビジネスパートナーとなることでしょう。

貸し渋りや貸し剥がしがない

不景気が続いて借金の返済ができない事業者が増えると、銀行の不良債権が増加します。

不良債権は費用扱いになるため、銀行は自己資本が減少して業務停止となるリスクを避けるため、積極的に貸し渋りや貸し剥がしを行います。

貸し渋りとは経営状況の良し悪しにかかわらず融資を断ること、貸し剥がしとは借主が延滞なく返済しているにもかかわらず、融資の減額や停止を行うことです。

一方で、信用金庫は地域密着型の金融機関であるため、銀行ほど貸し剥がしや貸し渋りは行わず、比較的安心して長期の付き合いができます。

信用金庫独自のサービスを利用できる

信用金庫では、地元の事業者に対して独自のサービスを提供しています。

たとえば、信用金庫の創業支援サービスでは、新たに起業したい人に対して総合的なサポートを積極的に行っています。無料相談から事業計画を立てる際のアドバイス、事業開始に至るまでのトータルサポートが強みです。

ほかにもビジネスマッチングや貸し金庫など、銀行にはない独自のサービスが利用できます。

信用金庫のデメリット

信用金庫の融資を利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 銀行に比べて金利がやや高い
  • 大規模な借り入れはできない

銀行に比べて金利がやや高い

信用金庫は地域の中小企業・小規模事業者を相手に小さな金融取引を行っています。銀行に比べると1回あたりの取引にコストがかかってしまうため、信用金庫はメガバンクより1%、地方銀行より0.5%程度、金利を高くせざるを得ないのです。

大規模な借り入れはできない

信用金庫は銀行に比べて資金量が限られているため、数千万円、数億円といった大規模な借り入れはできません。

大規模な融資を希望するる場合は、ほかの金融機関への申し込みも検討した方が良いでしょう。

信用組合」個人事業主の資金調達方法④

信用組合とは信用協同組合のこといい、組合員の相互扶助を目的とし、組合員の経済的地位の向上を図る目的で作られた非営利の協同組合です。

たとえば東京都の信用組合には、大東京信用組合、文化産業信用組合、第一勧業信用組合などがあります。

信用金庫と同じ協同組織の金融機関ですが、根拠法や会員資格が違うだけで設立目的は同じです。

信用組合を利用するメリット

信用組合を利用するメリットは次のとおりです。

  • 個人でも親身になって対応してくれる
  • 貸し渋りや貸し剥がしがない
  • 信用金庫独自のサービスを利用できる

個人でも親身になって対応してくれる

信用金庫と同じく、地元企業や事業者に対しさまざまな支援サービスを行っています。

創業間もない、業績や業歴がまだない事業者でも、資金調達の相談に乗ってもらえるでしょう。

貸し渋りや貸し剥がしがない

信用金庫と同じく地域密着型の金融機関であるため、貸し剥がしや貸し渋りの可能性は低く、比較的安心して長期の付き合いができます。

信用組合を利用するデメリット

信用組合の融資を利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 銀行に比べて金利がやや高い
  • 大規模な借り入れはできない

銀行に比べて金利がやや高い

銀行に比べると1回あたりの取引にコストがかかってしまうため、金利がやや高めです。

大規模な借り入れはできない

資金量が限られているため、大規模な融資は受けることができません。

ビジネスローン」個人事業主の資金調達方法⑤

ビジネスローンとは、金融機関が金利を高く設定することで審査の許容範囲を広げた融資商品のことです。

幅広い金融機関で取り扱いがありますが、現在の主流は信販会社や消費者金融業者など、いわゆるノンバンク系が中心となっています。

たとえばSMBCグループの金融会社SMBCコンシューマーファイナンスのプロミスでは、個人事業主に限定した「自営者カードローン」を取り扱っており、銀行の融資に比べて金利は高いものの、審査の可決率は高いという特徴があります。

ビジネスローンのメリット

ビジネスローンを利用するメリットは次のとおりです。

  • 最短即日の借入が可能
  • 審査の可決率が高い
  • コンビニATMで24時間いつでも借入・返済ができる
  • 利用限度額まで繰り返し使うことができる

最短即日の借入が可能

コンピューターによる自動審査「スコアリングシステム」により、利用者の申し込み情報や信用情報、決算情報などを入力するだけで、自動的に融資の可否や融資可能額(限度額)が決定します。

わざわざ融資の担当者が利用者の信用情報や書類等から融資の可否を審査する必要がないため、早ければ即日で審査が完了、融資が実行されます。

審査の可決率が高い

前述したとおり、金利を上げるかわりに審査の可決率を高くしているため、業績や業歴の少ない個人事業主や自営業者の方でも融資を受けられる可能性が十分にあります。

コンビニATMで24時間いつでも借入・返済ができる

ビジネスローンの多くはカードローンの仕組みで事業性資金を借りられる「ローンカード型ビジネスローン」を採用しています。

コンビニATMなどで24時間いつでも借入・返済ができる利便性の高さがあります。

利用限度額まで繰り返し使うことができる

カードローンに「利用限度額(枠)」と言う仕組みがあります。

たとえば100万円の利用限度額が設定されていたとして、50万円を借り入れた場合、残り50万円は再申し込み不要でいつでも借入ができます。

契約中に利用限度額が増額がされる場合もあれば、逆に減額される場合もあります。

ビジネスローンを利用するデメリット

ビジネスローンを利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 金利が高い(6~18%)
  • 利用限度額が低い(50万~1,000万円)

金利が高い

ビジネスローンの金利は約6~18%と、銀行や信用金庫、公的金融機関などと比べるとかなり高めに設定されています。

高い金利で長期の借り入れをすると資金繰りが圧迫される原因にもなるため、利用前にしっかりとした返済計画を立てる必要があります。

一方で、短期返済のめどが立っていれば、30日無利息期間などを利用してノーコストでの資金調達も可能です。

利用限度額が低い

ビジネスローンの利用限度額は50万~500万円、最大でも1,000万円までです。事業性のある使途に限られる資金調達方法でありながら、設備投資のような大きな資金需要には向きません。

ファクタリング」個人事業主の資金調達方法⑥

ファクタリングとは、支払期日前の売掛金(売掛債権をファクタリング会社に譲渡して資金化する資金調達方法のことです。

通常、商品やサービスを納品したときの代金は「月末締め翌月末支払い」や「月末締め翌々月末支払い」というように、30~60日先まで入金を待たねばなりません。

しかし、ファクタリングを利用すれば手数料こそかかるものの、支払期日前の売掛金を最短即日で事業用に使える現金にできるのです。

ファクタリングにも審査がありますが、審査の対象は支払い元である売掛先(クライアント)です。したがって、売掛先が大手企業や国・自治体の機関であればほぼ審査に通ります。

個人事業主や自営業者の方がファクタリングを利用する場合、利用者とファクタリング会社の2社間で契約する「2社間ファクタリング」で売掛金の売買が行われます。

ファクタリングを利用するメリット

信用組合を利用するメリットは次のとおりです。

  • 売掛金があれば比較的審査に通りやすい
  • 最短即日で資金調達ができる
  • 第三者に知られることなく売掛金の譲渡ができる

売掛金(売掛債権)があれば比較的審査に通りやすい

ファクタリングの審査では利用者の返済能力や事業規模、信用情報よりも、売掛金の支払い元である売掛先の信用力が重視されます。

したがって、個人事業主の方が赤字経営や債務超過などを理由に銀行から融資を断られていても、信用力の高い売掛金があれば審査に通過することができます。

最短即日で資金調達ができる

予め必要書類を揃えたうえで2社間ファクタリングに申し込めば、最短即日~1営業日で資金調達ができます。

申し込み、契約に必要な書類は次のとおりです。

申し込みに必要な書類
  • 本人確認書類(免許証・パスポートなど)
  • 通帳の入出金(WEB通帳含む)
  • 請求書・見積書・基本契約書(取引先との契約関連書類)
契約に必要な書類
  • 納税証明書
  • 印鑑証明書

第三者に知られることなく売掛金の譲渡ができる

2社間ファクタリングの最大のメリットは、売掛先や取引銀行など第三者に一切の通知・承諾の必要なく売掛金の譲渡ができることです。

売掛先や取引銀行との関係悪化を懸念する方であっても、2社間ファクタリングなら秘密厳守なので安心して利用できます。

ファクタリングを利用するデメリット

信用組合の融資を利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 手数料が高い(10~20%)
  • 債権回収業務は通常どおり行う

手数料が高い(10~20%)

2社間ファクタリングの手数料は10~20%が相場です。

たとえば100万円の売掛金を手数料20%で譲渡した場合、利用者の方は現金80万円を受け取ることになります。これは30日~60日後に受け取れたはずの満額よりも20万円少ない金額です。

ファクタリングは将来的な売上アップや経費削減の見込みがあるうえで利用しなければ、資金繰りを圧迫したり、ファクタリングに依存したりするおそれがあります。

ただし、ファクタリング会社の中には利用者の方の人柄などを考慮して、10%よりも低い手数料率で売掛金を買い取る業者もありますので、複数のファクタリング会社に見積もりを依頼することをおすすめします。

債権回収業務は通常どおり行う

2社間ファクタリングでファクタリング会社に売掛金を譲渡しても、債権回収業務は通常どおり行う必要があります。

期日通りに入金された売掛金は、1営業日以内にファクタリング会社に支払います。

エンジェル」個人事業主の資金調達方法⑦

エンジェルとは、創業間もない企業や起業家に資金を供給し、その対価として株式や転換社債を受け取る個人投資家のことです。

起業家が必要とする資金を援助するだけでなく、ビジネス面でのバックアップ、経営アドバイスなどのトータルサポートを行っています。

エンジェル投資家と起業家は専用のマッチングサイト(日本では”Founder”など)を通じてつながることができます。

エンジェルを利用するメリット

エンジェルを利用するメリットは次のとおりです。

  • 返済不要の資金を調達できる
  • 経営のアドバイスが受けられる

返済不要の資金調達ができる

エンジェル投資家は起業家に対して、融資ではなく「出資」をします。出資は返済不要のお金で、エンジェル投資家は出資金の対価として株式を受け取ることが一般的です。

たとえ事業に失敗したとしても、出資金を返済する義務はありません。

経営のアドバイスが受けられる

元起業家や大手企業の役員、社長など、経営のプロフェッショナルがエンジェル投資家になっています。

エンジェル投資家の人脈や過去の経営経験からのアドバイスなど、資金面のみならず事業にとって有益なサポートを受けられることにも期待できます。

エンジェルを利用するデメリット

エンジェルを利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 経営に介入される
  • 投資詐欺のリスクもある

経営に介入される

エンジェル投資家は自身の経験から経営についてアドバイスをしてくれる頼もしいパートナーです。

しかし、投資家の介入は起業家からすると窮屈とか、ビジネスの自由度が低いと感じることもあるでしょう。

投資詐欺のリスクもある

欧米に比べて日本のエンジェルはメジャーな資金調達方法となってはおらず、とくに法規制や資格等もありません。

過去には”自称”エンジェル投資家による詐欺事件も発生しているため、たとえマッチングサイト経由であっても経歴や実績の不確かな投資家には十分な注意が必要です。

クラウドファンディング」個人事業主の資金調達方法⑧

クラウドファンディングとは、アイデアやプロジェクトを実現したい個人や企業が専用のインターネットサイトを通じて、不特定多数の人から出資を募る資金調達方法です。

当初は社会貢献事業に関するプロジェクトが主流でしたが、現在では中小企業や小規模事業者の活動、事業に対するファンディングが増えつつあります。

したがって、資金調達をする起案者が「法人」であるのか、「個人」であるのかは大きな問題になりません。

「集めた資金を何に使うのか?」が魅力的で、「出資した人に何を還元するのか?」に賛同が得られれば、十分な資金調達が可能です。

クラウドファンディングを利用するメリット

クラウドファンディングを利用するメリットは次のとおりです。

  • 信用情報や事業規模にかかわらず支援を募ることができる
  • 広告・宣伝効果がある
  • 集まった資金は返済や配当が不要

信用情報や事業規模にかかわらず支援を募ることができる

信用情報や事業規模、実績等を理由に金融機関から借入ができなかった人でも、クラウドファンディングなら資金調達ができる可能性があります。

クラウドファンディングはプロジェクトやアイデア魅力的で、出資の対価となるリターンに旨味があると判断されれば、高額な出資金を募ることができるのです。

広告・宣伝効果がある

クラウドファンディングは出資を募るのみならず、専用サイトやSNS等を通じてプロダクトを広告・宣伝できるという効果もあります。

すなわち、起案者に知名度がなくてもプロダクトが広く受け入れられれば、資金も見込み客も集めることができるのです。

集まった資金は返済や配当が不要

クラウドファンディングは出資者へのリターンが求められますが、集まった資金は返済や配当が不要です。

クラウドファンディングを利用するデメリット

クラウドファンディングを利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 支援者の共感がなければ資金が集まらない
  • 申し込みから入金まで時間がかかる

支援者の共感がなければ資金が集まらない

当然ながら、資金を調達して実現したいプロジェクトやプロダクトに支援者からの共感が得られなければ、十分な資金を集めることはできません。

申し込みから入金まで時間がかかる

クラウドファンディングの平均募集期間は30~45日、プロジェクトが成立して資金が入金されるまでは約2ヶ月ほどかかります。

少なくとも申し込みから入金までに3~4ヶ月かかるため、急ぎの資金調達には向いていません。

補助金・助成金」個人事業主の資金調達方法⑨

補助金とは、事業活性化のための設備投資や新商品開発など、一定の条件を満たした事業者に経済産業省が交付するお金のことです。補助金を受給するには、業種や資本金、従業員数などの条件に加え、決算報告書や事業収支予算書などを提出して書類審査を通過する必要があります。

助成金とは、雇用や能力開発など、一定の条件を満たした事業者に厚生労働省が交付するお金のことです。書類上の不備がなく、規定の条件を満たしていればほぼ確実に受給することができます。

補助金・助成金を利用するメリット

補助金・助成金を利用するメリットは次のとおりです。

  • 返済不要
  • 売上ではなく雑収入になる

返済不要

補助金も助成金も、国や自治体が条件を満たした事業者に対して交付する公金ですので、返済の必要はありません。

条件を満たせば複数の制度に申請して、数百万円の資金を手にすることもできます。

売上ではなく雑収入になる

補助金や助成金として受け取ったお金は売上ではなく雑収入になるため、消費税の課税対象になりません。

補助金・助成金を利用するデメリット

補助金・助成金を利用する際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • 要件が厳しい
  • 受給まで時間がかかる場合もある

要件が厳しい

補助金、助成金の不正受給を防止するため、受給要件は厳しくなっています。さらに、どの制度も申請期限が決まっており、一日でも遅れると受給できません。

必要書類を不備なく揃える、面接に備えて資料を作成するなど、申請を通すためには相応の準備が必要です。

受給まで時間がかかる場合もある

基本的に対象となる制度の期間が終了してから交付されます。制度にもよりますが、多くの場合は入金まで6ヶ月以上、なかには1年以上かかるものもあります。

家族・親戚・友人・知人」個人事業主の資金調達方法その⑩

個人の場合、法人に比べて社会的信用力に乏しいため、金融機関からの借入が難しいという状況があります。どうしても金融機関からの資金調達が難しい場合には、家族・親戚・友人・知人からお金を借りるという方法も検討しましょう。

家族・親戚・友人・知人からお金をかりるためには、それまでに信頼関係を築いていることはもちろん、返済の目処も立てておく必要があります。

家族・親戚・友人・知人からお金を借りるメリット

家族・親戚・友人・知人からお金を借りるメリットは次のとおりです。

  • 良好な人間関係であれば借りられる可能性が高い
  • ローリスクで借りられる

良好な人間関係であれば借りられる可能性が高い

金融機関から借り入れするケースと違い、周囲の人が事業に対して理解があり、良好な人間関係が構築できていれば、書類審査などを経ずにお金を借りられる可能性があります。

ローリスクで借りられる

信頼関係が構築できている人からお金をかりる場合、非常識な金利や無理な返済期日を設定されることはほとんどないでしょう。

返済計画をしっかりと立てたうえでお願いすれば、無利子や出世払いなど、きわめてローリスクでお金を借りられる可能性があります。

家族・親戚・友人・知人からお金を借りるデメリット

家族・親戚・友人・知人からお金を借りる際に注意したいデメリットは次のとおりです。

  • お金が返せなければ信頼関係が崩れる
  • 周囲の人に大きな負担をかけることになる

お金が返せなければ信頼関係が崩れる

お金を借りることができても、返すことができなければ、当然ながら信頼関係は崩れてしまいます。

周囲の人に大きな負担をかけることになる

借りるお金が大きいほど、貸してくれた人にとっては大きな負担となります。万が一、借金を返せなくなった場合は相手の家族にも経済的な負担を強いることになるでしょう。

個人事業主は「法人成り」することも視野に入れよう!

まったく同じ経営状況でも、資金調達のしやすさは

法人 > 個人事業主

になってしまいます。

なぜなら、個人事業主には決算がないからです。

法人は決算で経営状況を公的に申請する義務があります。個人事業主も経営状況を確定申告や青色申告で申告しますが、法人の決算書と比較すると融資決定に必要となる情報が不足しているのです。

また、個人事業主は自分の生活費なども事業の経費として計上してしまうケースが少なくありませんが、法人であれば会社と代表者の会計をきっちり分ける必要があります。

金融機関から見てどちらが信用に足るかは言うまでもありませんね。

同じ利益を出しているのであれば、個人事業主よりも法人の方が圧倒的に融資の審査に通りやすいのです。

したがって、個人事業主から法人へ「法人成り」することも、有効な資金調達方法の一つとなります。

個人事業主の資金調達は経営状況に合わせたものを選ぶ

今回ご紹介した個人事業主、自営業者向けの資金調達方法をまとめると次のとおりです。

  1. 日本政策金融公庫
  2. 「信用保証協会の保証付融資」
  3. 「信用金庫」
  4. 「信用組合」
  5. ビジネスローン
  6. ファクタリング
  7. 「エンジェル」
  8. 「クラウドファンディング」
  9. 「補助金・助成金」
  10. 「家族・親戚・友人・知人」

どの資金調達方法にも、メリット・デメリット、そして活用すべきタイミングがあります。

資金が必要なときは、「いつまでに、何のために、いくら資金が必要なのか」「(返済が必要な場合は)無理のない金利や返済期間は」など、経営状況を把握したうえで最適な資金調達方法を選びましょう。

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  • 売掛先との契約書類
  • 発注書、納品書、請求書など
  • 身分証明書
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