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ファクタリングなら信用情報ブラックでも資金調達が可能です。
銀行融資やビジネスローンを利用するにあたって、必ず照会されるのが信用情報です。
信用情報は、金融機関に現在どれくらいの借り入れがあるか、顧客に融資して延滞や回収不能になるリスクがないかを判断するための客観的な判断材料となります。
過去に、支払いの遅れなどの債務不履行等の金融事故を起こしていると、この信用情報にその履歴が記録されることになります。
そしてこの信用情報の悪さによって借入などの契約ができないことを指して信用情報ブラックと言われます。
ファクタリングにおいては「信用情報ブラックでもファクタリングで資金調達は利用できるか?」という疑問が必ず取り沙汰されます。
今回は、信用情報とファクタリングの関係について、ブラックでも資金調達ができる方法としてご説明します。
※本記事は2021年2月時点の法令に基づき監修されています。
FPとして、社労士として働く人と企業にお役に立つ情報を発信していきます。
このことから、銀行融資ではクレジットカードなどの事故はチェックされないと考える人がいるかもしれませんが、3機関の情報交流ネットワークに登録された延滞情報などによって審査が通らないこともあります。
記事の目次
そもそも「信用情報ブラック」とは何か
「ブラックリスト」という言葉を耳にしたことのある方もいらっしゃるかと思います。
金融業界においてブラックリストというリストが存在するわけではありません。
しかし金融機関から融資を受けていたものの、長期にわたって返済が滞っていたり、破産したりしていた場合、「事故情報」として信用情報に登録されてしまいます。
このようなかたを金融業界では俗に信用情報ブラック、ブラックリストなどと呼びます。
ちなみに税金や社会保険料、公共料金といった公金の滞納は信用情報には無関係です。
では信用情報ブラックになると、何が起こるのでしょうか?
信用情報ブラックになるとどうなる?
結論から言うと、信用情報ブラックになると一定期間、新たに融資を受けることができなかったり、各種ローンが組めなかったり、クレジットカード等が作れなくなったりします。
信用情報は国の個人信用情報機関によって管理・共有されており、銀行や日本政策金融公庫などの金融機関では審査の際に必ず照会されます。
審査で信用情報に何らかの事故情報が登録されていることが発覚した場合、信用度が低いと判断されてしまい、融資を受ける際に不利になってしまいます。
ただし、事故情報は永久に消えないというわけではありません。
信用情報ブラックになる情報
では一体、どのような情報が信用情報に記録されるとブラックになるのでしょうか?
基本的には次のような行為が信用情報ブラックになります。
- 債務整理(自己破産、個人再生、任意整理)
- 強制解約(携帯電話契約などの強制解約)
- 長期延滞(2ヶ月超のクレジットカードやローンの滞納)
- 代位弁済(借入金の滞納によって保証会社が金融機関へ立て替えて返済した)
法的な手段によって債務を減額したり、長期間返済しない状態が続くと信用情報ブラックになると理解しておきましょう。
事故情報が削除される期間
各信用情報機関によって異なりますが、一定の期間が経過すると事故情報は履歴から削除されます。
日本には銀行系の「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」、クレジットカード系の「CIC」、そしてクレジットカード・キャッシング系の「JICC(日本信用情報機構)」の3つの信用情報期間があります。
それぞれ事故情報が消えるまでの期間は次のとおりです。
KSC | CIC | JICC | |
延滞 | 5年 | 5年 | 1年 |
代位弁済 | 5年 | ― | ― |
任意整理 | 5年 | 5年 | 5年 |
自己破産 | 10年 | 7年 | 5年 |
強制解約 | ― | ― | 5年 |
いつか事故情報は消えるとはいえ、登録されてから消えるまでの期間は決して短いものではありません。
また、上記の年数は該当する債務を完済してからの年数です。
つまり、長期延滞によってブラックになった方は、当該債務を完済してから5年間はブラックのままですので、完済までに7年かかった場合は、合計12年間はブラックのままとなり、この期間は新規でローンを借りることもクレジットカードを契約することも厳しくなります。
急な資金調達が必要でも信用情報ブラックだと、銀行融資やビジネスローンの審査で不利になってしまいます。
そんな信用情報ブラックでも早期の資金調達を可能にするのがファクタリングです。
会社を経営するには資金繰りが重要です。融資は資金繰りを円滑にする効果的な手段なため、いつから融資を受けられるかを知っておくことは大切です。
申込ブラックとは
個人信用情報にはローンやクレジットカードへ申し込みをおこなうと、その申し込みをおこなった情報が登録されます。
この申込情報の数が多い人を申込ブラックということがあります。
申込ブラックの人は「こんなにローンやクレジットカードへ申し込みをしているんだからお金に苦しい」などと判断されるので審査でネガティブに判断されることが一般的です。
複数のローンやクレジットカードへ同時に申し込みをおこなうと、審査で不利になると言われるのは、一度に多くの申込情報が記録され、申込ブラックになるためです。
ただし、個人信用情報に申込情報が登録されるのは6ヶ月間のみです。
6ヶ月を経過すると申込情報は削除されるので、申込ブラックではなくなります。
そのため、申込ブラックは一般的なブラックやブラックリストの方とは異なります。
なお、ファクタリングの申し込みをしても申込情報には記録されません。そのためファクタリングは同時に複数社へ申し込みをしても全く問題ありません。
ファクタリングと信用情報ブラックでも利用可能
ファクタリングに関してのご相談で、お客様から必ずと言っていいほどいただくご質問が、「銀行の審査に通らなかったけどファクタリングできますか?」というものです。
確かに資金調達の面で事故情報が登録されているという事実は、少なからずマイナスとなります。
しかし、ファクタリングは資産である売掛金を売却して現金化する資金調達法なので、借り入れ(負債)ではありません。
結論的に言えばブラックリストでもファクタリングは利用できます。主な理由は次の4点です。
- ファクタリングは融資ではない
- ファクタリングで審査されるのは売掛先企業
- ファクタリング会社は信用情報機関に加盟していない
- ファクタリングは総量規制の対象外
ファクタリングは融資ではないので、融資であれば必ず適用される様々なルールが適用対象外です。
ファクタリングがブラックでも利用できる理由について詳しく解説していきます。
ファクタリングは融資ではない
ファクタリングは融資ではありません。
主に個人ローンの審査では貸金業法に、審査の際は個人信用情報を確認することという趣旨の決まりがあるので、必ずローン審査はでは個人信用情報の確認をおこないます。
(返済能力の調査)
第十三条2貸金業者が個人である顧客等と貸付けの契約(極度方式貸付けに係る契約その他の内閣府令で定める貸付けの契約を除く。)を締結しようとする場合には、前項の規定による調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。
引用:e-Gov法令検索|貸金業法
審査では必ず信用情報を確認し、そこでブラックであることが分かると審査通過は不可能です。
しかし、ファクタリングは融資ではないので、個人信用情報を確認することは法的な義務ではありません。そのため、ファクタリング審査では個人信用情報を確認することはせず、もしも信用情報ブラックの個人事業主が申し込みをおこなったとしても、ファクタリング審査ではブラックであるかどうかすら分からないというのが実情です。
ファクタリングで審査されるのは売掛先企業
銀行融資やビジネスローンの審査では必ず信用情報が照会されますが、一方、ファクタリングの審査で重要なのはお客様の信用情報ではなく「売掛先の信用情報」です。
ファクタリング会社にとって、「売掛先の企業から債権の買い取り代金が回収できるかどうか」が審査の最重要ポイントとなります。
なぜなら、万が一売掛先の企業が倒産等で債務不履行(デフォルト)に陥った場合、未回収リスクを被るのはファクタリング会社だからです。
そのため、お客様の信用情報よりも売掛先の企業の信用情報の方が、私たちファクタリング会社が重要視するポイントとなります。
ですから、売掛先であるお客様の取引先の企業の経営状態が良好であれば、
たとえお客様が
- 信用情報ブラックでも
- 税金に未払いがあっても
- 赤字決算であっても
ファクタリングをご利用いただくことができます。
ファクタリング会社は信用情報機関に加盟していない
そもそも、ファクタリング会社のほとんどが信用情報機関に加盟していません。
審査の際に個人信用情報を確認できるのは信用情報機関に加盟している業者だけです。
信用情報機関には金融機関・消費者金融・信販会社・クレジットカード会社など、お金を貸したり、割賦販売をおこなったり、クレジットカードを発行する業者が加盟しています。
信用情報機関に加盟できる企業は限られており、CICの加盟条件は次のように定められています。
・CICが定める資格要件を充足していることがCICの審査において認められること。
・貸金業法の規定に基づき、貸金業者として登録を受けていること、または登録の申請を行っていること。
・割賦販売法の規定に基づき、包括信用購入あっせん業者、登録少額包括信用購入あっせん業者または個別信用購入あっせん業者として登録を受けていること、または登録を受ける予定であること。
引用:CIC|加盟資格
ファクタリング会社は貸金業者でも包括信用購入あっせん業者等でもないので、そもそも信用情報機関に加盟する資格がありません。
そのため審査の際に「ブラックかどうか」を知ることが不可能です。
ファクタリングは総量規制の対象外
ファクタリングは融資ではありません。そのため総量規制の対象外でもあります。
貸金業法では総量規制が設けられており、融資の限度額は総額で年収の3分の1以内と定められています。
そのため融資の審査では個人信用情報を確認し、他社借入残高の合計が総量規制に抵触しないかどうかの審査が必要です。
しかしファクタリングは融資ではないため貸金業法は適用されません。そのため、個人信用情報を確認し、総量規制に抵触しているかどうかを調べる必要がないのです。
個人事業主の方で個人の借入が総量規制の枠いっぱいになってしまった場合でも、ファクタリングであれば総量規制の対象外ですので、問題なく資金調達が可能です。
売掛金の回収だけでなく、依存度によっては取引先の動向が将来の経営に関わることもあります。
ファクタリングは信用情報に登録されない
さらに、ファクタリングを利用しても信用情報には登録されません。
信用情報期間に加盟している金融機関が融資を行った場合、信用情報に融資の事実を登録することが義務付けられますが、ファクタリングは融資ではないため登録の義務がなく、信用情報に影響しないのです。
つまり、他の金融機関はファクタリングの事実を知ることすらないので、将来的に銀行融資やビジネスローンを利用する際の審査にマイナスの影響を及ぼすことはありません。
しかし、ファクタリングを利用すれば融資が受けられないわけではないので安心してください。会社の経営状況(収益や資産、将来見通しなど)が勝負です。
ファクタリングの審査に通らないケース
ファクタリングはブラックリストの人でも審査に通過することができます。
しかし次のようなケースでは審査に通過できない可能性があるため注意しましょう。
- 売掛先企業が反社会的勢力
- 売掛先企業の支払能力が疑われる
- 売掛債権の実在性が疑わしい
- ファクタリング会社の条件に利用者が合致しない
- 売掛債権の入金期日が長すぎる
- 利用者が社内ブラックになっている
- 利用者の資金繰りが極端に悪い
- 申し込みの情報に虚偽が疑われる
これらの状況であれば、信用情報に問題があってもなくても審査に落ちる可能性があります。
ファクタリング審査に通過できない可能性がある8つの理由について詳しく解説していきます。
売掛先企業が反社会的勢力や公共性を害している
売掛先企業が反社会的勢力に該当したり、その構成員である場合には、ファクタリング会社が代金を回収できないリスクが高いので審査に通過できない可能性があります。
また売掛先企業が風俗業などの公共性に反する業種だった場合も、ファクタリング会社のコンプライアンスに引っ掛かり審査に通過できないケースもあります。
売掛先企業の業種などが不安な場合には、あらかじめファクタリング会社に問い合わせるか、複数のファクタリング会社へ同時に見積もりを出すなどの方法で手持ちの売掛債権がファクタリングの対象になるかを確認した方がよいでしょう。
売掛先企業の支払能力が疑われる
売掛先企業の支払能力が疑われるようなケースでは審査に通過できません。
ファクタリングの審査はあくまでも売掛債権が期日通りに支払われるかどうかが重視されます。
そのため、売掛先企業が赤字や債務超過の場合や、売掛債権の金額が売掛先企業の規模から鑑みて小さすぎる場合には審査通過が困難です。
スムーズに審査に通過したいのであれば、できる限り売上規模が大きく、業績良好な企業に対する売掛債権を売却しましょう。
売掛債権の実在性が疑わしい
売掛債権の実在性が疑われる場合も審査に落ちる可能性があります。
- 利用者の売上規模から見て売掛債権の金額が大きすぎる
- 利用者の業種とは無関係な業種企業に対する売掛債権
- 初めての取引先に対する売掛債権
- 請求書以外に取引を証明する資料(契約書等)がない
これらの条件に合致する売掛債権を売却した場合、売掛債権の実在性が疑わしいと判断されて審査に落ちてしまう可能性があります。
実在性を疑われないため、できる限り、これまで継続的に取引がある企業に対する売掛債権を売却するようにしてください。
ファクタリング会社の条件に利用者が合致しない
ファクタリング会社で定められている利用条件に利用者や売掛債権が合致しない場合、どんなに売掛債権の支払能力に問題がなくても審査に通過することは困難です。
ファクタリング会社によって次のような条件が定められていることがあります。
- 利用できるのは法人のみ
- 買取下限額が高い
- 買取上限額が低い
- 個人事業主に対する売掛債権の買取には応じない
業者によって条件は異なるものの、これらの条件に違反している場合は審査に通過できません。ファクタリングの申し込みをする前に、ファクタリング会社が提示している条件に合致しているかどうかを確認した方がよいでしょう。
売掛債権の入金期日が長すぎる
売掛債権の入金期日が長すぎると審査では不利になりますし、あまりにも長いとその時点で審査に落とされることがあります。
例えば1ヶ月先が入金期日の売掛債権と、3ヶ月先が入金期日の売掛債権では3ヶ月先の方が審査で不利になります。
1ヶ月先よりも3ヶ月先の方が売掛先企業の業績が悪化するリスクが高くなるためです。
また、ほとんどのファクタリング会社は3ヶ月先の入金期日が限度で、それ以上長い期間の売掛債権の買取はおこなっていません。
スムーズに審査に通過したいのであれば入金期日が短い売掛債権をファクタリングした方がよいでしょう。
利用者が社内ブラックになっている
利用者や売掛先企業が過去にファクタリング会社とトラブルをおこし、社内ブラックになっている場合は、そのファクタリング会社へ申し込みをしても審査に通過できません。
社内ブラックとは社内のブラックリストのようなもので、信用情報とは無関係に「この企業(人)とは取引をしない」という顧客のリストのことです。
過去にトラブルがあった取引先と再度取引をしてしまったら再びトラブルになる可能性が高いので、各社は社内ブラックリストのようなものを作成し、取引禁止の顧客を一覧にしています。
例えば利用者や売掛先企業が、過去にファクタリング会社への支払いに遅れたことがある場合、そのファクタリング会社の社内ブラックになっている可能性が高いので審査通過は難しいでしょう。
ファクタリング会社を選ぶ際には、過去にトラブルがあった業者は避けるようにしてください。
利用者の資金繰りが極端に悪い
2社間ファクタリングの場合、利用者の資金繰りがあまりにも悪く、今日にも明日にも資金ショートしそうな場合には審査通過が非常に難しくなります。
2社間ファクタリングでは、売掛債権の期日に売掛先企業が利用者へ代金を支払い、その代金を利用者がファクタリング会社へ送金する形で代金回収をおこないます。
利用者に一度代金が経由するので、あまりにも利用者の資金繰りが悪いと代金を流用することなどが懸念され、審査に落とされてしまうことがあるのです。
また、架空の売掛債権を作成したり、すでに他社へ譲渡した売掛債権を二重で譲渡することなども疑われます。
ファクタリング審査は赤字や債務超過やブラックリスト入りでも通過できることがありますが、資金繰りが本格的に悪化している場合は審査にマイナスです。
本格的に資金繰りが悪化する前に余裕をもって申し込みましょう。
申し込みの情報に虚偽が疑われる
ファクタリングの申し込みをした際に申告した情報に虚偽が疑われるような場合も審査に通過できません。
ファクタリングのようなお金のやり取りは、最後は「相手が信頼できるかどうか」で決まるので、虚偽申込が発覚すると「信頼できない人間」と判断され、審査では非常に不利になります。
そのため、審査に通りたいという思いから虚偽申込をすることは絶対に避けてください。
また、申込内容に重大な間違いがあると、意図していないのに虚偽申込と判断される可能性もあります。
虚偽申込と疑われることがないよう、申込の際には正しい内容を申告するとともに、決算書などの必要書類を手元に用意したうえで申し込みをおこなってください。
ファクタリングを利用するメリット
信用情報に問題がある方が借入の代用としてファクタリングを利用することのほかにファクタリングを利用することには次のようなメリットがあります。
- 最短即日で資金調達できる
- 売掛債権の未回収リスクを排除できる
- 売掛先に秘密にできる
- 負債が増えない
審査の面以外でファクタリングを利用することの4つのメリットについて詳しく解説していきます。
最短即日で資金調達できる
ファクタリングはブラックリストの人でも最短即日で資金調達できます。
ブラックの人は融資を受けられたとしても金融機関は慎重に審査をおこなうので、審査完了までには時間がかかります。
しかしファクタリングではブラックかどうかは審査では全く影響しないため、審査通過までに時間がかかりません。2社間ファクタリングであれば最短即日で資金調達できるので「すぐに資金が必要」という緊急時にも重宝します。
信用情報ブラックの個人事業主や法人代表者にとってはスピーディーに資金調達できる貴重な資金調達手段であるといえるでしょう。
売掛債権の未回収リスクを排除できる
売掛債権の未回収リスクを排除できる点もファクタリングの非常に大きなメリットです。
ファクタリングはノンリコース(償還請求権なし)で実施されるので、ファクタリング後に売掛債権が回収不能になったとしても、未回収のリスクはファクタリング会社が負います。
そのため、ファクタリングによって売掛債権の未回収リスクを完全に排除できる点が大きなメリットです。
貸倒引当金の積立も必要ありませんし、売掛金の回収管理なども基本的には不要になります。
ファクタリングの利用によって未回収時のさまざまなリスクや手間から解放される点は非常に大きなメリットだといえるでしょう。
売掛先に秘密にできる
2社間ファクタリングを利用する場合、売掛先企業に秘密にできる点も大きなメリットです。
2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社の2社だけで契約するファクタリングですので、売掛先企業にファクタリングの利用を知られることはありません。
売掛先企業にファクタリングの利用を知られることによって「業績が悪い企業」「倒産するかもしれない」などと自社を悪く評価され、その後の取引継続に悪影響する可能性があります。
しかし2社間ファクタリングを利用すれば、取引先にファクタリングの利用を知られることはないので、取引先からの評判悪化などの懸念なく安心してファクタリングの手続きをすることが可能です。
負債が増えない
ファクタリングは借入ではありません。したがってファクタリングで資金調達をおこなっても負債が増えることはありません。
負債が増えないので、貸借対照表が大きくなることはありませんし、自己資本比率が下がることもありません。
特に今は貸借対照表はできる限り小さくするオフバランス化が評価される時代です。
借入をおこなうと負債が増える分だけ貸借対照表の総額は大きくなってしまいますが、ファクタリングの場合は資産を売却して資金化しているだけですので、貸借対照表が大きくなることはありません。
借入ではない資金調達方法のファクタリングは、自社の貸借対照表の外部からの評価を向上させられる点は大きなメリットです。
ファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリングを利用することはメリットが多い話ばかりしてきましたが、ファクタリングにはデメリットも数多くあります。
実際にファクタリング会社へ申し込む前に次のような注意点についてもしっかりと頭に入れておきましょう。
- 手数料が高額
- 調達可能額が限られる
- 違法・悪徳業者が多い
- 資金繰りが改善するのは一定期間のみ
ファクタリング利用時の4つの注意点について詳しく解説していきます。
手数料が高額
ファクタリングは手数料が高額です。
ファクタリング | 手数料相場 | 年利換算の手数料 (期間1ヶ月の売掛債権の場合) |
---|---|---|
2社間ファクタリング | 5%〜20% | 60%〜240% |
3社間ファクタリング | 1%〜5% | 12%〜60% |
ファクタリングの手数料は年利ではないので、期間1ヶ月の売掛債権をファクタリングした場合の年利は60%〜240%もの超高額になります。
毎月のようにファクタリングを利用した場合、売掛債権金額の倍以上の手数料を負担しなければなりません。
手数料負担は収益にも資金繰りにも非常に大きな負担となるので、ファクタリングは本当の緊急でお金に困った際のみ使用するようにしてください。
調達可能額が限られる
ファクタリングは調達可能額が限られてしまう点にも注意が必要です。
ファクタリングで調達できる金額は売掛債権金額が限度です。すなわち月商を超えるような金額の資金調達は不可能です。
1つの取引先に対する1ヶ月分の売上程度の金額がファクタリングで調達できる金額の限界です。
銀行融資であれば数ヶ月分の運転資金や、高額な設備資金の借り入れができます。しかしファクタリングではそのような高額の借り入れをおこなうことはできないので、少しの支払いの資金が緊急で必要になった場合など、緊急かつ少額の入用の際に活用してください。
違法・悪徳業者が多い
ファクタリング業者の中には違法業者や悪徳業者が非常に多くなっている点にも注意が必要です。
融資をおこなう貸金業者とは異なり、ファクタリング業を営むには免許や登録や行政への許認可などは一切不要です。つまりどんな業者でも営業できます。そのため、違法業者や悪徳業者が多くなっています。
- 手数料が相場を超える業者
- 売掛債権の未回収時のリスクを負わない(ウィズリコース(償還請求権あり))の業者
これらの業者は違法業者・悪徳業者の可能性が非常に高いといえます。
金融庁もファクタリングの会社の業者選びについては注意喚起をおこなっています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
しかし、近時、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されています。また、ファクタリングとして行われる取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものは、貸金業に該当するおそれがあります。
事業者の皆様におかれては、こうした偽装ファクタリングを利用することのないよう、十分注意してください。
引用:金融庁|ファクタリングの利用に関する注意喚起
業者を選ぶ際には、手数料が相場の範囲内であることと、ノンリコース(償還請求権あり)で実施されることは最低限確認したうえで契約してください。
資金繰りが改善するのは一定期間のみ
ファクタリングで資金繰りが改善するのは、ごく一定期間のみです。
その後はむしろ資金繰りはさらに大変になると認識し、計画的に利用することが非常に重要です。
ファクタリングは将来の入金期日になれば入金になる売掛債権を売却して前倒しで資金化しているだけですので、当初の入金期日には予定されていた入金がなくなります。
そのため、当初の入金期日には再度資金繰りが苦しくなってしまいます。この時にまたファクタリングを利用してしまったら、延々と高額な手数料を負担し続けなければなりません。
そこでファクタリングで調達した資金が手元にある間に、銀行から長期借入金を借りたり、不要な資産を売却するなどして資金調達をおこなうことで、本質的な資金繰り改善をおこなう必要があります。
ファクタリングで資金繰りが楽になるのは一定期間のみと理解し、別途本格的な資金繰り改善方法を検討しましょう。
ブラックリストの人が審査が甘いファクタリング会社を探すポイント
ブラックリストの方で「審査に通過できるか心配」という方は次のようなポイントを押さえてファクタリング会社を探すことで、より審査に通過できる可能性は高くなるでしょう。
- 手数料が低すぎない
- 即日融資の可否
- 審査通過率を公表している
- 買取可能額の下限が低い
- 3社間ファクタリング
ブラックリストの方が審査に通りやすいファクタリング会社の特徴について詳しく解説していきます。
手数料が低すぎない
ファクタリング会社の手数料は業者によって大きく異なります。
そして、手数料があまりにも低い業者は審査が厳しい傾向にあります。また法人のみしか利用できないケースも少なくありません。
そのため、個人事業主にも対応しており、手数料の設定に幅があるファクタリング会社を選択した方がよいでしょう。
中には手数料の上限が5%程度のファクタリング会社も存在しますが、そのような業者ではある程度厳しい審査がおこなわれるので審査に通過できないこともあります。
反対に、手数料が高い業者は負担が重いため、どのような売掛債権もリスクに見合って柔軟に審査をおこなってくれる手数料に幅がある業者を選んだ方がよいでしょう。
即日融資の可否
即日融資に対応してくれる業者は審査に通過しやすい傾向がります。
即日融資に対応している業者はスムーズに審査をおこなうので、主に売掛債権のリスクに重点を置いて審査をする傾向があります。
つまり利用者の業況が悪くても、売掛先企業の信用に問題さえなければ審査に通過できる可能性が高いのです。
信用情報がブラックになるほど業況に問題がある企業が申し込んだ場合、実際には審査完了までに時間がかかることもありますが、より審査に通過できる可能性を高めたいのであれば、即日融資に対応した業者を選択しましょう。
審査通過率を公表している
審査通過率を公表している業者も審査に通過しやすい業者です。
審査通過率を公表する理由は「審査に通りやすいですよ」とアピールしたいためです。そのような業者は多少利用者のリスクが高くても売掛債権の信用に問題さえなければ審査に通過できる可能性が高いでしょう。
ファクタリング会社の中には95%を超えるような非常に高い審査通過率を公表しているところもあるので、そのような業者へ申し込むことで、信用情報がブラックでも審査に通過できる可能性があります。
買取可能額の下限が低い
買取可能額の下限が低い業者も審査には通過しやすい業者です。
1万円〜などと買取可能額が低い業者は、比較的リスクが高い小規模事業者や個人事業主に対する買取を積極的におこなっているということですので、柔軟な審査をおこなっています。
反対に買取額が100万円〜などと高額になっている業者はある程度の売上規模を誇る法人を前提として審査をおこなっているので、リスクの高い小規模事業者は審査に通過しにくいといえます。
審査に自信がないのであれば、買取可能額の下限が低い業者を選択しましょう。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングは利用者に対する審査をほとんどおこないません。
契約時には売掛先企業の同意を得て、入金期日には売掛先企業が直接ファクタリング会社へ代金を支払うので、架空債権や二重譲渡や代金流用のリスクが低いためです。
そのため、3社間ファクタリングは資金繰りが非常に悪く今日にも明日にも資金ショートしそうな企業であっても審査に通過できる可能性があります。
自社の業況を原因として、審査に通過できる自信がないのであれば、2社間ファクタリングではなく、3社間ファクタリングを選択しましょう。
ブラックリストとファクタリングについてよくある質問
ファクタリングとブラックリストについてよくある質問は次のとおりです。
- 個人事業主がブラックリストでもファクタリングを利用できますか?
- 審査なしのファクタリングは安全に利用できますか?
- 1社の審査に落ちたら他のファクタリング会社の審査には通らないでしょうか?
- ファクタリング会社間で情報共有はしていますか?
- 絶対審査に通るファクタリングは存在しますか?
- 一般個人で信用情報がブラックです。ファクタリングは利用できますか?
個人事業主がブラックリストでもファクタリングを利用できますか?
利用できます。
個人事業主本人の信用情報がブラックだとしても、ファクタリング会社はその情報を知ることができません。売掛先企業の支払能力に問題がなければ審査に通過できる可能性は高いでしょう。
審査なしのファクタリングは安全に利用できますか?
安全に利用できません。どのファクタリング会社も自社に損失が及ばないよう、審査は厳格におこなっています。
そのため、真っ当なファクタリング会社であれば「審査なし」ということはあり得ないためです。
「審査なし」というだけで闇金の可能性が非常に高いので、絶対に契約しないようにしてください。
1社の審査に落ちたら他のファクタリング会社の審査には通らないでしょうか?
そのようなことはありません。ファクタリングへ申し込みをしても信用情報に申込情報が記録されるわけではないので、審査では「他のファクタリング会社の審査に落ちた」などの情報は知られません。
何社申し込んでも審査で不利になりことはないので、自分に合った業者や手数料の低い業者を見つけるため、複数のファクタリング会社へ同時の申し込みをおこない、相見積をとってください。
ファクタリング会社間で情報共有はしていますか?
基本的にはしていません。
しかし異なるファクタリング会社が同じグループ内に属していた場合には、情報が共有されている可能性があります。
例えば、OLTAは金融機関と提携し、複数のファクタリング商品を展開していますが、実際に審査をしているのはOLTA1社ですので、異なる金融機関で申し込みをおこなっても意味はありません。
また、トラブルが合った場合は共有されます。
一方、完全に異なる業者が運営するファクタリング会社であれば、基本的に情報共有はおこなわれないので、過去にトラブルを起こしたことがある1社で審査に落ちても他社の審査に通過できる可能性があります。
絶対審査に通るファクタリングは存在しますか?
存在しません。
ファクタリングでは必ず審査がおこなれる以上、絶対に審査に通ることなどあり得ません。
「絶対審査に通る」という広告を打っている会社は闇金の可能性が高いので取引を控えた方がよいでしょう。
一般個人で信用情報がブラックです。ファクタリングは利用できますか?
一般個人はファクタリングは利用できません。ファクタリングは事業の取引によって生じた債権である売掛債権を売却して資金調達する方法です。ブラックであろうとなかろうと一般個人はファクタリングは利用できないため注意してください。
なお、一般個人の給料日前の未払い分の給料を給料債権と見做して売却し、早期に資金化する「給料ファクタリング」という方法は「ブラックOK」「絶対審査に通る」などと広告しています。
しかし給料ファクタリングは違法な闇金として金融庁は強く注意喚起をおこなっています。
「給与ファクタリング」などと称して、業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します。
貸金業登録を受けていないヤミ金融業者により、年率換算すると数百~千数百%になる手数料を支払わされたり、大声での恫喝や勤務先への連絡といった私生活の平穏を害するような悪質な取立ての被害を受けたりする危険性があります。
(中略)
ヤミ金融業者を絶対に利用しないでください。
引用:金融庁|ファクタリングの利用に関する注意喚起
「個人向けのファクタリング」と見たら闇金と判断し、絶対に利用しないでください。
まとめ
ファクタリングと信用情報の関係について、押さえておくべきポイントは次のとおりです。
- 信用情報がブラックだと融資の審査では不利になりますが、ファクタリングは融資ではないためブラックでも利用できます。
- ファクタリングの審査で重要視されるのは、売掛先の企業の信用情報です。
- ファクタリングを利用しても、利用者様の信用情報には影響がありません。
私どもベストファクターがメインで取り扱っている2社間ファクタリングは、審査終了後に最短即日の入金が可能です。
売掛先の企業に通知することがなく、償還請求権なし(ノンリコース)の契約ですので、信用情報に不安のある中小企業様にご利用いただいております。
一般的に2社間ファクタリングは手数料が20%~30%と高いイメージが持たれがちですが、弊社では手数料「2%~」から買取を実施しております。
さらに、弊社は資金調達や財政コンサルティングのプロとして、ファクタリングのみならず、お客様皆さまに資金繰りの改善や経営の効率化による会社の事業成長も視野に入れたトータルサポートをご提案させていただいております。
ファクタリングの利用が可能かどうか、いつ・いくら入金されるのかなどご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
私たちベストファクターは、ファクタリングを通してお客様のビジネスの発展に尽力させていただきます。