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請求書の現金化=ファクタリングで資金調達をする仕組みと実際の成功事例をご紹介します。
こんにちは、ベストファクターの四ツ柳と申します。
中小企業や個人事業主、自営業者の間で第三の資金調達方法として注目を集めている「ファクタリング」。
ファクタリングは「請求書現金化サービス」とも言われています。取引先から未回収の売掛債権(売掛金)の存在を証明する請求書があれば、ファクタリング会社が買い取って最短即日で現金調達ができます。
請求書現金化サービスは、
- 緊急で事業資金が必要だが、銀行から融資を断れて困っている
- 従業員の給与や取引先への仕入れ代金、税金・社会保険等の支払い期日が迫っている
- 設備投資や事業拡大のための資金が必要
- 借金とは異なる方法で資金調達ができる方法を探している
といった会社様、事業主様にこそ利用をご提案したいサービスです。
今回は請求書の現金化で資金調達ができる仕組みと、実際にファクタリングで資金調達に成功された利用者さまの事例をご紹介します。
FPとして、社労士として働く人と企業にお役に立つ情報を発信していきます。
しかし、成功事例として紹介した、ファクタリングによる「大型案件受注のための資金調達」や「設備投資費の調達」は次の利益につながります。
成功すれば資金繰りの改善にもつながるため、メリット・デメリットを理解して有効活用しましょう。
記事の目次
請求書の現金化が注目される背景とは
ファクタリングとは、入金前の請求書をファクタリング会社が買い取り、所定の手数料を差し引いた買取代金を最短即日で振り込むサービスです。
一般的なBtoBビジネスでは、取引先に対して商品やサービスを提供すると、通常1~2ヶ月後に代金の支払いを受けます。このような取引の形態を信用取引(掛取引)といい、まだ受け取っていない代金を請求することのできる権利を「売掛債権」、代金そのものを「売掛金」と呼びます。
信用取引は取引先に現金の持ち合わせがないときにも商品やサービスを売ることができ、なおかつ後払いにすることで商品の単価の増加も見込めるというメリットがあります。
一方で、売掛金が入金されるまでの期間(支払いサイト)が長ければ長いほど、代金を受け取れるタイミングが先延ばしになり、資金繰りに悪影響を与えます。
さらに、売掛金には5年の「時効」があるため、支払期限から数えて5年が経過してしまうと回収不能となって資金を確保することができません。
売掛金の未回収期間が長引けば、売上はあるのに手元のキャッシュがない資金ショートに陥ります。手元に資金がない状態では事業経費の支払いや借入金の返済もままならず、正常な会社経営をしていくのが困難となり、事実上の黒字倒産を招いてしまいます。
ファクタリングを利用すれば、急な支払いへの対応や資金繰り悪化の解消が可能です。請求書の買取には1%~20%程度の手数料が差し引かれますが、入金日を待たずにまとまった現金を調達できます。
借入に依存せざるを得ない中小企業や個人事業主、自営業者にとっては、負債を抱えることなくまとまった現金を調達できるため、経済産業省も積極的な利用を推進しています。
不動産担保に大きく依存している銀行融資以外にも、売掛債権を活用して資金調達ができる手段があることを知っておきましょう。
銀行融資、公的金融機関の制度融資、ビジネスローンに加え、借金ではないファクタリングを活用できれば、事業資金が必要なときに切れるカードが増えます。
ファクタリングで請求書を現金化するメリット
ファクタリングは融資と異なる債権譲渡契約ですので、担保・保証人が不要で請求書を早期に現金化できます。
さらに、請求書を現金化することで以下のようなメリットが得られます。
最短即日で資金調達が可能
企業や事業者の資金調達方法として最も利用されている銀行融資は、申し込みから審査、入金まで時間がかかる上に諸手続きが面倒です。すぐに資金が必要で、書類作成や審査に時間をかけられない場合は、ファクタリングで資金調達をするのが良いでしょう。
ファクタリングには最短即日入金のサービスや、ネットや郵送で完結するサービスもあります。
請求書を現金化することで、たとえば従業員の給料日を目前にして資金が不足した場合にカバーしたり、大型案件の受注のための準備金を調達したりするなど、さまざまなケースで活用できるでしょう。
債権回収の手間が省ける
売掛金の回収は重要な業務のひとつですが、取引先の数が多くなるほど煩雑になり、請求漏れや取引先のミスなどのリスクが発生する可能性が高まります。
限られたリソースの中で請求書作成、債権回収業務を行ったはずが思いがけないミスで支払いが遅れてしまい、資金繰りが悪化してしまっては本末転倒です。
ファクタリングで請求書を現金化すれば、簡単な手続きで売掛金の入金を早めることができます。
さらに、契約内容によってはファクタリング会社が債権者に代わって回収業務を行うため、債権回収の手間が省け、調達した資金を使って資金繰り改善にリソースを集中することもできます。
貸し倒れリスクを回避できる
貸し倒れリスクとは、信用取引において、債務者(取引先、売掛先)の経営状態や財務状態の悪化で債権回収ができない状態に陥るリスクのことをいいます。
前述の通り、債権回収ができなければ、売上があっても現金がないために経営難に陥る黒字倒産のリスクも高まります。
ファクタリングで売掛債権を譲渡することにより、以後ファクタリング会社が貸し倒れリスクまで引き継ぐため、債権者は債務者の経営悪化や倒産した場合の未回収リスクを回避することが可能です。
償還請求権がない
ファクタリングには償還請求権がありません。
償還請求権とは、売掛先の倒産等が原因で売掛金の回収ができなかったときに、ファクタリング会社が利用者に対して買い戻しを請求できる権利のことです。
手形割引や売掛債権担保融資(ABL)といった流動資産を活用した融資は「償還請求権あり」ですので、手形や売掛債権が不渡りとなれば利用者に買い戻しの義務が発生します。
融資ではないファクタリングには償還請求権がないため、売掛先が倒産して売掛金が回収不能となっても、利用者に一切の責任は問われません。
資産のオフバランス化で経営指標が向上
売掛債権をはじめ、会社や事業者は債権をできるだけ早く現金に換えるに越したことはありません。いつまでも保有しておくと資金繰りが悪化したり、貸し倒れリスクが高くなったりします。
ファクタリングで請求書を現金化すると、バランスシート(貸借対照表)の資産の部から債権を外し、総資産額を減らすことができます。これを「資産のオフバランス化」と言い、利益はそのままで総資産額が減る利益純資産利益率(ROA)が向上します。
銀行等の金融機関では、同じだけの利益を上げていても総資産が少ない会社のほうが優れた経営をしていると判断される傾向にあります。すなわち、ファクタリングで請求書を現金化することは、経営指標の向上つながるのです。
審査が通らない可能性があることと、手数料が高くなることを覚えておきましょう。
ファクタリングで請求書を現金化する仕組み
ファクタリングには、大きく分けて「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。
両者の違いの最大のポイントは「債務者(取引先、売掛先)」の関わり方です。どちらの契約を選ぶかによってファクタリング手数料や入金までのスピードが異なりますので、自社の資金調達目的に合った契約を選択しましょう。
2社間ファクタリングの仕組み
- 事業主様とお取引先の間で売上・売掛金が発生する
- 事業主様が保有の請求書をファクタリング会社が買い取る
- 請求書の買取額が事業主様の指定の口座に入金される
- 期日通りにお取引先より売掛金が支払われる(回収は事業主様が行います)
- お取引先より支払われた売掛金をファクタリング会社に入金する
2社間ファクタリングは事業主様(ファクタリング利用会社、債権者)とファクタリング会社の2社間で契約するファクタリングです。お取引先(売掛先、債務者)への通知および買取の承諾を得る必要がないため、秘密厳守で最短即日~3日以内の資金調達ができるというメリットがあります。
支払期日が訪れると、売掛期はいったん事業主様の口座に振り込まれます。事業主様は預かった売掛金をただちにファクタリング会社に弁済しなければなりません。
ただし、ファクタリング会社に弁済すべき売掛金を、自社の資金繰りに流用してしまうリスクが懸念されます。そのスクヘッジとして、ファクタリング会社は手数料を10%~20%と高めに設定しています。
3社間ファクタリングの仕組み
- 事業主様とお取引先の間で売掛金が発生する
- 事業主様が保有の売掛金をファクタリング会社が買い取る
- 債権(売掛金)譲渡をお取引先に通知、承諾を得る
- 法務局にて債権譲渡登記を行う
- 売掛金の買取額が事業主様の指定の口座に入金される
- 期日通りにお取引先からファクタリング会社へ売掛金が支払われる
3社間ファクタリングは事業主様とお取引先、ファクタリング会社の3社間で契約するファクタリングです。契約を結ぶにあたり売掛先への通知および承諾を得る必要があるため、現金の受け取りまでに15~30日間の期間を要します。ただし、ファクタリング手数料は1~5%と低めに設定されており、契約締結後の債権回収、取り立て、貸し倒れリスク等はファクタリング会社が引き継ぎます。
「請求書の現金化」で資金調達に成功した事例
税金や経費の支払い、設備投資の費用、入金がない期間の資金ショートの回避と、事業を行っていくうえで資金調達が必要になるシーンは少なくありません。ここでは、ベストファクターで請求書を現金化、資金調達に成功した会社様、事業者様の事例をご紹介します。
大型案件受注のための資金調達をファクタリングで実現
建設業者Mさん:ファクタリングで外注費の資金調達
建設業は工事が完工しても調査が終了するまでは工事代金を受け取ることができないため、どうしても入金待ちの間に資金不足に陥りがちです。地域密着型の建設業者を営まれているMさんは、新規案件に対応するための外注費や材料費の支払いをファクタリングによる資金調達でカバーされました。税金対策で意図的に赤字決算にされているMさんは銀行融資に頼ることができず、別の資金調達方法を模索されていた中で、早期に請求書を現金化できるファクタリングを選択。弊社より無償の財務コンサルもご提供して、資金繰りや資金計画の見直しをサポートさせていただきました。
銀行融資が望めない状況で設備投資費を調達
製造会社・社長Sさん:ファクタリングで設備投資費を調達
日本の中小零細の製造業者は総じて借入の依存度が高い傾向にあり、なおかつ金融機関からの借入が難しいと感じている経営者も少なくありません。従業員8名ほどの製造会社を営んでおられるSさん。生産ラインの効率化を図るための設備投資を検討、銀行に追加融資を申し込んだものの、設備投資費用をまかなえるだけの融資が見込めない状況でした。Sさんは回収前の元請けメーカーの売掛金を早期に現金化すれば設備費用がまかなえると知り、ベストファクターにご相談いただきました。会社の規模や返済能力に不安があっても、請求書を現金化するファクタリングであれば短期間での資金調達が可能です。
時間のかかる銀行融資から最短即日のファクタリングへ
人材派遣会社・社長Hさん:最短即日のファクタリングで人件費の資金を確保
人材派遣の業界は最盛期に比べると落ち着きを見せており、成熟・停滞期にあると言われています。人材派遣会社を経営されているHさんは、売上こそ伸びているものの売掛金の支払いサイトのずれでキャッシュ不足に陥りがちな状況にお悩みでした。加えて税金の支払いのタイミングと重なってしまったため、Hさんは早急な資金調達の必要にかられ、時間がかかる銀行融資よりも請求書現金化のファクタリングの利用を選択されました。スピード重視という希望があったので、なるべく手数料を抑えて2社間ファクタリングをご提案させていただきました。
手数料はかかりますが、それを上回る収益を挙げられるなら積極的にファクタリングを活用してもいいでしょう。
売掛債権が発生するたびにファクタリングで資金化していては、手数料負担でさらに資金繰りが逼迫するおそれがあります。
ファクタリングで早期の資金調達に成功したら、本丸である資金繰り改善の取り組みを進めていきましょう。
まとめ
請求書の現金化は、緊急で資金調達が必要になったときに、経営を圧迫しない範囲内で利用すべきです。
たとえファクタリングで資金調達に成功したとしても、期日に支払われるはずの売掛金はファクタリング会社に入金しなければなりません。即日でまとまった資金が調達できても、手数料が高ければ将来的に資金繰りが苦しくなるのは自明の理です。あくまでも、ファクタリングは「売掛金の前倒し」であることを意識する必要があります。
そこで弊社では、請求書の現金化サービスに加え、資金繰り問題を根本から見直す財務コンサルティング・サービスを提案しています。
単に資金をご用意するだけでなく、ビジネスパートナーとして、利用会社様さま・利用者さまの事業のお悩みや資金繰りの問題に真摯に向き合います。
まずはご相談ください。