ファクタリングの利用法
診療報酬ファクタリングとは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説
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ファクタリング【即日スビード資金調達】

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診療報酬は売上の7割〜9割を立て替えなければならず、資金繰りに課題を抱えた医療機関は多いと思います。

診療報酬ファクタリングとは、診療報酬債権を売却して早期に現金化する資金調達方法です。本来の期日を待たずに資金を確保できるため、運転資金の支払いが厳しいシーンで大いに役立ちます。

本記事では、診療報酬ファクタリングの仕組み・メリット・デメリット・利用における流れなどを解説します。

仕組みや特徴を事前に理解しておくと、急ぎのシーンでもスムーズな資金調達が可能です。急に資金の確保が必要になった時に備えて、本記事の内容を参考にしてください。

ファクタリングとは

まず、診療報酬ファクタリングの説明に入る前に、ファクタリングの仕組みを簡単に説明します。

ファクタリングとは、自社が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却して本来の期日よりも早く現金化する資金調達方法です。

資金調達の代表格である銀行融資よりもスピーディーに現金化できて、自社の資金繰りを早期に改善できる特徴があります。

ファクタリングの契約方法には、利用者・ファクタリング会社の2社間で取引を行う「2社間ファクタリング」と、売掛先も関与する「3社間ファクタリング」の2種類があります。

両者のサービスの違いは、以下のとおりです。

種類 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング
手数料 10%〜20% 1%〜10%
入金スピード 最短即日〜3日程度 1週間〜10日程度
売掛先への通知 なし あり
返金方法 売掛金の入金日に、利用者からファクタリング会社へ送金する 売掛金の支払い日に、売掛先からファクタリング会社へ送金する

上記のサービスのうち、診療報酬ファクタリングは3社間で行われるのが一般的です。

2社間よりも3社間のほうが手数料を安く抑えられるため、診療報酬ファクタリングは調達コストを抑えた資金調達が可能です。

診療報酬ファクタリングの概要と仕組み

診療報酬ファクタリングとは、診療報酬債権を売却して早期に現金化する医療機関向けのファクタリングです。

通常、医療機関で診療を受けると、患者は窓口で保険証を提示して1割〜3割の自己負担金を支払います。

医療機関は患者が支払った診療費の残額である7割〜9割を一旦立て替えて、月末締め・翌月10日請求で、社会保険診療報酬支払基金(社保)や国民健康保険団体連合会(国保)に診療報酬明細書(レセプト)を送付します。

医療機関が診療費の残額を受け取るまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 医療機関が1ヶ月分のレセプトを国保・社保に送付する
  2. レセプトの内容に不備がないかを国保・社保がコンピュータ・職員・審査委員の3段階で審査を行う
  3. 国保・社保が、保険者(健康保険組合など)に診療報酬を請求する
  4. 保険者から支払われた診療報酬を、国保・社保が医療機関へ支払う

上記のように患者の診療後は各機関でレセプトの確認を行い、請求月の翌月末頃に医療機関に支払われるので、入金までにおおむね2ヶ月〜3ヶ月程度かかります。

一般的に医療機関の運転資金は数千万円と多額な経費がかかるため、よほどの資金力がなければ倒産してしまいます。

このような場面で役立つのが診療報酬ファクタリングです。診療報酬ファクタリングを利用すれば診療報酬債権を1週間程度で現金化できるので、医療機関の倒産リスクを回避できるのです。

診療報酬ファクタリングの手数料

前述したように、診療報酬ファクタリングは一般的に3社間ファクタリングです。

3社間ファクタリングの手数料相場は1%〜9%ですが、診療報酬ファクタリングはそれよりも安く、1%〜5%程度になるケースが大半です。たとえば、1,000万円の診療報酬債権であれば10万円〜50万円程度の手数料となります。

診療報酬ファクタリングの5つのメリット

診療報酬ファクタリングのメリットは以下の5つです。

  1. 早期に資金調達できる
  2. 初月は2ヶ月分資金調達できる
  3. 審査通過しやすい
  4. 手数料が安くなりやすい
  5. 融資審査に影響を与えない

それぞれどのようなメリットが得られるのか順番に解説します。

1.早期に資金調達できる

診療報酬ファクタリングの最大のメリットは、早期に資金調達できる点です。

前述したように、診療報酬が入金されるまでには2ヶ月〜3ヶ月程度の時間を要するからです。仮に4月1日に患者へ診療を行った場合、6月25日あたりが入金となります。

運転資金が必要であるのにくわえて、医療機関は開業費用に数千万円かかっているケースは珍しくありません。参考までに、一般内科がテナント開業する際にかかる初期費用は6,000万円〜8,000万円程度と言われています。

運転資金と初期費用で資金面が圧迫されやすい医療機関にとって、早期に資金調達できる診療報酬ファクタリングは、資金繰りの救世主と言えます。

2.初月は2ヶ月分資金調達できる

診療報酬ファクタリングの初回利用時は2ヶ月分資金調達できます。

たとえば、3月分の診療報酬債権を4月にファクタリング会社に売却した場合、申込みの約1週間後に手数料を差し引いた診療報酬が入金されます。

くわえて、もともと入金予定だった2月分の診療報酬が4月25日に支払われるので、診療報酬ファクタリングを利用する初月は2ヶ月分資金調達ができるのです。

2ヶ月分のまとまった資金が調達できるので、医療機器の故障など緊急で多額の費用が必要になったシーンでも活用できます。

3.審査通過しやすい

審査落ちの懸念が少ないのも、診療報酬ファクタリングのメリットと言えます。

ファクタリング審査でもっとも重要視されるのは、売掛先の信用力です。なぜなら、ファクタリング会社が支払った債権の買取金額を最終的に返金してくれるのは売掛先だからです。

そのため、一般的な借入では利用者の返済能力次第で審査落ちしますが、ファクタリングでは利用企業の経営規模・財務状況が金融機関の要件を満たしていなくても審査に通過しやすい傾向にあります。

さらに、診療報酬ファクタリングは売掛先が厚生労働大臣公認の機関であるため、審査落ちの懸念はほとんどありません。

開業間もない・小規模クリニックなど、融資審査で不利になりやすい医療機関でも資金調達しやすい金融サービスです。

4.手数料が安くなりやすい

診療報酬ファクタリングは、手数料が安くなりやすいメリットがあります。

手数料はファクタリング会社の「利益」と「リスク対価」によって手数料率が変動するからです。

そのため、売掛先が医療保険制度の中枢機関である診療報酬債権は、貸倒れリスクが極めて低く、手数料が安くなりやすいのです。

前述したように、診療報酬ファクタリングの手数料は1%〜5%程度と通常のファクタリングに比べて低手数料に設定されています。

調達コストの負担が少ないので、資金調達方法の中でも比較的収益を圧迫しにくい方法と言えます。

5.融資審査に影響を与えない

診療報酬ファクタリングは融資ではなく、診療報酬債権の譲渡であるため、融資審査に影響を与えません。

一般的に融資で借入をすると、貸借対照表上は負債を表す「借入金」の残高が増加します。

貸借対照表は「企業がどの程度の資産を保有していて、その資産はどこから手に入れているのか」を表す資料です。そのため、貸借対照表の負債が多ければ金融機関から返済能力に問題があると評価されて、融資審査は落ちやすくなります。

しかし、診療報酬ファクタリングは債権の売却金額を「現預金」、ファクタリング会社に支払う手数料は「売上債権売却損」で会計処理をするので負債にカウントされません。

そのため、診療報酬ファクタリングであれば、資金調達をしていても融資審査に影響を与えないのです。

診療報酬ファクタリングの5つのデメリット

診療報酬ファクタリングのデメリットは以下の5つです。

  1. 手数料がかかる
  2. 2社間ファクタリングよりも時間を要する
  3. ファクタリングに依存しやすくなる
  4. 取り扱うファクタリング業者が少ない
  5. ファクタリングを装った違法業者も存在する

それぞれ詳しく解説します。

1.手数料がかかる

診療報酬ファクタリングの手数料によって、本来受け取れる報酬が減るのはデメリットです。

当然ですが、金融機関がサービスの対価として利息を請求するように、ファクタリングも手数料が発生します。診療報酬債権の譲渡時に手数料が差し引かれるため、医療機関の利益は減少します。

本来受け取れたはずの診療報酬が、すべて自社のものにならない点はデメリットです。

ただし、診療報酬ファクタリングは手数料が低いため、単発で利用した程度では資金繰り悪化は起こしにくいと言えます。

2.2社間ファクタリングよりも時間を要する

前述したように、診療報酬ファクタリングは一般的に3社間ファクタリングで契約をします。

3社間ファクタリングは診療報酬債権を売却する旨を、売掛先に通知して承諾を得る必要があります。そのため、2社間ファクタリングのように最短即日で入金はされません。

銀行融資と比較すれば早いですが、緊急性の高い資金調達において2社間ファクタリングにはおよびません。

3.ファクタリングに依存しやすくなる

診療報酬ファクタリングは、便利さゆえに依存しやすいのがデメリットです。

診療報酬ファクタリングは低手数料で利用できて、なおかつ入金スピードも1週間程度と早く大変使い勝手がよいサービスです。そのため、事業主が自己抑制しなければ、毎月のように継続してファクタリングしてしまう懸念があります。

しかし、リーズナブルでも手数料が必ずかかるため、利益率が低くなる点は企業としてマイナスです。

ファクタリングは利用の頻度が多すぎると、かえって資金繰り悪化を引き起こしかねません。あくまで緊急時など、重要なポイントだけ利用するようにしましょう。

4.取り扱うファクタリング業者が少ない

診療報酬ファクタリングは、医療機関に向けた専門的なファクタリングです。

一般的なファクタリング会社が取り扱わない診療報酬の知見が必要になるため、診療報酬の買取に対応している業者が少ないというデメリットがあります。

ファクタリング会社の選択肢が少ないと相見積もりを取った際に交渉できる材料が少なくなるので、よりよいサービスを受けるチャンスが減ると言えます。

5.ファクタリングを装った違法業者も存在する

ファクタリングを装った違法業者も存在する点には注意が必要です。

貸金業者とは異なり、ファクタリング業は資格や経験などの要件がなく参入障壁が低い業界です。そのため、「法外な手数料を請求する」「ファクタリングを装って高い利息で貸付する」といった悪徳業者に注意しましょう。

ファクタリングを装って貸付を行い、法外な手数料を要求する事件もあり金融庁も「ファクタリングの利用に関する注意喚起」を出しています。

ファクタリング会社を選ぶ際には公式サイトにて、「運営歴が長いか」「実績は多いか」の2点を確認しましょう。

診療報酬ファクタリングの利用における流れ

診療報酬ファクタリングの利用における流れは、以下の6ステップです。

  1. ファクタリング会社を選定・申込み
  2. 必要書類の提出・審査
  3. ファクタリング会社と債権譲渡契約を締結
  4. 国保・社保へ債権譲渡通知の送付
  5. ファクタリング会社より1回目の入金
  6. ファクタリング会社より2回目の入金

どのような順序で入金に至るのか、詳細を見ていきましょう。

1.ファクタリング会社を選定・申込み

まずは、ファクタリング会社の選定をします。

前述したように、診療報酬ファクタリングを買取対象にしているファクタリング会社は少数です。各ファクタリング会社の公式サイトで診療報酬債権の取り扱いの有無をチェックして、利用する業者を選びましょう。

複数社をピックアップしたら、各ファクタリング会社に相見積もりを取って条件のよい業者に申込みをします。

2.必要書類の提出・審査

ファクタリング会社に申込みすると、審査に向けて必要書類の提出を求められます。

ファクタリング会社によって必要書類は異なりますが、診療報酬ファクタリングでは主に下記の書類提出を求められます。

  • 本人確認書類
  • 通帳のコピー
  • 直近数ヶ月分の請求書
  • 登記簿謄本
  • 決算書
  • 印鑑証明書
  • レセプト
  • 保険医療機関指定通知書

これらの書類を提出後、ファクタリング会社による審査が始まります。

3.ファクタリング会社と債権譲渡契約を締結

審査に通過したら、ファクタリング会社と債権譲渡契約を締結します。
​​
後々のトラブルを防ぐためにも、内容に不明点があったらその場で担当者に確認して、契約書の控えを必ず受け取りましょう。

契約書の控えがあれば証拠書類となるので、万が一トラブルが発生した時に役立ちます。

4.国保・社保へ債権譲渡通知の送付

診療報酬ファクタリングは、医療機関・ファクタリング会社・支払基金(国保・社保)の3社間で契約を結びます。

ファクタリング会社との債権譲渡契約をした後は、支払基金へ債権譲渡通知の送付をします。支払基金から債権譲渡の承諾を得られるのを待ちましょう。

5.ファクタリング会社より1回目の入金

ファクタリングは原則一括払いですが、診療報酬ファクタリングは2回に分けて入金されます。

債権の買取額が2回に分けて振り込まれる理由は、支払基金による審査があるからです。前述したように支払基金ではレセプトの内容を、コンピュータ・職員・審査委員の3段階で審査を行うので時間を要します。

医療機関からの請求内容にミスがないか確認するまでの間は、請求額の8割程度から手数料を差し引いた買取額をファクタリング会社より受け取ります。

6.ファクタリング会社より2回目の入金

支払基金による請求内容の審査を終え、問題がなければ診療報酬がファクタリング会社に支払われます。

債権譲渡契約により、診療報酬を受け取る権利はファクタリング会社に移行しているため、診療報酬は支払基金からファクタリング会社に直接送金されます。

その後、ファクタリング会社から医療機関へ請求額確定後の残額が支払われ、ファクタリング取引は終了です。

診療報酬ファクタリングについてよくある質問

診療報酬ファクタリングについてよくある質問に回答しています。

  • 診療報酬ファクタリングの市場規模はどのくらいですか?
  • 介護報酬ファクタリングも診療報酬ファクタリングと同じ仕組みですか?

サービスの詳細について順番に解説します。

診療報酬ファクタリングの市場規模はどのくらいですか?

診療報酬ファクタリングの市場規模は、年々少しずつ拡大しています。

下記の表は、令和2年度〜令和4年度の診療報酬債権の譲渡を行った医療機関のデータをまとめたものです。

年度 医療機関等数 通知書数 金額(千円)
令和2年度 7,042 4,004 50,079,718
令和3年度 7,571 4,103 55,331,570
令和4年度 8,021 4,307 56,650,754

参照:社会保険診療報酬支払基金|令和4年度診療報酬等債権譲渡・差押等処理状況

このように、令和2年度〜令和4年度の2年間で診療報酬ファクタリングを利用する医療機関が979施設増えており、緩やかに増加傾向であることがわかります。

ファクタリングは経済産業省も資金調達方法として推奨しており、2020年4月には民法改正も行われ、より債権譲渡を活用しやすくなりました。

診療報酬債権に限らず、ファクタリング全体が今後さらに普及していくと考えられます。

介護報酬ファクタリングも診療報酬ファクタリングと同じ仕組みですか?

介護報酬ファクタリングと診療報酬ファクタリングは扱う債権が異なるだけで、仕組みは同じです。

医療ファクタリングは診療報酬ファクタリング以外にも、介護報酬ファクタリング・調剤報酬ファクタリングがあり、それぞれの違いは以下のとおりです。

ファクタリングの種類 債権の種類 利用する機関
診療報酬ファクタリング 診療報酬債権 病院やクリニックなどの医療機関施設
介護報酬ファクタリング 介護報酬債権 ケアハウスやデイサービスなどの介護施設
調剤報酬ファクタリング 調剤報酬債権 調剤薬局

いずれも、保険者から報酬が支払われるまでに2ヶ月以上かかるので、資金難に陥りやすいと言えます。

診療報酬ファクタリングはベストファクターに相談しよう!

診療報酬ファクタリングは手数料も低く、利用しやすい資金調達方法です。

しかし、その利用のしやすさから本来受け取れる報酬額より少ない状況に慣れてしまうと、経営悪化を起こす恐れがあります。

ファクタリングはあくまで緊急時など、ポイントで活用するようにするのが望ましいと言えるでしょう。なお、ベストファクターは診療報酬ファクタリングに対応しており、利用企業に対して無料の財務コンサルティングサービスも提供しています。

資金調達と同時に財務体質の改善をしたい医療機関の方は、ベストファクターに相談しましょう。

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