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新型コロナウイルス感染症の影響により、もっとも打撃を受けているのが飲食店と言っても過言ではありません。
緊急事態宣言による時短営業を余儀なくされている地域の飲食店はもちろん、それ以外の地域の飲食店も、全国的な外出自粛ムードで長期的な売上減少は必至です。
国や自治体、民間の金融機関は、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、中小企業や個人事業者を対象にさまざまな資金繰り支援を発動しています。
今回は2021年2月時点における、飲食店経営者が利用できる資金繰り支援制度をご紹介します。
記事の目次
飲食店の資金繰り支援制度まとめ
それぞれの資金繰り支援制度をクリックすると詳細にジャンプします。
<資金繰り支援制度> | <申請期限等> | <対象者要件> | <支援概要> |
雇用調整助成金 | 令和3年4月30日まで | 労働者に対して一時的に休業等を行うなど雇用の維持を図った事業主 | 休業手当の4/5(解雇等を行っていない場合は10/10)相当額を助成 |
生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付 | 期限なし | 売上▲5%以上 | 無担保・基準利率で別枠8,000万円まで |
マル経融資(新型コロナウイルス感染症関連) | 期限なし | 売上▲5%以上 | 別枠1,000万円まで |
衛生環境激変特別貸付 | 期限なし | 売上▲10%以上 | 別枠1,000万円まで |
新型コロナ対策資本性劣後ローン | 期限なし | スタートアップ企業や事業再生に取り組む方等 | 別枠7,200万円まで(中小事業は7.2億円) |
危機対応融資 | 期限なし | 売上▲5%以上 | 元高20億円以内、残高6億円以内 |
新型コロナ対策資本性劣後ローン(商工中金) | 期限なし | スタートアップ企業や事業再生に取り組む方等 | 別枠7.2億円まで |
セーフティーネット保証4号 | 令和3年6月1日まで | 売上▲20%以上 | 一般保証とは別枠で2.8億円までを100%保証 |
セーフティーネット保証5号 | 令和3年6月1日まで | 売上▲5%以上 | 一般保証とは別枠で2.8億円までを80%保証 |
危機関連保証 | 令和3年6月1日まで | 売上▲5%以上 | 一般保証とは別枠で2.8億円までを100%保証 |
特別利子補給制度 | 期限なし | 新型コロナウイルス感染症特別貸付等で借り入れを行った方 | 借入後当初3年間まで実質無利子化 |
欠損金の繰越し還付制度 | 欠損金の生じた事業年度の青色申告書の申告期限まで | 資本金の額が10億円以下の法人 | 前年度に納付した法人税の何割かを還付 |
雇用調整助成金(特例措置)
令和3年4月30日まで
<対象者要件>
経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、労働者に対して一時的に休業等を行うなど雇用の維持を図った事業主
<支援概要>
中小企業は休業手当の4/5(解雇等を行っていない場合は10/10)相当額を助成
支援制度の概要
助成限度額 | 中小企業は休業手当の4/5(解雇等を行っていない場合は10/10)相当額を助成 |
利率(年) | - |
返済期間 | - |
担保・保証人 | - |
参考URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000743293.pdf |
雇用調整助成金は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業等を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当相当額等を助成する制度です。
事業活動の縮小とは、売上高または生産量などの事業活動を示す指標の最近1ヶ月間(休業を開始した月、その前月または前々月でも可)の値1年前の同月に比べ5%以上減少していることを指します。
今般の新型コロナウイルス感染症への特例措置として、令和3年2月28日までの期限が4月30日まで延長されました。
雇用の維持のために休業・教育訓練を行った中小企業には、休業手当の4/5(解雇等を行っていない場合は10/10)相当額が助成されます。
日額上限は15,000円まで、対象者は正社員のほか、学生アルバイト・パート労働者も含まれます。
申込に必要な書類
詳しくはこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000644877.pdf
申込から融資までの流れ
- 休業計画および労使協定の締結
- 協定に基づき休業を実施、従業員に休業中の休業手当を支払い
- 支給申請
- 労働局の審査
- 支給決定額が口座に振込まれる
生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
期限なし
<対象者要件>
新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的な業況悪化を来たしているが、中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる生活衛生事業者
<支援概要>
無担保・基準利率・別枠8,000万円以内の貸付
ただし、6,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%(利子補給制度の適用あり)、4年目以降は基準利率
支援制度の概要
融資限度額 | 8,000万円(別枠) |
利率(年) | 基準利率1.26%~1.65% ただし、6,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%(利子補給制度の適用あり)、4年目以降は基準利率 |
返済期間 | 設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内) 運転資金 15年以内(うち据置期間5年以内) |
担保・保証人 | 不要 |
参考URL | https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_seiei_m.html |
生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付は、飲食店を含む生活衛生事業者を対象とした融資制度です。
新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に業況悪化を来しており、最近1ヶ月間等の売上高または過去6ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少しているが、中長期的には業況が回復することが見込まれる生活衛生事業者が、既存融資とは別枠で最大8,000万円までの融資を受けられます。
利率は基準利率1.26%~1.75%、6,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%、4年目以降は基準利率が適用されます。
さらに、一部の対象者は中小企業基盤整備機構から利子補給を受けることにより、当初3年の基準利率-0.9%の利子が実質無利子となる可能性もあります。
「一部対象者」に関しては、後半の利子補給制度の項目で解説します。
申込に必要な書類
最寄りの公庫支店へお問い合わせください。
申込から融資までの流れ
- 最寄りの公庫支店に融資の相談
- 各種確認資料、証明書の準備
- 融資の申込
- 公庫から融資決定通知
- 融資契約
- 融資実行
マル経融資(新型コロナウイルス感染症関連)
期限なし
<対象者要件>
新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方※
※商工会議所会頭、商工会会長等の推薦が必要
<支援概要>
通常の融資額+別枠最大1,000万円
マル経融資(新型コロナウイルス感染症関連)の概要
融資限度額 | 別枠最大1,000万円 |
利率(年) | 1.21%(特別利率F) ただし、別枠1,000万円以内で融資後3年目までは基準利率-0.9%(利子補給制度の適用あり)、4年目以降は特別利率 |
返済期間 | 設備資金10年以内(4年以内(別枠の1,000万円以内)) 運転資金 7年以内(3年以内(別枠の1,000万円以内)) |
担保・保証人 | 不要 |
参考URL | https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kaizen_m.html |
マル経融資は小規模事業者経営改善資金ともいい、商工会議所や商工会などの経営指導を原則6ヶ月以上受けている事業者が、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人で借り入れできる制度です。
現在、新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヶ月間等の売上高または過去6ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少しているまたはこれと同様の状況にある方を対象として、通常の融資額+別枠1,000万円の拡充措置が取られています。
金利は通常のマル経融資と同じく1.21%(特別利率F)ですが、当初3年間は特別利率-0.9%(利子補給制度の適用あり)、4年目以降は特別利率が適用されます。
マル経融資で借り入れを希望する事業者の方は、あらかじめ自治体の商工会議所や商工会などに相談しましょう。
当然ながら、商工会等に入会していない事業者の方がマル経融資に申し込むことはできません。
申込に必要な書類
- 前期・前々期の決算書および確定申告書
- 決算後6ヶ月以上経過の場合は最近の残高試算表
- 法人税・事業税・法人住民税の領収書または納税証明書
- 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 見積書・カタログ等(設備資金の申込みの場合)
マル経融資の申込から融資までの流れ
- 地域の商工会・商工会議所への加入、経営相談
- 商工会・商工会議所で金融指導を受け、経営改善に取り組む
- 商工会・商工会議所にマル経融資の相談
- 商工会・商工会議所から推薦を受ける
- 公庫から推薦を受けた事業者に融資決定通知
- 推薦を受けた事業者と公庫で融資契約
- 融資実行
衛生環境激変対策特別貸付
期限なし
<対象者要件>
新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期に比較して10%以上減少しており、今後も売上高減少が見込まれるが、中長期的に業況が回復し発展することが見込まれる生活衛生事業者
<支援概要>
別枠1,000万円
支援制度の概要
融資限度額 | 【飲食店営業および喫茶店営業】別枠1,000万円 |
利率(年) | 使いみち、返済期間、担保の有無によって異なる基準金利 ただし、振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合員の方については基準金利-0.9% |
返済期間 | 7年以内(うち据置期間2年以内) |
担保・保証人 | 要相談 |
参考URL | https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/shihonseiretsugo_m.html |
衛生環境激変特別貸付は、感染症または食中毒など衛生環境の激変によって一時的な業況悪化を来している生活衛生事業者の経営の安定を図るための特別貸付制度です。
令和2年2月21日付で、新型コロナウイルス感染症の発生により影響を受けた飲食店営業および喫茶店営業を営む方向けの衛生環境激変特別貸付が発動されました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、最近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期に比較して10%以上減少しているが、中長期的に業況が回復し発展することが見込まれる事業者が対象です。
融資額は既存の公庫の融資制度の借入額とは別枠で最大1,000万円まで、利率は使いみち、返済期間、担保の有無などによって異なる利率が適用されます。ただし、生活衛生同業組合の組合員で振興計画の認定を受けている方は、基準利率-0.9%の利率が適用されます。
申込に必要な書類
最寄りの公庫支店へお問い合わせください。
申込から融資までの流れ
- 最寄りの公庫支店に融資の相談
- 各種確認資料、証明書の準備
- 融資の申込
- 公庫から融資決定通知
- 融資契約
- 融資実行
新型コロナ対策資本性劣後ローン
期限なし
<対象者要件>
新型コロナウイルス感染症の影響を受けているスタートアップや事業再生に取り組む方
<支援概要>
別枠で7,200万円(中小事業は7.2億円)
支援制度の概要
融資限度額 | 7,200万円以内(別枠) |
利率(年) | 融資後3年間は1.05% 融資後3年経過後は、毎年直近決算の業績に応じる |
返済期間 | 5年1ヶ月、10年、20年のいずれか |
担保・保証人 | 要相談 |
参考URL | https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/shihonseiretsugo_m.html |
新型コロナウイルス感染症拡大を受け、公庫では令和2年8月より「資本性劣後ローン」の取り扱いを開始しています。
資本性劣後ローンとは、自己資本とみなすことができる返済順位の低い(劣後する)ローンを指します。劣後ローンで融資を受けた事業者が倒産や廃業した場合、他の債務を全て弁済した後、資産が残っていれば劣後ローンの返済に充てることになります。
新型コロナ対策資本性劣後ローンは業績連動金利により利息負担が抑えられ、また期日一括返済により返済負担が抑えられるため、中長期的な資金繰り安定化を図ることができます。
また、金融機関からは資本とみなされる(資本性)ことで財務安定化が図られ、金融機関からの融資が受けやすくなるというメリットもあります。
新型コロナ対策資本性劣後ローンの対象となる事業者は、以下のとおりです。
- J-Startupプログラムに選定された企業または中小企業基盤整備機構が出資する投資ファンドから出資を受けた方
- 中小企業再生支援協議会の支援を受けて事業の再生を図る方
- 原則として認定経営革新等支援機関(認定支援機関)の指導を受けて事業計画を策定した方であって、かつ民間金融機関等との協調支援により事業の発展又は継続を図る方
参考:https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/shihonseiretsugo_m.html
すでに公庫で別の融資制度で借り入れがある方でも、別枠で最大7,200万円まで(商工中金は最大7.2億円まで)融資が受けられます。
金利は当初3年間は1.05%(商工中金は0.5%)で固定、4年目以降は返済期間(5年1ヶ月、10年、20年のいずれか)と直近決算の業績に応じた利率が適用されます。
税引き後当期純利益額 | 期間5年1ヶ月 | 期間10年 | 期間20年 |
0円以上 | 3.40% | 3.40% | 4.80% |
0円未満 | 1.05% | 1.05% | 1.05% |
なお、審査時には商工中金が適切と認める事業計画書の提出、および融資時には契約から完済までの間に毎期の経営状況の報告等を含む特約の締結が必要です。
申込に必要な書類
詳しくはこちら
https://www.shokochukin.co.jp/disaster/pdf/covid_04.pdf
申込から融資までの流れ
- 最寄りの公庫の支店まで必要書類を郵送もしくはインターネット申込
- 公庫から面談等についての通知
- 面談
- 融資決定、借用証書など契約に必要な書類が公庫から郵送される
- 手続き完了後、融資金が登録した口座に入金
危機対応融資(商工中金)
<申請期間>
期限なし
<対象者要件>
最近1ヶ月等の売上高または過去6ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高が、前3年のいずれかの年の同期比5%以上減少している方
<支援概要>
元高20億円以内※、残高6億円以内、商工中金所定の利率(下限は日本公庫の基準金利1.11%)
※貸出額の累計
支援制度の概要
融資限度額 | 元高20億円以内、残高6億円以内 |
利率(年) | 商工中金所定の利率(下限は日本公庫の基準金利1.11%) |
返済期間 | 設備20年以内、運転15年以内(据置期間5年以内) |
担保・保証人 | 原則として無担保 |
参考URL | https://www.shokochukin.co.jp/disaster/pdf/covid_01.pdf |
危機対応融資とは、商工中金の危機対応業務のひとつとして提供する「新型コロナウイルス感染症特別貸付」です。
元高20億円以内、残高6億円以内の融資限度額を、公庫の基準金利1.11%を下限金利とする商工中金所定の利率で融資を受けられます。
さらに、以下の要件を満たす方は、利子補給制度が適用されます。
- 商工中金所定の利率が公庫の基準金利1.11%を上回る場合は、元高6億円の借入残高に対して、借入期間中にわたり、1.11%までの利子補給
- 元高3億円の借入残高に対して、当初3年間は0.9%の利子補給
元高3億円のお借入残高に対して一定の要件を満たす場合は特別利子補給制度も併用できるため、さらに金利が下がる可能性もあります。
ただし、商工中金は株主である中小企業組合と、その組合員を融資の対象としているため、未加入の場合は融資が受けられない可能性があります。
借入を検討する場合は、あらかじめ最寄りの商工中金の本支店に相談しましょう。
申込に必要な書類
- 借入申込書(危機対応制度融資用)
- 商業登記簿謄本の写し(履歴事項全部証明書)
- 決算書の写し(直近決算期3期分)
- 事業の概要が分かる資料
- 直近の売上高が把握できる資料
申込から融資までの流れ
- 申込みに必要な書類を準備する
- 最寄りの商工中金店舗の相談窓口へ申込み
- 商工中金で審査
- 融資実行
新型コロナ対策資本性劣後ローン(商工中金)
期限なし
<対象者要件>
新型コロナウイルス感染症の影響を受けているスタートアップや事業再生に取り組む方
<支援概要>
7.2億円(別枠)
支援制度の概要
融資限度額 | 7.2億円(別枠) |
利率(年) | 融資後3年間は0.5% 融資後3年経過後は、毎年直近決算の業績に応じる |
返済期間 | 5年1ヶ月、10年、20年のいずれか |
担保・保証人 | 不要 |
参考URL | https://www.shokochukin.co.jp/disaster/pdf/covid_04.pdf |
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている事業者に対して、商工中金が危機対応業務として資本性劣後ローンを提供しています。
融資対象者は基本的に公庫の資本性劣後ローンと同じですが、融資限度額や利率についてはこちらのほうが優遇されています。
融資限度額は別枠7.2億円まで、当初3年間は金利0.5%で固定、4年目以降は返済期間(5年1ヶ月、10年、20年のいずれか)と直近決算の業績に応じて見直しとなります。
税引き後当期純利益額 | 期間5年1ヶ月 | 期間10年 | 期間20年 |
0円以上 | 2.60% | 2.60% | 2.95% |
0円未満 | 0.50% | 0.50% | 0.50% |
なお、審査時には公庫や商工中金が適切と認める事業計画書の提出、および融資時には契約から完済までの間に毎期の経営状況の報告等を含む特約の締結が必要です。
飲食店の店舗経営を始めたばかりの経営者の方にとっては、劣後ローンの融資を受けることは難しいものの、複数店舗を持つ経営者の方であれば、借入金が資本として信用を受けることの意味合いは大きくなるでしょう。
申込に必要な書類
詳しくはこちら
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/shihonseiretsugo_info.pdf
申込から融資までの流れ
- 最寄りの公庫の支店まで必要書類を郵送もしくはインターネット申込
- 公庫から面談等についての通知
- 面談
- 融資決定、借用証書など契約に必要な書類が公庫から郵送される
- 手続き完了後、融資金が登録した口座に入金
セーフティーネット保証4号
<認定期間>
令和3年6月1日まで(認定申請を行うことができる期間)
<対象者要件>
①1年間以上継続して事業を行っている中小企業・個人事業者
②新型コロナウイルスの影響により最近1ヶ月間の売上高または販売数量(建設業にあっては、完成工事高または受注残高)が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2ヶ月間を含む3ヶ月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること
③②について市区町村で認定を受けていること
<支援概要>
一般保証とは別枠で2.8億円までを100%保証
支援制度の概要
保証限度額 | 一般保証とは別枠で2.8億円までを100%保証 |
保証料 | 金融機関所定利率 |
保証期間 | 金融機関所定の期間 |
担保・保証人 | 担保は必要に応じて、保証人は原則不要 |
参考URL | https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2020/201120_4gou.pdf |
セーフティネット保証とは、 経営の安定に支障が生じている中小企業者を、一般保証(無担保保証8,000万円、普通保証2億円)とは別枠で保証の対象とする資金繰り支援制度です。
通常、中小企業者が金融機関から借り入れをする場合、銀行が100%貸し付ける「プロパー融資」か、信用保証協会の保証を受ける「信用保証付き融資」のいずれかとなります。
信用保証付き融資では借主の返済が滞った場合に、信用保証協会が最大2.8億円までを一時立て替え払いするため、銀行や信用金庫などから融資が受けやすくなります。
すでに信用保証協会の無担保保証で5,000万円の枠を利用している事業者のケース
新型コロナウイルス感染症の影響で売上高が減少したために、さらに4,000万円を無担保で借入れしたいと考えても、この企業の無担保保証の残枠は3,000万円ですので、通常であれば担保を提供しない限り残枠を超えた4,000万円の保証は受けられません。
しかし、セーフティーネット保証を利用すれば、別枠で最大8,000万円まで無担保保証が利用できるので、追加の保証4,000万円についてはこちらで対応できるということになります。
セーフティーネット保証4号は、自然災害等の突発的事由(今回は新型コロナ感染症)で売上高が20%以上減少した事業者が市区町村の認定を受け、一般保証とは別枠で最大2.8億円まで100%保証される制度です。
対象となる飲食店事業者は、主たる事業所がある市区町村の商工担当課等の窓口に認定申請書を提出、認定を受けたうえで希望の金融機関または所在地の信用保証協会に認定書を持参して保証付き融資を申し込み、所定の審査を受けます。
保証料率はおおむね1.0%ですが、国または都道府県が保証料補助を行うため、実質無保証料となります。
申請に必要な書類
自治体によって提出書類が異なる場合があるため、相談窓口へお問い合わせください。
相談から保証決定までの流れ
- 市区町村の認定窓口で必要書類の確認
- 必要書類を添え、市区町村の認定窓口にて申請
- 取得した認定書を添えて、金融機関へ保証付融資の申込
- 信用保証協会による審査、および金融機関による審査
- 保証決定
- 融資実行
セーフティーネット保証5号
<認定期間>
2021年6月1日まで(認定申請を行うことができる期間)
<対象者要件>
①指定業種に属する事業を行っており、最近3ヶ月間の売上高等が前年同期比で5%以上減少している
②市区町村長の認定を受けている
<支援概要>
一般保証とは別枠で2.8億円までを80%保証
支援制度の概要
保証限度額 | 一般保証とは別枠で2.8億円までを80%保証 |
保証料 | 金融機関所定利率 |
保証期間 | 金融機関所定の期間 |
担保・保証人 | 担保は必要に応じて、保証人は原則不要 |
参考URL | https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_5gou.htm |
セーフティーネット保証5号は、指定業種に属する事業(飲食店を含む)を行っており、最近3ヶ月間の売上高等が前年同期比で5%以上減少している事業者が、一般保証とは別枠で最大2.8億円まで80%保証される制度です。
前述のセーフティーネット保証4号とは、指定業種や売上高等の減少割合、保証率が異なります。
保証料率はおおむね0.8%ですが、こちらも国または都道府県が保証料補助を行うため、実質無保証料となります。
申請に必要な書類
自治体によって提出書類が異なる場合があるため、相談窓口へお問い合わせください。
相談から保証決定までの流れ
- 市区町村の認定窓口で必要書類の確認
- 必要書類を添え、市区町村の認定窓口にて申請
- 取得した認定書を添えて、金融機関へ保証付融資の申込
- 信用保証協会による審査、および金融機関による審査
- 保証決定
- 融資実行
危機関連保証
<認定期間>
2021年6月1日まで(認定申請を行うことができる期間)
<対象者要件>
①売上高が前年同月比15%以上減少する中小企業・小規模事業者
②市区町村長の認定を受けている
<支援概要>
一般保証とは別枠で2.8億円までを100%保証(セーフティネット保証枠と併用可)
支援制度の概要
保証限度額 | 一般保証とは別枠で2.8億円までを100%保証 |
保証料 | 金融機関所定利率 |
保証期間 | 事業資金10年以内(据置期間2年以内を含む) |
担保・保証人 | 担保は必要に応じる 法人は原則として代表者保証人、個人は原則として保証人不要 |
参考URL | https://www.meti.go.jp/covid-19/shikin_sodan/pdf/hosho_02.pdf |
危機関連保証は、災害や感染症など指定案件に起因して、最近1ヶ月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少する中小企業・小規模事業者を対象に、一般保証枠とは別枠で最大2.8億円(普通保証2億円、無担保保証8,000万円)を100%保証する制度です。
セーフティーネット保証4号・5号とは併用可能で、最大5.6億円の信用保証別枠を確保できます。
対象となる中小企業者は、本店等所在地の市区町村に認定申請を行って認定申請書を取得、その上で取引のある金融機関または最寄りの信用保証協会にて保証付き融資を申し込みます。
申請に必要な書類
自治体によって提出書類が異なる場合があるため、相談窓口へお問い合わせください。
相談から保証決定までの流れ
- 市区町村の認定窓口で必要書類の確認
- 必要書類を添え、市区町村の認定窓口にて申請
- 取得した認定書を添えて、金融機関または最寄りの信用保証協会へ保証付融資の申込
- 信用保証協会による審査、および金融機関による審査
- 保証決定
- 融資実行
特別利子補給制度
<指定期間>
期限なし
<対象者要件>
公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」「新型コロナウイルス対策マル経融資」もしくは商工中金等による「危機対応融資」により借入を行った中小企業・個人事業者
<支援概要>
借入後当初3年間まで実質無利子化
支援制度の概要
補給限度額 | 公庫(国民事業):別枠の融資限度額のうち6,000万円以下の部分 商工中金:2億円まで※ ※新規融資と既往債務借換との合計金額 |
金利 | - |
補給期間 | 借入後当初3年間 |
担保・保証人 | 不要 |
参考URL | https://tokubetsu-riho.jp/ |
特別利子補給制度は、公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」「新型コロナウイルス対策マル経融資」、もしくは商工中金等の「危機対応融資」により借入を行った事業者を対象に、貸付を受けた日から最長3年間にあたる利子相当額を一括して助成することにより、実質的な無利子とする制度です。
法人と個人事業主では、以下のように対象要件が定められています。
①個人事業主 | 要件なし(無条件で適用) |
②小規模事業者(法人事業者) | 売上高-15%以上 |
③中小企業者(上記➀➁を除く事業者) | 売上高-20%以上 |
当該の融資制度で借入を行っている方は、利子補給制度で返済負担を軽減されることをおすすめします。
申請に必要な書類
- 特別利子補給助成金交付申請書及び請求書
- 誓約・同意書
- 申告書
申請から利子補給定までの流れ
- 特別利子補給制度ホームページからオンライン申請または必要書類を郵送申請
- 事務局から交付決定通知書の送付
- 事務局から利子補給金の交付
- 借主が当該融資制度の利子の支払い
- 完済もしくは借入後3年経過で利子補給金額の確定
- 交付された利子補給金と実際に支払った利子額に差異があった場合は、返還や追加交付の手続き
欠損金の繰戻し還付制度(法人税のみ)
欠損金の生じた事業年度の青色申告書の申告期限まで
<対象者要件>
資本金の額が10億円以下の法人
<支援概要>
前年度に納付した法人税の何割かを還付
支援制度の概要
欠損金の繰戻し還付制度とは、青色申告書を提出する事業年度に欠損金(赤字)が生じた場合、欠損金が生じた事業年度開始の前1年以内に開始した事業年度の所得金額に繰り戻して法人税の還付を受けられる制度です。
つまり、前期は黒字だったが当期で赤字になってしまった会社は、この制度を利用して前年に納めた法人税を返してもらうことができます。
従来は資本金1億円以下の中小企業が対象でしたが、2020年4月7日に打ち出された新型コロナ税特法では、令和2年2月1日から令和4年1月31日までの間に終了する事業年度に生じた欠損金額について、資本金1億円超から10億円以下の法人にも適用されることとなりました。
対象となる中小企業は、前期に法人税として納付した金額と、前期の所得から当期の欠損金を控除して計算した法人税の差額を還付請求することができます。
ただし、この制度は法人税だけに適用されるもので、地方税については適用外です。
欠損金額の生じた事業年度の青色申告書の申告期限までに「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を所轄税務署に提出しましょう。
申込に必要な書類
欠損金の繰戻しによる還付請求書
申込から融資までの流れ
所轄税務署に確定申告書と同時に「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を提出
ファクタリングで飲食店の資金繰りを改善
国や自治体、民間の金融機関による資金繰り支援についてご紹介しました。
2021年2月現在、資金繰り支援制度の多くが超低金利の融資であり、資金繰りに悩む対象事業者であれば、これを機に活用しない手はありません。
ただし、対象事業者であっても融資の審査に落ちてしまった、すでに借入があってそれでも資金繰りが改善されないといった事業者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ファクタリングは、サービスの提供から1~2ヶ月先に支払われる予定の売上(売掛債権)を、実際の入金日よりも早く手に入れるサービスです。
ここでは、ファクタリングを飲食店の資金繰りに活用する方法について解説します。
ファクタリングによる早期の資金調達
ファクタリングは入金前の売掛債権をファクタリング会社が買い取り、所定の手数料を差し引いた買取代金を最短即日で振り込むサービスです。
公・民の金融機関の融資制度のような面倒な審査などはなく、入金前の売掛債権があれば、法人・個人経営にかかわらずだれでも利用できます。
飲食事業は他業種に比べ、今でも飲食の提供後に現金で支払われるケースが多いですが、クレジットカード払いやキャッシュレス決済の売掛債権が占める割合も増えてきています。
それら現金以外の決済方法は実際の入金が1~2ヶ月先ですが、その間にも材料の仕入れ費用、家賃、人件費といった経費がかかり、入金日までのつなぎ資金が不足するケースも少なくありません。
コロナ禍の現在では、営業時間短縮や感染症対策の費用も飲食店の経営を圧迫する原因となっています。
「2ヶ月後に入金される売上を、いますぐ使えたらいいのに……」や「融資の審査結果が出るまでのつなぎ資金が必要」といった状況では、ファクタリングがもっとも最適な資金調達手段となるでしょう。
弊社ベストファクターは、秘密厳守の2社間ファクタリングを業界最安水準の手数料2%~で取り扱っております。請求書や入出金の通帳など、必要書類を事前に準備いただくことで、最短即日で請求書を現金化いたします。
資金繰り改善のためのコンサルティング
ファクタリング会社の中には、ファクタリング利用期間中に無償の財務コンサルティングサービスを提供しているところもあります。弊社ベストファクターも、中小企業や自営業者の財務に精通したコンサルタントが在籍しています。
財務コンサルティングサービスは、資金繰り改善や事業再生を目的としています。具体的な支援内容としては、資金繰り表の作成サポート、新たな資金調達先の紹介、銀行リスケの交渉サポートなどです。
個人経営の飲食店で資金繰りにまで手が回らないといった方でも、財務のプロが資金繰りをサポートすることで、本業の飲食業に注力していただきながら資金繰りも改善することができます。
弊社ベストファクターの財務コンサルティングでは、利用者の69.7%がキャッシュフロー改善成功、59.2%が企業価値改善に成功しています。
早期の資金調達ならファクタリング
新型コロナウイルス感染症の影響で資金繰り悪化を来たしている事業者の方は、まずは国や自治体、金融機関の資金繰り支援制度を確認しましょう。時短営業による売上減少で経営継続が困難な状況でも、実質無利子の融資や返済不要の助成金で解消できる場合があります。
ただし、ここでご紹介した支援制度の多くは、申請から実際に資金が入金されるまでに2週間~1ヶ月ほどかかってしまうのが現状です。
「今すぐ資金が必要!」という緊急性の高い飲食店の資金ニーズには、売掛債権を早期資金化するファクタリングをご検討ください。
クレジットカードやキャッシュレス決済などの売上がある方、規模や業績を理由に銀行から融資を受けづらい方におすすめです。
弊社ベストファクターは最短即日のスピード、業界最安水準の手数料、充実した財務コンサルティングで資金繰り支援を必要とされている飲食店経営者の方をサポートいたします。