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「銀行はフリーランスや個人事業主というだけで、お金を貸してくれない」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか?
実際に、フリーランスや個人事業主は、資金調達が必要になったとき、銀行や公的金融機関は手続きが煩雑で、さらに審査も厳しいという現実があります。
審査に必要な書類をしっかり揃え、面談の対策もバッチリなのに、なかなか融資につながらない……そんな経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
金融機関からの借入が難しい、融資を断られてしまったという方は、ぜひ「請求書買取サービス」の利用を検討してみましょう。
請求書買取サービスは、入金前の請求書を売却、最短即日で資金化するサービスです。
今回は請求書買取サービスの仕組みやメリット・注意点、フリーランスや個人事業主の方におすすめの請求書買取サービスを解説します。
記事の目次
請求書買取サービスとは
「請求書」とは、商品・サービスの代金を請求する目的で発行する書類です。
企業相手の取引では、現金取引や先払いになることは稀で、商品・サービスを先に納入して、代金の支払いは月末締めの翌月末~翌々月末となる「掛取引」が一般的です。
事業者が後から代金を請求できる権利を売掛債権、後から支払われる代金のことを売掛金と言い、請求書に仕事の内容・個数・決済期日・振込先口座などを記載、取引先(クライアント)あてに発行して、確かに取引が行われたことを証明します。
請求書買取サービスとは、入金待ちの請求書を売却して、決済期日前に現金を受け取るサービスで、「ファクタリング」とも呼ばれています。
一般的な2社間ファクタリングは、フリーランスは利用できないか、利用できたとしても法人より厳しい条件が設定されている場合が少なくありません。
請求書買取サービスは、フリーランス向けに手数料や利用条件が緩和されており、より利用しやすくなっています。
ファクタリングと請求書買取サービスの違い
請求書買取サービスとは、納品済みかつ請求済みの売掛債権を期日を待たずに業者へ売却して早期に資金化する方法です。
これは「ファクタリングと同じでは?」と思った方も多いのではないでしょうか?
結論的にいえば、請求書買取サービスはファクタリングと同じです。
しかし、ファクタリングには「売掛債権を売却する資金調達手段」という広い意味があるのに対して、請求書買取サービスには請求書のみを売却するという点で、請求書買取サービスはファクタリングの1つと考えることもできます。
ファクタリングは請求書買取だけでなく、次のようなサービスがあります。
ファクタリングの種類 | 内容 |
---|---|
注文書買取 | 取引先から発注を請けた注文書を売掛債権とみなして早期資金化するサービス |
保証ファクタリング | 売掛債権が回収不能になった場合に、その代金をファクタリアング会社が補填するサービス |
一括ファクタリング | 債務者と金融機関が契約し、債務者の支払いを金融機関が代行。債務者は後日金融機関に代金をまとめて支払う |
ファクタリング会社の中には請求書だけでなく、注文書を売却できるサービスを取り扱っている業者も存在します。受注段階から受注金額相当を受け取れるため、高額な受注があっても増加運転資金をファクタリングで調達できます。
また、保証ファクタリングや一括ファクタリングは資金調達手段ではありません。売掛債権の回収リスクのみを売却するものや、債務者発で支払事務を円滑化するためにおこなうものです。
このように、ファクタリングにはさまざまな種類がありますが、請求書買取はファクタリングの中で最もオーソドックスな方法であると同時に、広義の意味でファクタリングの中の1つだといえます。
請求書買取サービスの手数料
請求書買取サービスは、取引先(クライアント)が契約に一切関与せず、利用者と買取業者の2社間で契約が成立します。
この契約方式を、取引先の同意が必要な従来のファクタリング「3社間ファクタリング」に対し、「2社間ファクタリング」と呼びます。
一般的なファクタリングの手数料は、2社間ファクタリングで10~20%、3社間ファクタリングで2~9%が相場です。
請求書買取サービスは、2社間ファクタリングの契約方式でありながら、買取手数料は2~10%と、3社間ファクタリング並みの低さで請求書の現金化ができます。
請求書買取サービスの提出書類
請求書買取サービスの運営会社によって多少の違いはありますが、申し込みの際には、おおむね以下の書類の提出が求められます。
- 利用者の本人確認書類
- 売却する対象の請求書
- 銀行の直近7ヶ月分の入出金明細
- 昨年度の決算書(確定申告書)
請求書買取サービスでは、webで書類提出をすることがほとんどですので、紙に出力する必要はありません。
また、創業したばかりで昨年度の決算書がない利用者は、代替書類の提出が求められる場合があります。
請求書買取サービスを利用すべき事業者
以下のようなフリーランス、個人事業主は、ファクタリングを利用すべき事業者に当てはまります。
- 融資の審査が通らない(開業したばかり、信用情報に問題がある等)
- 一刻も早く資金が必要
- 資金調達によって長期的には資金繰り改善が見込める
- 売掛先の支払不能(デフォルト)リスクを回避したい
- 貸借対照表のオフバランス化を図りたい
ファクタリングは緊急の資金調達、短期のつなぎ資金としての用途のほか、長期の資金繰り改善を見込んで利用すると失敗しません。
請求書買取サービスと借入との違い
フリーランスの資金調達方法には、銀行や公的金融機関、ノンバンクからの「借入」もあります。
請求書買取サービスと借入の違いは、以下のとおりです。
- 性質
- 資金調達にかかるコスト
- 資金調達までのスピード
- 審査で重視される要素
- 返済方法・返済期間
- 信用情報への影響
- 貸借対照表への影響
- 外部への秘匿性
借入とファクタリングは、外部からの資金調達という点では同じですが、借入か資産の売却なのかによって大きく異なります。
請求書買取サービスと借入の違いを理解して、適切に使い分けられるようになりましょう。
性質
借入金と請求書買取はそもそも会計上の性質や分類が大きく異なります。
借入金は貸借対照表上で負債に該当します。
借入金をすると負債が増えると理解しておきましょう。
100万円を銀行から借りた場合の仕訳は次のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
普通通金 100万円 | 借入金 100万円 |
一方、請求書買取は資産の売却です。
100万円の請求書を請求書買取サービス業者へ売却した場合の仕訳は以下のとおりです。(手数料は考慮しない)
借方 | 貸方 |
---|---|
普通通金 100万円 | 売掛金 100万円 |
普通預金も売掛金も資産の勘定科目ですので、請求書買取サービスを利用することは、車や有価証券を売却して資金化したときと同じように、資産と資産の交換という処理になります。
請求書買取サービスは借入ではなく、借入金は借入に分類されるため、性質が根本的に異なることをまず理解しておきましょう。
資金調達にかかるコスト
借入(金銭消費貸借契約)は、借入金額に応じて金利、返済が遅延した場合は遅延損害金がかかり、上限金利は貸付け額に応じて15~20%と利息制限法で定められています。
一方で、請求書買取サービス(ファクタリング)は債権売買契約ですので、金利ではなく買取手数料がかかります。
ファクタリングの買取手数料を規制する法律はありませんが、原則ファクタリング会社が負うリスクに応じて設定され、手数料の相場は請求書の額面に対して2~20%です。
なお、買取手数料以外にも、ファクタリングサービスによっては、登記費用、担当者の出張費、印紙代などがかかる場合があります。
資金調達までのスピード
借入金と請求書買取サービスでは資金調達できるまでのスピードがかなり異なります。
借入金の場合は一般的に申込から資金化まで2週間〜3週間程度の時間がかかります。
融資制度によっては、1ヶ月近くの時間がかかることもあるため、銀行や日本政策金融公庫の融資を利用する際には時間的に余裕をもって申し込みをしなければなりません。
一方、請求書買取サービスであれば、最短即日で入金が可能です。
申込日当日に請求書を資金化できるため、緊急で資金が必要な場合には請求書買取サービスが重宝します。
いつまでに資金が必要なのかによって、借入金と請求書買取サービスを使い分けるのがよいでしょう。
審査で重視される要素
借入の審査では、申込者の返済能力や信用情報が重視されます。
赤字決算や債務超過、税金滞納中などがあれば返済能力が無いとみなされ、また、信用情報を照会して事故情報の記録があれば、審査で不利になってしまいます。
請求書買取サービスは、申込者の返済能力や信用情報よりも、請求書の信用性が重視されます。
請求書の信用性とは、クライアントの信用力や支払いの確実性です。
クライアントが大手企業や国・自治体の機関の場合、支払不能(債務不履行)リスクが極めて低く、請求書の信用性が高いと判断され、高く買い取ってもらえる可能性があります。
また、取引相手が中小企業であっても、遅れることなく、長期にわたって継続した取引が行われている請求書であれば、信用性が高いと判断されます。
返済方法・返済期間
借入の返済方法は、期日一括払いや元利均等返済、元金均等返済、残高スライド方式などがあり、返済期間は1ヶ月から10年程度に及ぶものまであります。
請求書買取サービスは、売掛金の決済期日に一括支払いが原則です。
また、ほとんどの請求書は1ヶ月から2ヶ月程度先が入金期日となっているため、請求書買取サービスでは2ヶ月程度までの期間から資金を融通できない点にも注意しましょう。
3社間ファクタリングの場合はファクタリング会社が直接取引先から回収しますが、2社間ファクタリングの場合は利用者がいったん売掛金を預かり、ファクタリング会社に支払います。
信用情報への影響
信用情報は、クレジットやローンの申込・契約内容や返済・支払い状況、借入残高などが記録されます。
新たに借入の申し込みをした場合は、信用情報が照会され、十分な返済能力が無いと判断されれば、審査に通過することが難しくなります。
ファクタリングは借入とは異なるため、債権買取の可否に関わらず、信用情報に一切影響しません。
貸借対照表への影響
請求書買取サービスと借入金では貸借対照表へ及ぼす影響も異なります。
請求書買取サービスは資産の売却ですので、利用しても負債が増えることも、貸借対照表の総額が増えることもありません。
一方、借入金を利用した場合には借入金として貸借対照表に記録され、その分負債と貸借対照表は増えてしまいます。
負債が増えれば自己資本比率が低下して、自社の安全性に対する評価が損なわれることになりますし、今はできる限り不要な資産も負債も持たずに貸借対照表を小さくするオフバランス経営が評価される時代です。
請求書買取サービスは貸借対照表への影響がほとんどないため、利用しても貸借対照表の評価が下落しない点もメリットです。
外部への秘匿性
請求書買取サービスと借入金では、外部へ秘密にできるかどうかも大きく異なります。
請求書買取サービスでは、2社間ファクタリングを利用すれば外部の期間に知られずに資金調達ができます。貸借対照表に記録されることもないため、自社の決算書を見た金融機関などが請求書買取の利用に気づく可能性は低いでしょう。
一方、借入金は利用すると、貸借対照表に借入金として計上されますし、明細を添付しなければならないため、「どこから」「いつ」「いくら」借りたのかを外部に知られてしまいます。
外部から資金調達していることを知られてしまうことは、自社の外的な評価にはマイナスですので、請求書買取の方が、外部に秘密にして自社の評価を下げる心配なく、資金調達できるでしょう。
請求書買取サービスの仕組み
請求書買取サービスは、取引先(クライアント)が契約に関与しない「2社間ファクタリング」の仕組みが採用されています。
請求書買取サービス(2社間ファクタリング)の仕組みは、以下の図解のとおりです。
請求書発行から契約終了までの流れは、以下のとおりです。
-
- 利用者がクライアントあてに請求書を発行する
- 請求書買取サービスに申し込む(運営会社による審査)
- 請求書の買取代金が支払われる
- クライアントから決済期日に売掛金の入金
- 受け取った売掛金を運営会社が指定する口座に振り込む
契約完了までのプロセスを追って説明します。
①請求書を発行する
フリーランスがクライアントに商品やサービスを納入後、請求書を発行します。
請求書は、確かに取引が成立し、代金を請求したことの証拠となる書類のため、「証憑」と呼ばれます。
BtoB(事業者間取引)は口約束だけでも成立する場合もありますが、後から「取引の事実はなかった」と言われてトラブルにならないよう、証憑を発行してエビデンスを残しておくことが大切です。
②請求書買取サービスに申し込む
請求書買取サービスに申し込むと、利用者が提出した書類をもとに、運営会社によるオンライン審査が行われます。
申し込んだその日のうちに買取代金を受け取りたい場合は、あらかじめ提出書類を揃えておきましょう。
なお、審査では利用者の返済能力や信用情報よりも、請求書の信頼性やクライアントの信用力が重視されます。
③請求書の買取代金が振り込まれる
請求書買取サービスの運営会社より、利用者の指定した金融機関の口座に請求書の買取代金が振り込まれます。
買取代金は、売却した請求書の額面から2~10%の買取手数料を差し引いた金額です。
請求書買取サービスによっては、利用にあたって専用の振込口座の開設が必要なところもあります。
④決済期日にクライアントから代金が支払われる
決済期日が到来すると、先にフリーランスが納入した商品やサービスに対する代金(報酬)がクライアントから支払われます。
万が一、クライアントからの代金の支払いが遅れることがわかったら、すぐに請求書買取サービスの運営会社に連絡しましょう。
⑤回収した代金を振り込む
クライアントから回収した代金は、フリーランスがいったん預かり、指定期日内に請求書買取サービスの口座に振り込みます。
フリーランスが勝手に代金を使い込んだり、別の支払いで自動引き落としされたりした場合は、請求書買取サービスの運営会社のリスクとなってしまいます。
サービスの規約によっては遅延損害金等が発生する可能性もあるため、代金は確実に振り込むようにしましょう。
請求書買取サービスを利用するメリット
請求書買取サービス(ファクタリング)を利用することで、個人事業主やフリーランスは以下のようなメリットが得られます。
- 請求書の早期資金化が可能
- 信用情報に影響しない
- 赤字や債務超過でも資金調達できる
- クライアントに知られることがない
- 契約手続きが簡単
請求書買取サービスの5つのメリットについて詳しく解説してきます。
請求書の早期資金化が可能|メリット1
請求書買取サービスを利用することで、請求書の決済期日を待つことなく、早期の資金化が可能です。
たとえば、大口の仕事を受注した際に、先に資材の仕入れの支払いが必要になって手元の資金が不足した場合や、報酬が入金されるまで期間が空くためにキャッシュフローが回らない場合など、急な支払いへの対応や事業のつなぎ資金調達に請求書買取サービスが活用できます。
煩雑な手続きや厳しい審査もないため、事前の準備をしっかり行えば、申し込みの当日に現金を受け取ることも可能です。
信用情報に一切影響しない|メリット2
請求書買取サービス(ファクタリング)は、銀行融資やビジネスローンのような金銭消費貸借契約ではなく、売掛債権という資産を売買する債権売買契約です。
借入と違って利用者の信用情報が照会されることがなく、請求書買取サービスを利用しても信用情報に登録されることは一切ありません。
たとえば、利用者が総量規制ギリギリまで借入をしていたり、信用ブラックの状態であったりしても、信用力の高いクライアントの請求書があれば、問題なく請求書買取サービスが利用できます。
「借りない」資金調達の請求書買取サービスであれば、審査時に自身の返済能力や信用情報は重視されないため、銀行融資やビジネスローンに頼れない個人の資金調達方法として非常に有効です。
赤字や債務超過でも資金調達できる|メリット3
請求書買取サービスは赤字や債務超過でも資金調達が可能です。
請求書買取サービスの審査基準は「売掛先企業が期日通りに売掛債権の代金を入金できるかどうか」です。
ファクタリング会社にとって債務者は売掛先企業ですので、請求書買取サービスを利用する企業の決算状況や資金繰りが悪くても審査に通過できる可能性があります。
銀行や日本政策金融公庫の融資では申込企業が赤字や債務超過の場合には審査に通過することが困難です。
また、ビジネスローンでも代表者の個人信用情報がブラックの場合は審査に落ちることもあります。
請求書買取サービスであれば、売掛先企業の支払能力に問題がなければ、赤字や債務超過などを理由として融資審査に通過できない場合も、審査に通過して資金調達できる可能性があります。
クライアントに知られることがない|メリット4
請求書買取サービスの契約方式は、利用者とファクタリング会社の2社間で契約を結ぶ「2社間ファクタリング」と利用者とファクタリング会社と売掛先企業の3者で契約する「3社間ファクタリング」という2つの方法があります。
このうち、2社間ファクタリングを選択すれば、売掛先企業に秘密で請求書買取サービスの利用ができるため、売掛先企業(クライアント)に資金調達したことを知られる心配はありません。
請求書を売却するにあたって、クライアントに一切の通知および同意を得る必要がないため、「請求書の売却をクライアントに知られたら、今後の取引に支障が出るのではないか?」という不安を払拭することができます。
契約手続きが簡単|メリット5
請求書買取サービスは契約手続きが非常に簡単です。
業者によって契約方式は異なるものの、オンライン完結で契約できるファクタリング会社は、必要書類を提出して、ファクタリング会社からオンラインで送付される契約書を確認し、電子署名を行うだけで契約できる会社も多数あります。面倒な書類のやり取りや面談はありません。
融資であれば、契約手続きは原則対面で、複数の書類に記入と捺印をおこなう必要があるため、契約手続きだけで2時間程度の時間がかかることも珍しくありません。
請求書買取サービスは契約手続きに時間がかからないため、忙しいときにもスピーディーに契約完結が可能です。
売掛金の支払不能(デフォルト)リスクを回避できる|メリット6
請求書買取サービスを利用して支払い期日前に請求書を売却すれば、売掛金の(デフォルト)リスクを回避することができます。
デフォルトリスクとは、債務者たるクライアントや取引先が倒産等の理由で売掛金を支払えなくなる(債務不履行)ことを指します。
売掛金の支払いが行われなければ、債権者たるフリーランスには資金が入ってこないため、事業に必要な支払いができなくなり、最悪の場合は倒産に陥る可能性もあります。
請求書買取サービスでは、運営会社9510がデフォルトリスクごと買い取るため、利用者は買取手数料を差し引いた分の現金を手元に残すことができるのです。
請求書買取サービスの注意点
請求書買取サービスを利用する際には以下の4点に注意しましょう。
- 手数料が高額
- 決済期日を過ぎた請求書は買い取ってもらえない
- 調達可能額は売掛債権の範囲内
- 悪徳業者・違法業者が混ざっている
資金調達コストが高額になり、調達できる金額には限りがあります。
また、業者の中には悪徳業者・違法業者が混じっているため、業者選びは慎重におこないましょう。
請求書買取サービスの4つの注意点について詳しく解説していきます。
高額な手数料がかかる|注意点1
請求書を買い取ってもらうにあたり、請求書額面の高額な手数料がかかります。
利用者にとっては、売却した請求書の額面が大きいほど手数料の影響は大きくなります。
たとえば、30万円の請求書を10%の買取手数料で売却すると、手数料として差し引かれるのは3万円、手元に残る現金は27万円です。
ギリギリの資金繰りで操業しているフリーランスや個人事業主にとっては、資金不足を引き起こす引き金となる可能性もあるため、請求書買取サービス利用後の経営改善計画をしっかりと立てておく必要があります。
決済期日を過ぎた請求書は買い取ってもらえない|注意点2
買い取ってもらえる請求書は、あくまでも決済期日が確定している請求書です。
決済期日が過ぎた請求書は「不良債権」となり、請求書買取サービスで現金化することはできません。
調達可能額は売掛債権の範囲内|注意点3
請求書買取サービスで調達できる金額は売掛債権の金額が限度です。
売掛債権の金額を超える資金調達は不可能です。
手持ちの売掛債権すべてを請求書買取サービスで売却したとしても、調達できる金額は月商程度が限度ですので、高額の資金調達はできません。
銀行融資であれば、数ヶ月分の運転資金や、年商を超えるような高額な設備資金を借りられる場合もありますが、請求書買取サービスではそのような高額な資金調達はできない点に注意しましょう。
悪徳業者・違法業者が混ざっている|注意点4
請求書買取サービスを取り扱う業者の中には違法業者・悪徳業者が混じっています。
違法業者の特徴は、売掛債権の未回収リスクを利用者に押し付け、業者は未回収リスクを負わない実質的な貸付をおこないます。実質的な貸付をするのであれば、利息制限法を遵守して貸金業者登録をしなければなりませんが、違法業者は利息制限法をはるかに超える手数料を設定して無登録で営業しています。これは実質的には闇金ですので、絶対に取引してはなりません。
また、請求書買取サービスの手数料相場は次のとおりです。
- 2社間ファクタリング:5%〜20%程度
- 3社間ファクタリング:1%〜5%程度
相場を超える手数料を設定する業者は悪徳業者であると判断して、取引をしないようにしてください。
金融庁は違法な請求書買取業者に対して次のように注意喚起をおこなっています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
しかし、近時、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されています。また、ファクタリングとして行われる取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものは、貸金業に該当するおそれがあります。
事業者の皆様におかれては、こうした偽装ファクタリングを利用することのないよう、十分注意してください。
引用:金融庁|ファクタリングの利用に関する注意喚起
悪徳業者や違法業者の特徴をしっかりと理解して、安全に請求書買取サービスを利用してください。
フリーランスにおすすめの請求書買取サービス
資金繰りに悩むフリーランスや個人事業主に、おすすめの請求書買取サービスをご紹介します。
手数料が低く、入金スピードが速く、業者の安全性も高いファクタリング会社は次の10社になります。
- OLTA
- ペイトナーファクタリング
- ラボル
- ビートレーディング
- PAYTODAY
- アクセルファクター
- フリーナンス
- 日本中小企業金融サポート機構
- トップマネジメント
- ベストファクター
フリーナンスでも利用できるおすすめの請求書買取サービスをご紹介していきます。
OLTA(オルタ)
取り扱いサービス | 2社間 |
---|---|
契約方式 | オンライン |
手数料 | 2%〜9% |
入金スピード | 最短即日 |
買取限度額 | 下限上限なし |
OLTA(オルタ)は2017年創業とファクタリング業界では後発ながら、創業2年で申込金額が100億円を突破、いま勢いに乗るファクタリング会社です。
独自のオンライン完結型「クラウドファクタリング」なら、個人・法人問わず誰でも利用できて、買取金額に上限も下限もありません。
さらに、一般的な2社間ファクタリングは手数料10~20%が相場のところ、クラウドファクタリングは2~9%と非常に利用しやすい手数料が設定されています。
同サービスを継続して利用すると、優待内容がグレードアップしていく独自のシステムもあり、手数料カットや利用金額アップなどの優待が受けられます。
また、OLTAは銀行との契約数がNo1で、2024年8月現在で日本全国の30以上の金融機関と提携し、金融機関の顧客に対して請求書買取サービスを販売している点も特徴です。信用を売りにする銀行や信用金庫などが提携するほどの業者ですので、業者の安全性は非常に高いといえます。
さらにOLTAは大手企業やベンチャーキャピタルから出資を受け、資本金44億円を超える巨大な企業です。資本も充実しているため、運営業者の健全性という点でも評価の高い1社だといえます。
初めて請求書買取サービスを利用する方でも、OLTAなら安心して取引ができるでしょう。
ペイトナーファクタリング
取り扱いサービス | 2社間 |
---|---|
契約方式 | オンライン |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短10分 |
買取限度額 | 〜100万円 (初回25万円迄から徐々に拡大) |
ペイトナーファクタリングは最短10分入金という圧倒的なスピードを誇る請求書買取サービスです。
あらかじめアカウントを作成しておけば、請求書のアップロードから最短10分で審査が完了し、そのまますぐに入金を受けられます。
ファクタリング会社としてはもちろん、大手消費者金融よりもスピーディーに資金調達できるため、「急いで数万円程度のお金が必要」という場面で非常に重宝します。
緊急時の資金調達方法として頭に入れておきたい1社です。
また、ペイトナーファクタリングは個人事業主やフリーランスに対して発行した請求書の買取を行なっている唯一のファクタリング会社です。他のファクタリング会社は法人に対して発行した請求書しか買い取ってもらえないため、個人事業主やフリーランス宛の請求書を資金化したい方はペイトナーファクタリング一択になります。
手数料は10%固定と低めで固定されているため、他社との比較が容易ですし、安心して利用できます。
買取限度額が100万円で初回は25万円までしか買取に応じてもらえません。売上規模の大きな法人では活用しにくい業者ですので、個人事業主やフリーランスにおすすめの1社です。
ラボル
取り扱いサービス | 2社間 |
---|---|
契約方式 | オンライン |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短60分 |
買取限度額 | 1万円〜上限なし |
ラボルは対応力に最も優れたファクタリング会社として有名です。
最大の特徴は24時間365日、最短60分入金に対応している点になります。数あるファクタリング会社の中でも24時間365日、最短60分で入金を受けられるのはラボルだけになります。
早朝から深夜まで土日祝日いつでも資金調達できるため、休日に緊急でお金が必要になった場面などで活用できます。緊急時の資金調達先として頭に入れておいた方がよいでしょう。
1万円から買取に対応しているため、売上規模の小さな個人事業主やフリーランスでも気軽に請求書買取サービスを利用できます。
また、手数料は10%固定ですので、あらかじめコストが把握でき安心です。
なお、ラボルの運営会社である株式会社ラボルは東証プライム上場企業の株式会社セレスの100%子会社です。
上場企業が運営しているサービスですので、運営業者の安全性も非常に高くなっています。
ラボルは対応力、入金スピード、手数料、業者の安全性と、あらゆる角度から見てバランスの取れた優良ファクタリング会社です。
ビートレーディング
取り扱いサービス | 2社間 3社間 |
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契約方式 | 対面・オンライン |
手数料 | 2社間:4%~12% 3社間:2%~9% |
入金スピード | 最短2時間 |
買取限度額 | 下限上限なし |
ビートレーディングは店舗型のファクタリング会社として最も有名かつ、実績豊富な業者です。
2024年3月末時点で、累計買取金額が1,300億円、累計取引社数は5.8万社を超えており、すでに非常に多くの事業者が利用しています。数々のメディアにも登場し、独立系ファクタリング会社の代名詞的な業者と言っても過言ではありません。
東京、名古屋、大阪、福岡を全国に店舗を構えているため、店舗へ訪問して契約することが可能です。
担当者の財務や経営に関する知識が豊富なので、店頭での契約をする場合には、財務コンサルティングを受けて、資金繰りを本質的に改善するための専門的なアドバイスを受けられます。
また、ビートレディングはオンライン完結型の請求書買取にもかなり力を入れています。
オンライン完結型の請求書買取では、申込から最短2時間で入金を受けられるため、急いで資金が必要なときにも活用できるでしょう。
オンラインで契約する際の契約は、弁護士ドットコム監修のクラウドサインでおこない、顧客の情報はSalesforceで保管しています。情報管理も徹底している安心な優良業者です。
PAYTODAY
取り扱いサービス | 2社間 |
---|---|
契約方式 | オンライン |
手数料 | 1%〜9.5% |
入金スピード | 最短30分 |
買取限度額 | 10万円〜上限なし |
PAYTODAYはオンライン完結型の2社間ファクタリング専門の業者です。
AIファクタリングという名称で、請求書買取サービスを実施しており、その名の通り、申込から契約までが全てシステム化され、オンラインで完結します。
審査のプロセスがかなり自動化されているため、審査完了までは最短15分と速く、申込から入金までは最短30分と、業界最速レベルの入金スピードが特徴です。緊急で資金が必要なときにも活用できるでしょう。
また、審査や契約に人手を極力かけないため、低コストでの運営を実現しています。上限手数料は9.5%とかなり低めになっており、手数料負担を少なく資金調達したい方におすすめの1社です。
サービス開始から1年半で50億円の累計買取額を達成し、現在は150億円を突破しています。
わかりやすさとシンプルさから多くの個人事業主やフリーランスが利用しているため、初めてファクタリングを利用する方にはおすすめの1社です。
アクセルファクター
取り扱いサービス | 2社間・3社間 |
---|---|
契約方式 | 対面・オンライン |
手数料 | ~100万円:10%~ 101~500万円:5%~ 501~1000万円:2%~ 1001万円以上:別途相談 |
入金スピード | 最短即日 |
買取限度額 | 下限上限なし |
アクセルファクターは店舗型のファクタリング会社の中でも利用者からの評価が高いことや、ネットでの口コミが良好なことで知られるファクタリング会社です。
アクセルファクターは国が中小企業支援の専門家と認めた場合のみ認定される、認定経営革新等支援機関です。中小企業支援に対する高い専門性と実績がないと認定されないため、アクセルファクターには高い専門性があることがわかります。
また、国が認定している事業者ですので、業者としての安全性も非常に高いといえるでしょう。
アクセルファクターの請求書買取サービスは、買取金額ごとに手数料が定めらているため、利用金額が大きくなれば手数料が下がる仕組みです。高額な売掛債権を売却したい方におすすめです。
また、アクセルファクターはオンライン完結型の請求書買取にもかなり力を入れています。
ホームページには「申込者の約半数が即日入金」という趣旨の記載がなされており、多くの人がオンラインなどの方法で当日中に資金調達に成功しています。
国から認定され、手数料も公開している優良業者です。
店舗型とオンライン型の両方のメリットを享受したい方にはおすすめです。
即日払い|FREENANCE(フリーナンス)
取り扱いサービス | 2社間 |
---|---|
契約方式 | オンライン |
手数料 | 2%〜10% |
入金スピード | 最短即日 |
買取限度額 | 〜1,000万円 |
FREENANCE(フリーナンス)は、GMOクリエイターズネットワーク株式会社が提供するフリーランス・個人事業主向けの事業支援サービスです。
仕事中の事故を補償する「あんしん補償」、請求書買取サービスの「即日払い」などのサービスを提供しています。
「即日払い」は買取限度額1,000万円で、手数料は2〜10%です。
利用回数を2回、3回と重ねるたびにフリーナンスからの信用度が向上して、手数料が下がっていく仕組みになっています。
必ずしも段階的に下がるとは限りませんが、利用回数の蓄積が、信用の蓄積へと確実につながる優良業者ですので「継続的にファクタリングを利用したい」と考える方にはおすすめです。
また、あらかじめアカウントを作成しておけば、請求書のアップロードから最短30分で審査の回答が通知され、そのまま即日入金を受けられます。急いで資金が必要な方にも向いています。
フリーナンスは2社間ファクタリングサービスである「即日払い」に加えて次のようなサービスも運営しています。
あんしん補償 | 業務上生じた賠償責任を補償 |
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フリーナンス口座 | 個人名ではなく屋号やペンネームで口座作成できる |
バーチャルオフィス | 月額780円で銀座と福岡のバーチャルオフィスを利用可能 |
アカウント作成だけで、業務上生じた賠償責任の補償を得られたり、ペンネームや屋号で口座を作成できるのは大きなメリットです。
請求書買取での資金調達を希望したい方もフリーナンスのアカウンを作成しておいて損はないでしょう。
日本中小企業金融サポート機構
取り扱いサービス | 2社間・3社間 |
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契約方式 | 対面・オンライン |
手数料 | 1.5%〜 |
入金スピード | 最短3時間 |
買取限度額 | 下限・上限なし |
日本中小企業金融サポート機構はコンサルティング業と請求書買取の2つを本格的に取り扱う業者です。
コンサル業も行うとホームページで謳っていながら実際にはファクタリング業しか行なっていない業者は多いですが、日本中小企業金融サポート機構はコンサルティング業にもかなり本格的に力を入れています。
日本中小企業金融サポート機構は国が中小企業支援の専門家として認定している認定経営革新等支援機関です。中小企業支援に対する高い専門性と実績が認められている業者ですので、コンサル業としても信用できますし、何よりも国が認定している事業者ですので、安心して取引が可能です。
審査の際には財務コンサルティングを受けて、資金繰りや財務状況の改善のためのアドバイスを受けられます。
以前は対面か郵送契約しか取り扱っていませんでしたが、最近はオンライン完結型の契約にも力を入れており、日本中小企業金融サポート機構onlineというサービスを取り扱っています。
日本中小企業金融サポート機構onlineでは、請求書と通帳の写しを容易するだけで最短3時間で資金調達が可能です。
日本中小企業金融サポート機構は法人形態が一般社団法人という非営利団体ですので、手数料が低く、他社と比較して低コストで利用できるケースが多くなっています。
業者の専門性・安全性、手数料の低さ、入金スピードと三拍子揃った優良業者です。
トップマネジメント
取り扱いサービス | 2社間・3社間・注文書 |
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契約方式 | 対面・オンライン |
手数料 | 2社間ファクタリング:3.5%~12.5% 3社間ファクタリング:0.5%〜3.5% 注文書ファクタリング:3.5%~12.5% ゼロファク:3.5%~12.5% 電ファク:1.8%~8.0% |
入金スピード | 最短即日 |
買取限度額 | 下限上限なし |
トップマネジメントは、創業15年、累計取引社数5.5万社と、豊富な実績と業歴を誇るファクタリングの専門会社です。
ファクタリング業者でありながら、東京商工会議所に所属しているのは非常に珍しく、地域においても一定の信頼度がある業者だといえるでしょう。
トップマネジメントはの請求書買取はサービスの種類が非常に豊富です。
通常の2社間・3社間だけでなく、入金口座をトップマネジメントが管理できる利用者名義に指定することで上限8%の手数料で利用できる電ふぁく、IT・広告業者専門の請求書買取サービスであるペイブリッジなど、取り扱う商品の種類が豊富です。
また、請求書買取だけでなく、法人限定にはなるものの注文書買取にも対応しています。
注文書買取とは、受注先から発注を受けた際に発行される注文書を売掛債権とみなして売却する方法です。
仕事に取り掛かる前の受注段階から、受注金額相当を早期に資金化できるため、「高額の受注があったが、受注に伴い増加する運転資金(増加運転資金がない)」という場合に活用できます。
売掛債権を活用した資金調達方法の種類が豊富ですので、「どのような方法で資金調達したいらいいかわからない」という方はトップマネジメントへ相談するとよいでしょう。
ベストファクター
取り扱いサービス | 2社間・3社間 |
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契約方式 | 対面 |
手数料 | 2%〜 |
入金スピード | 最短即日 |
買取限度額 | 下限上限なし |
弊社ベストファクターの請求書買取サービスは、個人事業主やフリーランスの方に対しても積極的に取り扱いをおこなっています。
弊社はお客様との対話を重視させていただき、決算書や確定申告書などの数字からではわからない、経営者様の人柄や経営者としての資質を審査に加味させていただいております。
そのため、他社では資金繰りが悪いなどの理由で審査に通過できなかった事業者様も、弊社の請求書買取サービスであれば審査に通過できたというお客様も少なくありません。
弊社はお客様の財務状況等を勘案して、お客様にとって最適な資金調達方法を一緒に検討させていただいております。その結果、請求書買取がベストな資金調達方法であると判断できた場合のみ、ファクタリングをご提案させていただき、請求書買取ありきで強引に手続きを進めるようなことは致しません。
請求書買取サービスは審査に通過しやすいのはメリットですが、融資と比べると資金調達にかかるコストが高くなるため、融資によって資金調達できる事業者様は融資で資金調達した方がよいことは間違いありません。
そのため、あらゆる可能性を探り、お客様にとってベストな方法を考えさせていただきます。
さらに審査の際には財務コンサルティングを実施させていただいておりますので、財務状況を改善したいなどと考えるお客様はぜひお気軽にご相談ください。
弊社はお客様との面談を重視しているため、契約時には対面が必須となっております。弊社のオフィスまでご来店が難しいお客様は弊社の担当者がお客様の事務所を訪問させていただきますので、お気軽にお申し付けください。
請求書買取サービスに関するQ&A
請求書買取サービスに関して、よくある質問とその回答をQ&Aにまとめました。
- 買い取ってもらえる請求書の種類を教えて下さい
- 「貸借対照表のオフバランス化が図れる」とはどういう意味ですか?
- 請求書買取サービスの手数料はどのようにして決まりますか?
- 請求書買取サービスの支払いに遅れたらどうなりますか?
- 請求書買取サービスはやばいと聞いたのですが、安全なのでしょうか?
- Q.買い取ってもらえる請求書の種類を教えて下さい。
- A.「法人または官公庁向けの売掛債権」であり、なおかつ支払期日と金額が確定している「確定債権」である必要があります。個人事業主や個人向けの債権は対象外で、決済期日を過ぎた不良債権、入金日が確定していない将来債権の請求書は買い取ってもらえません。なお、数あるファクタリング会社の中でもペイトナーファクタリングだけは例外的に個人事業主やフリーランスに対する債権を買い取ってもらうことが可能です。
- Q.「貸借対照表のオフバランス化が図れる」とはどういう意味ですか?
- A.バランスシート(貸借対照表)の資産の部から債権を切り離し、総資産額を減らすことを「資産のオフバランス化」と言います。簡単に言えば貸借対照表の総額をできる限り小さくすることを指します。事業で生み出される利益はそのままに、総資産額を減らすことで、利益純資産利益率(ROA)が向上、資産効率が高いとみなされ、企業価値が高まります。少ない資産で最大限の利益を出していると判断されるので、金融機関の外部の機関からの自社の評価が高まるでしょう。
- Q.請求書買取サービスの手数料はどのようにして決まりますか?
- A.クライアント(取引先)の信用力や請求書の信頼性、申込者の利用実績、提出した資料から確認できる財務情報等に基づいて判定されます。買取手数料はファクタリング会社のリスクに応じて決められるため、決済期日に確実に回収できる請求書を売却すれば、手数料を低く抑えることができます。具体的には上場企業、官公庁、優良企業、過去の取引で一度も期日に遅れたことのない企業に対する売掛債権を売却すれば、手数料が低くなる可能性があります。
- Q.請求書買取サービスの支払いに遅れたらどうなりますか?
- A.2社間ファクタリングの場合は、最初に回収代行の義務を負っている請求書買取サービス利用者に対してファクタリング会社から「まだ入金がないが、売掛先からは入金になっているのか?」という問い合わせがあります。この時点ですぐに支払ってしまえば何も問題はありません。しかし、督促があったにもかかわらず無視したり、約束を守らないと、ファクタリング会社から売掛先企業に対して督促がおこなわれることとなります。この時点で売掛先企業には請求書買取サービスを利用したこと、代金を流用したことなどが知られてしまい、自社の信用を失ってしまう可能性があります。期日にしっかりと代金を支払えば、ファクタリング会社から自社や売掛先に督促がおこなわれることはないため、代金の支払いは必ず期日通りにおこなうようにしてください。
- Q.請求書買取サービスはやばいと聞いたのですが、安全なのでしょうか?
- A.請求書買取サービスを提供する業者を慎重に選択すれば、請求書買取サービスは安全に利用できます。しかし、請求書買取サービスの業務を運営するためには免許も登録も許認可も一切不要で、どんな事業者でも営業できるため請求書買取サービス業者の中には違法業者や悪徳業者も少なからず混じっています。そのため、以下の特徴をもつ業者とは取引しないでください。
・手数料が20%を超えている
・償還請求権あり・買戻特約あり
2社間ファクタリングの手数料相場は5%〜20%程度で、10%前後の手数料を設定している業者も多数あります。そのため、基本的には20%を超える手数料を設定している業者は悪徳業者であると判断し、取引しない方が無難です。
また、償還請求権あり、買戻特約付などの、請求書買取業者が売掛債権の未回収リスクを負わない業者は闇金の可能性が非常に高いといえます。
請求書買取サービスが融資よりも高い手数料率を設定できる根拠は「請求書買取業者が売掛債権の未回収時のリスクを負うため」です。売掛債権の未回収リスクも負わないのに、利息制限法の上限金利を超える手数料率を設定している業者は違法金利で融資をおこなう闇金ですので、絶対に取引してはなりません。
結論的にいえば、手数料が20%以下かつ請求書買取業者が未回収リスクを負うのであれば、安全に利用できます。
請求書買取サービスは資金調達の新しい選択肢
これまで、フリーランスの資金調達と言えば、銀行融資や公的金融機関の融資制度、あるいはビジネスローンが主流でした。
しかし、フリーランスは「法人に比べて継続的かつ安定した収入が保証されていない」といった理由で、審査に通過するのが厳しいという現実があります。
請求書買取サービスは、利用者の返済能力や信用情報よりも、クライアントの信用力と請求書の信頼性が重視されるため、銀行等からの借入が難しいフリーランスでも資金調達が可能です。
さらに、法人向けの一般的な2社間ファクタリングに比べて、フリーランスの利用条件が緩和され、買取手数料も優遇される請求書買取サービスもあります。
今回ご紹介したファクタリングの仕組みやメリット・デメリットを確認した上で、自身の利用目的に合った請求書買取サービスを選びましょう。