国際ファクタリングとは、海外企業と貿易をする国内の輸出企業が、輸入企業から支払われる代金を確実に回収する目的でファクタリング会社と契約するものです。
輸出先や海外の企業によっては、商品を輸入した代金を確実に支払ってくれるかどうか不透明な部分もあります。そこで海外のファクターと連携し、資金回収を確実にする国際ファクタリングが活用されているのです。
国際ファクタリングは国内の輸出企業・海外の輸入企業・ファクタリング会社の3社間契約で結ばれます。
国際ファクタリングの概要
貿易取引のリスクのひとつに、海外への輸送に時間がかかるため、商品の受け取りと代金の支払いを同時に行うことが難しいというものがあります。
このリスクに対し、従来の貿易取引では信用状(Letter of credit, L/C)が主なリスクヘッジとして利用されてきました。信用状は輸入企業の取引銀行が代わりに支払いを確約するものですが、発行には手間とコストが伴います。
国際ファクタリングを利用することで、信用状発行の手間とコストを軽減、送金ベースによる安全・確実な代金回収が可能です。
ファクタリング会社は世界有数の金融機関が加盟するネットワークを活用して、輸出企業の信用調査や利用会社の輸出債権回収をサポートします。
国際ファクタリングの仕組み
- 輸出企業が国内のファクタリング会社に国際ファクタリングの申し込み
- 国内のファクタリング会社が提携する海外のファクターへ輸入企業の審査を依頼
- 海外のファクターから国内のファクタリング会社に審査結果を通知
- 国内のファクタリング会社が輸出企業に審査結果を通知
- 輸出企業は契約内容に従って商品を船積み
- 輸出企業はインボイスと船積書類のコピーを国内のファクタリング会社に提出
- 国内のファクタリング会社がインボイス情報を海外のファクターに通知
- インボイス期日に海外のファクターが輸入企業から代金を回収
- 国内のファクタリング会社は海外のファクターから代金が到着次第、輸出企業に支払い
国際ファクタリングのメリット
国際ファクタリングを利用することで得られるメリットは以下のとおりです。
確実に代金回収ができる
国際ファクタリング最大のメリットは、100%確実に輸出代金(輸出債権)の回収ができることです。海外の輸入企業の支払いが延滞してから90日経過すると保証が履行されます。
信用状を発行しなくても取引可能
従来は信用状を用いたリスクヘッジが一般的でしたが、発行に手間とコストがかかるというデメリットがありました。
国際ファクタリングはインボイスと船積書類のコピーのみで取引可能なため、輸出企業・輸入企業ともに書類作成の手間とコストが解消されます。
海外企業の与信管理と債権回収をアウトソーシング
国内の輸入企業に代わり、ファクタリング会社が提携する海外ファクターが定期的に輸入企業の与信管理および取立管理を行います。