事業資金調達のためビジネスローンを利用したいけれども、審査に通るか不安な個人事業主も多いのではないでしょうか?審査が甘いビジネスローンはありませんが、銀行融資に比べれば融資条件も柔軟で個人事業主でも比較的審査の通過が期待できるサービスです。ただし審査通過のためにはいくつか注意すべきポイントもあります。
今回は、個人事業主におすすめのビジネスローンや審査通過のポイントを中心に解説します。本記事を読めば、自分に最適なビジネスローンを選択できるでしょう。ビジネスローンを活用し、手元資金に余裕を持たせお金の不安を解消してください。
そもそもビジネスローン(事業融資)とは?
ビジネスローン(事業融資)とは、企業や個人事業主に対して事業用途に使える資金を融資する金融商品です。融資を受けた事業者は、新しい事業の立ち上げや事業の拡大、設備投資など様々なビジネスシーンで資金を利用できます。
ビジネスローンは無担保・無保証で利用できるケースも多い上、銀行の融資よりも比較的審査が通りやすい点が特徴です。金利が高く設定されている点がデメリットですが、個人事業主で銀行からの融資をなかなか受けられない場合は、ビジネスローンによる資金調達がおすすめです。
ビジネスローンの種類
ビジネスローンには、主に以下2種類のローンがあります。
- 銀行系
- ノンバンク系
銀行系は文字通り銀行が提供するビジネスローンで、ビジネスローンの中では金利が低めに設定されている点が特徴です。ただし、ノンバンク系と比較して審査は厳しい傾向にあります。
一方、ノンバンク系は信販会社やビジネスローンの専門業者など銀行以外の貸金業者が提供するビジネスローンです。金利は高めに設定されているものの、審査スピードが早く比較的審査に通りやすいのが特徴です。
ビジネスローンの審査は甘い?
基本的に審査が甘いビジネスローンはありませんが、銀行の融資に比べれば審査が通りやすく審査スピードが早い点は事実です。銀行が行う融資は保証会社を仲介せず直接顧客に融資するため、貸し倒れによる損失のリスクを最小限に抑えるべく厳しい審査基準で融資を行います。個人事業主の場合、厳しい審査基準のためなかなか銀行から融資を受けられません。
一方で、ビジネスローンは保証会社によって返済が滞ったときのリスクをカバーできるため、銀行融資に比べて審査が柔軟です。ただし、ビジネスローンも返済能力や信用情報をもとに審査を行うため、必要書類など事前の準備は十分に行いましょう。
ビジネスローンは個人事業主でも借りられる?
ビジネスローンは法人が利用するローンというイメージが強いですが、個人事業主でも利用できます。ビジネスローンは事業活動に関連する資金調達を目的としているため、規模や形態に関わらず利用できます。
個人事業主の場合、特に事業の立ち上げや拡大段階での資金調達は重要です。しかし、事業開始直後は収益が安定していないなどの理由から、金融機関の審査通過は容易ではありません。
実際に大手銀行が提供する融資では、しっかりとした事業計画を求められるのが一般的です。しかし、近年では中小企業や個人事業主を対象としたビジネスローンの専門業者やネットベースのビジネスローンが増えてきました。
ビジネスローンはスピーディーな審査や柔軟な融資条件を提供しており、個人事業主が利用しやすい資金調達の選択肢として注目されています。ただし、業者によって申請条件や金利などが大きく異なるため、事前によく比較検討して自分にあったビジネスローンを選びましょう。
個人事業主でも審査が比較的通りやすいビジネスローンの特徴
個人事業主でも審査が比較的通りやすいビジネスローンの特徴として、以下の5つが挙げられます。
- 上限金利が高めに設定されている
- ビジネスローンだけを扱っている
- 提供元が中小規模
- 担保や保証人が不要
- 当座貸越タイプ
上限金利が高めに設定されている
上限金利が高く設定されているビジネスローンは、審査基準が柔軟な傾向にあります。貸し倒れのリスクが高いと判断される融資は、金利が高めに設定されるのが一般的です。
金利が高めに設定されているビジネスローンは、貸倒れリスクが高い利用者も対象にした柔軟な審査基準を設定しています。ちなみに、ビジネスローンに限らず全ての金融商品には以下の上限金利が規定されています。
- 元金10万円未満: 年20%
- 元金10万円以上から100万円未満:年18%
- 元金100万円以上:年15%
出典:上限金利について【貸金業界の状況】 | 日本貸金業協会
ビジネスローンだけを扱っている
ビジネスローンだけを扱っている業者の場合、審査が比較的通りやすい傾向にあります。ビジネスローンを専門に取り扱う業者は、ビジネスローンで融資できないと利益が得られないためです。
一方で、他の金融商品を販売する会社のビジネスローンは、審査条件が厳しく設定されている場合もあります。個人事業主で審査に不安がある場合は、ビジネスローンを専門に扱う業者を検討しましょう。
提供元が中小規模
提供元が中小規模の場合も、ビジネスローンの審査が通りやすい傾向にあります。大手の金融機関と比較し、中小規模の業者は申し込み数も少なく1つ1つの審査にじっくり対応できるためです。
また、中小規模の業者が提供するビジネスローンでは利用限度額も低く設定されるケースが多くあります。審査に不安がある場合は、中小規模の業者が扱うビジネスローンを検討しましょう。
担保や保証人が不要
担保や保証人が不要なビジネスローンも、審査を通過しやすいです。担保・保証人が不要なビジネスローンは保証会社と契約しており、融資先が返済不能となった場合でも貸し倒れのリスクを回避できるためです。
担保・保証人が申し込み条件の場合、用意できないと審査は通過できません。担保・保証人不要のノンバンク系ビジネスローンは、申し込みから融資までスピーディーな点もメリットです。
当座貸越タイプ
当座貸越タイプのビジネスローンも、審査に通過しやすい傾向にあります。当座貸越とは貸付形態の一種であり、設定される限度額内で自由に借入や返済ができる形態です。
当座貸越の場合、契約後は限度額内であれば審査なしで何度も借入できます。借入の度に審査が必要な証書貸付タイプと比較して審査が一度だけで済むため、当座貸越は希望金額を借りやすい形式です。ただし、当座貸越タイプのビジネスローンを提供している業者が少ない点がデメリットです。
審査が甘いおすすめのノンバンク系ビジネスローン10選
審査が甘いおすすめのノンバンク系ビジネスローンを、以下10選紹介します。
- 三鷹産業
- オージェイ
- ニチデン
- 楽天スーパービジネスローンエクスプレス
- AGビジネスサポート
- VIPローンカード BUSINESS(オリックスクレジット)
- 自営者カードローン(プロミス)
- CREST for Biz(オリコ)
- セゾンファンデックス
- ビジネスサポートカードローン(アコム)
三鷹産業
利用限度額 | 50万円~1,000万円 |
金利 | 【100万円以上】 6.00%~15.00% 【100万円未満】 6.00%~18.00% |
即日融資 | 可 |
融資対象 | 中小企業または個人事業主 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 元利均等返済(3年以内、36回まで) 一括返済(6ヶ月以内) |
担保 | 不要(審査によっては必要な場合あり) |
保証人 | 不要(審査によっては必要な場合あり) |
三鷹産業は法人・個人問わず幅広い事業者にビジネスローンを提供しています。創業50年で多数のビジネスローンによる融資実績があり、面談で希望に合わせた融資プランを提示してくれる点が強みです。
最短当日融資も可能であるため、すぐに事業資金を用意したい個人事業主にもおすすめです。本人確認書類さえあれば申し込みできる点も魅力です。
オージェイ
利用限度額 | 30万円〜1億円 |
金利 | 10.00%~18.00%(実質年率) |
即日融資 | 可能 |
融資対象 | 法人または個人事業主 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 一括返済・元金均等・元利均等・自由返済 ( 1ヶ月「1回」~36ヶ月「36回」) |
担保 | 原則不要 |
保証人 | 原則不要 |
オージェイは、不動産担保融資など幅広い金融商品を扱うビジネスローン会社です。最大1億円まで借入可能であり、多額の資金が必要な個人事業主には嬉しいビジネスローンです。
営業年数が短い場合でも柔軟に審査対応してくれるため、起業後に事業資金が厳しい場合でも融資を受けられる可能性があります。原則来社しての契約となりますが、難しい場合は希望する時間・場所に配達する形での契約も可能です。
ニチデン
利用限度額 | 1億円まで |
金利 | 実質年率4.8%~17.52% |
即日融資 | 可能 |
融資対象 | 法人・個人事業主 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 20年以内(1ヶ月~240ヶ月)。1回〜240回。 元金一括払・元利均等払・ボーナス併用返済(ご相談) 元金据置自由返済(ご相談) |
担保 | 不動産担保(必要と認めた場合のみ) |
保証人 | 保証人(必要と認めた場合のみ) |
ニチデンは、金利のやすさに強みがあるビジネスローン会社です。ビジネスローンの年率は4.8%から利用可能で、他のビジネスローンと比較しても低い水準となっています。
20年の長期返済にも対応しており、月々の返済額をなるべく減らし手元資金を厚くしておきたい個人事業主におすすめです。柔軟な審査体制を整えており、即日融資にも対応しています。
楽天スーパービジネスローンエクスプレス
利用限度額 | 50万~1,500万円 |
金利 | 3.0%~14.5% |
即日融資 | 不可 |
融資対象 | 楽天市場に出店している法人・個人事業主 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 残高スライド定額方式With・In (1ヶ月~3年・36回以内) |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
楽天スーパービジネスローンは、楽天市場に出店する法人・個人事業主を対象としたビジネスローンです。金利が3%〜と低い水準であるため、楽天市場をビジネスで利用する個人事業主は検討しましょう。
極度方式基本契約を採用しており、利用可能枠内で何度でも借入できる点が特徴です。資金調達の度に、ビジネスローンの契約をするのが面倒な個人事業主におすすめです。
AGビジネスサポート
利用限度額 | 50万円〜1,000万円 |
金利 | 3.1%〜18.0% |
即日融資 | 可能 |
融資対象 | 法人または個人事業主 法人:75歳まで 個人事業主:69歳まで |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 元利均等返済:最長5年(60回以内) 元金一括返済:最長1年(12回以内) |
担保 | 不要 |
保証人 | 原則不要 |
AGビジネスサポートは、大手消費者金融のアイフルグループに属する企業です。ホームページでは借入診断が実施でき、簡単な質問に答えるだけで借入可能額をすぐに把握できます。
契約は原則来店不要で、インターネット・郵送・訪問による手続きが可能であるため利便性にも優れています。エリアの制限もなく、日本国内であればどこにいても契約できる点も魅力です。
VIPローンカード BUSINESS(オリックスクレジット)
利用限度額 | 50万円~500万円 |
金利 | 6.0%~17.8% |
即日融資 | 可能 |
融資対象 | 20〜69歳までの方(業歴1年以上の個人事業主、法人格を有する事業の代表者いずれかに該当している) |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | リボルビング払い |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
VIPローンカード BUSINESSは、オリックスクレジットが提供するビジネスローンです。利便性に優れたビジネスローンで、最短即日借入が可能な上、借入・返済を銀行・コンビニで24時間365日行えます。
返済方式はリボルビング払いを採用しているため、毎月同じ額を設定して返済が可能です。利便性に優れたビジネスローンを求める場合は、VIPローンカード BUSINESSを検討しましょう。
自営者カードローン(プロミス)
利用限度額 | 300万円まで |
金利 | 6.3%~17.8%(実質年率) |
即日融資 | 可能 |
融資対象 | 年齢20歳以上、65歳以下の自営者の方 |
資金使途 | 生計費および事業費 |
返済方式 | 残高スライド元利定額返済方式 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
自営者カードローンは、消費者金融会社プロミスが提供するビジネスローンです。融資された資金は事業用としてはもちろん、生活費などプライベートでも利用できます。
返済期日を5日・15日・25日・末日のいずれかから選択できるため、自分の都合に合わせて返済日を決められる点が魅力です。利用限度額は300万円までですが、限度額までは何度でも借入できます。
CREST for Biz(オリコ)
利用限度額 | 10万円~300万円 |
金利 | 実質年率6.0%~18.0% |
即日融資 | 可能 |
融資対象 | 個人事業主 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | リボルビング払い(毎月27日に定額を返済) |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
CREST for Bizは、オリコが提供する個人事業主向けビジネスローンです。ビジネスローンの年会費が無料であるため、余計な費用がかからない点が大きなメリットです。
返済プランは利用残高に応じて返済金額が決定する「残⾼スライド返済コース」と、設定した額で返済する「定額返済コース」の2種類から選べます。事業の状況に合わせて、返済額を調整できる点は個人事業主にとって嬉しい点です。
セゾンファンデックス
利用限度額 | 1万円~500万円 |
金利 | 6.5%~17.8% |
即日融資 | 可能 |
融資対象 | 申込時、20歳から70歳までの毎月定期収入のある電話連絡可能な個人事業主 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 定額リボルビング方式、 1回払い ※申し出により、増額返済、一括払いが可能 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
セゾンファンデックスは、個人事業主に特化したビジネスローンを提供しており、500万円までの借入が可能です。インターネットから手続きすれば、最短数十秒で登録口座に振り込まれる入金スピードの速さが魅力です。
利息は借入残高に対し、利用日数分のみで計算されるため、返済が早いほど利息を抑えて借入できます。審査が必要ですが、利用可能額の増額にも対応しています。
ビジネスサポートカードローン(アコム)
利用限度額 | 1万円~300万円 |
金利 | 12.0%~18.0% |
即日融資 | 可能 |
融資対象 | 業歴1年以上の個人事業主の方で当社基準を満たす方 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 定率リボルビング方式 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
ビジネスサポートカードローンは、アコムが提供するビジネスローンです。アコムのカードローンを利用していても、ビジネスサポートカードローンに切り替えられるため、すでにアコムで借入があっても審査を断られる心配がありません。
アコムは全国に店頭窓口や自動契約機を設置しており、全国どこにいても借入や返済がしやすい点が魅力です。最短即日融資も可能であるため、急ぎで資金が必要な個人事業主にもおすすめです。
個人事業主対応のおすすめの銀行系ビジネスローン5選
個人事業主に対応しているおすすめの銀行系ビジネスローンは、以下の5つです。
- PayPay銀行
- 東京スター銀行
- りそな銀行
- 福岡銀行
- 関西みらい銀行
PayPay銀行
利用限度額 | 10万円〜1000万円 |
金利 | 1.8%〜13.8% |
即日融資 | 不可 |
融資対象 | 法人・個人事業主 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 約定返済・全額返済・繰上返済 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
PayPay銀行は、法人・個人事業主の両方にビジネスローンを提供しています。申し込みから借入まで全て電話・ネットで完結でき、原則審査に必要な書類がないため、簡単かつスムーズに融資を受けられます。
PayPay銀行のビジネス口座を開設する手間はありますが、毎月の返済が口座から自動引き落としされ、返済し忘れるリスクが少ない点が魅力です。PayPay銀行の口座をすでに持っている人は、利用を検討してみましょう。
東京スター銀行
利用限度額 | 50万円〜1,000万円 |
金利 | 年4.5%~14.5%(保証料含む) |
即日融資 | 不可 |
融資対象 |
|
資金使途 | 事業資金・生計資金 |
返済方式 | 残高スライドリボルビング方式 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
東京スター銀行はスタービジネスカードローンという名称で、ビジネスローンを提供しています。最大1,000万円まで資金使途を自由に借入できる点が魅力です。
銀行系ビジネスローンでありながら、担保・保証人も不要であるため、審査に手間がかからず金利を低く抑えたい個人事業主におすすめできます。毎年の契約更新により、69歳になるまで継続して利用できる点もメリットです。
りそな銀行
利用限度額 | 10万円〜500万円 |
金利 | 年6.0%〜14.0%(いずれも保証料を含む) |
即日融資 | 不可 |
融資対象 | 以下の全ての条件を満たす法人または個人事業主
|
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 約定返済 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要(個人事業主の場合) |
りそな銀行は、りそなビジネスローン「活動力」という名称でビジネスローンを提供しています。融資枠内であれば、何度でも借入できる当座貸越を採用している点が特徴です。
全国の提携ATMから資金が必要なときにいつでも借りられるため、借入の利便性が高い点も魅力です。りそな銀行に口座がある場合は、来店不要で手続きできます。
福岡銀行
利用限度額 | 100万円〜1,000万円 |
金利 | 年2.0%~14.0% ※固定金利(審査の上、決定) |
即日融資 | 不可 |
融資対象 | 日本国内で事業を営む法人および個人事業主の方 |
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 元金均等毎月返済 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
福岡銀行はフィンディという名称で、ビジネスローンを提供しています。福岡銀行の口座を持っていなくても申し込みできるため、口座開設の手間がかからない点がメリットです。
銀行系にしては珍しく、オンラインで申し込みから融資まで完結できるため、店舗に直接向かう手間も省けます。福岡銀行の口座を持っていれば、事前審査で簡単に借入可能額を把握できる点も魅力です。
関西みらい銀行
利用限度額 | 50万円〜500万円 |
金利 | 年14%(固定金利) |
即日融資 | 不可 |
融資対象 | 以下の条件を満たす法人・個人事業主
|
資金使途 | 事業資金 |
返済方式 | 元利均等返済 |
担保 | 不要 |
保証人 | 不要 |
関西みらい銀行は「わくどりくん」という名称で、ビジネスローンを提供しています。申し込みから最短3営業日以内に入金が可能であるため、銀行系で早く資金を調達したい方はおすすめです。
審査時に用意する書類も本人確認書類のみであり、手続きの準備にかかる時間も削減できます。ただし、全国対応ではないため、関西みらい銀行を利用できる人に限られてしまう点がデメリットです。
ビジネスローンを利用する4つのメリット
ビジネスローンを利用するメリットは、以下の4つです。
- 年収の1/3以上借入できる
- 無担保・無保証が多い
- 融資スピードが早い
- WEBや電話で完結できる
年収の1/3以上借入できる
ビジネスローンには、年収の1/3以上を借入できるメリットがあります。多くの消費者向けローンやクレジットカードのキャッシングでは、総量規制があり年収の一定割合までしか借入できません。しかし、ビジネスローンは総量規制の対象外であるため年収の1/3以上を借入できます。
事業の規模によっては、多額の資金を調達しなければならないケースもあるでしょう。ビジネスローンは、事業の拡大・設備投資・人員の採用など事業運営に必要な資金を柔軟に確保するための有効な手段となります。
無担保・無保証が多い
無担保・無保証で組めるローンが多い点もメリットです。銀行からの融資では多くの場合、保証人や担保を求められるため、融資のハードルが非常に高くなります。ビジネスローンは原則として、担保や保証人なしで融資しており申し込みやすい点がメリットです。
また、無担保・無保証で融資を受けられるため、貴重な資産を担保として差し出すリスクや、第三者を保証人として巻き込む必要がなくなります。担保や保証人をすぐに準備するのは難しいケースも多いため、個人事業主には大きなメリットです。
融資スピードが早い
融資スピードが早い点もビジネスローンの大きな特徴です。事業を行っているとなかなか売上が上がらず、突然資金繰りが厳しくなるケースも少なくありません。多くのビジネスローンは、申し込みから融資までのスピードが非常に早いのが特徴です。
特にノンバンク系のビジネスローンでは即日融資に対応しているケースも多く、必要な資金を即座に借入できます。なるべく早く資金を調達したい場合は、ノンバンク系のビジネスローンを利用しましょう。
WEBや電話で完結できる
WEBや電話で完結できるローンが多い点も、ビジネスローンのメリットです。銀行融資の場合、窓口での申し込みは必須であり、決算書類など数多くの書類提出が求められます。
しかし、ビジネスローンはWEBや電話だけで手続きが完結できるサービスが増えています。わざわざ店頭まで出向く手間が省けるため、普段事業で忙しい個人事業主でも気軽に利用できる点がビジネスローンの魅力です。
ビジネスローンを利用する3つのデメリット
ビジネスローンには数多くのメリットがあるものの、以下のようなデメリットもあります。
- 金利が高い
- 借入できる金額が低め
- 銀行や公的金融機関からの評価に影響する
金利が高い
ビジネスローンは無担保・無保証が多く、貸し倒れのリスクをカバーするために金利が高く設定されているケースが少なくありません。
返済計画をしっかり立てずに借入すると、返済額が想定以上に増えるリスクがあります。利用する際は、金利をしっかりとチェックして綿密な返済計画を立てましょう。
借入できる金額が低め
ビジネスローンのデメリットは、借入できる金額が低い傾向にある点です。日本政策金融公庫や銀行の融資は、利用限度額は数千万単位で設定されており多額の資金を調達できます。
一方で、ビジネスローンは貸し倒れのリスクを避けるため、融資限度額が低めに設定されています。設備投資や大量の人員採用など多額の資金が必要な場合、ビジネスローンの融資額では足りないケースが出てくる点がデメリットです。
銀行や公的金融機関からの評価に影響する
ビジネスローンの借入は、銀行や公的金融機関からの評価に影響します。ビジネスローンを利用しているのは、銀行・公的金融機関の審査の通過が困難な企業が多いです。そのため、ビジネスローンの利用履歴があると資金繰り・経営状態・財務状況の不安定さを疑われます。
ビジネスローンを利用する際は、返済計画をしっかりと実行し遅延なく返済するのが大切です。また、銀行や公的金融機関から融資を受ける場合は、業績の安定性をきちんとアピールする必要があります。
ビジネスローンで即日融資を受けるポイント
ビジネスローンで即日融資を受けるポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- 早い時間帯に申し込みする
- 必要書類はあらかじめ全て用意
- 申し込み内容は正しく記載
早い時間帯に申し込みする
ビジネスローンで即日融資を受けたい場合は、早い時間帯に申し込みしましょう。ビジネスローンの審査は、申し込み日に行われるケースが多いです。しかし、申し込みが遅い時間帯だと翌営業日の審査になる可能性があります。また、申込者が多数いた場合は審査が混み合い、翌営業日以降に持ち越されるケースも少なくありません。
特に即日融資を希望する場合、朝一番や午前中に申し込みすれば審査が迅速に進む確率が高まります。また、業者によっては即日融資の受付時間が明示されているため、あらかじめ確認しておきましょう。
必要書類はあらかじめ全て用意
必要書類は、あらかじめ全て用意しておきましょう。必要書類が揃わない場合、審査途中で再提出を求められてしまい即日融資に間に合わなくなるからです。
また、必要書類に不備があると最悪の場合は審査落ちしてしまいます。業者によって提出書類は変わるため、前もって確認して全ての書類を準備しておきましょう。
申し込み内容は正しく記載
申し込み内容を正しく記載するよう心がけましょう。ビジネスローンの申し込み内容に不備や矛盾があると、審査が停止して業者から確認の連絡が入ります。
業者とのやりとりに時間がかかれば、即日融資に間に合わなくなる可能性が高まります。住所・連絡先・収入など、申し込みフォームに記載する情報は正確かつ丁寧に入力しましょう。特に、金額や期間など数字に関する部分は間違いがないように細心の注意を払ってください。
ビジネスローンの審査基準
ビジネスローンの審査は、主に以下3つの基準をもとに行われます。
- 経営状況
- 提出書類に不備がないか
- 個人の信用情報
経営状況
ビジネスローンの審査では、経営状況をチェックされます。売上高や利益・負債の状況・キャッシュフローなど事業の健全性や成長性を示す指標を細かくチェックし、返済能力に問題がないか判断するためです。
特に「継続的に利益を上げているか」「負債の返済は順調であるか」など、中長期的な視点で経営の安定性が問われます。定期的に経営に関する指標を整理しておけば、余裕を持って審査に挑めるでしょう。
提出書類に不備がないか
提出書類に不備がないかもチェックされます。基本的に、業者は提出された書類をもとに融資の可否を判断します。事業計画書・登記簿謄本など審査の際に提出を求められる書類は丁寧に作成し、必要な情報が全て記載されているか確認しましょう。
また、提出書類の内容が実際の経営状況と一致しているかもチェックされます。虚偽の記載は審査にマイナスの影響を及ぼすだけでなく、詐欺罪となる可能性もあるため絶対に避けましょう。
個人の信用情報
個人の信用情報も、ビジネスローンの審査でチェックされます。申請者の返済履歴・債務の状況・その他ローンやクレジットカードの利用状況などが確認されます。
過去に延滞や未返済がある場合、貸倒れリスクが高いと見なされるケースが多いです。なお、信用情報の審査ではローンの返済状況だけでなく、納税状況も確認されます。税金の滞納がある場合、審査通過は非常に厳しくなるため解消しておきましょう。
ビジネスローンで審査落ちする原因
ビジネスローンで審査落ちする原因として、主に以下の6つが挙げられます。
- 返済能力に難がある
- 金融事故の履歴がある
- スコアリング審査の結果が悪い
- 申し込み内容に不備がある
- 虚偽申告している
- 複数のローン審査を同時に受けている
返済能力に難がある
返済能力に難がある場合、ビジネスローンの審査に落ちる可能性が高まります。審査の基本的な目的は、融資した資金が計画通り返済されるかどうかを判断することです。
売上や利益が減少傾向にあったり、過去の返済履歴が不安定だったりして返済能力に疑問が生じる場合は審査に通過できません。ただし、事業計画などで将来的な収益性をアピールできれば審査に通る可能性もあります。
金融事故の履歴がある
金融事故の履歴も、審査落ちする原因の1つです。返済遅延や未返済の履歴が記載されている場合、業者からは融資するリスクが高いと判断されます。
金融事故が信用情報に記録されると、5年〜10年は削除されません。信用情報を傷付けないためにも、返済遅延や未返済にならないように資金管理を徹底しましょう。なお、自己破産・任意整理・個人再生などでも信用情報が傷付き、審査通過はかなり厳しくなります。
スコアリング審査の結果が悪い
スコアリング審査の結果が悪いと、審査落ちしやすくなります。スコアリング審査とは、経営状況や信用情報などのデータをもとに算出されるスコアを用いて行われる審査です。
スコアリング審査が採用されている場合、低い点数がつけられてしまうと審査に落ちる確率が高くなってしまいます。スコアリング審査の基準は公表されていないため対策は難しいですが、他のローンやクレジットカードを契約できる場合、スコアリングの点数には問題がないと考えられます。
申し込み内容に不備がある
提出書類や申し込みフォームの内容に誤りがあると、審査が進められず落ちてしまう可能性があります。
特に事業の実態を示す書類や財務データに不備があると、正確な審査が難しくなります。記入漏れはもちろん、記載内容が実態と合っているかも提出前に確認しましょう。
虚偽申告している
事業内容や売上などを偽って申し込みした場合、当然審査には通りません。返済履歴など信用情報は金融機関でチェックできるため、虚偽申告をしても分かってしまいます。
融資後に虚偽申告が判明した場合、強制解約や融資額の一括返済を求められます。悪質な場合は詐欺罪となる可能性もあるため、虚偽申告は絶対にやめましょう。
複数のローン審査を同時に受けている
複数のローン審査を同時に受けている場合も注意が必要です。複数の金融機関から同時にローンの申し込みを行っている場合、申し込み履歴が全て信用情報として記録されます。
複数のローンに申し込んでいると、融資リスクが高いと判断され審査落ちしてしまう可能性があります。ビジネスローンは、複数同時に申し込まないようにしましょう。
ビジネスローンで審査落ちを防ぐ方法
ビジネスローンで審査落ちを防ぐ方法として、以下の5つが挙げられます。
- ノンバンク系ビジネスローンに申し込む
- 借入希望額は低めに設定する
- 担保・保証人を設定する
- 開業から1年後に申し込む
- 他社からの借入を返済しておく
ノンバンク系ビジネスローンに申し込む
審査落ちが不安な場合は、ノンバンク系ビジネスローンに申し込みましょう。銀行系のビジネスローンに比べ、ノンバンク系は審査基準も緩やかで通過しやすいです。
特に個人事業主を対象としたノンバンク系ビジネスローンであれば、柔軟な審査を行ってくれます。ただし、金利が高めに設定されるケースがあるため、契約前にどのくらいの利息となるのか確認しておきましょう。
借入希望額は低めに設定する
借入希望額を低めに設定して申し込むのもおすすめです。最初から高額融資を希望しても、信用力・利用実績がないため希望額に届かないケースは少なくありません。
最初は必要最低限の金額に抑え、返済を完了した後に再度増額を検討するのがおすすめです。返済実績が積み重なれば、次の融資も受けやすくなります。
担保・保証人を設定する
審査落ちが不安な場合は、担保・保証人を設定できるかローン会社に確認しましょう。ビジネスローンは無担保・無保証が多いですが、交渉次第では担保・保証人を設定して審査に有利となる可能性もあります。
担保や保証人が設定されていれば、ローン会社は貸倒れリスクを軽減して融資が行えるからです。なお、設定した担保の価値が高いほど利用限度額も高くなります。
開業から1年後に申し込む
審査に通過する可能性をあげたいなら、開業から1年後に申し込むのもおすすめです。起業直後は、事業の安定性や収益性が確認できず審査で不利になります。
開業から1年程度経過し、売上や利益など経営の安定性を示せるとビジネスローンの審査が通りやすくなります。ちなみに、後述するファクタリングは開業直後の個人事業主でも資金調達が可能です。
他社からの借入を返済しておく
ビジネスローンの申し込み前に、他社からの借入を返済しておきましょう。審査では他社の借入状況もチェックされます。
すでに他社から借入を行っている場合、返済能力の限度に借入額が近いと判断されると審査が通過しづらくなります。もし返済が難しい場合は、おまとめローンを活用し借入を一本化しておくのがおすすめです。
ビジネスローンで審査落ちしたときにすべきこと
ビジネスローンで審査落ちしたときの対処法として、以下の2つが挙げられます。
- 他のビジネスローンを検討する
- ビジネスローン以外の資金調達方法を活用する
他のビジネスローンを検討する
ビジネスローンで審査に落ちた場合、他社の利用を検討しましょう。業者によって審査基準は異なるため、審査落ちしたからといって他のビジネスローンで審査通過できないとは限りません。
特に銀行系のビジネスローンは、審査が比較的厳しい傾向にあります。銀行系のビジネスローンで審査落ちした場合は、ノンバンク系への申し込みを検討しましょう。
ビジネスローン以外の資金調達方法を活用する
もしビジネスローンで複数審査落ちした場合は、ほかの資金調達方法を活用しましょう。ビジネスローン以外で代表的な資金調達方法は、以下の通りです。
- 日本政策金融公庫
- 銀行
- 補助金・助成金
- VC・エンジェル投資家
- クラウドファンディング
- ファクタリング
- 個人向けカードローン
特に個人事業主で審査が不安な場合は、後述で詳しく解説しますが「ファクタリング」と「補助金・助成金」がおすすめです。
ビジネスローンの審査が不安な個人事業主におすすめの資金調達方法
ビジネスローンの審査が不安な個人事業主におすすめの資金調達方法は、以下2つです。
- ファクタリング
- カードローン
ファクタリング
審査が不安な個人事業主に、最もおすすめな資金調達方法がファクタリングです。ファクタリングとは、売掛債権を売却して資金化する仕組みです。
ファクタリングは業績や信用情報ではなく売掛債権を審査対象とするため、赤字決済や税金の滞納があっても資金調達できます。請求書など売掛債権があれば資金化できるので、ビジネスローンの審査が不安な方はぜひファクタリングを利用しましょう。
補助金・助成金
補助金・助成金も審査が不安な個人事業主におすすめです。国や自治体が提供する補助金・助成金は、決められた条件を満たせば資金を提供してもらえる制度で、ビジネスローンのような信用情報などの審査がありません。
また、ビジネスローンとは異なり、返済の必要がない点も大きな魅力です。ただし、手続きに時間がかかるためすぐに資金調達をしたい場合には不向きです。補助金・助成金を活用したい場合は、国や自治体のホームページを定期的にチェックし、早めに申請を行いましょう。
ビジネスローンは自分にあった会社を選択しよう
ビジネスローンは、個人事業主の資金調達方法として有効な手段です。インターネット上で手続きが完了し、無担保・無保証で融資を受けられるなど数多くのメリットがあります。
ただし、金利が高く利用限度額は小さいなどデメリットもあるため、必要な資金を本当に調達できるかは事前に確認しておきましょう。もしビジネスローンの審査に不安がある場合、ファクタリングの利用もおすすめです。