他のファクタリング会社のサービスに興味があっても、乗り換えして良いのか迷う方は多いと思います。
ファクタリングは利用している業者から、自由に他社へ乗り換えできます。
また、銀行融資で借り換えをする場合は抵当権の抹消・保証契約のまき直しなど多くの手間を要しますが、ファクタリングの乗り換えは簡易審査のみで済むのでスピーディーです。
本記事では、ファクタリング会社を乗り換えるメリット・デメリット・乗り換えを検討すべきタイミングなどについて解説します。
乗り換えの特性を理解して、より好条件なファクタリングサービスを受けましょう。
ファクタリング業者は乗り換えできる?
現在、利用中のファクタリング会社があっても、他社への乗り換えは自由に行えます。
既存のファクタリング会社が使えなくなるわけではないので、乗り換え先が合わなければ元に戻すことも可能です。
また、ファクタリングの利用実績をもつ利用者は、乗り換え先で契約内容が優遇される傾向にあります。他社での利用実績は「約束通りファクタリング契約をまっとうする優良顧客」として評価されるからです。
ファクタリング会社は同じ会社を何度も利用すると利用条件が良くなる傾向にありますが、それは乗り換えも同様です。
具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのかを次章で詳しく見ていきましょう。
ファクタリング会社を乗り換えるメリット
ファクタリング会社を乗り換えるメリットは下記の4つです。
- 手数料が安くなる
- 審査通過しやすくなる
- 入金スピードが早くなる
- 調達可能額が増やせる
それぞれ詳しく解説します。
1.手数料が安くなる
乗り換えによって、以前より手数料を安くできるのが最大のメリットです。
例えば、既存のファクタリング会社の手数料が10%で乗り換え先が6%だったとします。この場合、たった4%しか安くなりませんが、売掛債権の額や利用回数によっては大きな差額となります。
100万円・1,000万円でファクタリングを利用したと仮定して、手数料の差額を以下にまとめました。
売掛債権の額 | 10% | 6% |
100万円 | 10万円 | 6万円 |
1,000万円 | 100万円 | 60万円 |
100万円の例では4万円の差額しかありませんが、1,000万円の規模になると40万円と従業員が1人雇える程の差額が生じます。
利用が複数回にわたれば、さらに大きな差額が生じるので、1%でも安くなるなら見積もりを取って比較・検討したほうが企業の利益は残りやすくなります。
2.審査通過しやすくなる
他社での取引実績をもつ利用者は、新規顧客と比べて審査通過しやすい傾向にあります。
ファクタリング会社がもっとも懸念するのは、貸倒れとなってしまうことです。しかし、過去にトラブルなく契約を完了した実績があれば、今後も安心して取引できる利用者と認定されて審査もスムーズに進められます。
3.入金スピードが早くなる
ファクタリング会社を乗り換えることで、入金スピードが以前より早くなる可能性があります。
ファクタリングの入金にかかる時間は、2社間ファクタリングで即日〜3日程度・3社間ファクタリングでは1週間〜10日程度です。この中でも、どのようなスピード感で対応できるかはファクタリング会社によって異なります。
スピード入金を強みにしているファクタリング会社に乗り換えれば、一刻を争う緊急時でも利用できるようになります。
4.調達可能額が増やせる
ファクタリング会社を乗り換えると、今より調達可能額を増やせる可能性があります。
ファクタリング会社によっては、契約時に掛け目を設定するケースがあります。掛け目とは融資で言う担保評価額のようなもので「売掛債権のうち◯%まで買取します」といった割合を示すものです。
例えば、100万円の売掛債権に対して掛け目90%だと「90万円 - 手数料」が利用者の調達可能額となります。掛け目で差し引かれた額は、売掛金の回収を終えた時点で利用者に返金されます。
掛け目はそもそも導入していないファクタリング会社もあり、売掛債権への掛け目の評価方法も業者によって様々です。
現在、掛け目である買取率が低く設定されているのであれば、乗り換えでより多くの資金調達が可能です。
ファクタリング会社を乗り換えるデメリット
ファクタリング会社を乗り換えるデメリットは以下の3つです。
- 必要書類を再度取得しなければならない
- 初回利用時の審査に時間がかかる
- 構築した信頼関係がゼロに戻る
どのようなデメリットが生じるのか、詳しく見ていきましょう。
1.必要書類を再度取得しなければならない
まずは、公的書類を再度取得して提出しなければならない点がデメリットです。
ファクタリング審査は、初回利用に比べて2回目以降の必要書類が少なくなることがほとんどです。例えば、2回目以降であれば身分証明書・公的書類の提出が不要になるケースもあります。
そのため、乗り換え先の初回利用時には登記簿謄本や印鑑証明書など、法務局での取得が再び必要になります。
取得費用に1,000円もかからないものの、お金と手間をかけてわざわざ取得し直さなければならない点はデメリットと言えます。
2.初回利用時の審査に時間がかかる
乗り換え先の初回利用時の審査は時間を要する可能性があります。
ファクタリング審査は、取引の可否を判断するために売掛先・利用者の情報を収集します。例えば、売掛先の信用情報・利用者のエゴサーチなどです。
基本的にファクタリングは2回目以降の利用だと審査スピードが早く、同じ売掛先との売掛債権であればさらに割愛できるステップが増え、現金化までがスピーディーになります。
初回利用に限った話ですが、乗り換え前よりも時間を要してしまうのは煩わしく感じてしまうかもしれません。
3.構築した信頼関係がゼロに戻る
既存のファクタリング会社で築いた信頼を、乗り換え先で再び構築しなければならなくなります。
面談審査がある場合、利用者の人柄もファクタリングの条件に影響するため、また信頼を得るために緊張感をもって対応しなくてはなりません。
「既存のファクタリング会社のほうがスムーズに話が進んだのに」と不満に感じる可能性があります。
ファクタリング会社を乗り換える3つのタイミング
ファクタリング会社の乗り換えを検討するタイミングは以下のとおりです。
- 手数料が高い
- 債権譲渡登記がある
- 担当者との相性が合わない
具体的にどのような状況で乗り換えするべきか、順番に解説します。
1.手数料が高い
現在、利用しているファクタリング会社の手数料が高く、手元に残る利益が少ない場合は乗り換えを検討したほうが良いです。
ファクタリングの利用におけるリスクとして、繰り返しの利用による財務状況の悪化が挙げられます。とくに、売却する売掛債権が大口であればあるほど、企業の支払いに充てるべき預貯金は目減りしてしまいます。
企業が長期的に運営を続けていくためにも、手数料が高い場合は乗り換えを検討すべきです。
2.債権譲渡登記がある
今のファクタリング会社の利用に債権譲渡登記が必須なのであれば、設定不要の業者を選定するのも1つの手段です。
債権譲渡登記はファクタリング会社の二重譲渡を予防する意味合いで用いられます。しかし、基本的に費用は利用者負担であり、金額も登録免許税として7,500円・司法書士への報酬が5万円〜10万円程度と高額です。
また、登記があると必要書類の取得や東京法務局への申請を挟むので時間もかかりやすいです。
債権譲渡登記の設定なし、あるいは留保のファクタリング会社を選ぶと契約の条件が良くなる可能性があります。
3.担当者との相性が合わない
ファクタリングでもっとも重要なのは「つなぎ資金を手にいれる」ではなく、「ピンチを凌いだ後にどう資金繰りを行っていくか」です。
そのため、ファクタリング契約における業務はもちろんのこと、資金繰りについても一緒に考えてくれる担当者がいるファクタリング会社を利用するのが望ましいと言えます。
もし、今のファクタリング会社の対応が遅い・親身に話を聞いてもらえないなどの不満があるようであれば、乗り換えを検討したほうが良いです。
ファクタリング会社の乗り換えにおける3つの注意点
ファクタリング会社の乗り換えにあたって、注意すべきポイントは下記の3つです。
- 二重譲渡に該当しないようにする
- 悪徳ファクタリング会社に要注意
- 乗り換えでも相見積もりは取る
後々のトラブルを回避するためにも、注意点を把握した上で乗り換えを検討しましょう。
1.二重譲渡に該当しないようにする
ファクタリング会社の乗り換えは自由に行えます。
しかし、同じ売掛債権を違うファクタリング会社に売却する「二重譲渡」は犯罪なので、該当しないように留意しましょう。例えば、1つの売掛債権をX社・Y社に売却して二重で売掛金を得る、あるいは200万円の売掛債権を100万円ずつ売却するといった行為です。
ファクタリング会社を乗り換えたり併用したりする場合は、売掛債権AはX社・売掛債権BはY社といったように、それぞれ違う債権を売却しましょう。
2.悪徳ファクタリング会社に要注意
乗り換えの際には、悪質なファクタリング会社にあたらないよう注意しましょう。
ファクタリング契約は基本的に、売掛先のトラブルによって貸倒れになっても利用者に支払いの責任を課せられない「債権請求権なし」の契約が一般的です。
しかし、悪徳業者の契約内容には「買戻請求権あり」「償還請求権あり」などの文言が記載されているケースが多いのです。これらの特約をつけて良いのは、貸金業者に登録している金融機関に限られます。
そのため、上記のような文言がある場合は契約書に貸金業者の登録番号が記載されているかチェックしましょう。貸金業法第17条では、登録番号の記載と書類の交付が義務付けられているからです。
もし、記載がないのであればファクタリングを装った悪徳業者である可能性が高いので、他社の利用を検討しましょう。
3.乗り換えでも相見積もりは取る
ファクタリング会社の乗り換え時も、相見積もりは取りましょう。
1社に即決してしまうと、再び乗り換えの手間が発生してしまう可能性が高くなるからです。複数のファクタリング会社をピックアップして、サービスの比較・検討をした後に乗り換えを実行しましょう。
即日入金に対応!乗り換えに適したおすすめ優良ファクタリング会社3選
ここでは、即日入金に対応しているおすすめのファクタリング会社3選をご紹介します。
ベストファクター
種類 | ・2社間ファクタリング ・3社間ファクタリング ・注文書ファクタリング |
入金スピード | 最短即日 |
手数料 | 2%〜20% |
買取可能額 | 30万円〜1億円 |
債権譲渡登記 | なしでも可 |
手続き方法 | オンライン・電話・メール |
公式サイト | https://bestfactor.jp/ |
ベストファクターは、業界最安の手数料2%〜を提供しているファクタリング会社です。
手数料のスタートラインが低く設定されているので、売掛債権によっては調達コストを抑えられます。上限額も決まっているので予想外に調達コストが高くなってしまう心配もありません。
また、ベストファクターの強みは、ファクタリングの付帯サービスとして財務コンサルティングを無料で提供している点です。財務コンサルタントとは企業の「財務」に着目して、経営課題を解決する専門家のことです。
ファクタリングと同時に、財務のプロによる根本的な経営サポートを受けたい方にはうってつけのサービスと言えます。
JBL
種類 | ・2社間ファクタリング ・3社間ファクタリング |
入金スピード | 最短2時間 |
手数料 | 2%〜 |
買取可能額 | 〜1億円 |
債権譲渡登記 | なしでも可 |
手続き方法 | オンライン・電話・FAX |
公式サイト | https://jbl-japanbusinesslinks.co.jp/ |
JBLは、入金まで最短2時間の脅威のスピード対応を誇るファクタリング会社です。
Web上で申込みから入金までの一連の流れを完結できる「オンラインファクタリング」を提供しているので、 一刻を争う事態でも頼れるサービスと言えます。
また、AIを駆使したオンライン10秒審査を提供しており、公式サイトより5項目を入力するだけで調達可能額・手数料の概算がわかるのも嬉しいポイントです。
スピード対応を求める方は、 JBLのファクタリングを検討してみてはいかがでしょうか。
ファストファクタリング
種類 | ・2社間ファクタリング ・3社間ファクタリング |
入金スピード | 最短2時間 |
手数料 | ・2社間:5%~・3社間:1%~ |
買取可能額 | 10万円〜1億円 |
債権譲渡登記 | なしでも可 |
手続き方法 | オンライン・電話・メール |
公式サイト | https://mirage-inc.com/service/reason.php |
ファストファクタリングは、入金速度・手数料・買取可能額のすべてにおいてバランスが取れた優良会社です。
原則として契約時は面談が必要となりますが、オンライン面談にも対応しています。
そのため、「遠方に住んでいるけど担当者と顔を合わせて契約を決めたい」と考える事業主にとって安心できるサービスと言えます。
また、ファストファクタリングの魅力は、他社からの乗り換えで手数料が最大10%OFFになるキャンペーンを実施している点です。
ファクタリング会社の乗り換えを検討している方は、相見積もりの1社にファストファクタリングを加えるべきと言えます。
ファクタリングの乗り換えについてよくある質問
ここでは、ファクタリングの乗り換えについてよくある質問に回答しています。
ファクタリングは違法ですか?
ファクタリングは違法ではありません。民法第466条でも「債権は譲り渡すことができる」と明文化されています。
ただし、ファクタリングと言っても給与債権を譲渡する「給料ファクタリング」は違法なので利用しないようにしましょう。
給料ファクタリングは「ファクタリング」と称しながら行っているのは「貸付」です。貸金業の登録をしていない業者が貸付を行うのは違法行為です。法外な利息を請求されたり、違法な取り立てをされたりした被害も過去に発生しています。
現在、生活費の貸付を実施している公益団体・自治体は多いです。まずはこれらの団体に相談しましょう。
ファクタリングとでんさいの違いは何ですか?
電子記録債権(でんさい)とは、手形・売掛債権をオンライン上で取引できるようにしたサービスのことです。
期日より早く現金化できる点はファクタリングと同様ですが、具体的には下記のような違いがあります。
- でんさいには貸倒れリスクがある
- でんさいは利用者・売掛先の双方がでんさいネットに加入していることが利用条件
- でんさいは利息・ファクタリングは手数料が発生する
売掛債権の譲渡を売掛先に知られたくない場合はファクタリング、手数料を抑えたい場合にはでんさいの利用が適しています。
他社に乗り換えたら今のファクタリング会社にバレますか?
融資は借り換えをすると、信用情報照会によってバレてしまいます。
一方で、ファクタリングは信用情報照会がないので複数社と並行して利用してもバレません。
二重譲渡はバレますが、通常のファクタリングであれば業者間で情報共有もされないので、「乗り換えるのか?」とネガティブに捉えられる心配がありません。
複数のファクタリング会社と並行して取引を行い、条件の合う1社を選ぶのも選択肢の1つです。
他社と比較してより好条件なファクタリングサービスを選ぼう!
ファクタリング会社を乗り換える際には、複数社に相見積もりを取りましょう。
比較・検討できる対象が多いほうが、自社に合ったファクタリング契約を見つけやすくなるからです。
その際に現在、利用しているファクタリング会社の契約条件を提示すると、契約内容の交渉なども行いやすくなります。例えば、他社の見積もりより手数料を抑えるように努力してもらえる可能性があります。
乗り換えを歓迎しているファクタリング会社は多いので、相見積もりを取ってサービスの比較・検討をしてみましょう。