ファクタリングのメリット・デメリット
「売掛金の支払い期日はまだ先だけど、今すぐに現金化したい」そんな時に活躍してくれるのが、ファクタリングです。ファクタリングを利用するにあたり、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
ファクタリングのメリット
①即日現金化できる
ファクタリングの最大のメリットと言えば、最短1日で売掛債権を現金化できるという点にあります。公的融資だと1ヶ月以上、銀行融資は2〜3週間ほど、審査に時間がかかります。
②柔軟な独自審査
ファクタリングは債権の買取なので、融資と比べて審査が通りやすくなっています。ファクタリングの審査では、「存在する売掛金か?」「定期的に発生しているものか?」「期日が長過ぎないか?」といった点を審査します。また、審査対象は売掛先企業となり、売掛先企業の信用を調査します。
また、融資を受ける時は、保証人や担保が必要になりますが、ファクタリングは売掛債権の売買になるため、保証人や担保も必要ありません。
③売掛先が倒産しても返金義務がない
万が一、売掛先が倒産したり、未払いが発生しても、ファクタリングを利用した会社には返金の義務が生じません。ファクタリングは「ノンリコース」、つまり、遡って請求できる償還請求権はない、ということになります。
④決算書や信用情報に影響しない
融資やビジネスローンを利用すると、会計上、負債が増えます。ファクタリングは売掛金が解消されるだけなので、負債には影響しません。貸借対照表において負債が増えないということは、以後の融資の審査にも影響を与えませんし、信用情報にも記録が載らないため、信用力にも影響しません。
⑤第三者に知られない
3社間取引では売掛先の承諾を得るため、売掛先にファクタリングを利用したことが知られてしまいます。一方、2社間取引では売掛先の承諾が必要ないので、売掛先にも第三者にも知られず、資金調達することが可能です。
ファクタリングのデメリット
①手数料が発生
ファクタリングを利用する際は、手数料が発生します。手数料の相場は、以下の通りです。
・2社間ファクタリング:売掛金額の15〜30%
・3社間ファクタリング:売掛金額の1〜9%
売掛先に知られない2社間ファクタリングのほうが手数料は高くなりますが、売掛先への信用問題もあるので、2社間を利用する会社が多くなっています。
②掛け目が発生
ファクタリング会社は、売掛債権をそのままの金額で購入するわけでありません。掛け目によって減額された金額が現金化されますが、一般的には売掛債権が回収できた段階で返還されます。
掛け目の相場は、70〜95%ほどになっています。回収リスクが大きければ掛け目が小さく、回収リスクが小さければ掛け目は大きくなります。
③債権譲渡登記が行われることもある
ファクタリングは売掛債権を売却して資金化する取引であり、債権譲渡が行われています。この事実を法務局に申請して登記を行うことを「債権譲渡登記」といいます。債権譲渡登記を行うことによって、譲渡の事実を誰もが知れるようになります。金融機関の融資の審査に影響を及ぼすなど、会社の信用にも繋がりますし、登記には費用もかかります。
ファクタリングはメリットが大きい一方で、少なからずデメリットもあるということを知った上で、他の資金調達方法とよく比較検討してみてください。