医療報酬ファクタリングは、医療報酬の明細書(レセプト)をファクタリング会社が買い取り、早期に現金化する資金調達方法です。
医科・歯科の診療報酬明細書、調剤薬局の調剤報酬明細書、介護サービスの介護保険給付費明細書などが買取の対象となります。
医療報酬ファクタリングとはどのようなサービスなのか、メリットやスキームについて解説いたします。
医療報酬ファクタリング概要
医療報酬ファクタリングはファクタリング会社が買い取るレセプトの違いにより、以下の3種類に分けられます。
- 診療報酬ファクタリング・・・医科や歯科が保有する診療報酬明細書を買取対象とするファクタリング
- 調剤報酬ファクタリング・・・調剤薬局が保有する調剤報酬明細書を買取対象とするファクタリング
- 介護報酬ファクタリング・・・介護サービス事業者が保有する介護保険給付費明細書を買取対象とするファクタリング
社保や国保に対して請求する医療報酬債権をファクタリング会社に買い取ってもらうことで、本来約2ヶ月後に入ってくるはずの医療報酬を、早期に現金化することができます。
ファクタリングでレセプトを早期現金化した次の報酬入金日には、報酬支払機関より通常どおり支払われる医療報酬をファクタリング会社が回収(または利用者が通常どおり回収、ファクタリング会社に入金)する必要があります。
医療報酬ファクタリングのメリット
医療報酬ファクタリングを活用することで、以下のようなメリットが得られます。
早期の資金調達ができる
医療報酬ファクタリングを利用すれば、支払日を待たずに医療報酬債権を早期現金化して資金不足の解消、資金繰りの改善が図れます。
資金使途は限られないため、調達した資金は設備投資や運転資金などご自由にご利用いただけます。
債権の信用力がきわめて高い
ファクタリングの審査で重要なポイントは、債権の種類と売掛先の信用力です。
医療報酬債権の支払機関である社保や国保は、一般の企業と違って支払い遅れや倒産等のリスクが極めて低いため、債権の信用力の高さは言うまでもありません。
医療報酬ファクタリングは審査の可決率が高いだけでなく、1~5%の非常に低いファクタリング手数料で取引ができます。
医療報酬ファクタリングのスキーム
医療報酬ファクタリングは契約主体(プレーヤー)の違いにより、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2つに分けられます。
2社間ファクタリング
お客様(医療機関)とファクタリング会社の2社間で契約します。
売買契約を結ぶにあたって支払機関への通知および承諾を得る必要がないため、最短即日~3日で買取代金が入金されます。
後日、お客様は支払機関より期日通りに入金された医療報酬をいったん預かり、1営業日以内にファクタリング会社へ預かった医療報酬をお支払いいただきます(集金代行業務委託契約)。
3社間ファクタリング
お客様(医療機関)と保険支払機関(国保・社保等)、ファクタリング会社の3社間で契約します。
売買契約を結ぶにあたって保険支払機関への通知および承諾を得る必要があるため、医療報酬買取額の入金までに2~4日間の期間を要します。
契約締結後は、債権回収、取り立て、貸し倒れリスク等の全てがファクタリング会社に引き継がれます。
ただし、お客様が保険支払機関に請求した医療報酬の満額の支払いが認めれるかどうか、請求時点では確定していません。審査機関によって請求内容が適切でない、または疑義があると判断された場合に査定や返戻が行われ、実際の報酬から差し引かれる可能性があるからです。
3社間ファクタリングの場合、満額の支払いが確定していない医療報酬に対して満額の買い取りができず、請求額の8割程度が買取額面の目安となります。
したがって、ファクタリング会社は請求額の8割の医療報酬から手数料を差し引いた金額を買取代金としてお客様にお支払い、審査機関より支払いを受けた後で債権の差額がある場合には、その差額を再度入金します。