ABLとファクタリングの違い
ABLとは?
ファクタリングと似た資金調達方法として知られるABL。ABLとは「Asset Based Lending(アセット・ベースト・レンディング)」の略で、銀行を始めとした金融機関に、売上債権を担保に融資を受ける資金調達の方法です。担保にするものは、債券だけでなく動産や商品、農畜産物なども可能なことから、近年人気が高くなっています。
ABLのメリット・デメリット
では、ABLにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。ABLの特徴と共に確認していきましょう。
ABLのメリット
ABLのメリットは「固定資産なしで融資が受けられる」可能性があること。債券や商品、その在庫や農畜産物など担保となりうるものの種類が多く、固定資産を持たない企業でも融資が受けられるのがポイントです。
融資を受けられるようになると、長期的に資金が安定し、経営も安定するというメリットもあります。
ABLのデメリット
ABLは担保の選択肢が広いメリットがありますが、デメリットにも関係してきます。担保が固定資産ではない分、価値の付け方が難しく、過剰担保になったり、担保が実行されると直接倒産につながったりする可能性も。
また、悪質な業者とABLした場合、会社を乗っ取られる恐れもあります。
担保にする資産割合が高くなると、万が一のときに会社が倒産しかねない致命的なダメージになるので注意が必要です。
ABLとファクタリングの3つの違い
では、ABLとファクタリングは具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
1.担保の対象
1つめの大きな違いは「担保の対象」です。
ファクタリングは「債券のみ」担保になりえます。一方ABLはファクタリングに比べて動産も対象になるため、範囲が広いことが特徴です。
2.審査基準の違い
2つめの違いは「審査基準」です。ファクタリングは担保にされた債券が長期的な取引での債券なのか、売掛金が支払われる信頼性を中心に審査します。
一方、ABLは担保になる動産の資産価値が主な審査基準に。もちろん、安定した経営をしているのかも審査対象になりますが、担保の資産価値にも重きを置いているのが大きな違いです。ABLのほうが審査は厳しいと言えるでしょう。
3.登記の必要性の違い
3つめの違いは「登記の必要性」です。ファクタリングは三社間で債務者の承諾をした場合に差債権譲渡登記が必要になりますが、コストがかかるため通知のみで終わらせるのが一般的です。一方、ABLは動産譲渡登記を行うことが一般的。そのため、登記のための時間や費用もかかってきます。
ファクタリングかABLはどちらを選ぶべき?
スピード感、審査の柔軟性、費用の安さで選ぶならファクタリング。長期間の金利の安さで選ぶならABLがおすすめです。
ファクタリングとABL、どちらも状況に合わせて使い分けましょう。