事業資金の調達方法
個人事業主が低金利融資を 受ける方法と審査のポイントを解説
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個人事業主は銀行融資やビジネスローンなどで資金調達ができます。

しかし法人と比較すると信用度が低い個人事業主は金利が高くなってしまうことも少なくありません。

申し込む商品や業者によっては個人事業主でも低金利で融資を受けることは可能です。

そこで今回は個人事業主が低金利で融資を受ける方法と、低金利で借り入れができる方法をご紹介していきます。

「どこに融資を申し込んだらいいか分からない」という方はぜひご覧ください。

記事の目次

個人事業主が低金利で融資を受けるコツ

個人事業主は法人と比較して事業規模が小さく、生活と事業が一体化している属性ですので、どうしても法人よりもお金を借りる際のコストが高くなります。

しかし次のポイントを押さえている個人事業主であれば法人と同じかそれ以上に低金利でお金を借りることが可能です。

  • 営業年数が長い
  • 黒字の状態が継続している
  • 事業と生活の分別ができている
  • 返済原資を確保できている
  • 資産を所有している
  • 貸借対照表を作成している

個人事業主が低金利で融資を受けるための6つのポイントについて詳しく解説していきます。

営業年数が長い

営業年数が長い個人事業主の方が審査で有利になります。

個人事業主は「開業届」という書類を税務署へ提出するだけで、誰も開業したことになるので事業実態が不透明です。

そのため、そのため、決算書でしっかりと売上が確保できている状態が3年程度続いていれば「事業実態があり、しっかりと事業を運営している」と判断されます。

ビジネスローンなどでは開業から1年以上は経過していなければ融資を受けられません。

法人と比較して営業実態が不透明な個人事業主は、継続的に営業できているかどうかが審査で重視されるので、営業年数は長ければ長いほど審査で有利になります。

黒字の状態が継続している

黒字の状態が継続している個人事業主も低金利で融資を受けやすいといます。

もちろん、法人でも個人でも黒字の方が審査で有利になることは間違いありません。

しかし個人事業主の場合、生活と事業が一体化しています。

そのため、多くの個人事業主が経費を膨らませ、所得を低くして税金対策をおこなっている実態があります。

融資審査をおこなう審査担当者も、もちろんそのような事情は理解しているので、にも関わらず黒字を計上している個人事業主に対しては「よほど利益を得ている」とかなりのプラス材料として評価される傾向があります。

このような理由から、黒字が続いている個人事業主は審査で有利になる傾向があります。

事業と生活の分別ができている

個人事業主が事業の経費と生活費を区分できてるかどうかも個人事業主の融資審査において重要なポイントです。

個人事業主は事業と生活が一体化した事業者です。

例えば自宅で仕事をしている場合、自宅の光熱費のうちどこからどこまでが事業の経費でどこからどこまでが生活費の区分かが曖昧ですので、個人事業主へ融資した運転資金が結果的に生活費に使用されてしまうことは珍しくありません。

事業資金で融資したお金がは事業にしか使用できないので、事業と生活の区分が曖昧な個人事業主に対する融資は融資金が生活費に使用されてしまう可能性が高くなり、結果として審査で不利になります。

反対に、事業に事務所は自宅とは別に用意して、自動車も自家用車と商用車を分けているというように、事業と生活を明確に区分している事業者に対しては、金融機関は安心して事業資金融資をおこなえます

事業と生活が一体化しやすい個人事業主だからこそ、事業と生活の区分が明確になっている個人事業主は審査で有利になり、低金利で借りられる可能性が高くなるでしょう。

返済原資を確保できている

返済原資を確保できていることも重要です。

個人事業主は所得があってもそこから生活費を捻出していかなければなりません。

例えば、1か月の生活費が30万円と想定した場合、年間360万円の生活費が必要になるため、「返済原資=所得–360万円」となります。

ここから計算した金額が借入金の年間返済額を下回る場合には「返済原資が確保できていない」と判断され、審査には通過できない可能性が高いでしょう。

もちろん生活と事業が一体化している個人事業主ですので、必ず返済原資を確保できていなくても審査には通過できます。

しかし返済原資が確保できている個人事業主の方が審査に有利になることは間違いないので、年間所得から生活費を控除した金額で借入金の返済額を賄える個人事業主は低金利で借りられる可能性が高いでしょう。

資産を所有している

資産を所有している個人事業主も審査では有利になります。

資産があれば、万が一借入金の返済が難しくなった際に売却して返済に充てられるので、金融機関が融資金を回収できる可能性が高くなるためです。

個人事業主の場合、事業に使用する資産だけでなく、個人的に所有している住宅や自動車や土地や有価証券なども評価の対象となります。

融資審査の際にはどこにどの程度の資産を保有しているのかを申告する場面があります。この際には事業と個人の両方の資産をできる限り多く申告しておくことで審査で有利になり、低金利で融資を受けられるでしょう。

貸借対照表を作成している

個人事業主の場合、貸借対照表を作成して確定申告をおこなっていることも評価の対象となります。

個人事業主は貸借対照表を作成せず、損益計算書のみを作成して確定申告するだけで10万円控除の青色申告が可能です。

そのため貸借対照表を作成せずに申告している事業者が数多く存在します。

しかし融資をおこなう金融機関とすれば資産と負債の状況が把握できる貸借対照表があった方がより正確で詳細な審査ができるので、貸借対照表を作成していない個人事業主よりも信頼度は高くなります

貸借対照表を作成して確定申告をおこなえば、55万円または65万円の控除も受けられ、融資の金利も低くなる可能性が高まるので、確定申告時には貸借対照表も作成しましょう

個人事業主が低金利で融資を受ける方法①日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は個人事業主が最も確実に低金利で融資を受けられる方法の1つです

日本政策金融公庫は100%政府が出資している金融機関ですので、営利を目的としておらず、低金利で中個人事業主や中小企業に資金を提供することを目的としています。

個人事業主が活用できる日本政策金融公庫の融資制度は主に以下の3つです。

  • 新規開業資金
  • 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
  • マル経融資

これらの融資であれば、個人事業主が低金利で融資を受けられる可能性が高いでしょう。

個人事業主が低金利で融資を受けられる3つの方法を詳しく解説していきます。

新規開業資金

利用対象者 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方
資金の使いみち 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金
融資限度額 7,200万円(うち運転資金4,800万円)
返済期間 設備資金 20年以内
<うち据置期間5年以内>
運転資金 10年以内
<うち据置期間5年以内>
利率(年) 基準利率(1.2%〜3.7%)。ただし、一定の要件に該当する方が必要とする資金(原則として土地にかかる資金を除く)は特別利率(0.75%〜2.8%)

なお、融資後に利益率や雇用に関する一定の目標を達成した場合に利率を0.2%引下げる

担保・保証人 相談

新規開業資金は新たに事業を始める人の運転資金や開業に必要な設備投資をおこなうための資金です。

なお、日本政策金融公庫は事業を始める前でなくても、開業後7年以内の人であれば新規開業資金の融資に応じています。

開業間もなくで事業が軌道に乗らずに運転資金が不足している方や、新たな設備投資を必要としている方は申込を検討してみましょう。

新規開業資金は運転資金でも最長10年までの返済期間を設定できるので、毎月の負担をできる限り少なくして、少しずつ返済していくことが可能な資金です。

融資限度額は7,200万円までと、かなりの高額融資まで対応しているので、大型の設備投資などにも活用できる資金です。

1%台の低金利が適用されることも珍しくない資金ですので、開業時に必要な資金を低金利で調達できる点が大きなメリットです。

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)

利用対象者 社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方で、次のいずれかに該当する方
  1. 最近の決算期における売上高が前期または前々期に比し5%以上減少している方
  2. 最近3ヵ月の売上高が前年同期または前々年同期に比し5%以上減少しており、かつ、今後も売上減少が見込まれる方
  3. 最近の決算期における純利益額または売上高経常利益率が前期または前々期に比し悪化している方
  4. 最近の取引条件が回収条件の長期化または支払条件の短縮化等により、0.1ヵ月以上悪化している方
  5. 社会的な要因による一時的な業況悪化により資金繰りに著しい支障を来している方または来すおそれのある方
  6. 最近の決算期において、赤字幅が縮小したものの税引前損益または経常損益で損失を生じている方
  7. 前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失を生じており、最近の決算期において、利益が増加したものの利益準備金及び任意積立金等の合計額を上回る繰越欠損金を有している方
  8. 前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失を生じており、最近の決算期において、利益が増加したものの債務償還年数が15年以上である方
資金の使いみち 社会的要因等により企業維持上緊急に必要な設備資金及び経営基盤の強化を図るために必要な運転資金
融資限度額 4,800万円
返済期間 設備資金 15年以内<うち据置期間3年以内>
運転資金 8年以内<うち据置期間3年以内>
利率(年) 基準利率(1.2%〜3.7%)ただし、[利用対象者]の5に該当する方のうち、次のいずれかに該当する方は、特別利率Q(1.1%〜2.2%)。
原油価格上昇をはじめとした原材料・エネルギーコスト増の影響またはウクライナ情勢の変化の影響を受けており、かつ、最近における売上高総利益率または売上高営業利益率が前期に比し5%以上減少している方
ALPS処理水の処分に伴う風評影響を受けており、かつ、最近における売上高が前期に比し5%以上減少している方
担保・保証人 相談

売上や収益が減少してしまった、赤字になってしまったという方に対して専門的に貸付をおこなっている資金が、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)です。

経営悪化時に資金が不足している際には、本制度を活用するとよいでしょう。

経営悪化時の融資は金利が高い傾向がありますが、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)では1%台の低い金利で借りられることもある低金利で借りられる融資制度です。

無担保・無保証で利用できることも多いので、資産を持っていない個人事業主の方も経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)であれば、経営悪化時に必要な資金の調達ができるでしょう。

マル経融資

利用対象者 商工会、商工会議所又は都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けている小規模事業者(商工業者に限る。)であって、商工会、商工会議所等の長の推薦を受けた方
資金の使いみち 経営改善に必要な資金
融資限度額 2,000万円
返済期間 設備資金 10年以内
<うち据置期間2年以内>
運転資金 7年以内
<うち据置期間1年以内>
利率(年) 1.65%
担保・保証人 無担保・無保証人

マル経融資とは、商工会や商工会議所の経営指導員の経営指導を受けて、商工会長や商工会議所長の推薦を受けた事業者だけが受けられる融資制度です。

基本的な融資条件は経営指導を受けて推薦を得られたかどうかだけですので、過去に返済に関するトラブルなどがなければ高い確率で融資を受けられます。

また、金利は1.65%と固定されているので、売上規模が小さく業況が芳しくない個人事業主のような小規模事業者でも低金利で融資を受けられる点が非常に大きなメリットです。

なお、マル経融資に必要な商工会議所長の推薦を受けるためには、経営指導員による経営指導を6ヶ月以上受ける必要があります。

経営指導といっても厳しいものではありません。基本的には定期的に訪問してくる経営指導員と経営状態について話し合う程度のものですので、指導の内容自体は非常に簡です。

なお、マル経融資を受ける際には以下の条件をクリアしなければなりません。

  • 従業員20人以下(宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業は5人以下)の法人・個人事業主
  • 最近1年以上、同一会議所の地区内で事業を行っている

従業員が21名以上に事業者や、業歴が1年未満の事業者は利用できないので注意しましょう。

また、6ヶ月以上の経営指導を受け、1ヶ月程度の日本政策金融公庫の審査を受けなければ融資を受けられないので、融資までには非常に長い時間がかかります。

緊急で資金が必要な際には活用できない融資制度であるという点も理解しておきましょう。

条件を満たせば、2,000万円まで担保なし保証人なしで1.65%の低金利で融資を受けられる点は大きなメリットです。

利用したい方はまず商工会議所へ問い合わせましょう。

個人事業主が低金利で融資を受ける方法②銀行融資

個人事業主が低金利で融資を受けられる2つめの方法が銀行や信用金庫などの民間の金融機関で融資を受ける方法です。

銀行や信用金庫などの地域の金融機関は地域の企業の資金繰りを円滑化させ、必要な資金を提供し、地域経済の活性化を図るという公共的使命を負っています。

そのため日本政策金融公庫と同じような低金利で融資を受けられます。

個人事業主が銀行や信用金庫で受けられる理由は主に以下の4つです。

  • プロパー融資
  • 信用保証協会の保証付融資
  • 制度融資
  • 銀行のビジネスローン

勘違いしている方も多いですが、地方自治体が制度設計や補助をおこなっている制度融資も、実際には融資するのは銀行や信用金庫ですし、返済も融資を受けた金融機関におこないます。

個人事業主が銀行や信用金庫から借りられる4つの融資の方法の特徴や審査について詳しく解説していきます。

プロパー融資

プロパー融資とは、信用保証協会のなどの保証をつけず、銀行が独自でリスクを負って貸付をおこなう融資のことです。

金利は事業者の格付けに応じて決定し、優良企業であれば1%を切るような低金利で融資を受けることも可能です。

信用保証協会は基本的に中小事業者への融資を保証する団体ですので、融資金額が大きくなれば保証をしてくれません。

そのためプロパー融資は売上規模が大きな企業に対して、メインバンクが融資をおこなうことが多くなっています。

プロパー融資には信用保証協会や民間保証会社の保証がつかないので、万が一の場合の損失は銀行が負わなければなりません。銀行にとって最もリスクの高い融資制度ですので、銀行にとって信用がある優良な企業のみが利用できる融資です。

そのため、個人事業主が「プロパー融資を貸してほしい」と申し出ても融資を受けることは簡単ではないでしょう。

また、銀行は万が一に備えて、プロパー融資の際には担保を設定することが多いので、担保となる有力な不動産を所有していない個人事業主は融資を受けるのが難しいでしょう。

結論的にいえば、プロパー融資は資金繰りに困った個人事業主がすぐに利用できる制度ではありません。

信用保証協会の保証付融資

信用保証協会の保証付融資とは、銀行や信用金庫の融資を信用保証協会が保証を付けて融資をおこなうものです。

万が一、返済が滞った場合、融資金の全部または大部分を信用保証協会が金融機関に対して保証するので、銀行や信用金庫は実質的なリスクなしで融資を実施できます

銀行にとって信用力が低い個人事業主や中小企業が融資を受ける場合には、信用保証協会の保証を付けて融資をするのが一般的です。

なお、地域には信用保証協会は1つしかないので、地域の金融機関であれば同じ信用保証協会の保証枠を利用します。

1つの企業に対して同じ保証枠は1つですので、信用保証協会の保証付融資は、複数の金融機関からお金借りても同じ枠を利用して融資を受けていることになります。

信用保証協会が「保証枠がいっぱい」「保証はできない」と、回答したら、基本的にはどの金融機関からも信用保証協会の保証付融資は受けられないと理解しておきましょう。

もちろん、信用保証協会の保証付融資の審査に通過できないリスクの高い事業者に対してプロパー融資を実施することはないので、信用保証協会から保証を断られてしまうと、その事業者は銀行や信用金庫から融資を受けることが非常に厳しくなってしまいます

なお、日本政策金融公庫は信用保証協会の保証を利用しないので、銀行や信用金庫などとは完全に別枠で融資を受けられます

制度融資

制度融資とは、都道府県や市区町村が地域の事業者が円滑に資金繰りができるよう、金利や限度額や融資条件などを設定している融資制度です。

自治体が民間金融機関に預けている預託金の範囲内で銀行や信用金庫などが融資し、信用保証協会が保証をするというスキームで融資をおこないます。

地方自治体が融資を実施すると勘違いしている方も多いですが、制度融資を融資するのは銀行や信用金庫であると理解しておきましょう。

制度融資では、金利や保証料の補助を自治体がおこなっています。

また、預託金の範囲内で融資をおこなうので、金融機関にとってリスクが低く、審査に通りやすいのも特徴です。

例えば東京都では創業資金として次のような制度融資があります。

利用対象者 (1)から(3)のいずれかに該当するもの
(1)事業を営んでいない個人で、東京都内で創業しようとする具体的計画を有するもの
(2)創業した日から5年未満である 中小企業者又は組合
(3)東京都内で分社化しようとする会社又は分社化により設立された日から5年未満の会社
資金の使いみち 創業に必要な資金
融資限度額 3,500万円
返済期間 設備資金 10年以内
<うち据置期間1年以内>
運転資金 7年以内
<うち据置期間1年以内>
利率(年) 固定1.7%以内~2.2%以内又は変動
担保・保証人 不要

審査によって1%台の低金利で借りられる場合もあります。

自治体によって融資制度は異なりますし、種類も数も異なります。

共通しているのは、自治体が地元の事業者のために用意している制度ですので、金利面でも返済方法でも非常に有利な条件で借りられる点です。

まずは会社が所在する自治体のホームページや商工課などに問い合わせて制度を確認しましょう。

ただし、銀行、信用保証協会、自治体の3者が審査をおこなうので、例えば「信用保証協会が保証はできない」と判断したら融資を受けられません。

また、それぞれの審査に時間と手間がかかるので、申込から融資までには1ヶ月程度の時間がかかると理解しておきましょう。

銀行のビジネスローン

銀行にはビジネスローンという商品が用意されています。

ビジネスローンとは、銀行が民間の消費者金融や信販会社などの保証を付けて融資をおこなう商品です。

民間の保証会社が保証をおこなうので、審査難易度が低く、融資までのスピードが速い点がメリットですが、金利は高くなっています。

例えば東京スター銀行のビジネスカードローンの商品内容は以下のとおりです。

利用対象者 ・事業を営んでいる法人代表者・個人事業主の方
・申込時の年齢が満20歳以上、契約時の年齢が満69歳以下の方
・保証会社(アイフル株式会社)の保証が受けられる方
資金の使いみち 事業性資金
融資限度額 50万円~1,000万円
(10万円単位)
返済期間 1年
(1年毎自動更新)
利率(年) 年4.5%~14.5%
(保証料を含む)
担保・保証人 アイフルの保証

大手消費者金融のアイフルが保証し、上限金利は14.5%と高めです。

事業者が利用できるカードローンのようなイメージであると考えましょう。

審査には通りやすいですが、金利が高く少額しか借りられないので、信用保証協会の保証付融資の審査に落ちた事業者が小規模のお金が必要な場合などに活用できます

個人事業主が低金利で融資を受ける方法③ビジネスローン

個人事業主はビジネスローンでも借り入れが可能です。

ビジネスローンとは銀行や信用金庫などの金融機関以外の貸金業者が提供する事業資金融資です。

金利は日本政策金融公庫や銀行融資よりも高いですが、審査難易度が低く、スピーディーに借り入れできる点が大きな特徴です。

個人事業主におすすめのビジネスローンは主に以下の5つです。

  • AGビジネスサポート「無担保ビジネスローン」
  • クレディセゾン「ビジネスサポートローン」
  • プロミス「自営者カードローン」
  • セゾンファンデックス「個人事業主専用カードローン」
  • オリコ「CREST for Biz」

それぞれのビジネスローンの特徴やスペックについて詳しく解説していきます。

AGビジネスサポート「無担保ビジネスローン」

融資限度額 1,000万円
金利 3.1%〜18.0%
融資スピード 最短即日
融資対象者 法人または個人事業主

AGビジネスサポートは大手消費者金融のアイフル傘下の事業資金専門の貸金業者です。

以前は「ビジネクスト」という、ビジネスローンでは最も有名なサービスを提供していましたが、今はAGビジネスサポートと名称を変更しています。

申し込みから契約まで原則来店不要で手続きでき、最短即日で融資を受けられます。

必要な書類は確定申告書(決算書)と代表者の本人確認書類だけですので、面倒な書類の用意の手間もありません。

赤字や債務超過などで銀行融資の審査に通過できなかった事業者も利用できるので、銀行から融資を断られ、緊急でお金が必要になった事業者はAGビジネスサポートの利用を検討してみましょう。

クレディセゾン「ビジネスサポートローン」

融資限度額 950万円
金利 2.8%~9.6%
融資スピード 1週間〜10日程度
融資対象者 法人または個人事業主

大手信販会社のクレディセゾンが提供するビジネスローンです。

上限950万円まで借入枠を設定でき、すでに保有しているビジネスカードに融資枠を追加するだけで借入可能になります。

また、すでにクレディセゾンのビジネスカードを保有している方は、新たなローンカードの発行がありません。そのため従業員や家族に秘密でビジネスローンの借入が可能です。

上限9.5%とビジネスローンとしてはかなり低い金利で利用できるので「低金利で利用したい」と考える方にクレディセゾンの「ビジネスサポートローン」は特におすすめです。

総量規制の対象ではありませんが、自主的に年収の3分の1までしか融資をおこなっていません。

そのため、上限950万円を借りられるのは年収が3,000万円近くある人の限られる点には注意してください。

また、審査は時間をかけてしっかりとおこなうので申込から審査完了までには1週間〜10日程度かかります。

審査完了後は最短翌日に融資を受けられますが、融資までには時間がかかってしまうので注意してください。

プロミス「自営者カードローン」

融資限度額 300万円
金利 6.3%~17.8%
融資スピード 最短即日
融資対象者 自営業者(個人事業主・フリーランス)

大手消費者金融プロミスの自営業者専用のローンです。

法人は利用できず、個人事業主やフリーランスなどの事業者が個人名で借入をおこなうローンです。

個人事業主やフリーランスは節税のために申告所得が低くなっていることが多く、個人向けのカードローンが借りにくいですが、自営者カードローンは総量規制対象外ですので個人事業主やフリーランスでも必要な金額を借りやすいのが特徴です。

そのため、自営者カードローンは事業資金にも自営業者個人の生活費などの消費資金にも利用できます

個人向けカードローンを利用しにくい自営業者向けのカードローンだと言えるでしょう。

プロミスが日本全国に設置している無人契約機で最短即日で契約できます。

申込日当日にローンカードが受け取れる数少ないビジネスローンですので、急いでいる方におすすめです。

セゾンファンデックス「個人事業主専用カードローン」

融資限度額 500万円
金利 6.5%〜17.8%
融資スピード 1週間〜10日程度
融資対象者 申込時、20歳から70歳までの毎月定期収入のある電話連絡可能な個人事業主の方

業歴1年以上で、確定申告書をご提出いただける方

セゾンが提供する個人事業主専用のローンです。

クレディセゾンの「ビジネスサポートローン」は年収の3分の1までしか借りられませんが、個人事業主専用ローンは年収の3分の1を超える借入が可能です。

申告所得が低く、年収の3分の1では借りられるお金がほとんどないという方はおすすめです。

上限金利は17.8%ですが、2025年2月まで金利引き下げキャンペーンを実施しており、この期間内であれば上限14.8%で利用できます。ビジネスローンとしては低めの金利で利用できるので、できる限りコストを下げたい方は、このようなキャンペーン中に契約するとよいでしょう。

借入はカードの到着後でなければ利用できず、カードの到着は必要書類の提出から1週間程度かかるので融資までには10日程度必要です。

急いでいる方には向いていないので時間に余裕をもって申し込みましょう。

オリコ「CREST for Biz」

融資限度額 10万円~300万円
金利 6.0%~18.0%
融資スピード 数日程度
融資対象者 個⼈事業主

大手信販会社のオリコが提供するビジネスローンです。

上限金利は18%程度と高いですが、審査難易度が低く、赤字や債務超過の個人事業主でも審査に通過できる可能性があります。

また、総量規制対象外ですので申告所得の低い個人事業主でも申告所得の3分の1を超える金額の借入が可能です。

また、入会と同時に借入をした分に関しては2%の金利優遇を受けられるので、最初からまとまった使い道がある人は低コストで資金調達できます。

振込融資の場合には20時45分までの申し込みで最短1分で利用できるので、急いで資金が必要なタイミングでもしっかり資金調達が可能です。

すぐに借入をしない方も、緊急で資金が必要になった場合に備えて、オリコ「CREST for Biz」の利用を検討するとよいでしょう。

急ぎの資金調達におすすめ!ファクタリングのメリットとは?

個人事業主が急いで資金調達したいのであれば、融資だけでなくファクタリングもおすすめです。

ファクタリングは借り入れではなく、売掛債権を売却して資金調達する方法です。

売掛債権は期日になるまで資金化できない資産ですが、ファクタリングを利用すれば最短即日で資金調達可能です。

特に法人と比較して信用度が低くなる個人事業主にとって、ファクタリングを利用することには次のようなメリットがあります。

  • 売掛先企業の信用で資金調達できる
  • 税金を滞納していても資金調達できる
  • 信用情報ブラックでも資金調達できる
  • 最短即日で資金調達できる
  • 売掛先企業に秘密にできる

赤字や開業間もなくやブラックの人でも、ファクタリングであれば審査に通過して資金調達できる可能性があります。

個人事業主にとってのファクタリングの5つのメリットを詳しく解説していきます。

売掛先企業の信用で資金調達できる

ファクタリングは売掛先企業の信用で資金調達ができます。

ファクタリング審査で最も重視されるのは「売掛債権が期日通りに代金を支払うかどうか」です。

つまり、売掛先の支払能力に問題がないと判断されれば、利用者の決算状況や財務状況とは無関係に審査に通過できます。

融資の審査では申込者が赤字や債務超過の場合には審査に通過することができませんが、ファクタリングでは赤字や債務超過を原因として審査に通過できない個人事業主でも審査に通過できる可能性があります。

信用力に自信のない個人事業主の方も、支払能力に問題のない取引先に対する売掛債権を保有していればファクタリングで資金調達できる可能性があるでしょう。

税金を滞納していても資金調達できる

ファクタリングでは税金を滞納していても資金調達できる可能性があります。

日本政策金融公庫や銀行の融資では税金を滞納していた場合にはまず審査には通過できません。

特に個人事業主はご自身の名義の税金や健康保険料すべての納税をしないと、納税証明書が発行されないので、事業とは無関係な固定資産税や自動車税や、個人の健康保険料まで納付しなければ融資を受けることが非常に困難になります。

法人の場合は法人名義での税金の支払い状況しか確認されないことと比較すると、個人事業主の方がこの点では厳しい審査がおこなれるのが実情です。

ほとんどのファクタリングでは審査で納税証明書の提出を求められることはないので、税金の滞納があっても審査に通過できる可能性が高くなります。

税金の滞納があって融資審査に通過できないのであれば、まずファクタリングで資金調達し、その後調達したお金で税金滞納を解消し、解消後に金利の低い融資を利用するなど、ファクタリングを有効に活用するのがおすすめです。

信用情報ブラックでも資金調達できる

ファクタリングは信用情報ブラックでも審査にはほぼ影響しません。

そのためブラックの人でもファクタリングであれば資金調達できる可能性があります。

ビジネスローンなどの審査では、代表者個人の信用情報を確認するので、代表者が信用情報ブラックの場合、その個人事業主は融資を受けることはほぼ不可能です。

しかしファクタリング会社は信用情報機関に加盟をしていないので、ファクタリング会社は信用情報を調べることができません。つまり、もしも利用者の信用情報がブラックであったとしても、ファクタリング会社はブラックであるかどうかすら知ることができません。

信用情報ブラックで融資を受けられない人でも、ファクタリングであれば審査で信用情報が問題になり、通過できないことはほぼありません。

信用情報ブラックでも通過できるという点も個人事業主の資金調達にファクタリングが向いている理由の1つです。

最短即日で資金調達できる

2社間ファクタリングであれば最短即日で資金調達が可能です。

利用者とファクタリング会社の2者だけで契約するのが2社間ファクタリングですので、審査に通過できれば2社間ファクタリングはすぐにでも利用可能です。

申込から入金まで、銀行融資は2〜3週間程度、日本政策金融公庫は1か月程度の時間がかかるため、銀行や日本政策金融公庫は急いでいる際には活用できません。

しかしファクタリングであれば、最短即日で資金調達できるので、緊急時の資金調達方法としても活用できます。

「どうしても今日中にお金を用意しなければならない」などの緊急の場面でもファクタリングは活用できます。

手元にすぐに動かせる資金のない、個人事業主の方に最短即日資金調達できるファクタリングはおすすめです。

売掛先企業やメインバンクに秘密にできる

2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社だけの契約ですので、売掛先企業にファクタリングの利用を知られる心配がありません。

取引先企業はファクタリングという手数料が高く融資と比較して知名度の低い資金調達方法を利用したことを知ると「資金繰りが悪いのかもしれない」などとネガティブに判断され、今後の取引に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、ファクタリングは借入ではないので利用しても負債として貸借対照表に計上されることがありません。

そのため、貸借対照表を毎期提出するメインバンクにも秘密にして資金調達が可能です。

メインバンクは自行以外の他の金融機関から資金調達する企業に対してよい印象は持ちませんし、さらに借入先が金利の高いビジネスローンだった場合には格付けを下げることもあります。

しかしファクタリングであれば利用状況が決算書に計上されることがないので、外部からの評価が下がる心配はありません。

ファクタリングは融資に比べて、利用状況を外部に対して知られるリスクを軽減できる点も大きなメリットです。

個人事業主におすすめのファクタリング会社5選

個人事業主の利用に向いているおすすめのファクタリング会社は以下の5社です。

個人事業主に対する取り扱いをしていないファクタリング会社も多いですが、以下の5社であれば個人事業主も最短即日で資金調達が可能です。

  • ベストファクター
  • OLTA
  • ペイトナーファクタリング
  • ラボル
  • PAYTODAY

これらのファクタリング会社であれば安全に利用できるだけでなく、最短即日で低コストで資金調達できます。

個人事業主におすすめのファクタリング会社のスペックは特徴について詳しく解説していきます。

ベストファクター

ベストファクター

種類 2社間ファクタリング
3社間ファクタリング
調達可能額 下限・上限なし
手数料 2%〜
入金スピード 最短即日
手続き方法 対面

弊社ベストファクターは個人事業主の方に対しても積極的にファクタリングを取り扱っております。

少額の売掛債権の買取もおこなっておりますので、売上規模が小さな個人事業主の方もお気軽にご相談ください。

弊社はお客様との対話を重視しております。

決算書や確定申告書からはわからないお客様の人間性や経営者としての資質を審査に反映させて、手数料などを決定させていただきます。

また、ご相談に来れらるお客様の中には、他の方法で資金調達をおこなった方が金銭的なメリットが大きいと思われる方も少なくありません。

弊社は審査の際に財務コンサルティングを実施させていただき、お客様にとってベストな資金調達方法をご提案します。

その中でファクタリングがベストな方法であると判断できた場合にファクタリングを実施するので、ファクタリングを無理強いするようなことはございません。

弊社との契約には面談が必須となりますが、弊社の事務所までご来店いただくことが難しいお客様に対しては弊社の担当者が訪問をさせていただきますので、お気軽のご相談ください。

OLTA

種類 2社間ファクタリング
調達可能額 下限・上限なし
手数料 2%~9%
入金スピード 最短即日
手続き方法 オンライン

OLTAは個人事業主から法人まで幅広く利用でき、少額からの買取にも対応しているので、売上規模の小さな個人事業主でもファクタリングを利用できます。

申込から入金まですべてがオンラインで完結するので手数料が低く、上限9%の手数料は個人事業主が利用できる2社間ファクタリングとしては業界最低です。

また請求書のアップロードから24時間以内に審査が完了し、そのまま最短即日入金を受けられるので急いで資金が必要な個人事業主も活用できます。

数多くの大手企業やベンチャーキャピタルから出資を受け資本金は130億円を超えており、日本各地の銀行と提携しています。大手企業や銀行が提携するほどのファクタリング会社ですので、業者としての信頼性も抜群です。

安心できるファクタリング会社から低い手数料で資金調達したい方にOLTAはおすすめです。

ペイトナーファクタリング

ペイトナーファクタリング

種類 2社間ファクタリング
調達可能額 1万円〜100万円(初回は25万円まで)
手数料 10%
入金スピード 最短10分
手続き方法 オンライン

ペイトナーファクタリングは入金スピードが業界最速のファクタリング会社です。

あらかじめアカウントを作成しておけば、請求書のアップロードから最短10分で審査の回答があり、そのまま入金を受けられます。

急に資金が必要になった時には非常に活用できるファクタリング会社ですので、緊急時の備えて覚えておくとよいでしょう。

手数料は10%固定と低めで固定されているので安心です。

利用金額は100万円(初回は25万円)が上限と、少額の買取に特化したファクタリング会社です。

売上規模の小さい個人事業主やフリーランスを主な買取対象として想定しているファクタリング会社ですので、個人事業主の方は安心して利用できます。

また、ペイトナーファクタリングは個人事業主に対して発行した請求書の買取を実施している数少ないファクタリング会社です。

個人事業主に対して商品やサービスを提供した請求書を売却できるので、個人事業主相手にビジネスをされている法人も活用できるファクタリング会社です。

ラボル

labol(ラボル)

種類 2社間ファクタリング
調達可能額 1万円〜上限
手数料 10%
入金スピード 最短60分
手続き方法 オンライン

ラボルは24時間365日最短60分入金に対応しているファクタリング会社です。

最短60分入金に曜日や時間を問わずに対応しているのは、数あるファクタリング会社の中でもラボルだけです。

対応力に最も優れたファクタリング会社ですので、土日祝日や夜間に営業している飲食業やサービス業の方におすすめです。

ラボルも手数料が10%固定ですのであらかじめコストを確認でき、他社との比較も難しくありません。

1万円から利用できるので売上規模も小さな個人事業主も問題なく利用できます。

運営業者は東証プライム上場企業の株式会社セレスの100%子会社で、実質的に上場企業が運営しているサービスです。

業者の安全性、手数料の低さ、対応力と入金スピードとあらゆる点で優れた優良ファクタリング会社だといえるでしょう。

PAYTODAY

種類 2社間ファクタリング
調達可能額 10万円〜上限なし
手数料 1%〜9.5%
入金スピード 最短30分
手続き方法 オンライン

PAYTODAYは10万円から売掛債権の売却できるので、売上規模も小さな個人事業主やフリーランスでも利用できます。

利用しているのは、小規模も事業者が多いので、個人事業主やフリーランスの方も気兼ねなく利用できるでしょう。

審査はAIがおこなうので非常に速く、申込から審査回答まで最短15分、入金までは最短30分です。

圧倒的に入金スピードが速いので、急いで資金が必要な方におすすめです。

また、店舗を持たない効率的な経営をおこなっているので、上限手数料は9.5%と低めです。

サービス開始から3年程度で累計買取額は150億円を突破しています。多くの人が利用しているファクタリング会社ですので、初めてファクタリングを利用する方も安心して申し込めます。

個人事業主がファクタリング会社を選ぶ際の注意点

個人事業主がファクタリング会社を選ぶ際には次の4点には十分注意して利用し、業者を選択する必要があります。

  • 手数料が高額
  • 調達可能額が限られる
  • 資金繰りが改善するのは一時的
  • 悪徳業者に注意

融資と比較して高コストで調達可能額が限られます。

また本質的には資金繰りは改善しないので、長期的な視点で利用することが重要です。そして何よりも業者選びは慎重におこないましょう。

個人事業主がファクタリングを利用する際の4つの注意点を詳しく解説していきます。

手数料が高額

ファクタリングは手数料が非常に高額です。

期間1ヶ月の売掛債権を手数料10%でファクタリングした場合、年利に換算すると10%×12ヶ月=

120%ものコストになります。

銀行や日本政策金融公庫であれば年利1%台で借入ができることを鑑みると、ファクタリングは銀行融資の100倍以上のコストになることも珍しくありません

あまりにも無計画に利用してしまうと、手数料負担で資金繰りが悪化してしまいますし、収益にも悪影響を及ぼします。

ファクタリングは手数料が非常に高いということを認識し、本当に緊急で資金が必要なタイミングでのみ短期間だけ利用するようにしましょう。

調達可能額が限られる

ファクタリングでは調達できる金額が限られてしまいます。

売掛債権を売却して資金化するのがファクタリングですので、売掛債権の範囲内までしか調達できません。

そのため、1回のファクタリングで調達できる金額は、1つの取引先に対する1ヶ月分の売り上げが限度です。

月商の何割かしか調達できないので、ファクタリングでは大きな金額は調達できません

融資であれば月商の数ヶ月分程度の運転資金や年商を超えるような高額な資金調達が可能になることと比較するとこの点はデメリットです。

ファクタリングは少しの金額を緊急で調達する際に活用するなど、使い方が限られてしまう点に注意しましょう。

資金繰りが改善するのは一時的

ファクタリングで資金繰りが改善するのは一時的です。

ファクタリングは将来の入金期日になれば入金される代金を前倒しで資金化しているだけだからです。

そのため、資金繰りが改善するのはファクタリングで調達した資金が手元にある間の一時的な期間だけで、当初の入金期日になると予定されていた入金がなくなってしまうので、再び資金繰りが苦しくなることが予想されます。

その際に再度ファクタリングを利用してしまうとファクタリングから抜け出せなくなり、延々と高い手数料を負担し続けなければならなくなります。

そのため、ファクタリングでは本質的に資金繰りが改善しないということを認識したうえで上手に活用しなければなりません。

具体的にはファクタリングで調達した資金が手元にあるうちに銀行から長期借入金を借りるなどして、本質的な資金繰り改善方法も考慮した上でファクタリングを利用するようにしましょう

悪徳業者に注意

ファクタリングを利用する際には悪徳業者や違法業者に十分注意してください。

ファクタリング業を営むには免許や許認可や登録が不要なので、どんな業者も営業できます。

また、ファクタリング業の詳細について取り決めたいわゆる業法などの法律も存在しないので、業者は自由に手数料等の条件を設定できます。

そのため、業者の中には法外な手数料を設定する悪徳業者も少なからず存在します。

基本的には手数料が20%を超えるような業者とは取引をしないでください

また、ファクタリングは売掛債権が未回収になった際の損失はファクタリング会社が負う「償還請求権なし(ノンリコース)」で実施されるのが大前提です。

未回収時のリスクをファクタリング会社が負わない「償還請求権あり(ウィズリコース)」のファクタリングは実質的な貸付です。貸付をおこないながら貸金業者登録のない業者は闇金ですので、「償還請求権あり(ウィズリコース)」の業者とは絶対に取引をしないようにしましょう。

ファクタリング会社の選び方について、金融庁は次のように注意喚起をおこなっています。

 一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
しかし、近時、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されています。また、ファクタリングとして行われる取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものは、貸金業に該当するおそれがあります。
事業者の皆様におかれては、こうした偽装ファクタリングを利用することのないよう、十分注意してください。
引用:金融庁|ファクタリングの利用に関する注意喚起

安全なファクタリング業者を選ぶため「手数料が20%以下」「償還請求権なし」「ネット上の口コミが問題ない」などのポイントを確認したうえで申し込みをおこないましょう。

また、信頼できる業者を見つけられるまでは、複数のファクタリング会社へ同時に申し込みを行い、相見積もりをとって、最も条件や対応のよい業者へ申し込むのがおすすめです。

まとめ

個人事業主が低金利で融資を受けたいのであれば、日本政策金融公庫や銀行へ申し込みをするのがベストです。

これらの融資であれば1%台の低金利で融資を受けることも不可能ではありません

しかし銀行や日本政策金融公庫の融資は申込から借入まで時間がかかり、審査が厳しいなどのデメリットがあります。

そのため、銀行や日本政策金融公庫から借りられないのであれば、ビジネスローンやファクタリングも上手に活用しながら、低金利で融資を受けやすい決算状況等を作っていくことが重要です。

特に個人事業主は事業と生活が一体化している属性ですので、低金利で融資を受けたいのであれば事業と生活の区分をしっかりとつけ、節税対策で所得を引き下げることをやめて一定程度の所得で確定申告をおこないましょう。

また、個人事業主は個人の所得税や住民税や自動車税や健康保険料を滞納しただけでも納税証明書が発行されなくなり、銀行や日本政策金融公庫から低金利の融資を受けられなくなってしまうので、税金の滞納には十分に注意してください。

 

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必要書類
  • 身分証明書
  • 入出金の通帳
  • (WEB通帳含む)
  • 請求書
  • 見積書
  • 決算書
  • 売掛先との取引内容履歴の確認事項
  • 売掛先との契約書類
  • 発注書、納品書、請求書など
  • 身分証明書
  • 登記簿贈本(履歴事項証明書)
  • 決算書(税務申告済の押印必須)
  • 売掛先との基本契約書
  • 売掛債権の因果資料
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