取引先からの入金遅れや大口の支払いなど、中小企業にはさまざまな要因で現金不足に陥るリスクがあります。資金ショートを防いで健全な経営を維持するためには、資金繰りを適切に管理しなければなりません。
今回は、中小企業の資金繰りの基本や対策について紹介します。後半では、資金繰りを改善するための資金調達の方法についても解説します。この記事を参考にして適切な管理方法を身につけ、資金繰りの悪化を防ぎましょう。
資金繰りとは？
資金繰りとは、企業が現金収入・支出を管理して過不足を調整する作業です。企業における資金とは現金・当座預金・普通預金・定期預金など、必要に応じて支払いに利用できる資産を指します。
資金が不足すると代金の支払いや借入の返済などが滞るため、たとえ利益が出ていても企業の存続が難しくなります。日頃から資金繰りに関する管理を徹底し、資金ショートを予防しなければなりません。
資金繰りを管理する3つの理由
中小企業は、次の3つの理由から資金繰り管理を徹底する必要があります。
- 資金ショートの回避
- 財務の安定化
- 信用力の向上
資金繰りを適切に管理すると、先々の収入・支出を見ながら必要資金の見通しが立てやすくなります。計画通りの収支が実現しないリスクに早めに対処し、資金ショートを予防可能です。
また、利益が出ていながら資金ショートにより倒産する黒字倒産を回避できます。さらに、急な資金調達による借入の増大を防ぎ、健全な財務状態を維持しやすくなるのです。
金融機関の審査では、しばしば資金繰り表などをもとに収支状況をチェックします。資金繰りの管理が適切であれば企業の信用力が向上し、より有利な条件で融資を受けやすくなります。
資金繰りに関する3つの誤解
しばしば次のような認識を持つ中小企業の経営者がいますが、いずれも誤解なので注意してください。
- 利益が出ている限り資金繰りに困ることはない
- 資金繰り対策＝金融機関の融資である
- 資金繰りは経理担当者のみが工夫すべき仕事である
資金管理が徹底されていなければ、利益が出ていても資金繰りに困る可能性があります。企業の利益は売上から費用を引いて計算されますが、売上の計上と同タイミング・同額で入金があるとは限りません。入金のタイムラグが原因で、利益が出ていながら支払いに対処できず黒字倒産に陥るリスクがあります。
資金繰り対策とは将来資金ショートしないように資金管理する方法であり、金融機関からの融資はその1つの手段にすぎません。できるだけ借入に依存しないよう工夫する必要がありますし、ファクタリングなど融資以外の資金調達が有効な場合もあります。
資金繰りを健全に保つためには、経理だけでなく営業・生産部門など企業のあらゆる部門が資金管理を意識しなければなりません。たとえ、経理部門が工夫しても、営業現場や生産工程で無駄な支出やずさんな資金管理が行われていれば、資金繰りを適切に管理するのは困難です。
中小企業の経営者は、全部門に対して適切な資金管理を徹底させましょう。
資金繰りとキャッシュフロー管理の違い
資金繰りとキャッシュフロー管理は共に資金の流れを示すものですが、それぞれ目的が異なります。資金繰りとは、現在から将来にかけての資金の流れを予測して対策する行為です。
キャッシュフロー管理とは、過去から現在に至るまでの資金の流れを把握して将来の計画や目標を立てる行為です。双方の違いを理解しながら、過去・現在・将来の資金の流れを適切に管理しなければなりません。
資金繰りが悪化・ショートする原因
資金繰りの悪化やショートは、次のようなさまざまな原因によって引き起こされます。
- 資金繰りの管理がずさん
- 入金タイミングの想定外の遅れ
- 経営上の無駄
- 過剰な資産の保有
- 事業の急拡大
以上の原因への対策を立てて、中小企業の健全な経営を維持しましょう。
資金繰りの管理がずさん
資金繰りの管理がずさんで、収入・支出など資金の動きを正確に把握していないのが第一の原因です。入出金のスケジュールを正しく理解していなければ、大きな支出が重なって資金ショートを引き起こすリスクが高くなります。資金繰り表を作成して今後の資金の動きを予測し、悪化する前に早めに対策を立てましょう。
入金タイミングの想定外の遅れ
取引先の経営悪化やトラブルなどで入金が遅れた結果、資金繰りが悪化する企業も少なくありません。たとえば、運転資金に余裕がないと、売掛金の入金が遅れて支払いができないケースが見られます。想定外の入金遅れが発生するリスクも念頭におきながら、潤沢な手元資金の確保に努めましょう。
経営上の無駄
事業を営むうえで無駄な経費が多く計上されていれば、資金繰りが悪化しやすくなります。利益率の低い事業の見直しや不必要な経費の削減を徹底しましょう。深夜・休日残業によって増大する人件費の圧縮やペーパーレス化・システム化などによるコスト削減なども実践しながら、効率的な経営を進めてください。
過剰な資産の保有
過剰在庫や不必要な固定資産の保有などが、しばしば資金繰りの悪化要因となります。企業の規模や売上・利益に対して資産が多いと、効率的な経営の妨げになります。在庫の保管や固定資産税の支払いなど、資産保有に伴うコストの増大にもつながるのです。
維持費・税金が発生し、利益につながらない不要な資産を持たないようにしましょう。すでに過剰な資産を保有しているなら、売却して現金残高を増やすのも有効です。
事業の急拡大
事業の急拡大は企業にとってチャンスである反面、しばしば資金繰りが悪化する原因にもなります。事業拡大の際には、設備の増強や仕入れ拡大などさまざまな要因で現金支出が増加します。
売上が入金されるまでには時間がかかるため、支出の増大が先に発生しがちです。事業の拡大を目先に控えているときには、支出増加に備えてさらに潤沢な資金を用意しておきましょう。
資金繰りの悪化・ショートを防ぐ対策8選
中小企業が資金繰りの悪化やショートを防ぐ方法は、次のように多数存在します。
- 資金繰り表の作成
- 経費の削減
- 仕入れ・販売コストの見直し
- 過剰在庫の削減
- 入金・支払いのタイミングの調整
- 余剰資産の売却
- 仮決算での中間申告を実施
- 節税対策
自社の経営状況や課題も踏まえながら、有効な対策を組み合わせてください。
資金繰り表の作成
資金繰り表を作成して、資金の流れを可視化するのが有効です。資金繰り表とは、企業や個人事業主などが一定期間の支出・収入を表にまとめたものです。さらに細かく分けると、過去の実績をもとに作成する「実績資金繰り表」と将来の資金繰りの予測をまとめた「予定資金繰り表」があります。
実績資金繰り表では、過去の資金の流れから資金繰りの課題やリスクを明らかにしましょう。そして、予定資金繰り表をもとに健全な収支計画を立ててください。資金繰り表を作成する際に将来の資金ショートのリスクが見つかった場合は、早めに資金調達を検討しましょう。
資金繰り表において重要な4項目
資金繰り表は、少なくとも以下の4項目が一目で分かるように作成してください。
| 会計項目 | 概要 |
| 前月繰越金額 | 前月末の資金の合計金額 |
| 経常収支 | 経常収入と経常支出の差額 |
| 財務収支 | 金融機関からの調達額と返済額の差額 |
| 翌月繰越金額 | 月末に残る資金 |
経常収支は経常収入と経常支出の差で、事業活動のなかで得た収入と支出を計上したものです。
- 経常収入：現金売上・売掛金の入金・受取利息など
- 経常支出：現金で支払いの仕入れ・買掛金支払い・給料支払い・支払利息など
財務収支は、金融機関から調達した資金と返済した資金の差額です。たとえば借入を行えば財務収支の増加要因となり、返済は減少要因となります。翌月繰越金額は月末に残る資金で、翌月の前月繰越金額は当月の翌月繰越金額と同額になります。
経費の削減
経費削減は現金支出の抑制につながるため、資金繰りの安定化に有効な手段です。たとえば、以下のような経費項目を資金繰り表で詳細に記録しておくと、削減可能な部分を見出しやすくなります。
- 人件費
- 旅費交通費
- 通信費
- 広告宣伝費
- 消耗品費
- 交際費
資金繰り表をもとに経費の内訳を正確に把握し、削減に取り組みましょう。
仕入れ・販売コストの見直し
仕入れや販売にかかるコストを見直して、削減を進めるのも1つの方法です。仕入れや製造原価が高い製品の販売がコストを増大させ、資金繰りを圧迫している可能性があります。納品先までの輸送費・広告・宣伝費など、販売コストが高い事業も同様にコストの見直しが必要です。
仕入れ先の変更や販売コストが低い事業への集中投資などを通じて利益率を改善させれば、中長期的な資金繰りの安定化につながります。
過剰在庫の削減
需要に見合わない仕入れをなくし在庫を極力保有しないようにすれば、資金繰り悪化を予防可能です。商品の仕入れ費用は売上による入金より先に発生するため、在庫が多いほど資金繰りを圧迫しやすくなります。
また、在庫が多いと保管費用や劣化に伴う廃棄などが増えて支出の増大要因にもなります。需要に対して最低限必要な量を仕入れて在庫を抑制し、効率的な事業経営を目指してください。
入金・支払いのタイミングの調整
確実に支払い前に潤沢な資金を確保できるように、入出金のタイミングを調整するのも一つの方法です。日頃から売上金の入金については現金や支払いサイトの短い売掛金を増やし、早めに収入が得られるように工夫しましょう。
逆にクレジットカードの使用や掛取引により、コストがかからない範囲で支払いタイミングを遅らせるのが有効です。自社にとって不都合な入出金タイミングの取引がある場合は、取引先との関係性を悪化させない範囲で入金や支払いのタイミングを交渉してみましょう。
余剰資産の売却
利益貢献が少ない余剰資産の売却も、資金繰りの有効な対策となります。売却時にまとまった資金が手に入るほか、保管・管理・税支払いなどのコスト削減にもつながります。たとえば、次の資産のなかで売却・譲渡できるものがないか検討してください。
- 売掛金
- 有価証券
- 土地
- 建物
- 機械
- 車両
特に売掛金を譲渡する「ファクタリング」は、中小企業の資金繰り解決の手段としてしばしば活用されます。余剰な売掛金を迅速に現金化したいなら、ファクタリングの利用を検討しましょう。
仮決算での中間申告を実施
仮決算による中間報告という法人税の制度を活用すると、税金の納付額を抑制できる場合があります。事業年度開始日から6カ月が経過した時点で仮決算を行うと、当該期間の業績をもとにした金額で法人税の納付が可能です。
通常は前事業年度の税額を基準に納付額を計算するため、足元6カ月にかけて業績が悪化した場合などには納税による現金支出を抑制できます。
節税対策
納税額を抑える対策を行って、税金納付の支出を抑制しましょう。中小企業の節税方法は多岐にわたりますが、一例をあげると以下のような方法があります。
- 社員旅行を福利厚生費として経費計上
- 昼食･夜食の支給額を福利厚生費として経費計上
- 小規模企業共済・中小企業倒産防止共済への加入
- 中古設備・車両・不動産取得による減価償却費の計上
なお、あくまで税制上問題のない方法で対策しなければなりません。制度上認められない方法で誤って税申告して追徴課税などを課されないよう、税理士や会計士などの専門家と相談をうえ対策を進めてください。
良い節税と悪い節税
節税対策では、現金支出や業績悪化を伴わずに納税額を圧縮しなければなりません。経営上欠かせない経費や減価償却費の計上・税制優遇措置の活用など、余計な現金支出を伴わない手法が「良い節税」といえます。
過大な仕入れや経営上必須ではない設備の購入なども、費用が増大して納税額を圧縮します。しかし、不必要に現金支出が増加する対策は「悪い節税」の典型例です。
減価償却費を意識して中古設備を購入した結果、質が悪く業務効率が低下した場合なども悪い節税といえます。節税対策を意識するあまり、本来重視すべき業績を悪化させるリスク要因となるからです。支出の抑制という節税本来の目的を見失わないように、注意してください。
資金繰りが苦しくても極力避けるべき状況
たとえ資金繰りが苦しくなったとしても、次のような手法で支出抑制や資金調達をするのは避けてください。
- 消費者金融の借入
- 税金・社会保険料の滞納
- 給与の滞納
- 借入金の滞納
以上の方法は、契約違反もしくは義務の不履行にあたります。企業の信用力を低下させ、近い将来さらに事業経営を困難にする原因になります。
消費者金融の借入
資金繰りが厳しくなっても、消費者金融からの借入を事業資金に充ててはいけません。消費者金融は相対的に審査が緩やかな傾向にあり銀行融資などより迅速に借りられるため、資金繰り対策として利用する人が少なからず存在します。
しかし、消費者向けローンは基本的に事業資金に使えない契約となっているため、中小企業の資金繰り対策に利用するのは契約違反です。発覚すると一括返済を求められるなど、さらに資金繰りを苦しめる原因となります。中小企業が審査が緩やかな借入を検討する場合には、事業資金に充当可能なビジネスローンの活用を検討してください。
税金・社会保険料の滞納
税金や社会保険料の滞納は、たとえ資金繰りが悪化していても避けましょう。税金や社会保険料の支払いは企業の義務の1つであるため、滞納すると延滞税の発生や資産の差し押さえにつながります。
税金・社会保険料の滞納があると銀行融資などの審査通過が困難になり、資金繰り改善の余地も狭まります。少々業績が悪化しても税金・社会保険料は遅滞なく支払えるよう、資金繰りの管理を徹底してください。
給与の滞納
従業員の給与も支払いにおける優先順位を高く設定して、滞納を防いでください。給与支払いは労働基準法で企業の義務とされており、違反が発覚すると30万円以下の罰金が科されます。法令違反を犯せば、信用力・評判を悪化させて売上や取引先との関係性などに影響が出る恐れもあります。
未払いに不満を抱いた従業員が流出し、日々の業務運営が困難になるリスクも無視できません。給与は毎月定期的に発生する支出なので、資金繰り表をもとに計画的に準備すれば資金手当ては十分に可能です。
借入金の滞納
金融機関や取引先からの借入金の滞納も回避しましょう。取引先への借入の滞納は、取引関係の悪化や賠償問題などに発展する恐れがあります。銀行など金融機関の借入を滞納すると、事故情報として信用機関に記録され資金調達が困難になります。
今後の企業経営に致命的な影響を及ぼしかねないので、返済スケジュールの遵守を徹底してください。どうしても返済が難しい場合には、滞納になる前に借入先に相談して返済スケジュールの調整を試みましょう。
資金繰りを改善するための資金調達方法
企業の資金調達には、大きく分けて次の6つの方法があります。
- 金融機関からの融資
- 増資による株式発行
- 私募債の発行
- 補助金・助成金の活用
- 手形割引
- ファクタリング
資金繰りを安定させるためには、適切な方法で計画的に資金調達を行うのが有効です。資金繰り表をもとにして資金管理を行えば、過不足のない効率的な資金調達が可能になります。
金融機関からの融資
銀行やノンバンクなどの金融機関からの融資は、多額の資金調達をするうえで有効な手段となります。資金繰り悪化を防ぐためのつなぎ融資や、多額の設備投資などさまざまな局面で利用可能です。
融資を受けるためには審査を通過する必要があり、借入期間や限度額・利率といった融資条件は借り手の信用力によって変化します。資金繰りや財務状況が健全なときに早めに融資を申し込んだ方が、有利な条件を引き出せる可能性が高くなります。過去の取引回数や返済実績を加味する場合もあるため、特定の金融機関と積極的に取引して良好な関係を築いておくのも有効です。
増資による株式発行
増資とは、新たな株式を発行して投資家に購入してもらう資金調達方法です。大きく分けて次の3つの方法があります。
- 公募増資
- 株主割当募集
- 第三者割当増資
ただし、公募増資は基本的に上場企業が行う手段であるため、非上場の中小企業は実行が困難です。株主割当募集は、既存株主に対して通常は持分比率に応じて増資する方法となります。株主構成を変えずにすみますが、既存株主から追加出資の承諾を事前に得なければなりません。
第三者割当増資は、新たな投資家に株式を配分する方法です。既存株主による追加出資が困難な場合でも、資金調達ができます。ただし、金融機関・ファンドやエンジェル投資家など新たな出資者を見つけなければなりません。経営者以外の出資比率が増えると、経営権を奪われるリスクが高くなる点にも留意が必要です。
私募債の発行
投資家から借入金を調達する債券の発行により、資金調達する方法もあります。債券には不特定多数から投資家を募る公募債と、少数の投資家へ募集活動を行う私募債があります。未上場の中小企業が発行するのは、ほとんどのケースにおいて私募債です。
私募債発行を利用すれば、融資に依存する企業よりも負債による資金調達の手段が多様化します。ただし、私募債を購入してくれる投資家を見つけなければなりません。また、私募債は償還までの担保・資金管理などを金融機関に委託する必要があります。受託金融機関を見つけるのも、中小企業が私募債を発行するうえでの課題となります。
補助金・助成金の活用
政府による補助金・助成金など、資金繰り支援策を活用するのも有効な手段の1つです。自治体や国により、さまざまな資金支援が行われています。
- 返済不要の資金供給
- 無利子もしくは低利での貸付
- 信用保証の支援や保証料の減免
補助金・助成金の多くは利用条件が定められていて、一定期間の内に申し込みが必要です。自社が利用条件にあてはまる補助金・助成金を整理したうえで、取りこぼさずに活用してください。
手形割引
手形割引は、短期的な資金調達手段としてしばしば活用される融資の手法です。手形とは一定期間が経過したのちに現金化できる証券で、取引先が製品の代金を後払いする際などに発行します。
手形割引は現金化の期日まで日数がある手形を金融機関に差し入れて、手形の額面から所定の割合で割り引いた金額の融資を受ける手法です。手形の期日が到来して決済されれば、自動的に金融機関への返済が完了します。
金融機関は、利用者ごとに手形割引できる金額の枠である極度額を設定します。極度額を超えると既存の手形が決済されるまで手形割引が利用できなくなるため、利用者は極度額と残りの割引可能額を管理しなければなりません。
ファクタリング
ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡して迅速に現金化する手法です。手元に請求書などの売掛債権があれば迅速に現金が手に入るため、中小企業がしばしば利用する資金繰り対策の1つです。
ファクタリングは資産の譲渡であって借入ではないため、財務状況が脆弱であっても利用できる可能性があります。また、ファクタリング会社によっては赤字や税滞納の状態でも審査に通過できます。
審査においては売掛債権からの資金回収リスクを重視するため、利用者の信用力が低くても実行しやすいのが特徴です。ただし、手元の売掛債権がなくなれば実行できない手法であるため、本当に必要なときに節度を持って活用する必要があります。
資金繰りの対策に関するよくある質問
最後に、資金繰り対策に関するよくある質問とその答えを紹介します。自身の疑問を解消するうえで参考にしてください。
Q1．資金繰り改善の方法は？
自社の過去の資金繰りを把握して課題を見出し、将来の資金繰り計画に盛り込んでいきましょう。資金の動きの把握や予算策定のためには、資金繰り表を作成するのが有効です。
同時に経費削減や業務効率化・利益率の改善などを通じた、企業業績の改善を進めてください。資金繰りの改善効果に寄与するまでには時間がかかるものの、業績の向上は中長期的な資金繰りの改善につながります。
Q2．資金繰り表はどうやってつくる？
法定書類ではないので、企業の担当者が見やすく管理しやすい表であればフォーマットは決まっていません。ただし、前月繰越金額・経常収支・財務収支・翌月繰越金額は必ず表の項目に加えてください。
Q3．資金調達額はどうやって決める？
資金調達額が増えればコストの増大要因となるため、必要最低限の範囲に絞るのが原則です。ただし、目先の不足額だけを見積もるのではなく、数か月先まで見込んで資金繰りが安定する金額を調達してください。資金繰り表を作成して資金の流れを把握しておけば、適切な金額で確実に資金調達を実行できます。
Q4．中小企業におすすめの資金繰り対策は？
財務を圧迫せず迅速に資金繰りを改善させたいなら、ファクタリングの活用がおすすめです。借入での資金調達は負債増大により財務体質の悪化を引き起こし、将来の資金調達の選択肢を狭める恐れがあります。融資商品によっては金利が高く、支出の増加要因にもなります。
ファクタリングであれば財務を圧迫せず、また自己資金による元利金の返済もなく資金調達が可能です。ファクタリング会社によっては即日での現金化ができるため、急な資金繰り悪化にも対応できます。
資金繰り対策を実行して資金ショートを予防しよう
資金繰り表を作成したうえで資金管理を徹底して、入金遅れなど不測の事態が起きても資金ショートに陥らないように注意しましょう。
今回の記事では、資金繰りを管理するための有効な手法や中小企業におすすめの資金調達手法を紹介しました。中小企業の経営者の方は、ぜひ今回の記事を参考に資金繰り対策を実行してください。
資金繰りの計画を立てるなかで資金不足のリスクが明らかになった場合は、早めに資金調達を実行しましょう。さまざまな資金調達の手段がありますが、中小企業には借入を増やさずにすむファクタリングがおすすめです。
