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新規事業や新しい技術でビジネスと展開されるスタートアップは実績が少ないので、銀行からの融資を受けることが難しい事業者の1つです。
しかしスタートアップの資金調達方法は通常の事業者が銀行融資をメインに調達していることと異なる方法であれば、資金調達できる可能性があります。
実績が少ないスタートアップは、銀行融資とは資金調達するためのコツが異なります。
スタートアップの資金調達方法にはどのような方法があるか、資金調達に成功するコツと合わせて詳しく解説していきます。
記事の目次
スタートアップ企業向け7つの資金調達方法
スタートアップの資金調達は希望額や調達までのスピードで最適解が変わります。
スタートアップが資金調達できる可能性は主に次の7つです。
- アセットファイナンス
- 出資
- 融資
- 社債
- 助成金・補助金
- クラウドファンディング
- 請求書ファクタリング
- 注文書ファクタリング
融資や出資だけに偏ると、成長局面での選択肢が狭まり、資金ショートのリスクも高まります。
まずは代表的な8手段を俯瞰し、自社のフェーズ、売上の有無、資産・売掛金の有無に合わせて組み合わせることが「資金調達 スタートアップ」で検索上位を目指す読者にも最も実務的です。
アセットファイナンス:資産を売却して資金調達
アセットファイナンスは、設備・車両・機械・在庫など「換金性のある資産」を売却して資金化する方法です。
手元に売却しても事業の継続に支障がない資産を保有しているのであれば
代表例はリース、割賦、ABL(動産・売掛債権担保融資)などで、資産の評価が通れば、決算実績が浅くても道が開けます。
ただし、資産評価が低いと希望額に届かないこと、資産の処分制限や保険・保守費用が条件になることがあります。
資金繰り改善だけでなく、設備投資のタイミング最適化として設計すると効果が高いです。
出資:株式を交付して資金調達
出資とは、投資家に対して株式を発行して出資を受ける方法です。
出資を請田お金は返済が不要なので財務状況を最も圧迫しない資金調達方法です。
しかし、新株の発行によって既存の株主の持分割合が下がり、株式の希薄化が起こるため既存の株主の利益を害する点がデメリットです。
また、株式を発行するということは会社の所有権を売却してしまうということなので、経営権を奪われてしまうリスクも考慮しなければなりません。
なおスタートアップが資金調達する際には、エンジェル、シードVC、事業会社(CVC)など相手によって資金以外のものも提供してもらえるため、「何を提供してもらえる投資家か(販路、採用、技術、信用)」まで含めて選ぶのがよいでしょう。
融資:銀行や日本政策金融公庫からの借入
銀行や日本政策金融公庫、制度融資などから借り入れて資金調達する方法です。
融資には返済義務は生じるものの、経営に口を出されたり、株式の希薄化が起こることはないので、経営権を維持しながら必要な資金を調達できます。
創業期は実績不足からハードルが上がりやすいものの、創業融資や保証協会付き融資、自治体の制度融資など、スタートアップでも借入ができる可能性がある方法があります。
審査では、資金使途の妥当性、返済原資(売上計画と粗利構造)、自己資金や代表者の信用、事業の継続性などが確認されます。
最もオーソドックスな資金調達方法ですが、融資には返済義務が生じるので借入過多になると返済負担の増加によって資金調達できない可能性があるので注意してください。
社債:債券を発行して資金調達
社債は、投資家に対して債券を発行し、利息と償還(返済)を約束して資金を集める方法です。
銀行融資と同じく返済義務がある資金調達方法ですが、資金の出し手が金融機関に限られず、金利や償還期間などについて借り手側から自由に設計できる点が大きな特徴です。
スタートアップや小規模企業でも社債の引き受け人数を50人未満に限定した少人数私募債がであれば発行することが可能です。
最近では、親会社・取引先などの他社との関係強化を目的にした少人数私募債を選ぶケースもあります。
ただし、実績がないスタートアップでは発行条件が厳しくなったり、引受先の確保が難しいという問題があります。
また、返済は償還期日に一括でおこなうので、償還期日に資金繰りを大きく圧迫するリスクがあります。
さらに一般的には銀行融資よりも資金調達コストは大きくなるので、利払いが収益を悪化するリスクも考慮する必要があります。
スムーズに資金調達するのであれば、社債の発行理由について「設備投資」「研究開発」「仕入拡大」など明確にし、返済原資の道筋を説明できるようにすることが重要です。
助成金や補助金
補助金や助成金で資金調達する方法もあります。
助成金・補助金は、一定の要件を満たす事業に対して、公的資金の支援を受ける方法です。最大の魅力は、原則として返済不要であることです。
補助金や助成金は政府や自治体などの政策目標にかなった事業をおこなうことで受け取れるケースが多くなっています。
そのため、研究開発、設備導入、IT導入、雇用、人材育成、地域課題解決など、テーマに合う制度があれば補助を受けられる可能性が高いでしょう。
一方で、申請書類の作成負担が重く、採択まで時間がかかること、後払い(精算払い)が多いので「つなぎ資金」が必要になることが注意点です。
また、補助を受け取った後の事後監査に耐える運用体制が求められます。
補助金はスタートアップの資金調達にとって有力な原資となることは間違いありませんが、採択前後のつなぎ資金の資金繰りは融資やファクタリング等で補うことまで検討しておきましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、プロジェクトを公開し、公開されたプロジェクトを応援したいと考える不特定多数の支援者から少しずつ資金を集める方法です。
購入型・寄付型・融資型・株式型など形態が分かれます。
日本においては購入型の支援がほとんどで、資金調達と同時に市場検証(需要の有無の確認)とファンづくりができるため、スタートアップと相性が良い資金調達方法だといえます。
事前のストーリー設計、リターン設計、プロモーションの方法が資金調達の成否を分けるので、どんなプロジェクトで必ず資金調達できるわけではありません。
クラウドファンディングは、目標額が未達の場合には資金が受け取れない形式(All-or-Nothing方式)があること、達成しても手数料がかかることや、返礼品のコストや手間がなどがかかる点には注意が必要です。
また、当初公開したスケジュール通りにプロジェクトが進まないと、かえって企業の評判を落とす可能性があります。
クラウドファンディングはPRと資金調達を一体で進めたいスタートアップに向き、販売チャネル開拓の第一歩にもなります。
請求書ファクタリング:売掛金を売却して資金調達
請求書ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に売却し、入金期日を待たずに現金化する資金調達方法です。
売掛先企業の信用が最も重視され、創業直後で融資が通りにくい局面でも、売掛金さえあれば資金調達できる可能性があります。
スタートアップは先行投資や仕入等が増大する傾向があるので「支払いが先、入金が後」という構造のギャップを埋めることができ、広告費・仕入・外注費などの先行投資を積極的におこなことができます。
手数料が2社間ファクタリングで10%〜20%ほど高額になっているので資金調達コストが高くなる点に注意が必要です。
また、取引先に秘密で資金調達できる3社間ファクタリングは資金調達できるまでに1週間以上かかってしまうこともあるので注意しましょう。
注文書ファクタリング:注文書(受注)段階での資金調達
注文書ファクタリングとは、取引先から受注があった段階でまだ仕掛かり前の注文書を債権とみなして資金調達する方法です。
取引先から高額な発注があった際には、受注に伴う増加運転資金も増大しますが、注文書ファクタリングを利用すれば受注金額相当を業務に取り掛かる前に資金化できます。
資金力が乏しくアイデアだけが豊富なスタートアップは、受注が取れているのに運転資金が足りず成長が止まるという悩みが起きがちです。
受注段階の資金化ができれば、人員追加や外注費の支払いが可能になり、大口の受注を獲得できます。
ただし、審査では案件の契約内容、検収条件、支払い条件の確認がより重要になります。
書類整備の精度が資金化スピードに直結します。
請求書ファクタリングと合わせて、受注〜請求〜入金までの資金が不足するタイミングを埋める設計にすると、資金繰りが安定しやすいです。
手数料が高額なので、基本的には融資で対応し、融資が間に合わない場合や、融資審査に落ちた場合に利用するとよいでしょう。
スタートアップ企業の5つの段階ごとの資金調達方法
スタートアップの資金調達は、シードから5つの段階に分かれます。
初期はチームと市場仮説が中心ですが、シリーズA以降はユニットエコノミクスや再現性、シリーズB以降は成長効率とガバナンスが厳しく見られるなどの傾向があります。
自社の段階に合わない手段を選ぶと、条件が悪化しやすいので、フェーズ別に“勝ち筋のある調達先”を選ぶのがスタートアップが資金調達をおこなう際の基本です。
それぞれの段階ごとの資金調達方法を詳しく解説していきます。
シード期
シード期は、プロダクトが未完成、売上も限定的で、実績よりもチームとアイデアや技術の質が問われる段階です。
資金調達手段は、エンジェル投資家、シードVC、アクセラレータ、助成金・補助金、購入型クラウドファンディング、創業融資などが中心になります。
ここで重要なのは、資金の使い道を絞ることです。
製品などの機能を作り込みすぎるより、顧客課題の特定、PMFへの仮説検証、初期顧客の獲得に投資したほうが次ラウンドへ繋がりやすくなります。
なお、紹介した方法だけでなく、限られた取引先に対してが発生している場合は、ファクタリングで入金遅れを吸収し、開発や営業のテンポを落とさない設計も有効です。
シリーズA
シリーズAとは、スタートアップが事業を本格的にスケール(拡大)させるために行う、アーリー〜ミドル期における主要な資金調達ラウンドのことです。
主要手段はVCからの出資が中心になりますが、売上の拡大に合わせて融資も受けやすくなります。
投資家は、取引先との関係の継続率、粗利、成長率などの指標で、事業を拡大しても崩れることがないかどうかを確認しています。
ここで資金調達の成否を分けるのは、「調達額=次ラウンドまでの滑走路」になっているかどうかという点で、採用、広告、開発などの投資計画が、PMFを達成し、製品やサービスが市場のニーズに適合し、顧客に深く受け入れられ、継続的に利用されている状態になっていると判断される必要があります。
拡大期には入金サイトが長い取引が増えることも多く、その場合は資金繰りが悪化しやすいので、売掛金が増えたタイミングではファクタリングで資金調達して、手元資金を確保することも有効です。
シリーズB
シリーズBとは、事業が軌道に乗り始めたスタートアップ企業が、さらなる成長と事業拡大を目指すために行う資金調達ラウンドです。
この段階では、すでに事業を拡大して一定の収益を上げていることが多く、製品やサービスの改善、市場シェアの拡大、人材確保、マーケティング強化など、企業をスケールさせるための資金調達を目的とします。
この段階ではVCによる出資だけでなく、銀行などの金融機関から大型の融資を受ける方法や、補助金や助成金を受け取る方法もあります。
調達した資金は、製品・サービスの機能追加や改良、販売促進費や広告宣伝費の増加、優秀な人材の採用と確保、新規市場への進出、 設備投資などに利用されることが多いので、投資計画に達成見込みがあるかどうかが重視されます。
シリーズC
シリーズCとは会社の規模拡大が進み、上場準備やM&Aを視野に入れる段階です。
資金調達はさらに大型になり、成長の持続性、収益性への道筋、内部統制、監査対応など、上場企業に近い水準で見られます。
調達先はベンチャーキャピタル(VC)だけでなく、金融機関からの融資やプライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)などから数億円から数十億円規模の資金調達が行われるのが一般的です。
この段階では、IPO(新規株式公開)やM&A(企業買収・合併)などの「イグジット(出口戦略)」や事業拡大(海外進出、新規事業開発、企業規模拡大など)などの計画が重要になります。
このラウンドは、単に規模を大きくするだけでなく、企業価値を最大化し、将来のイグジットを有利に進めるための戦略的な資金調達であり、企業経営にとって重要な転換点となります。
シリーズD
シリーズDは、事業が安定成長し収益も確保できるようになった段階で行う資金調達ラウンドで、M&A(企業買収)やIPO(新規株式公開)といった「イグジット(出口戦略)」を具体的に目指すフェーズです。
大規模なM&A費用、海外拠点の設立、新規事業の立ち上げ費用、組織体制の強化(CFOなどの専門人材採用)などの資金使途が一般的です。
ベンチャーキャピタル(VC)、プライベート・エクイティ・ファンド(PEファンド)、機関投資家(生命保険会社など)から出資を受けます。
シリーズDまで資金調達を重ねる企業はそれほど多くありません。
多くの場合はシリーズCなどで十分な資金を調達し、IPOやM&Aへと進むことが多いです。
シリーズD以降は、より専門的で複雑な財務戦略と、明確なエグジット計画が求められるのが一般的です。
スタートアップ企業の資金調達における注意点
資金調達は、調達さえできれば成功ではありません。
条件が厳しすぎたり、使い道が曖昧だったりすると、次のラウンドや資金繰りで必ず歪みが出ます。
特にスタートアップは、売上のブレ、回収サイトの長さ、採用・広告の先行投資でキャッシュが急減しややすくなります。
スタートアップの資金調達でよくある失敗のケースは次のようなものです。
- アピールが不十分
- 収益化の見込みが立たない
- 想定した資金調達ができない
- 長期的な視点で資金調達できていない
スタートアップの資金調達で失敗する4つのケースについて詳しく解説していきます。
アピールが不十分
事業の魅力が十分に伝わらないと、良い商品でも資金調達は進みません。
よくある原因は、課題設定が曖昧で「誰の何を、どれだけ良くするのか」が短時間で伝わらないことです。
また、市場規模が小さく見える、競合との差が机上の空論に見える、チームの強みが説明されていない、といった点も評価を下げる要因です。
対策は、顧客課題を具体例で示し、競合比較を機能ではなく成果・コスト・導入障壁で語り、KPIの改善が見える実績(たとえ小さくても)を用意することです。
加えて、資金使途をマイルストーンに落とし込み、「この金額で何を達成し、次の成長にどうつなげるか」を一貫させると説得力が増します。
資金繰りが逼迫している場合は、売掛金をファクタリングで先に現金化し、資金調達に対する焦りや不安材料を減少させてから交渉に入るのも有効な方法です。
収益化の見込みが立たない
投資家や金融機関が最も嫌うのは、「成長しても儲からない」構造です。
売上は伸びても粗利が薄い、CAC(顧客獲得単価)が高すぎる、解約率が高い、単価が上がらないなど、収益化の道が見えないと資金調達は難航します。
特にシリーズA以降は、目標やビジョンよりも実績が重視されます。
価格設計と原価構造を見直し、粗利を守る仕組みを作ること、チャネルごとの獲得効率を測り、さらに成長させる施策実施することが重要です。
さらに、売上計上とキャッシュ回収のズレも収益化を曇らせるため、入金サイトの長期化には早めに対応が必要です。
売掛金が増えてキャッシュが追いつかないときは、ファクタリングで回収を早め、成長投資を連続しておこなうと、収益を改善しやすくなります。
想定した資金調達ができていない
想定した資金調達ができないという点もスタートアップの資金調達で失敗する事例の1つです。
「この条件でこの金額が調達できるはず」と想定していたのに、思った通りの金額が調達できない、条件が厳しい、そもそも資金提供してくれる相手が見つからないという事態は珍しくありません。
この対策としては、複数のシナリオで資金計画を作り、必要額を「最低限」「標準」「攻め」に分けておくことが有効です。
落とし所を決めておくことで、最初は最大値で交渉し、最終的には最低限いくらの獲得ができるのかを把握することができます。
また、審査などの資金調達にかかる時間は想定より長引く前提で、資金繰りには余裕を持つべきです。
もし審査や出資交渉などが伸びて運転資金が足りないなら、売掛金をファクタリングで短期的に補い、手元資金に余裕をもったうえで時間をかけて交渉した方が、長期的には資金繰りは有利になるでしょう。
長期的な視点で資金調達できていないケース
今だけを考えて長期的な視点で資金調達の交渉や相談ができていないケースも資金調達が失敗するケースとして挙げられます。
短期の資金不足だけを埋める調達を繰り返すと、利息や・手数料 負担が積み上がり、収益を圧迫する場合があります。
例えば、「すぐにお金を借りたいから」と、金利の高いビジネスローンに手を出したり、会社を乗っ取ることが目的な怪しい出資話に乗ってしまうケースです。
重要なのは、「資金調達調達は点ではなく線」で捉え、次の資金調達までに達成すべきマイルストーンを逆算することです。
採用計画、広告投資、開発ロードマップをキャッシュフローと連動させ、資金繰り表で「いついくら資金が不足するのか」を可視化しておくと、必要な資金を必要なタイミングで調達できます。
短期の資金繰りにはファクタリング、成長投資の核には出資、安定運転には融資というように役割分担を明確にすると、資金コストとスピードの両面で資金調達の最適化がしやすく、持続的な成長を実現できるでしょう。
スタートアップが資金調達を成功させるためのポイント
資金調達を成功させるポイントは次の5つです。
説得力のある事業計画書を作成する
投資家が重視する視点を把握する
複数の資金調達手段を組み合わせる
専門家のサポートを活用する
長期的な資本戦略を策定する
資金調達を成功させるには事業の魅力だけでなく、数字の整合性、資金使途の妥当性、リスクの管理などを組み合わせることが重要です。
逆に、資金が足りないことで焦ってしまうと、不利な条件を飲みやすくなります。
ここではスタートアップが資金調達で結果を出すための5つのポイントを解説していきます。
説得力のある事業計画書を作成する
資金調達の際には事業計画書が最も重要です。
事業計画書は「夢の資料」ではなく「資金が回収できることの説明書」です。
市場規模、顧客課題、解決策、競合優位、ビジネスモデル、組織、資金使途を一貫したストーリーで作成します。
特に重要なのは、売上計画が根拠と連動していることです。
絵に描いた餅で「〇〇万円売り上げたいから」ではなく、単価×顧客数×継続率×獲得コストといった分解で示して数字に根拠をつけて説得力を持たせることが重要です。
さらに、資金使途を「採用○名」「広告費○円」「開発○ヶ月」など具体化し、達成するマイルストーン(売上、継続率、導入社数など)を明確にすると、投資家や金融機関の信用度が向上します。
計画の精度を高めるには、最低でも月次の資金繰り表とKPIのダッシュボードを用意し、説明と資金の動きが一致している状態を作るのがよいでしょう。
投資家が重視する視点を把握する
出資で資金調達する際には投資家の視点を把握することも重要です。
具体的には、市場の大きさと成長性、競合環境、参入障壁、プロダクトの差別化、チームの実行力、指標の伸び方が問われます。
創業期は、創業者の背景と学習速度、顧客理解の深さなどが重視され、シリーズが進むほど、売上の継続性、ユニットエコノミクス、組織の仕組み化がなどが強く見られます。
相手によっても視点は異なり、CVCはシナジーと戦略、VCは成長率とEXIT、金融機関は返済原資と安定性を重視します。
したがって、同じ資料でも、相手の評価軸に合わせて順番と言葉を調整することが重要です。
なお、交渉中に資金繰りが逼迫すると判断が鈍るため、必要に応じてファクタリング等でキャッシュを厚くし、落ち着いて交渉できる状態を作るのも合理的です。
複数の資金調達手段を組み合わせる
1つではなく、複数の資金調達手段を組み合わせることも重要です。
資金調達は「出資か融資か」ではなく、目的別に最適手段を組み合わせるのがベストです。
たとえば、研究開発や採用など回収まで時間がかかる投資は出資、運転資金の平準化は融資、入金サイトの短縮はファクタリング、政策目標に合致した投資は補助金、市場の検証はクラウドファンディング、というように役割を分けます。
これにより、過度な株式の希薄化や過度な返済負担を避けながら、必要なタイミングで資金を確保できます。
特にスタートアップは売上の伸びとキャッシュ回収がズレやすく、売上が伸びるほど資金不足になりやすいです。
ここでファクタリングを組み込むと、回収サイトを短縮して投資スピードを維持しやすくなります。
専門家のサポートを活用する
経営者だけで検討するのではなく、専門家のサポートを活用することも重要です。
資金調達は、事業そのものだけでなく、契約・会計・税務・法務・金融実務が絡む総合戦です。
専門家を使わずに進めると、契約条項の不利、資本政策の失敗、補助金の運用ミス、融資条件の取り違えなどのミスが発生しがちで、後から大きなコストがかかる恐れがあります。
たとえば、出資であれば優先株条項、融資であれば返済条件と担保・保証、補助金であれば使途と証憑管理、ファクタリングであれば契約形態や手数料体系の理解など、資金調達には専門的な知識が不可欠です。
外部の専門家に丸投げするのではなく、意思決定は自社で行いながら、論点の整理と条件交渉を専門家に支援してもらう形が最も効果的です。
とくに資金繰りがタイトな局面では、短期で資金を作れる手段(ファクタリング等)を含めて相談できる相手がいると、企業にとっては選択肢が増えるでしょう。
長期的な資本戦略を策定する
長期的な資本戦略を策定することも重要です。
資金が足りない時だけ資金調達に動くのではなく、成長の局面でも守りの局面でも資本の戦略は練っておいた方がよいでしょう。
資金は日常的に運転資金が発生しますし、投資をする際にも資金が必要になるためです。
そのため、日常的にいくら必要なのか、企業がどの段階でいくらの投資をおこなう計画なのかというロードマップを明確にし、そのマイルストーンに合わせた資本計画を立てることが非常に重要になります。
具体的には、月次で資金繰り予測を更新し、採用・広告などの投資の上限を決め、大規模な投資をいく実行するのか、売上の伸びに合わせて運転資金がどのように増えていくのかを見える化します。
資金調達が上手な企業はお金が不足することがわかってから慌てて資金調達するようなことはしません。
慌てないようにするには、短期の資金繰り調整弁としてファクタリングを持ち、長期の成長投資として出資や融資を組み合わせる発想が有効です。
スタートアップの資金調達手段としてファクタリングの利用に向いている理由
スタートアップは、売上が伸びるほど運転資金が増え、入金サイトの長さが成長のブレーキになりがちです。
そこで「売掛金を早く現金化する」ファクタリングは、株式の希薄や返済負担なしでスピーディに資金を作りやすく、資金繰りの谷を埋める手段として相性が良いといえます。
具体的にファクタリングは次のような理由でスタートアップの資金調達に向いています。
- 創業間もなくで決算書が作成されていなくても利用できる
- 赤字や債務超過でも利用できる
- 最短即日で資金調達できる
- 売掛先企業の与信調査ができる
融資や出資が本命でも、つなぎ資金としてファクタリングを持つと、資金調達全体の成功確率が上がります。
スタートアップの資金調達にファクタリングが向いている4つの理由について詳しく解説していきます。
創業間もなくで決算書が作成されていなくても利用できる
決算書ができていないので、基本的には金融機関の創業資金(開業資金)融資しか資金調達ができません。
また、1期目の決算書が出来上がっていなくても実績が浅いため、融資審査では不利になる傾向があります。
しかしファクタリング審査は売掛金の回収可能性が主に確認されるので、決算書がなくても、利用者に信用がなくても、回収可能性の高い売掛債権さえ手元にもっていれば審査に通過できる可能性が高くなります。
つまり、取引先に対して請求できる正当な売掛金があり、請求書や契約書や納品書などの売掛債権成員資料が整っていれば、創業期でも資金調達が可能です。
スタートアップでは、初期の大口案件ほど入金サイトが長くなりやすく、その間に広告費や外注費の支払いが発生します。
この資金ギャップを放置すると、せっかく受注しても業務を請け負うことができずに機会損失になります。
ファクタリングで先に現金を確保できれば、採用や外注の手配を止めずに受注を完遂し、企業は確実に成長することが可能です。
銀行融資を受けられない、決算書がないスタートアップや実績がないスタートアップでも、ファクタリングであれば資金調達できます。
赤字や債務超過でも利用できる
ファクタリングは赤字や債務超過や税金滞納があり、銀行融資の審査に通過できない企業でも資金調達できる可能性があります。
スタートアップは先行投資が大きく、赤字や債務超過になりやすいのが実情です。
融資の世界では、赤字や債務超過が続くと審査では著しく不利になります。
一方、ファクタリングは売掛金の回収可能性が重視されるため、利用企業の財務状況が厳しくても、売掛先の信用に問題がなければ資金化することが可能です。
もちろん、契約内容や請求の正当性、入金サイト、二重譲渡の防止などは厳密に確認されますが、赤字や債務超過そのものが即アウトになりにくい点は大きなメリットです。
特に、黒字化が近いのにキャッシュが足りない、投資で伸ばしたいのに入金が遅い、といった「あと一歩」の局面でファクタリングは有効です。
業績が悪く、融資審査に通過できない企業でも、ファクタリングであれば必要な資金調達ができる可能性が高くなります。
最短即日で資金調達できる
ファクタリングは最短即日で資金調達できる点もメリットです。
資金調達で致命的なのは、必要なタイミングに資金が間に合わないことです。
スタートアップは、広告費の決済日、外注費の支払い、仕入代金など、急にキャッシュが必要になる場面が多く、融資や出資のように入金までに数週間〜数か月かかる方法で資金が間に合わないことがあります。
ファクタリングでは、書類が揃い、審査・契約がスムーズに進めば最短即日で資金調達できる業者も多いので、緊急度が高い支払いへの対応力が強みです。
ファクタリングで即日資金調達できれば、支払い遅延による信用毀損や、成長機会を逃すリスクを下げられます。
スピード重視の資金調達手段として、ファクタリングという資金調達手段を保険的に持っておくと柔軟に資金繰りできます。
売掛先企業の与信調査ができる
ファクタリングを理由することで売掛先企業の与信調査ができる点も大きなメリットです。
スタートアップにとって、売掛先の与信調査は非常に重要です。
売上が増えても、回収不能が一度起きるだけで資金ショートをするリスクがあります。
そのため、取引先ごとに与信調査をおこない、「取引を継続しても問題のない企業か」「毎月いくらまでなら安全に取引できるのか」という点を検討しなければなりません。
しかし、審査のノウハウがない企業が取引先の与信管理を正確におこなうことは困難です。
ファクタリング審査では、売掛先の信用や取引実態の確認が行われるため、結果的に「取引先のリスクは把握する方法」になります。
ファクタリング審査に通過できない企業は危険な企業なので取引を控えた方がよいですし、低い手数料で審査に通過できる企業は安全な企業だと判断できます。
もちろん、ファクタリング会社によって審査の方法や手数料は異なりますが、売掛先の信用度が重要な審査要素である以上、取引先が健全か企業かどうかを判断するための有効な指標になることは間違いありません。
初めての大口取引や、入金サイトが長い案件では、与信の視点を持つだけでリスクを大きく低減できます。
また、与信管理体制ができている企業は、投資家や金融機関からも「ガバナンスができている」と高く評価されやすくなります。
資金調達の手段としてだけでなく、回収管理の対応としてファクタリングを位置づけると、スタートアップの資金繰りはより安定するでしょう。
スタートアップの資金調達はベストファクターへ相談を
ファクタリングはスピードと実務が命で、契約形態や手数料、必要書類、他の手段との組み合わせで結果が大きく変わります。
スタートアップの資金調達では、単発の資金化だけでなく、次の融資・出資までのロードマップをどう作るかが重要です。
ファクタリングを軸にしつつ、状況に応じた打ち手を相談できる窓口を持つことで、資金繰りの不安を減らし、成長投資に集中しやすくなります。
この点、ベストファクターは次のような理由でスタートアップの資金調達に向いています。
- 創業間もない事業者のコンサルティングを実施
- 最短即日入金
- 審査に通りやすい
- 融資とも組み合わせた資金調達方法を提案
ベストファクターはスタートアップの資金調達に向いていると言われる4つの理由を詳しく解説していきます。
創業間もない事業者のコンサルティングを実施
ベストファクターは申し込みしをしていただいた事業者の方にコンサルティングを実施しています。
創業期の資金調達は、手段の選定だけでなく、書類整備、資金繰りの見える化、資本政策との整合まで含めて設計する必要があります。
ここが弱いと、目先の資金は確保できても、次の調達で条件が悪化したり、資金ショートが再発したりします。
ベストファクターはファクタリングの取り扱いだけでなく、創業間もない事業者の状況に合わせて専門の担当者コンサルティングを実施しております。
本質的に資金繰りを改善するポイント、現在の財務上の問題点、長期的に成長していくために資金繰りで必要なものまで、資金繰りを本質的に改善し、今後成長していくためのポイントまで、担当者が相談にのりますがのお気軽にご相談ください。
最短即日入金
ベストファクターは東京・大阪・福岡のいずれかの窓口へご相談いただければ最短即日入金に対応しています。
緊急の支払いがあるとき、資金調達のスピードが遅れて、期日に間に合わないと会社の信用は大幅に下落します。
ベストファクターでは、店頭へご来店いただければ、申し込み〜審査結果の確認〜契約〜入金までの手続きをワンストップでおこなうことができるので、高い確率で当日中に資金調達できます。
スタートアップは緊急の支払いなどのために緊急で資金が必要になる場面も少なくありません。
ベストファクターであれば、スピーディーに資金調達できるので、緊急の入り用にもしっかりと対応できます。
審査に通りやすい
ベストファクターはファクタリング会社の中でも、審査に通過しやすい業者として知られています。
ベストファクターの審査は、単に決算書などを確認するだけでなく、ヒアリングで経営者の人間性やビジョンなどを確認し、「信頼できる人物か」という視点を重視ています。
そのため、決算書などの数字からわかる情報しか確認しない他のファクタリング会社よりも審査に通過しやすいといわれていますし、他社よりも有利な条件で審査に通過できるケースも少なくありません。
スタートアップは、信用力の面で融資審査が厳しくなりがちです。
取引先も体力が脆弱な企業であることも少なくないので、ファクタリング審査で不利になるケースも多々あります。
ベストファクターであれば経営者の人柄などといった定性的な部分も審査されるので、スタートアップでも有利な条件で審査に通過できることがあります。
他社の審査に落ちた方、他社では手数料が高いと感じている方は、ベストファクターへお気軽にご相談ください。
融資とも組み合わせた資金調達方法を提案
ベストファクターは単にファクタリングありきで審査を実施しているわけではありません。
複数の資金調達手段を検討し、お客様にとってはファクタリングがベストな選択肢であると判断できた場合のみファクタリングを提案しますし、融資などの他の資金調達手段が合っていると思われる場合には融資もご提案したします。
そのため、ファクタリングで短期の資金繰りを安定させながら、融資や出資で長期的な資金繰りの安定化を図っていくというような資金調達方法の提案もおこなっております。
たとえば、補助金が後払いでつなぎが必要ならファクタリング、設備投資にはリースや融資、成長投資には出資、というように、目的に対して資金を割り当てる設計をおこなうことも可能です。
このような総合的な提案によって、手数料や金利を必要以上に払わずに済み、資金繰りは長期的に安定します。
スタートアップの資金調達で悩むなら、ベストファクターへ相談して、最適な資金調達手段の組み合わせを一緒に検討しましょう。
まとめ
スタートアップは実績のある企業よりも資金調達手段が少なく、審査も厳格になることは間違いありません。
しかし、しっかりとした事業計画を策定し、資金繰りのロードマップを事業計画に合わせて策定することで、成長段階に合わせた適切な資金調達をおこなうことも可能です。
専門家のアドバイスを受けながら、適切な事業計画と資金調達計画を作成しましょう。
長期的には融資や出資によって高額の資金調達をおこなうのと同時に、短期的な運転資金を確保することも重要です。
短期の運転資金確保にはファクタリングが向いています。
ファクタリングについて相談したい場合や、ファクタリング以外にも総合的な資金調達手段の提案と、専門的なコンサルティングを受けたい方は、ベストファクターへお気軽にご相談ください。


