
この記事は約30分で読めます。
資金調達を検討する際に多くの経営者が気になるのが「返済額がいくらになるのか」「返済していけるのか」など、返済に関することではないでしょう?
企業は返済不要な方法で資金調達できることがあるので、返済が気になる方は返済不要な方法で資金調達することによって、資金調達後の返済負担を軽減することができます。
返済不要な資金調達方法はいくつかあるので、それぞれの方法の特徴やメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
返済不要な資金調達方法を6つご紹介するとともに、返済ありの資金調達方法との違いについて詳しく解説していきます。
記事の目次
- 1 資金調達とは?3つに大別される資金調達方法
- 2 資金調達をする際の3つのポイント
- 3 返済不要の資金調達方法のメリット
- 4 返済不要の資金調達をする際の注意点
- 5 返済不要の資金調達方法①エンジェル投資家からの出資
- 6 返済不要の資金調達方法②ベンチャーキャピタルからの出資
- 7 返済不要の資金調達方法③クラウドファンディング
- 8 返済不要の資金調達方法④助成金・補助金
- 9 返済不要の資金調達方法⑤資産の売却
- 10 返済不要の資金調達方法⑥リースバック
- 11 返済不要の資金調達方法⑦ファクタリング
- 12 償還請求権なしで返済不要の安心・安全なファクター10選
- 13 融資で返済負担を軽減する方法
- 14 返済不要な資金調達方法についてよくある質問
- 15 まとめ
資金調達とは?3つに大別される資金調達方法
資金調達とは、企業が事業の継続や成長のために必要な資金を、社内資金だけでは不足する場合に外部から調達することです。
資金調達は外部から資金を調達することなので、借入や資産の売却などさまざまな方法がありますが、基本的には次の3つの方法に大別されます。
- 負債を増やす資金調達方法(デットファイナンス)
- 資本を増やす資金調達方法(エクイティファイナンス)
- 資産を売却する資金方法(アセットファイナンス)
この3つの資金調達方法のうち、返済不要な資金調達方法はエクイティファイナンスとアセットファイナンスです。
デットファイナンスは返済義務のある資金調達方法になります。
企業の3つの資金調達方法の特徴やメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
負債を増やす資金調達方法(デットファイナンス)
1つ目の資金調達方法がデットファイナンスです。
デットファイナンスとは負債を増やす資金調達方法で、具体的には次のような方法があります。
- 銀行借入
- 日本政策金融公庫の借入
- ビジネスローン
- 社債
- リース
デットファイナンスのメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
資産がない小規模事業者はデットファイナンス以外の方法で資金調達することは困難ですが、デットファイナンスであれば小規模の事業者でも資金調達できる点が最大のメリットです。
また、利息は経費計上できるのでデットファイナンスには節税効果もあります。
その一方で、デットファイナンスは、いわゆる「借入」による資金調達方法なので、返済義務があり将来的に資金繰りを圧迫する可能性があります。さらに審査に通過しなければ資金調達はできないので、赤字や債務超過や税金滞納があると資金調達できない可能性が高くなります。
デットファイナンスは返済不要の資金調達ではありません。
資本を増やす資金調達方法(エクイティファイナンス)
資本を増やす資金調達方法をエクイティファイナンスといいます。
エクイティファイナンスは、投資化に対して新株発行をおこない、会社の株式に出資をしてもらい資金調達する方法です。
エクイティファイナンスのメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
エクイティファイナンスは出資によって資金調達する方法なので、返済義務がなく企業の財務状況が安定する点が非常に大きなメリットです。
自己資本が充実するので、安定した経営ができるでしょう。
その一方で、新株を発行して資金調達するため、投資化は会社の経営に口を出す可能性があり、場合によって経営者が会社から追い出されてしまう可能性があります。
また、既存の株主の持分比率が下がるので既存株主の権利を希薄化させてしまう可能性が高い点にも注意が必要です。
資産を売却する資金調達方法(アセットファイナンス)
会社の資産を売却して資金調達する方法をアセットファイナンスといいます。
アセットファイナンスには次のような方法があります。
- 不動産の売却
- 車の売却
- 機会設備の売却
- 事業の売却
- 有価証券の売却
会社の本業とは関係のない資産を売却することで資金調達します。
アセットファイナンスのメリットとデメリットは次のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
|
|
アセットファイナンスであれば負債は増えませんし、投資家に会社の経営権を取得されるようなデメリットもなく資金調達が可能です。
また、不要な資産売却によって貸借対照表が軽くなることで会社の評価が上昇する可能性があります。
しかしアセットファイナンスでは資産の価格までしか資金調達ができませんし、資産によっては売却までに数ヶ月程度の時間がかかることもあります。
資金調達をする際の3つのポイント
資金調達をする前に、どんな方法で資金調達したとしても次の3つのポイントだけはご自身の中で明確にしておく必要があります。
- いくら必要なのか?
- いつ必要なのか?
- 調達したお金を何に使用するのか?
資金調達する前に明確にすべき3つのポイントについて詳しく解説していきます。
いくら必要なのか?
まずはいくら必要なのかを明確にしましょう。
資金調達の方法はさまざまですが、方法によって調達できる金額はかなり異なります。
例えば、資産の売却の場合には、会社が所有している資産評価額までしか調達できないので、それ以上の金額を調達しようとしても難しくなります。
まずは、自社が必要としている金額はいくらなのかを明確にしましょう。
いつ必要なのか?
資金がいつ必要なのかについてもあらかじめ明確にしておきましょう。
資金調達方法によって調達できるタイミングはかなり異なるためです。
例えば資産の売却であっても、有価証券であればすぐに調達できますが、事業売却の場合には時間がかかることがあります。
すぐに資金が必要なのであれば、調達スピードが速い資金調達方法を選ばなければなりません。
資金が必要になるタイミングを明確にしましょう。
調達したお金を何に使用するのか?
調達したお金を何に使用するのかを明確にしましょう。
どんな資金調達方法であれ、お金の使い道が不明瞭な資金調達はできません。
不明瞭な使い道であっても資金調達できるのは、自分の資産を売却して現金化するアセットファイナンスだけです。
そのため、まずは調達したお金を何に使用するのかを明確にしてください。
また、新株発行や社債発行など投資化から資金調達する場合には、調達した資金を活用して、今後事業がどのように発展していくのかという事業計画が非常に重要になります。
投資家は将来のビジョンに対して投資をおこなうためです。
そのため、調達したお金の使い道を明確にするだけでなく、当該資金を使用して、事業がどのように発展していくのかを明確に示した事業計画書を策定するようにしてください。
返済不要の資金調達方法のメリット
返済不要の資金調達方法には次の5つのメリットがあります。
- 資金繰りが安定する
- 利息負担がかからない
- 貸借対照表の安全性が下がらない
- 売上規模よりも大きな資金調達ができる可能性がある
- 設備投資をしやすい
返済が必要ないので財務状況に負担をかけることなく資金調達ができ、投資などもおこないやすくなります。
返済不要な資金調達方法の5つのメリットについて詳しく解説していきます。
資金繰りが安定する
返済不要の方法で資金調達できれば、資金繰りが安定します。
資金調達後に返済の必要がないので、調達した分だけ完全に資金繰りは確実にプラスです。
銀行融資などの返済義務のある資金調達方法の場合には、将来にわたって返済をしていかなければならないので、借入後は毎月の資金の流出が借入前よりも多くなってしまいます。
返済不要の資金調達方法によって資金を調達できれば、資金繰りも財務状況も資金調達前よりも安定化させられる点はメリットです。
利息負担がかからない
返済不要の資金調達方法は利息負担がかかりません。
返済の必要がないので、利息が発生しないのは当然です。
デットファイナンスによって資金調達した場合には、元金返済に加えて利息の支払いも必要です。
利息は営業外費用になるので、利息負担によって経常収支が圧迫されますし、利息の支払分だけ資金繰りも圧迫されることになります。
資金調達方法によって金利は大きく異なりますが、例えばビジネスローンで資金調達した場合には金利10%〜15%程度が適用されるのが一般的です。
500万円を金利10%で借りて5年返済した場合、利息だけで130万円以上の支払いになります。
返済不要な資金調達方法では利息負担が発生しないので、資金繰りも収益も安定する点は大きなメリットです。
貸借対照表の安全性が下がらない
返済不要の資金調達方法によって資金調達できれば貸借対照表の安全性が下がらない点も大きなメリットです。
次の企業がデットファイナンス・アセットファイナンス・エクイティファイナンスで100万円を調達したケースを考えたみましょう。
資産 | 負債・資本 |
---|---|
現金預金 200万円 | 借入金 100万円 |
不動産 100万円 | 資本金 200万円 |
合計 300万円 | 合計 300万円 |
返済義務のあるデットファイナンスで資金調達した場合には、調達した分だけ負債が増加します。
①借入金によって100万円調達した。
資産 | 負債・資本 |
---|---|
現金預金 300万円 | 借入金 200万円 |
不動産 100万円 | 資本金 200万円 |
合計 300万円 | 合計 400万円 |
負債が増加すれば、総資産に占める自己資本の割合である自己資本比率が低下するので貸借対照表の評価は下落し、安全性に対する評価も下落します。
一方、返済不要の資金調達方法であるアセットファイナンスは、売却する資産を現金預金と交換しているだけなので、貸借対照表に大きな動きはありません。
②不動産100万円を売却して100万円の預金を調達した
資産 | 負債・資本 |
---|---|
現金預金 300万円 | 借入金 100万円 |
不動産 0円 | 資本金 200万円 |
合計 320万円 | 合計 300万円 |
エクイティファイナンスによって資金調達した場合、資本金が増えるので、自己資本比率は増加します。
③投資家に新株を発行し、100万円の資金調達をした
資産 | 負債・資本 |
---|---|
現金預金 300万円 | 借入金 100万円 |
不動産 100万円 | 資本金 300万円 |
合計 400万円 | 合計 400万円 |
この会社はもともと、300万円の総資産に対して200万円が自己資本なので、自己資本比率は200万円/300万円=66%です。
①の場合は200万円/400万円=50%
②の場合は200万円/300万円=66%
③の場合は300万円/400万円=75%
となります。
借入金によって資金調達した場合のみ自己資本比率が低下し、返済不要の資金調達方法では自己資本比率が変わらないか増加することになり、外部からの評価が下落しない点はメリットです。
売上規模よりも大きな資金調達ができる可能性がある
返済不要の資金調達方法は補助金や出資などの方法であれば売上規模よりも大きな資金調達ができる可能性があります。
画期的なアイデアや技術を持っていれば、ベンチャーキャピタルから年商を遥かに上回るような資金調達ができる可能性があります。
融資などの返済が必要な資金調達方法の場合は、返済を前提としているので、現在の売上規模から鑑みて返済が難しいほどの高額の資金調達を受けることは困難です。
返済不要な資金調達方法は、返済の必要性がないからこそ、売上規模から見て遥かに大きな金額の調達ができる可能性があります。
設備投資をしやすい
返済不要な資金調達方法は設備の投資計画や生産拡大などといった将来の事業計画に対して必要な資金調達を受けられるものです。
そのため、設備投資などに必要な資金を調達しやすい点も大きな特徴です。
事業計画が魅力的で実現可能性が高いと判断されれば高額な設備投資を受けられます。
また補助金に関しては、ほとんどが政策目標を実現するために必要な投資の何割かを補助する資金なので、設備投資の時に「使える補助金はないか?」という視点で補助金を探す企業も少なくありません。
自己資金ではなかなか難しい高額な投資でも、返済不要の資金調達方法を活用することで投資しやすくなります。
返済不要の資金調達をする際の注意点
返済不要と謳っている資金調達をする際には次の点に注意してください。
- 返済不要の対価はないか
- 闇金ではないか
- 調達後の報告が煩雑でないか
- 調達時の申請手続きはどの程度面倒か
返済不要というのは大きな魅力ですが、中には甘い言葉で誘引するための手口であるリスクもあるので注意しましょう。
返済不要の資金調達方法を利用する際の4つの注意点について詳しく解説していきます。
返済不要の対価はないか
返済不要に伴う対価が何かないかを確認しましょう。
- 会社の経営権を奪われる
- 事務手続きが煩雑
- 税金がかかる
返済不要な資金調達方法には必ずこれらの対価が発生します。
返済不要の資金調達方法にはどのような対価が必要で、その対価が許容可能なものなのかどうかを検討する必要があります。
考えなしに「返済不要」という言葉だけに飛びついてしまうと、後から取り返しのつかない事態になる可能性があるので注意しましょう。
闇金ではないか
「返済不要」「審査なし」など、お金に困っている人が飛びつきそうな文言で申し込みさせ、実際には高金利で融資を貸し付ける闇金も存在します。
「返済不要」などのご自身にとってあまりに都合のよい謳い文句で申込者を募集している場合には、闇金ではないことや正規の補助金であることなどを確認しましょう。
闇金からお金を借りてしまうと、元金返済が不可能なほどん高金利を設定され、延々と利息だけを支払わなければならなくなります。
例えば、トイチと呼ばれる10日で1割の利息が発生する闇金の金利は月利30%です。
100万円借りた場合、1ヶ月の利息だけで30万円にもなるので、ほとんどのケースで元金返済は不可能になり、延々と毎月30万円の利払いだけが発生します。
これが闇金の手口です。
「返済不要」と誘引し、実際には返済不要なのは1万円程度で、そのほかは違法な超高金利が課された貸付契約であるというケースは珍しくありません。
返済不要な資金調達を受ける際には、必ず安全な制度や投資家であることを確認し、闇金からお金を借りるようなことがないようにしてください。
調達後の報告が煩雑でないか
返済不要な資金調達方法は資金調達後の報告が煩雑なケースも少なくありません。
特に補助金は、補助対象の事業がどのように推移しているのか、毎年報告が必要になるケースが多く、この報告書の作成がそれなりに面倒です。
中には「報告書の作成が面倒だから補助金は受け取らない」という人もいるほどですので、返済不要の資金調達をする前には「調達後の報告がどの程度面倒なのか」という点もしっかりと確認するようにしましょう。
調達時の手続きはどの程度面倒か
返済不要な資金調達方法は資金調達をおこなう際の手続きもかなり面倒です。
補助金であれば事業計画書をはじめとした膨大な資料を作成し、その資料を事務局に認めてもらうまでに何度も提出する必要があります。
新株発行であれば、募集事項の決定、株主への通知、申込、割当て、入金後の登記手続きまで必要です。
融資などと比較して資金調達の手続きが非常に面倒で、場合によっては本業に支障をきたすリスクもあるので、あらかじめどの程度の手続きが必要で、その手続きを自社で完結できるのか、コンサルなどを使うのかということを確認するようにしてください。
返済不要の資金調達方法①エンジェル投資家からの出資
エンジェル投資家とはスタートアップやベンチャーを支援する個人の投資家のことです。
元経営者や会社オーナーが多く、若手の支援や応援の意味で出資している方が多いようです。
エンジェル投資家から出資を受けることにはメリットとデメリットがあります。
エンジェル投資家から出資を受けることのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
エンジェル投資のメリット
エンジェル投資家から資金調達することのメリットは次のとおりです。
- 返済が必要ない
- 経営支援とアドバイスを受けられる
- 投資家の人脈を活用できる
エンジェル投資家は元経営者や企業のオーナーがあることが多いので、投資化が培った経営支援やアドバイスを受けられるのが大きなメリットです。
またエンジェル投資家の持つ人脈を活用できるので、若手の経営者でも豊富な人脈を手にできる可能性があります。
もちろん出資を受けるので返済の必要性がないのも大きなメリットです。
エンジェル投資のデメリット
エンジェル投資には次のデメリットもあるので注意しなければなりません。
- 株式の希薄化
- エンジェル投資家から口を出される
- 安全な投資化を選ぶのが難しい
エンジェル投資家へ新株を発行することによって、既存の株主の持分割合が下がってしまい、株式の価値が希薄化します。
また、エンジェル投資家の中には経営に口を出す方もいるので、出資を受けたことによって経営の独立性が損なわれてしまい、場合によっては投資家との人間関係が拗れて株式の買い戻しなどを要求されるリスクもあります。
自社や経営者個人との相性がよい投資家を探すことが困難という点はエンジェル投資家から出資を受けるデメリットです。
返済不要の資金調達方法②ベンチャーキャピタルからの出資
ベンチャーキャピタルとは高い成長が期待されるスタートアップやベンチャー企業に、出資する投資会社のことです。
会社を成長させて会社を上場したり転売することによって大きな利益を獲得することを目的としています。
ベンチャーキャピタルには豊富な資金力があるので、数億円〜数十億円程度の高額な資金調達を目指せるのが特徴です。
ベンチャーキャピタルのメリット
ベンチャーキャピタルから出資を受けるメリットは次のとおりです。
- 多額の資金調達ができる
- ベンチャーキャピタルが持つノウハウや人脈の提供を受けられる
- 社会的な信用力が向上する
- 上場のサポートを受けられる
ベンチャーキャピタルは企業を成長させ上場することを目的としているので、企業の成長のために人脈やノウハウの提供を受けることができます。
また、上場の手続きは非常に煩雑ですが、ベンチャーキャピタルが幹事者の紹介や事務手続きなどのサポートをおこなってくれる場合もあります。
「ベンチャー企業から出資を受けている」ということは、企業にとっては圧倒的な信用力となるので、対外的な信用を獲得でき、より事業が円滑に拡大できるようになる可能性が高くなる点もメリットです。
ベンチャーキャピタルのデメリット
ベンチャーキャピタルから出資を受けることには次のようなデメリットがあるので理解しておきましょう。
- 株式の希薄化
- 経営の独立性が損なわれる
- 短期間での成果を追求される
- 上場できない場合の出口戦略が望ましくない場合も
出資を受けるために新株を発行することによって株式が希薄化し、既存の株主の権利が損なわれます。
ベンチャーキャピタルは特定の期間までに出資した資金の回収を目指していますので、経営に口を出されて短期間での成果を求められます。
相性が悪い場合には人間関係が拗れてしまいトラブルになる可能性もあります。
また、ベンチャーキャピタルの最終的なゴールは上場です。
目標までの時間に上場できない場合には、望まないM&Aを迫られるなど、経営者にとっては望まないM&Aを迫られるリスクがあるので注意が必要です。
返済不要の資金調達方法③クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の多くの人から、資金を募る資金調達方法です。
具体的にはインターネット上のクラウドソーシングサイトにプロジェクトを公開し、そのプロジェクトに賛同してくれる人が支援者となり、資金を提供します。
クラウドソーシングサイトには主に次の3つの形があります。
- 寄付型:支援者は見返りを期待せず、活動や社会貢献を応援するために資金提供する
- 購入型:プロジェクト実行後に提供される製品やサービスを購入する形で支援する
- 金融型(投資型・融資型):投資に対する配当や利子などのリターンを期待して支援する
日本で実施されるクラウドファンディングは寄付型でおこなわれるのが一般的です。
大きなリターンは期待できませんが、お礼の手紙や活動報告、感謝状や商品やサービスの部分的な返戻があるのが一般的です。
クラウドファンディングで受け取ったお金は「雑収入」として収益処理するのが基本です。
そのためクラウドファンディングで受け取ったお金は返済不要な資金になります。
クラウドファンディングのメリット
クラウドファンディングには次の4つのメリットがあります。
- 高額の調達も可能
- マーケティング効果がある
- SNSでアピールできてバズりやすい
- 収益目的ではない資金も調達できる
あまり印象はないかもしれませんが、高額の資金調達ができますし、銀行では融資を受けることが難しい非営利目的の事業に必要な資金も調達できます。
さらに、クラウドソーシングを利用してマーケティングをおこなうことも可能です。
クラウドファンディングで資金調達することの4つのメリットについて詳しく解説していきます。
高額の調達も可能
クラウドファンディングでは高額の資金調達ができます。
クラウドファンディングで募集する金額は融資の審査基準のように「返済できるかどうか」「収益を生み出せるかどうか」という視点で決まるわけではありません。
クラウドファンディングで募集金額を決めるポイントは「そのプロジェクトが必要なプロジェクトか」
「プロジェクトを実行するのに必要な金額かどうか」という点になります。
つまり、プロジェクトの必要性が認められ、プロジェクト遂行に必要な金額であると認められれば、売上規模の小さな事業者や、開業前の事業であっても必要な資金を調達することが可能です。
プロジェクトに多くの賛同者さえ集まれば、小さな事業者でも高額の資金調達ができる点がクラウドファンディングのメリットです。
マーケティング効果がある
クラウドファンディングにはマーケティング効果もあります。
クラウドファンディングでプロジェクトを公開することで、そのプロジェクトやアイデアに対する世の中の反応を知ることができるためです。
プロジェクトに対して支援者や賛同者が多いのであれば、事業化しても成功する可能性が高くなります。
一方、プロジェクトに対して支援者が賛同者がほとんど現れないのであれば、そのプロジェクトは成功する可能性がそれほど高くないでしょう。
また、支援者に対して返戻品として体験や試供品を提供すれば、実際に自社のサービス等を利用した感想も聞くことができます。
返済不要の資金調達をおこないながらもマーケティングを実施できる点はクラウドファンディングの特徴です。
SNSでアピールできてバズりやすい
クラウドファンディングで資金を集めたプロジェクトや案件はSNSでアピールすることができ、バズりやすいという特徴があります。
プロジェクトを支援してくれた人は、そのプロジェクトに対して愛着がわくので、SNS等で拡散してくれる可能性が高いためです。
また、クラウドファンディング内でもアピールできます。
クラウドファンディングで資金を集めることで、プロジェクトの露出が増え、支援者も獲得できるので、広告費をかけなくてもプロジェクトがアピールでき、SNS等でバズりやすい点は他の資金調達方法にはないメリットだといえるでしょう。
収益目的ではない資金も調達できる
クラウドファンディングは収益目的ではない資金を調達できる点もメリットです。
例えば「会社の土地に生えている樹齢100年以上の木を活用して慈善事業をやりたい」などの全く収益とは関係のないプロジェクトでも、クラウドファンディングであれば賛同者さえ集められれば資金調達できる可能性があります。
クラウドファンディングは「応援したい」「面白そう」「一緒に参加したい」などの気持ちで支援を受けるものなので、むしろ収益事業よりも、慈善事業のような非収益事業の方が資金を集めやすい傾向にあります。
基本的に銀行や日本政策金融公庫などの融資や、出資による資金調達は営利事業に対して資金提供するものです。
そのため、融資や出資では非営利事業に対して資金提供を受けることはできません。
クラウドファンディングであれば非営利事業であっても賛同者さえ集めれば資金調達できますし、むしろ非営利事業ほど資金調達しやすい点が大きなメリットです。
クラウドファンディングのデメリット
クラウドファンディングで資金調達することには次の3つの点がデメリットです。
- 手数料が必要
- 目標金額を達成できるとは限らない
- 単純な営利目的のプロジェクトは資金調達しにくい
無料で資金を集めることはできませんし、目標金額を達成できるかどうかは不透明です。
また資金を集めやすいプロジェクトとそうでないプロジェクトがある点にも注意しましょう。
クラウドファンディングの3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
手数料が必要
クラウドファンディングで資金調達するには、クラウドファンディングサイトにプロジェクトを公開し、クラウドファンディングサイトを経由して資金を集めなければなりません。
クラウドファンディングサイトは無料で利用できるわけではありません。
プラットフォームによって手数料は異なるものの、調達成功時に調達金額の5~20%程度の手数料が発生します。
この手数料は調達した金額の中から控除されるので、新たな自己負担が発生するわけではありません。
しかし出資を受ける際などは手数料は発生しませんし、融資よりも手数料率は高くなっているのが一般的です。
クラウドファンディングで資金調達すると、それなりに高額な手数料が発生する点には注意しなければなりません。
目標金額を達成できるとは限らない
クラウドファンディングで資金調達しても必ずしも目標金額を達成できるとは限りません。
一般的にクラウドファンディングで目標金額を達成できる割合は30%前後と言われています。
つまり、利用者の7割前後の人は目標金額の調達が達成できていません。
また、クラウドファンディングの募集方式には次の2つのパターンがあります。
- All-in方式:目標金額未達成でも資金を受け取れる。手数料が割高になる
- All-or-Nothing方式:目標金額に到達しなければ資金は提供されない。手数料は割安
All-in方式であれば目標が達成できなくても一部の資金を調達できますが、All-or-Nothing方式を利用した場合には、目標金額に到達しないと1円も資金を受け取れません。
融資であれば審査に通過すれば希望額全額を受け取れますが、クラウドファンディングでは資金を受け取れるかどうかが不透明なので、融資と比較してクラウドファンディングは資金計画が立てにくい点には注意が必要です。
単純な営利目的のプロジェクトは資金調達しにくい
クラウドファンディングは支援者の「応援したい」という賛同の気持ちが源泉となり、支援を受けられる資金調達方法です。
そのため、クラウドファンディングでは単純な営利目的のプロジェクトで資金調達を受けることは難しくなります。
「自社の商品やサービスをもっと売りたい」という単純なプロジェクトの場合には支援者の賛同を得にくいためです。またそもそも単純な営利目的のプロジェクトはクラウドファンディングプロットフォームの審査に通過できない可能性があります。
融資や出資であれば精緻な事業計画書を策定し、事業の成功可能性が高いと判断されれば資金到達できる可能性は非常に高いでしょう。
一方で、クラウドファンディングの場合には、単純な営利目的のプロジェクトではどんなに精緻な事業計画を策定しても資金調達は困難です。
返済不要の資金調達方法④助成金・補助金
助成金や補助金は国や地方自治体が政策目標を実現するために必要な事業をおこなう事業者に対して、その事業に係る経費の何割かを補助する制度です。
補助金や助成金には様々な種類がありますが、主なものとしては次のようなものがあります。
- 事業再構築補助金:コロナ禍後の社会変化に対応するため、新分野への進出など、大胆な事業の再構築を支援する補助金
- ものづくり補助金:サービス開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資やシステム導入を支援する補助金
- 事業承継・引継ぎ補助金:引継ぎ補助金: 事業の再編・承継やM&Aを円滑に行うためにかかる費用を支援する補助金
- IT導入補助金:中小企業が業務効率化やデータ活用のため、ITツールを導入する費用を支援する補助金
- 小規模事業者持続化補助金:小規模事業者が、販路開拓や生産性向上のために行う取り組みを支援する補助金
- 雇用調整助成金:休業、教育訓練や出向を通じて従業員の雇用を維持する費用を補助
- トライアル雇用助成金:職業経験の不足などから就職が困難な求職者を試行的に雇い入れる非常を補助
これらの補助金や助成金は返済不要です。
そのため、助成金や補助金で資金調達できれば資金繰りが安定しますが、助成金や補助金は申請手続きが面倒などのデメリットもあります。
助成金・補助金で資金調達することのメリットとデメリットについて詳しく解説してきます。
助成金・補助金のメリット
助成金・補助金で資金調達することには返済の必要がないということのほかに次の2つのメリットがあります。
- 高額の資金調達ができる
- 会社の信頼度が上がる
調達可能額が高額で対外的な信用度が上昇するなどのメリットがあります。
助成金・補助金で資金調達することの2つのメリットについて詳しく解説していきます。
高額の資金調達ができる
助成金や補助金は年商を超えるような高額な資金調達ができる場合があります。
特に補助金は、補助対象事業が事務局に「必要」と認められるような事業計画を策定できれば、年商を大きく超えるような設備投資をおこなうために必要な資金の提供を受けられる場合があります。
審査の対象はあくまでも事業計画に対しておこなわれるので、助成金や補助金の支給要件に合致しており、事務局の審査に通過できるような事業計画書をさえ策定いできれば高額の資金調達ができる可能性がある点はメリットです。
融資であれば、これまでも事業の実績から「返済可能」と判断できる程度の金額でなければ調達できません。
そのため、融資で高額な資金調達を行うのは困難です。
助成金や補助金であれば、融資では調達できない規模の高額の資金を調達できる点は大きなメリットです。
会社の信頼度が上がる
助成金や補助金を獲得することで会社の対外的な信用度が向上する可能性があります。
助成金や補助金を獲得できたということは、国や地方自治体が設定している補助対象業者としての条件を具備しているということなので、最低限の会社としての信用度があることの証明になります。
また、補助金や助成金の事務局に認められるほどの事業計画を策定できるという証明にもなるので「長期的な事業計画がしっかりしている」とポジティブに評価される可能性も高くなるでしょう。
高額の資金調達ができるほどの事業計画を策定できる業者として、助成金や補助金を獲得した事業者は対外的な信用度が大きくアップする点もメリットです。
助成金・補助金のデメリット
助成金や補助金で資金調達をおこなうことには次の5つのデメリットがあります。
- 申請手続きが煩雑
- 受給額に税金がかかる
- 申請には時間がかかる
- 必ず受給できるとは限らない
- 対象経費の支払いが前払い
資金調達前後の手続きが煩雑ですし、資金調達までにはかなり長い時間がかかってしまいます。
また、必ず受給できるわけでもなく、後払いで給付されるのが原則なので、立て替え分の資金を用意しなければなりません。
助成金・補助金で返済不要の資金調達をおこなう際の5つのデメリットについて詳しく解説していきます。
申請手続きが煩雑
助成金や補助金は申請手続きが非常に面倒です。
補助対象経費の見積書や、決算書類や納税関係の書類等を提出し、さらに補助金によっては数十ページに及ぶ事業計画書の作成も必要です。
銀行や日本政策金融公庫から融資を受ける際にも申し込みに必要な書類や資料の数が多く、作成にも時間がかかりますが、助成金や補助金はそれよりもはるかに多くの書類が必要になります。
場合によっては専門家でないと作成できない補助金もあるほどなので、融資ほど気軽に申し込むことはできない点はデメリットです。
受給額に税金がかかる
助成金や補助金は受給額に対して税金がかかります。
クラウドファンディングと同様に、助成金や補助金で受け取ったお金は雑所得になるので、課税対象です。
受給した助成金や補助金が高額の場合には、多額の所得税や法人税が課税されてしまう可能性があります。
申請には時間がかかる
助成金や補助金は申請から受給までにかなりの時間がかかります。
補助金については金額が大きければ申請から受給までには1年以上の時間がかかるケースも珍しくありません。
融資であれば時間がかかる設備資金の借り入れでも、いくら長くても3ヶ月程度では資金調達できます。
しかし、助成金や補助金の場合には、入金までに時間がかかりますし、補助対象に決定するまでも申請までに数ヶ月時間がかかることがあります。
補助金を活用して投資をおこないたい場合には、補助対象にならないと投資の意思決定ができないので、補助金を活用して投資をおこなう際はスピーディーは意思決定ができない点もデメリットです。
必ず受給できるとは限らない
補助金は申請したからといって必ず受給できるとは限りません。
補助金は申請書の審査が行われ、申請書が採択された場合のみ受給できます。
主な補助金の採択率はおおよそ以下の通りです。
- 事業再構築補助金:約30%〜40%
- ものづくり補助金:約40%〜50%
- 事業承継・引継ぎ補助金:約30%〜40%
- IT導入補助金:約50%〜60%
- 小規模事業者持続化補助金:約60%〜70%
事業再構築補助金や事業承継・引継ぎ補助金に対しては半分も採択されていません。
膨大な手間と時間をかけて申請しても、採択されないケースが多い点は助成金や補助金で資金調達することのデメリットだといえます。
なお、助成金は条件に合致して予算が残っていさえすればほとんどのケースで受給できます。
対象経費の支払いが前払い
助成金も補助金も補助対象の経費は全額前払いで、後から補助率に見合った金額を受給するというのが原則です。
例えば補助率2/3の補助金を活用して6,000万円の投資をおこなう場合、補助金で4,000万円の受給ができるので、事業主は2,000万円だけの負担で済みます。
しかし、4,000万円の補助金が受給できるのは6,000万円の支払いが済んだあとです。
つまり、あらかじめ6,000万円全額を自己資金や借入等の方法で用意して、すべての支払いが完了して事業が開始された後に4,000万円の補助金が支給されるという流れになります。
最初に補助対象経費全額を用意しなければならない点はデメリットです。
なお、補助金の支給が決定すれば銀行融資やファクタリングなどで引当資金を調達することは比較的簡単です。
返済不要の資金調達方法⑤資産の売却
会社が保有している遊休資産等を売却して資金調達する方法です。
売却しても事業運営とは無関係な次のような資産を保有しているのであれば、売却することでまとまった自己資金を調達できます。
- 不動産
- 自動車
- 有価証券
借入によって負債が増えることも、出資によって経営の独立性が損なわれることもないため、資産があるのであればメリットの大きな資金調達方法です。
資産売却によって資金調達することのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
資産売却のメリット
資産売却によって資金調達することには次の2つのメリットがあります。
- 資産の維持費を削減できる
- オフバランス化ができる
資産維持にかかるコストを削減できますし、貸借対照表に対する外部からの評価が上昇する可能性があります。
資産売却によって資金調達することの2つのメリットについて詳しく解説していきます。
資産の維持費を削減できる
資産を売却すれば資産の維持に係るコストを削減できます。
不動産であれば所有によって固定資産税が発生しますし、土地であれば荒れないように管理するコストもかかるでしょう。
また、自動車であれば自動車税は損害保険料も必要です。
これらの資産を売却してしまえば、税金や保険料などの資産維持に係るコストを削減可できます。
まとまったお金を手にできるだけでなく、経費削減効果も大きい点が資産売却によって資金調達することのメリットです。
オフバランス化ができる
資産売却によって資金調達することで貸借対照表がオフバランス化します。
貸借対照表のオフバランス化とは、できる限り不要な資産と負債をなくし、貸借対照表を小さくすることで効率よく利益の最大化を図っていくという方法です。
借入金によって資金調達すれば、その分だけ負債が増えるので貸借対照表が大きくなります。
一方、資産を売却して資金調達することは資産と資産の交換をおこなっているだけなので、貸借対照表が大きくなることはありません。
さらに、自動車や不動産などの固定資産を売却することによって、現金化すれば固定資産が減って流動資産が増えるの流動比率が高まるので、企業の安全性に対する評価も上昇します。
資産売却によって資金調達することは企業の収益性や安全性に対する評価が上昇する点もメリットです。
資産売却のデメリット
資産を売却して資金調達をおこなうことには次の3つのデメリットがあります。
- すぐに売却できるとは限らない
- タイミングによっては損をすることがある
- 利益が出ると税金が発生する
資産を売却してもすぐに売却できるとは限りませんし、売却のタイミングによっては損失が発生する可能性があります。
また、売却によって利益が出た場合には税金が発生する点にも注意しなければなりません。
資産を売却して資金調達をおこなうことの3つのデメリットについて詳しく解説していきます。
すぐに売却できるとは限らない
資産売却によって資金を調達しようとしてもすぐに売却できるとは限りません。
上場株式等の有価証券であればすぐに売却できるかもしれませんが、売却対象になる資産が不動産などの場合には、売却までには時間が係ることがあります。
場合によっては売り出しから数ヶ月〜1年以上の時間がかかってしまうこともあるので、必ずしも必要なタイミングで資金調達できるわけではありません。
資産売却による資金調達は必要なタイミングに資金調達できるかどうかは不透明で、場合によっては資金化までにかなりの時間がかかってしまう点がデメリットです。
タイミングによっては損をすることがある
資産売却による資金調達はタイミングによっては損をしてしまうことがあります。
例えば株式を売却して資金調達する場合は、株式が下落している局面で売却してしまったら、購入時よりも安い株価で売却せざるを得ない可能性があります。
資産売却でお金を調達するタイミングというのは「お金がないから資産を売却してお金を調達しなければならない」というタイミングです。
そのようなタイミングで株価や不動産価格が上昇するまで売却を待つことはできないので、売却のタイミングによっては損をしてしまうことがあります。
本来、資産を売却するタイミングは、値上がり時に利益を確定させる目的でおこないますが、お金が必要なタイミングで売却してしまうと損をしてしまう可能性があります。
利益が出ると税金が発生する
資産売却は売却のタイミングよって損をすることがある一方、利益が出ることもあります。
利益が出る場合には、その利益に対して税金が発生します。
有価証券や不動産を売却し、購入時の価格よりも売却時の価格のほうが大きければ、その利益に対して税金が課税されることになります。
他の資金調達方法では資金調達によって税金が課税されることなどあり得ませんが、資産売却の場合には利益が出た場合には税金が発生する点には注意しましょう。
返済不要の資金調達方法⑥リースバック
返済不要の資金調達方法としてリースバックという方法があります。
リースバックを大きく分類するのであれば資産の売却です。
会社の社屋や工場などの不動産を不動産会社へ売却し、売却代金を手にした上で、その後は不動産会社から借りて家賃を支払って不動産を使用し続けることができます。
資産の売却なので、返済不要な資金調達方法ですし、売却後も不動産の利用を続けられる点が特徴です。
一見してメリットの大きな資金調達方法ですが、リースバックはメリットとデメリットが大きな資金調達方法なので特徴等をしっかりと理解しておくことが重要です。
リースバックのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
リースバックのメリット
リースバックのメリットは主に次の3点です。
- 売却後も不動産を利用できる
- 買い戻しができる
- 周囲に売却を知られない
リースバックを利用すればまとまった資金を手にできる上に不動産を使い続けることができ、その後に不動産を買い戻すことも可能です。
継続して不動産の利用ができるので、周囲の人から不動産を売却したことを知られる心配はありません。
リースバックの3つのメリットについて詳しく解説していきます。
売却後も不動産を利用できる
リースバックは現在使用している不動産を売却して資金調達する資産売却による資金調達方法です。
通常の不動産売却は売却後には売却した不動産を使用することはできません。
しかしリースバックは売却後も売主が買主から不動産を購入して不動産の利用を続けることを前提として不動産を売却します。
不動産を売却すれば大きな資金調達ができるものの、売却してしまったら社屋や工場が利用できなくなるので不動産売却による資金調達を諦めていた方もリースバックであれば不動産の使用を続けられるので、資金調達できる可能性があります。
売却できる不動産が社屋や工場など、事業継続に必要不可欠なものしかないという方はリースバックで資金調達するのがおすすめです。
買い戻しができる
リースバックで売却した不動産は後から不動産会社から買い戻しができるという契約締結ができるケースが多々あります。
通常、一度不動産を売却すると、当該不動産を買い戻すのは不可能です。
売却した不動産は新たな買い手によって使用されるので、新たな使用者を退去させて自社で再度使用することはできませんし、そもそも買い手が売却に応じてくれるとは限りません。
しかしリースバックであれば売却後も不動産の使用を続けられるので、自社で不動産を買い戻すことができます。
買い戻しを前提としてリースバックを利用すれば、数ヶ月〜数年程度は賃貸で不動産を使用した状態で、後から買い戻しが可能です。
短期的にまとまった資金を必要としている場合にリースバックは活用できます。
周囲に売却を知られない
リースバックで不動産を売却しても、周囲に不動産を売却したことを知られる可能性は非常に低いでしょう。
リースバックで売却した不動産は、売却後も引き続き不動産の使用を継続できます。
周囲からは売却前と同じように自社の従業員が使用している様子しか見えないので、周囲や従業員に不動産を売却したことを知られる心配がありません。
会社の本社や工場などの不動産を売却すると「この会社は資金繰りが苦しい」などとネガティブに評価される可能性があり、自社が他社からネガティブに評価されるリスクがあります。
しかし、リースバックを利用すれば周囲の人に不動産の売却について知られることがないので、自社の評価が下落する心配はありません。
さらに従業員にも売却を秘密にできるので、「ウチの会社の経営がやばい」などと従業員を不安にさせるリスクもありません。
経営陣以外には知られることなく不動産売却ができる点はリースバックのメリットです。
リースバックのデメリット
不動産を利用し続けた状態で、まとまった売却資金を手にできるリースバックですが、次の3点はデメリットなので、デメリットについてもしっかりと理解しておくことが重要です。
- 家賃が周辺相場よりも高い
- 売却価格が通常の売却よりも安くなる
- 不動産を使い続けられない可能性がある
リースバックの3つのデメリットについて詳しく解説してきます。
家賃が周辺相場よりも高い
リースバックは家賃が周辺相場よりも高いが大きなデメリットです。
不動産投資は通常想定利回り5%〜7%程度で家賃を設定します。
しかし将来的に買い戻しを前提としたリースバックでは相場よりも高い、7%〜9%程度の想定利回りで家賃を設定するのが一般的です。
同立地、同規模の不動産よりもリースバックの家賃の方が高くなるので、固定費が増えてしまうのはリースバックのデメリットです。
売却価格が通常の売却よりも安くなる
リースバックで不動産を売却すると、通常の不動産売却よりも売却相場が安くなる傾向にあります。
売主が継続利用することを前提とした不動産売買なので、買い手としては購入した不動産の用途が制限されてしまいます。
そのため、通常の相場よりも8割〜9割程度の価格でしか売却できない点はデメリットです。
不動産売却によってより多くの資金を手にしたいのであれば、リースバックではなく通常の不動産売却をした方が金額的には大きくなります。
不動産の売却価格が相場よりも安くなってしまう点はリースバックの注意点です。
不動産を使い続けられない可能性がある
リースバックは売却後も不動産の利用ができる契約です。
しかし、不動産賃貸契約が定期借家契約になっている場合には、契約期間内しか不動産の利用を継続できません。
定期借家契約とは、契約期間が満了したら原則として契約更新をおこなわないことを前提とした契約です。
そのため契約期間満了後は社屋や工場から退去しなければならない可能性があります。
不動産売却後も長く不動産を使い続けたいのであれば、普通借家契約を締結できるリースバックを利用するなど、契約内容に注意するようにしてください。
返済不要の資金調達方法⑦ファクタリング
ファクタリングとは企業が保有している売掛債権をファクタリング会社に売却することによって、売掛債権の期日前に資金を調達する方法です。
売掛金などの売掛債権は本来であれば期日になるまで資金化はできませんし、支払手段として活用できない資産です。
しかしファクタリングを利用することで、期日を待たずに売掛債権金額を調達することができます。
ファクタリングは借入ではなく、あくまでも資産の売却なので、融資の審査とは全く異なる基準で審査を受けられるなどのメリットが多くありますが、高額な手数料負担などはデメリットです。
ファクタリングはメリットとデメリットがかなり大きな資金調達方法なので、メリットとデメリットをしっかりと理解しておくことが重要です。
ファクタリングのメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
ファクタリングのメリット
ファクタリングには次の5つのメリットがあります。
- 売掛先企業の信用で資金調達
- 償還請求権なし
- 最短即日資金調達
- 借入ではない
- 取引先に秘密にできる
融資審査に落ちても資金調達できる可能性がありますし、万が一の場合も損失の責任を負うことはありません。
また、最短即日入金に対応しているので緊急時に資金調達できますし、借入ではないので貸借対照表の評価が下がることもありません。
ファクタリングの5つのメリットについて詳しく解説していきます。
売掛先企業の信用で資金調達
ファクタリング審査で重視されるのは「売掛債権が期日通りに支払いができるかどうか」という点です。
ファクタリングは売掛債権を売却して資金化する行為なので、ファクタリング会社は売掛先企業から回収をおこなうためです。
そのため、ファクタリングの審査では売掛先企業の信用力が重視され、利用者の信用はそれほど重視されます。
赤字や債務超過や税金滞納の企業は融資審査に通過するのは困難ですが、ファクタリングであれば審査に通過できる可能性があります。
売掛先企業の信用で資金調達に必要な審査を受けられるのが、ファクタリングの特徴です。
なお、次のような条件を満たしている売掛債権は審査に通過しやすくなります。
- 売掛先企業が優良企業や上場企業や官公庁
- 売掛先企業との取引歴が長い
- これまでの支払いに遅れがない売掛先企業に対する売掛債権
融資とは全く異なる視点で審査を受けられるので、融資審査に落ちたときでも利用できる返済不要な資金調達方法としてファクタリングは重宝します。
償還請求権なし
ファクタリングは償還請求権なし(ノンリコース)で実施されるのが基本中の基本です。
償還請求権とは「ある人が別の人に代わって借金などを支払った際に、その支払い分を本人に返してもらう権利」のことです。
ファクタリングの場合には、ファクタリング後に売掛債権が回収不能になった時、ファクタリング会社がファクタリング利用者に対して代金を請求する権利になります。
ファクタリングは償還請求権なしで実施されるので、売掛債権が回収不能になった際には、ファクタリング会社が損失を負ってくれます。
手形割引などは償還請求権ありでおこなわれることと比較すると、ファクタリングを利用してしまえば回収不能になったときのリスクから完全に解放される点は大きなメリットです。
なお、ファクタリングの中には償還請求権あし(ウィズリコース)で取り扱われるものもありますが、償還請求権ありのファクタリングは実質的な貸付です。
実質的な貸付であるにもかかわらず、貸金業者登録をしていない・手数料が高額などの取り扱いは貸金業法違反で、当該業者や闇金の可能性が高いので、絶対に取引しないでください。
最短即日資金調達
ファクタリングは申込日当日に資金調達できる「最短即日入金」に対応しています。
申込日当日に資金調達できるので「どうしても今日お金を手にしないと、手形が不渡りになる」などの状況下でも、必要なタイミングにお金が間に合う可能性があります。
銀行融資であれば申込から2週間〜1ヶ月程度、日本政策金融公庫であれば申し込みから1ヶ月超の時間が融資までに必要です。
緊急でお金が必要になった時には、銀行や日本政策金融公庫からの借入では間に合いません。
しかし、ファクタリングの場合には、申込日当日に資金調達できるので、緊急時にも活用できます。
なお、ファクタリングには2社間ファクタリングと3社間ファクタリングという2つの契約形態があります。
2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング | |
---|---|---|
契約当事者 | 利用者・ファクタリング会社 | 利用者・ファクタリング会社・売掛先企業 |
手数料 | 高い | 低い |
入金スピード | 速い | 遅い |
取引先への通知 | なし | あり |
2社間ファクタリングは利用者とファクタリング会社のみで契約するので、契約手続きに時間がかかりません。
そのため、最短即日で資金調達できるのは2社間ファクタリングのみと理解しておきましょう。
借入ではない
ファクタリングのメリットは借入ではないという点です。
資産の売却です。
100万円の売掛債権を手数料10%でファクタリングした場合の仕訳は次のようになります。
借方 | 貸方 |
---|---|
現金預金 90万円 売掛債権売却損 10万円 |
売掛金 100万円 |
会計上は「売掛金という資産を現金という資産と交換した。その際、費用が10万円かかった」というだけの仕訳です。
つまり、ファクタリングを利用しても負債が増えることはありません。
負債が増えないことによって、貸借対照表が大きくなることはありません。
これをオフバランス化といいます。
今はできる限り不要な資産も負債も持たずに小さな貸借対照表で最大の利益拡大を図ることが評価される時代です。
借入で資金調達した場合には貸借対照表が大きくなり、外部からの評価の下落につながりますが、ファクタリングであれば借入ではないので、負債が増えず貸借対照表が大きくなることはありません。
自己資本比率も低下しないので、ファクタリングは外部からの評価を下げずに資金調達できる有効な方法です。
取引先に秘密にできる
ファクタリングは取引先に秘密で資金調達できる点もメリットです。
2社間ファクタリングであれば取引先に通知せずに売掛債権を売却できるので、ファクタリングの利用を取引先に知られる心配はありません。
取引先にファクタリングの利用を知られてしまうと、「資金繰りが悪い会社」「経営状況が厳しい会社」など、自社をネガティブに判断される可能性があります。
ファクタリングは融資ほどには認知されていない資金調達方法なので、ファクタリングに対して理解のない会社は「怪しい方法で資金調達している会社」と判断されてしまう可能性があるためです。
2社間ファクタリングであれば取引先に知られる心配がないので、ファクタリング利用によって自社がネガティブに評価される心配はありません。
なお、3社間ファクタリングはあらかじめ売掛先企業の同意を得て、利用者とファクタリング会社と売掛先企業の3者で契約しなければならないため、売掛先企業には必ず知られてしまうので注意してください。
ファクタリングのデメリット
売掛先企業の信用で最短即日資金調達できるなど、多くのメリットがあるファクタリングですが、次4点についてはデメリットなので注意が必要です。
- 悪徳業者・違法業者が存在する
- 手数料が高額
- 調達額が限られる
- 本質的に資金繰り改善はできない
業者選びは自己責任でおこなう必要がありますが、高額な手数料負担が生じます。
ファクタリングはメリットとデメリットがはっきりと分かれている資金調達方法なので、デメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。
悪徳業者・違法業者が存在する
ファクタリングを名乗る業者の中には、悪徳業者や違法業者が混在している点には注意しなければなりません。
ファクタリング業を営むためには、免許や登録や許認可などは一切不要です。
そのため、業者の中には法外な手数料を設定する悪徳業者や、実質的な貸付をおこなう違法業者などが存在します。
金融庁もファクタリング会社の業者選びについては注意喚起をおこなっています。
一般に「ファクタリング」とは、事業者が保有している売掛債権等を期日前に一定の手数料を徴収して買い取るサービス(事業者の資金調達の一手段)であり、法的には債権の売買(債権譲渡)契約です。
しかし、近時、ファクタリングを装った高金利の貸付けを行うヤミ金融業者の存在が確認されています。また、ファクタリングとして行われる取引であっても、経済的に貸付けと同様の機能を有していると思われるようなものは、貸金業に該当するおそれがあります。
事業者の皆様におかれては、こうした偽装ファクタリングを利用することのないよう、十分注意してください。
引用:金融庁|ファクタリング利用に関する注意喚起
悪徳業者・違法業者の特徴はいくつかありますが、最低でも次の2つのいずれかでも満たしている業者とは取引すべきではありません。
- 手数料が20%超
- 償還請求権あり
これらいずれかの業者は悪徳業者・違法業者の可能性が高いので取引を避けるようにしてください。
手数料が高額
ファクタリングは融資などの他の資金調達方法と比較して手数料がかなり高額です。
ファクタリングの手数料相場は以下のとおりです。
- 2社間ファクタリング:5%〜20%程度
- 3社間ファクタリング:1%〜8%程度
注意しなければならないのは上記の手数料は年利ではないという点です。年利に換算すると手数料負担はさらに高額になります。
例えば、手数料10%で1ヶ月先が入金期日の売掛債権をファクタリングした場合、1ヶ月間の資金調達のために手数料10%を支払っているという考えになるので、年利に換算すると手数料は次のとおりです。
10%×12ヶ月=120%
実際に、毎月ファクタリングを利用すれば、1年間で調達した金額と同じくらいの手数料負担をしなければなりません。
銀行融資や日本政策金融公庫からの借入の金利が年利1%〜4%台程度なので、ファクタリングの手数料負担は銀行や日本政策金融公庫の融資の50倍〜100倍程度です。
ファクタリングは手数料の負担がかなり高額なので、利用するのは本当に緊急でお金が必要な場合に限り、継続的に利用することは避けた方がよいでしょう。
調達額が限られる
ファクタリングで調達できる金額は売掛債権の範囲内に限られます。
売掛債権の金額は、1つの取引先に対する1ヶ月分の売上が相場なので、基本的にそれほど大きな金額になることはありません。
いくら多くてもその会社の月商程度が限度でしょう。
融資であれば運転資金の借入でも月商の3ヶ月〜半年分程度の金額の借入が可能です。
しかし、ファクタリングの場合には、それほど高額な借入をおこなうことはできません。
調達できる金額は会社の運転資金の何割かが限度なので注意してください。
本質的に資金繰り改善はできない
ファクタリングでは本質的に資金繰り改善をおこなうことができません。
ファクタリングは本来であれば1〜2ヶ月程度先の入金期日に入金になる予定のお金を前倒しで受け取っているだけなので、ファクタリングを利用すること本来の入金期日に予定されていた入金がなくなってしまうためです。
そのため、ファクタリングで資金調達したお金が枯渇した後は、当初の入金期日までにまたお金がなくなってしまい、再度ファクタリングを利用するというような悪循環に陥り、ファクタリングから抜け出せなくなるリスクがあります。
そうなってしまうと、延々と高額な手数料を払い続けなければなりません。
ファクタリングは緊急時の資金調達方法としては有効ですが、本質的な資金繰り改善方法ではないことを理解し、ファクタリングで調達した資金が手元にある間に銀行から長期運転資金を借りたり、経営改善をおこなうなどの方法で本質的な資金繰り改善を図ってください。
償還請求権なしで返済不要の安心・安全なファクター10選
返済不要の資金調達方法をいくつかご紹介していきましたが、個人事業主やフリーランスなどの小規模事業者や資産を持っていない事業者でも簡単に利用できる返済不要の資金調達方法がファクタリングです。
しかしファクタリングは悪徳業者や違法業者も多いので、安全に利用できる業者を選ぶことが最も重要です。
ファクタリング会社は数多く存在しますが、以下の10社であれば初めてファクタリングを利用する方も安全に利用できます。
- ベストファクター
- フリーナンス
- アクセルファクター
- ビートレーディング
- ラボル
- OLTA
- ペイトナーファクタリング
- 日本中小企業金融サポート機構
- トップマネジメント
- PMG
これらのファクタリング会社であれば、償還請求権なしなので返済不要ですし、手数料も20%以下になっているので、業者の安全性にも問題ありません。
安全に利用できる10のファクタリング会社の特徴やスペックについて詳しく解説していきます。
ベストファクター
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
手数料 | 2%~20% |
入金スピード | 最短当日 |
買取可能額 | 30万円~上限なし |
個人事業主の利用 | 利用可能 |
手続き方法 | オンライン・電話・出張訪問 |
公式サイト | https://bestfactor.jp/ |
弊社ベストファクターは銀行等で資金調達ができない多くの方にご相談いただいております。
ファクタリングですので、申込者様の信用よりも、売掛先企業様の信用を重視するので、赤字や債務超過などを理由としてファクタリング審査に通過できない方も審査に通過できる点が大きな特徴です。
さらに、弊社はお客様との面談を重視しているので、決算書や確定申告書などの数字からではわからないお客様の人柄や経営者としてビジョンを重視しています。
そのため、他社の審査に落ちた方でも審査に通過できるケースがありますし、他社よりも有利な条件でファクタリングを利用していただける場合もございます。
審査の際には財務コンサルティングも実施しておりますので、本質的に財務状況を改善していただけるよう、財務改善方法のご提案などもさせていただきます。
お客様との面談を重視する弊社は契約時にお客様との面談が必須です。
そのため、基本的にはお客様にご来店いただく必要がありますが、ご来店が難しい場合には弊社の担当者がお客様のもとにご訪問させていただきますので、お気軽にお申し付けください。
フリーナンス
種類 | 2社間ファクタリング |
手数料 | 3%~10% |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 〜1,000万円 |
個人事業主の利用 | 利用可能 |
手続き方法 | オンライン |
フリーナンスはGMOグループのGMOクリエイターズネットワークが運営する個人事業主やフリーランスなどの小規模事業者向けのサービスです。
ファクタリングのみを取り扱っているわけではなく、小規模事業者のビジネスに活用できる次のようなサービスを取り扱っています。
即日払い | 2社間ファクタリングサービス |
---|---|
あんしん補償 | 業務上生じた賠償責任等を補償 |
フリーナンス口座 | 屋号やペンネームなどで口座を作成できる |
バーチャルオフィス | 銀座や福岡のバーチャルオフィスを格安料金で利用可能 |
2社間ファクタリングサービスの「即日払い」はフリーナンス口座の利用状況に応じて手数料が変動する仕組みです。
フリーナンス口座は屋号やペンネームで無料で保有できる口座なので、使えば使うほどファクタリングの手数料が下がり便利です。
また、フリーナンス口座を利用しない方は上限手数料である10%が適用されるので、いずれにしてもファクタリングの中では低コストで利用できるサービスだといえるでしょう。
請求書をアップロードしてから最短30分で審査結果が届き、そのまま最短即日入金を受けられます。
すぐにファクタリングを利用しない方も、フリーナンスのアカウントを作成するだけで「あんしん補償」などの補償を得られるのメリットがあります。
大手企業が運営している手数料が低い優良サービスだといえます。
アクセルファクター
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
手数料 | 2社間ファクタリング:1%〜12% 3社間ファクタリング:0.5%〜10.5% |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 30万~1億円 |
個人事業主の利用 | 利用可能 |
手続き方法 | オンライン・対面 |
アクセルファクターは専門性の高さと、運営業者の安全性の高さが利用者から評判のファクタリング会社です。
国が中小企業支援の専門家として認定している認定経営革新等支援機関なので、中小企業支援に対する高い専門性と安全性が評判です。
また、店舗型のファクタリング会社でありながら入金スピードには高い定評があり、業者のホームページには次のように明記されています。
アクセルファクターでは、ファクタリングの大きな魅力である「スピード」を最大限に活かすべく、即日2時間での振込をモットーに業務を実施。
実際にお申込みいただいたお取引のなんと半数以上が即日中の決済となっています。
引用:アクセルファクター|アクセルファクターが選ばれる理由
申込者の実に半数以上が当日入金されているので、急いで資金が必要なタイミングで活用できます。
手数料の上限12%は店舗型のファクタリング会社の中では低い部類なので、コストを抑えて資金調達したい方にもおすすめです。
信頼できる店舗型のファクタリング会社からスピーディーに資金調達したい方はアクセルファクターへ相談しましょう。
ビートレーディング
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
手数料 | 2%~12% |
入金スピード | 最短2時間 |
買取可能額 | 上限なし |
個人事業主の利用 | 利用可能 |
手続き方法 | オンライン・対面・出張訪問 |
ビートレーティングは、独立系の店舗型ファクタリング会社の中で最も有名で実績のある大手ファクタリング会社です。
2025年3月末時点で累計買取金額1,550億円、累計取扱社数は7.1万社と圧倒的な実績を誇っています。
東京・仙台・名古屋・大阪・福岡の全国5箇所に店舗を構えており、店舗ではファクタリングの申し込みのほか、財務改善、経営改善などの経営コンサルティングを受けることも可能です。
店舗が近い方は日常的に取引をすることで、気軽に相談できる専門家として活用できるでしょう。
また、ビートレーディングはオンライン完結型のファクタリングにも力を入れています。
オンライン完結型の場合には、最短2時間で日本全国から資金調達できるので急いでいる時にも最適です。
さらに、顧客情報はSalesforceで保管して、顧客との契約は弁護士ドットコム監修のクラウドサインでおこないます。
情報管理についても徹底しているファクタリング会社なので安心して利用できるでしょう。
ラボル
種類 | 2社間ファクタリング |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短60分 |
買取可能額 | 1万円〜上限なし |
個人事業主の利用 | 可 |
手続き方法 | オンライン |
ラボルはオンライン完結型の優良ファクラリング会社です。
運営業者の株式会社ラボルは東証プライム上場企業の株式会社セレスの100%子会社です。
上場企業が実質的に運営しているサービスなので、業者の安全性を重視したい方に向いています。
ラボルの最大の特徴は、24時間365日最短60分で資金調達できる点です。
曜日や時間に関わらず最短60分で資金調達できるので、緊急時の資金調達方法として活用できます。
すぐに利用する予定がなくても緊急時に備えてラボルという資金調達方法を頭に入れておいて損はありません。
手数料は10%固定なので、低い水準で固定されており安心して利用できます。
1万円〜上限なしで利用できるので、売上規模の小さな個人事業主から売上規模の大きな法人まで幅広く利用できます。
対応力に優れた優良ファクタリング会社を利用したい方はラボルがおすすめです。
OLTA
種類 | 2社間ファクタリング |
手数料 | 2%〜9% |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 下限上限なし |
個人事業主の利用 | 利用不可 |
手続き方法 | オンライン |
OLTAはオンライン完結型のファクタリングサービスとして、最も有名な会社の1つです。
オンライン完結型のファクタリングサービスを日本で最初に広めた会社で、数多くのベンチャーキャピタル等から出資を受け、今や資本金は130億円を超える大きな企業です。
日本各地の地方銀行や信用金庫などの金融機関と提携し、金融機関の顧客にファクタリングを販売しています。
銀行などが提携するほどの企業なので、OLTAは運営業者の信頼度が非常に高いサービスだといえるでしょう。
店舗を持たないので手数料が非常に低く、上限手数料9%と業界最低水準のコストで利用できます。
請求書のアップロードから24時間以内に審査結果が届くので、そのまま最短即日入金を受けられます。
最も有名なオンライン完結型のサービスなので、業者の安全性を重視したい方におすすめですし、手数料の低いを重視したい方にもおすすめです。
ペイトナーファクタリング
種類 | 2社間ファクタリング |
手数料 | 10% |
入金スピード | 最短10分 |
買取可能額 | 最大100万円まで |
個人事業主の利用 | 利用可能 |
手続き方法 | オンライン |
ペイトナーファクタリングは入金スピードが最も速いファクタリングサービスです。
申し込みから入金まで最短10分なので、大手消費者金融のカードローンよりもスピーディーに資金調達できます。
事前にアカウントを作成しておけば、請求書のアップロードから最短10分で審査結果が届き、そのまま入金を受けられます。緊急時に備えてアカウント作成をおこなっておいて損はありません。
手数料は10%固定なので、法外な手数料を要求されるリスクはありませんし、あらかじめコストがわかっているので安心です。
個人事業主に対して発行した請求書を資金化できる数少ないサービスなので、個人事業主やフリーランスを相手にビジネスをされている方も売掛金を早期資金化できます。
利用限度額が100万円と少なく、さらに初回利用時は25万円までと非常に少なくなっているので、規模の大きな法人は利用できません。
急いで資金が必要な個人事業主などの小規模事業者におすすめのサービスです。
日本中小企業金融サポート機構
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
手数料 | 1.5%~10% |
入金スピード | 最短40分 |
買取可能額 | 上限下限なし |
個人事業主の利用 | 利用可能 |
手続き方法 | オンライン・対面 |
日本中小企業金融サポート機構は一般社団法人が運営するコンサルティング会社兼ファクタリング会社です。
コンサル業務にかなり力を入れており、国が中小企業支援の専門家として認定している認定経営革新等支援機関として登録されているので、高い専門性と安全性があることがわかります。
店舗ではファクタリングだけでなく、経営改善・財務改善・M&A・事業承継・補助金申請など、さまざまなサポートを受けられます。
オンライン完結型のにも注力しており、日本中小企業金融サポート機構が運営するオンライン完結型のサービスであるFACTORUはAIが審査を実施しており、申し込みから審査完了までは最短10分で、入金までは最短40分という圧倒的なスピードを誇っています。
店舗でもオンラインでも、安全性とスピードに優れた優良なファクタリング会社です。
トップマネジメント
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
手数料 | 2社間ファクタリング:3.5%~12.5% 3社間ファクタリング:0.5%〜3.5% 注文書ファクタリング:3.5%~12.5% ゼロファク:3.5%~12.5% 電ふぁく:1.8%~8.0% |
入金スピード | 最短即日 |
買取可能額 | 上限下限なし |
個人事業主の利用 | 利用可能 |
手続き方法 | オンライン・対面 |
トップマネジメントは、創業15年、東京商工会議所会員、累計取引社数5.5万社超と豊富な実績を誇る優良ファクタリングサービスです。
取り扱っているファクタリングの種類が豊富で数多くのファクタリングが利用できます。
ファクタリング | 内容 |
---|---|
注文書ファクタリング | 取引先から発行された注文書を受注段階で資金化する |
ゼロファク | 補助金申請をサポートし、補助決定通知を債権とみなして買い取り、補助対象経費の前払い分をファクタリグで用意 |
電ふぁく | 入金口座をトップマネジメントが管理する利用者名義へ変更する2.5社間ファクタリング。取引先に知られずに低い手数料で利用可能 |
ペイブリッジ | IT・広告業者専門のオンライン完結型のファクタリング |
受注段階から受注額相当が資金化できる注文書ファクタリングを取り扱っているので、大口の注文が入ったときの増加運転資金調達にも活用できます。
また、電ふぁくは取引先からの入金口座をトップマネジメントが指定する口座へ変更するだけで上限手数料が8%へ下がるのでコストを抑えて利用したい方にも向いています。
そのほかにも売掛債権を活用したさまざまな資金調達方法を利用できるので、融資以外の方法で資金調達したい方は相談してみると良いでしょう。
普段から相談できる専門性の高い業者と取引したい方はトップマネジメントがおすすめです。
PMG
種類 | 2社間ファクタリング 3社間ファクタリング |
手数料 | 2%〜 |
入金スピード | 最短2時間 |
買取可能額 | 最大2億円 |
個人事業主の利用 | 利用可能 |
手続き方法 | オンライン・FAX |
PMGはコンサル会社兼ファクタリング会社として、店舗でもオンラインでも申し込みができる優良ファクタリング会社です。
東京・札幌・仙台・千葉・さいたま・横浜・名古屋・大阪・広島・福岡と日本全国に店舗を構えており、店頭で申し込みやコンサルティングを受けられます。
規模が大きな会社で、2025年2月の東京商工リサーチの調査では「独立系ファクタリング会社売上No1」に選出されています。
多くの人が利用しているファクタリング会社なので安心して利用できるでしょう。
申し込みから最短2時間で入金され、手数料は2%〜と低めの設定になっています。
多くの人が利用している信頼できるファクタリング会社なので、業者の安全性や実績を重視したい方におすすめです。
融資で返済負担を軽減する方法
融資では返済不要な資金調達方法はありません。
融資とは「お金を借りる」という行為なので、必ず返済が発生するためです。
しかし、次のような方法であれば融資であっても返済金の負担を軽減することは可能です。
- 据置期間を設定する
- 最終の返済期日を延長する
- 利子補給や保証料の補助を受けられる制度を利用する
融資で返済負担を軽減する3つの方法について詳しく解説していきます。
据置期間を設定する
返済が苦しいのであれば元金返済の据置期間を設定しましょう。
据置期間とは一定期間元金の返済を据え置いて、利息だけを返済していく期間のことです。
景気悪化時などに据置期間を設定することによって、一定期間返済額の軽減ができるので、この期間に経営を立て直す時間に充てることが可能です。
社会的な不景気時や一過性の不況によって経営が悪化した場合などは据置期間を設定することによって資金繰りを立て直すまでの時間を稼ぐことができます。
時間的な猶予が必要な方は借入をおこなっている金融機関へ申し出をおこないましょう。
最終の返済期日を延長する
借入金返済の最終期限を延長することで毎月の返済額を軽減することができます。
例えば、借入額1,000万円、金利2%、返済期限10年を毎月元利均等返済した場合、毎月返済額は92,013円です。
この借入金を返済期間15年に延長した場合、64,350円へと軽減されます。
このケースでは返済期間を5年間延長した場合、毎月の返済額は28,000円へと軽減されます。
据置期間が一定期間返済額の軽減を図れることに対して、最終返済期限の延長は毎月の返済額を恒久的に軽減する際に活用することが可能です。
利子補給や保証料の補助を受けられる制度を利用する
制度融資などを利用することによって、利子や保証料の補助を受けることが可能です。
市町村や都道府県が提供している制度融資は、利子や保証料の補助を税金がから受けることができるものが少なくありません。
このような融資制度を利用することによって、利子や保証料に関する補助を受けることができるので、返済に関する負担を軽減することができます。
返済不要な資金調達方法についてよくある質問
返済不要な資金調達方法についてよくある質問は次のとおりです。
- 個人でも利用できる返済不要な資金調達方法はある?
- Xやインスタなどの返済不要資金調達案件は詐欺ですか?
- 返済不要の給付金とは何ですか?
- スタートアップの返済不要の資金調達方法はありますか?
- 審査なしで返済不要の資金調達方法ありますか?
個人でも利用できる返済不要な資金調達方法はある?
紹介した返済不要な資金調達方法のうち、出資以外の資金調達方法であれば個人事業主やフリーランスの方も利用できるのが一般的です。
また、リースバックや資産の売却やクラウドファンディングなどの資金調達方法は、個人でも利用することができます。
ただし、事業主ではない一般個人はファクタリングを利用することはできません。
一般個人の利用を前提とした給料ファクタリングは闇金ですので、絶対に利用しないようにしてください。
X(旧Twitter)やインスタなどの返済不要資金調達の話は詐欺ですか?
必ずしも詐欺とは限りませんが、XやインスタなどのSNSやインターネット上に掲載されている返済不要資金調達の話は詐欺の可能性が非常に高いといえます。
ネット上でお金に困っている人を「返済不要」などの文言で誘引し、実際には高金利でお金を貸し付ける闇金である可能性があります。
基本的には貸金業者登録をおこなっている安全な業者や、銀行や信用金庫などの金融機関からお金を借りるようにしてください。
返済不要の給付金とは何ですか?
一般的には個人に対して給付するものが給付金、事業主に対して給付するものが補助金・助成金という区分になるのが一般的です。
そのため、返済不要の給付金は事業で利用するもが主流ではなく、個人が利用するものが多くなっています。
例えば返済不要の給付型奨学金などが該当します。
給付金は個人版の補助金・助成金と理解しておけばよいでしょう。
スタートアップの返済不要の資金調達方法はありますか?
スタートアップの返済不要の奨学金はいくつかありますが、次のような資金が該当します。
- 新株発行による出資
- クラウドファンディング
スタートアップは資産をまだ保有していないので、融資以外の資金調達方法ではベンチャーキャピタルやエンジェル投資家等から出資を受けるか、クラウドファンディングで支援者を募る他はありません。
借入以外の方法で資金調達をおこないたいのであれば、出資をおこなってくれる資金調達方法を選択しましょう。
審査なしで返済不要の資金調達方法はありますか?
審査なしで資金調達できる方法は、資産の売却のみです。
そのほかの資金調達方法で審査がない方法は基本的にありません。
「審査なし」という触れ込みで申込者を募るのは闇金の可能性が非常に高いといえます。
審査なしの返済不要の資金調達方法は資産の売却以外には基本的に存在しません。
甘い触れ込みに乗せられて、闇金に引っかからないように注意してください。
まとめ
返済の必要がない資金調達方法はいくつかあります。
自社にあった資金調達方法で資金調達ができれば、資本力や資金力が強化されるので、資金繰りが大きく安定します。
しかし返済不要な資金調達方法は、調達可能額が限られていたり、調達できるまでの時間がかかるなどのデメリットもあります。
返済不要であるには越したことはありませんが、融資やファクタリングなどの機動的に資金調達できる方法も勘案して、自社にあった最適な方法で必要な資金を調達できるように準備しましょう。