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融資保証金詐欺とは?実際の事例と騙されないための対策方法を解説!
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近年では振り込め詐欺・融資保証金詐欺の被害が増加しており、ニュースなどでも目にする機会が多々あります。

融資保証詐欺とは、振り込め詐欺の一種であり、融資をしないにも関わらず保証金という名目でお金の振り込みを要求してくる詐欺です。

本記事では、融資保証金詐欺の実際の事例や、騙されないための対策方法まで解説します。

多くの融資保証詐欺の被害者は、自分が被害にあうとは思っていませんでした。

驚くことに、融資保証詐欺の被害者は高齢者よりも65歳未満の働き盛りの男性が多いとのデータがあります。

融資を受けたいと考えている方は本記事を読み、融資保証金詐欺にあわないようにしましょう。

融資保証金詐欺とは

融資保証金詐欺とは、資すると見せかけて融資の申し込みをした方に保証金の支払いを求め、口座への振り込みを要求する詐欺です。

闇金と混同する方も多いのですが、闇金は出資法に違反する高金利であり、融資保証金詐欺と違いお金を貸してもらえます。

融資保証金詐欺は特殊詐欺の一種であり、若年層でも被害が増加しています。

融資を必要としている方に対して、チラシ・ハガキ・メールなどで融資の勧誘を行います。「低金利で融資を受けられる」「即日の融資が可能」などのうたい文句で融資の勧誘が突然届いた場合には注意が必要です。

融資保証金詐欺の被害件数

融資保証詐欺は年々減少傾向にありますが、被害額は大きく油断はできません

融資保証金詐欺による被害件数は、どのようになっているのでしょうか。

以下の表は、警視庁が提供しているデータをもとに、融資保証金詐欺の被害件数の推移をまとめたものです。表の内容を参考に、融資保証金詐欺の被害件数について見ていきます。

融資保証金詐欺の被害件数の推移

年度 被害件数
平成28年 428件
平成29年 548件
平成30年 421件
令和元年 348件
令和2年 295件
令和3年 156件
令和4年 139件

参考:特殊詐欺の認知・検挙状況等について(令和5年)

融資保証金詐欺の被害件数は、近年減少傾向にあると言えます。しかし、昨年の令和4年でも少なからず被害にあっている方がいるため詐欺への注意が必要です。

続いて、月ごとの被害件数のデータも公開されているため、令和4年の10月分から見ていきましょう。

融資保証金詐欺の被害件数の推移

年月 被害件数
令和4年 10月 10件
11月 7件
12月 21件
令和5年 1月 15件
2月 17件
3月 17件
4月 24件

参考:特殊詐欺の認知・検挙状況等について(令和5年)

月ごとでは、上記のような被害件数となっており、1か月で平均15件ほどの被害があるとわかります。だいたい2日に1件のペースで被害があると考えると、まだまだ被害の件数は多いと感じられます。

12月では被害件数が21件となっており、ほかの月と比較しても多いです。年末年始は忙しくなる場合が多く、判断能力が鈍っていることが理由だと考えられます。また、年末年始は金融機関が休みの場合も多くなるため、これを理由に振り込みを急かされるなども原因として考えられるでしょう。

4月も被害件数が多くなっており、24件と最多です。4月は新生活が始まり、入学や入社などでお金が必要になる時期です。そのため、融資をしたいと思う方が増加し、被害件数の増加につながっていると考えられます。

融資保証金詐欺の被害額

続いて、融資保証金詐欺での被害額について見ていきます。

こちらの表も、警視庁が公開している融資保証金詐欺の被害額をもとに作成しました。

融資保証金詐欺の被害額の推移

年度 被害額
平成28年 702,548,000円
平成29年 659,769,000円
平成30年 620,574,000円
令和元年 537,886,000円
令和2年 393,375,000円
令和3年 269,303,000円
令和4年 214,993,000円

表を見てみると、被害件数の減少に比例して被害額も減少していることがわかります。

最も多い平成28年には、年間被害額が7億円を超えています。最も被害が少ない令和4年でも、年間被害額が2億円を超えているのが現状です。平成28年から減少傾向にあるのですが、まだまだ被害額が大きいことがわかります。

次に、月ごとの被害額を見ていきます。

融資保証金詐欺の被害額の推移

年月 被害額
令和4年 10月 13,633,000
11月 6,963,000
12月 26,233,000
令和5年 1月 29,918,000
2月 23,211,000
3月 26,991,000
4月 18,678,000

被害額が最も低いときでも1か月で700万円ほどとなっており、被害額が大きいとわかります。

最新の令和5年4月で、融資保証金詐欺1件あたりの被害額を計算してみると、1件あたり788,250円です。融資を受けるために融資の申請をしたのにも関わらず、80万円ほど搾取されてしまっているという状況です。

融資保証金詐欺にあう高齢者

融資保証詐欺の被害者は、意外なことに65歳以上の高齢者より、働き盛りの男性に多いことが調査でわかっています。

引用:令和3年版 犯罪白書 第8編/第3章/第3節/2

特殊詐欺全体の構成比をみると女性の割合が多く、男女合わせて65歳以上の高齢者は85.7%となっています。特殊詐欺全体に対して融資保証金詐欺の構成比は男性が多く、65歳以上の高齢者は21.2%です。

このような結果から、融資保証金詐欺は特殊詐欺の中でも珍しく男性の割合が高く、65歳未満の被害が多いとわかります。

65歳未満の被害数が多い理由として、スマートフォンなどのインターネット環境の利用頻度が関係していると考えられます。スマートフォンをよく利用する世代には、SNS・メールWebサイトなどから融資の勧誘をしやすいことが理由です。また65歳未満の方では、経済的困難や収入減少などの要因から早急に資金が必要となることもあるため、融資を利用する機会が多いことも理由として考えられます。

65歳未満の中でも特に若年層の方であれば、そもそも金融取引に関する知識が浅く、指示通りに行動してしまうことも原因として考えられるでしょう。

融資保証金詐欺で使われる手口

融資保証金詐欺で使われる手口は、さまざまなものがあります。数多くある融資保証金詐欺の中でも、使われる頻度の多い手口を紹介していきます。

融資保証金詐欺にあわないためにも、手口について学んでおきましょう。

有名な会社や金融機関名で騙す

融資保証金詐欺の犯人は、実在している金融機関や貸金業などを名乗って、融資の話を持ちかけてくる場合が多いです。実在する金融機関や貸金業とは言わなくても、「関連した会社です」と大手の名前を利用し信じさせようとする場合もあります。聞き覚えのあるような会社名を聞くと、多くの人がつい安心してしまいそうになります。

また、会社名はあえて名乗らず、有名な会社や金融機関のロゴマークを利用して信じさせようとしてくる場合もあるため注意が必要です。

たとえば、「偽業者にご注意ください!本メールアドレス以外からのメールは偽物です」のような文章を記載し、あたかも本物の業者であるかのようにアピールしてくる詐欺もあります

有名な会社や金融機関なのか、偽物なのかを判断するのは非常に困難です。そのため、「信頼できる金融機関のホームページを自分で検索する」「直接、金融機関や消費者金融に行く」などの対策を行いましょう。

融資の前に請求される

融資保証金詐欺では、融資を受ける前にお金を請求されることが多いです。

通常の融資であれば、融資前にお金の振り込みが必要な会社はありません。そのため、融資前にお金の振り込みを要求された場合には注意しましょう。

融資前に請求されるパターンとして、先払い請求と他業者の紹介という2つのパターンがあります。

先払い請求

先払い請求は、融資の手続きにお金がかかると称して、融資前にお金の支払いを要求してくるパターンです。

  • 融資をするための保証金として、先に振り込んでください
  • 保証金は、融資後に返します
  • 融資をするには手数料がかかります

融資の勧誘として、上記のような内容が届いたら要注意です。

他業者の紹介

他業者を紹介するための紹介料として、支払いを要求される場合もあります。

「審査の結果、今回は融資が難しいです。その代わり他の貸金業を紹介できます」などと言い、他の業者を紹介してもらうパターンです。

このパターンでは他の貸金業は有名な会社であり、安心して利用できるという場合もありますが、紹介状を書いたり担当者に連絡してくれたりすることはありません。そして、有名な金融機関などで融資を受けることができれば、紹介料が必要だと請求してくる場合があります。

実際にあった融資保証金詐欺の事例

事例1

(年齢不明 被害者多数) 手数料名目で最初は数万円から

「郵便局OBが運営」を謳い文句に融資を持ちかけ、希望額を融資する意思がないにもかかわらず、手数料名目でお金を騙し取る詐欺が発生した。

手口は主に全国の集合住宅に「郵便局を退職した老人たちで運営」、「100万円まで、ある時払いの催促なし」などと記載された名刺大のチラシを投函して勧誘し、連絡先の携帯電話にかけると入会申込書が届くというもの。申込書の返送先は私書箱になっており、返金先は北海道の女性名義の口座などだった。

その後、担当者から、「取引実績を重ねないと融資限度額が上がらない。初回の限度額は3 万円。手数料などを引いた 2万円を振り込むので、3万円を返済して欲しい。」等と説明され、2回目以降から徐々に限度額が上がっていき、希望額を借りたい客が返済を繰り返すうちに、「返済能力に疑問がある。」と一方的に通告され、その後は融資を受けられなくなり、担当者とも連絡が取れず、手数料も戻ってこなかった。

その後の捜査で、その業者は貸金業の登録がないうえ、実際は郵便局OBもおらず、被害者は全国に約 7,500人、被害総額は約 2億2,000万円に上る非常に大規模な被害となった。

引用:融資保証金詐欺の犯罪事例

「郵便局」と聞くと、信頼してもよさそうな気がしてしまいます。さらに「100万円まである時払いの催促なし」となっており、好条件であることから多くの方が詐欺にあってしまった事例です。

今回のように「郵便局」など、信頼できる大きな会社の名前を利用し信頼させて、詐欺を行うパターンが多いため注意が必要です。

事例2

他県在住の自営業者は、7月初旬にファックスで送られてきた広告をみて、年利 3.2%、1,000万円の融資を申し込んだところ、「担保条件として損害保険加入が必要」といわれ、指示どおり45万円を指定口座に振り込んだ。

ところがその後、融資の送金手続きのためのデータの修正名目で27万円、データ修正の外部発注名目で25万円を次々に要求され、その都度支払ってきたが、融資が実行されず計97万円の被害を被った。

都で調べたところ、実際の登録業者については昨年末の時点で既に営業実体がなく、また廃業の届け出もされていないことが判明した。何者かが商号や登録番号、所在地などを勝手にかたり詐欺行為に及んでいたものであり、東京都では、同様被害の拡大を防ぐため、登録取消しの行政処分手続きを行った。

引用:「融資保証金詐欺」にご注意ください!

2つ目の事例は、FAXで送られてきた広告が融資保証金詐欺だったというものです。

年利0.1%など低すぎると怪しんでしまいますが、「年利3.2%」は一般的な金利であるため、融資を申し込んでしまいました。

そして、融資を申し込んだところ「担保として損害保険加入が必要」「データの修正」「外部発注」など、事あるごとに理由をつけてお金の振り込みを要求してきました。

東京都が調べたところ、商号・登録番号・所在地などを勝手に騙り詐欺が行われていたとのことです。

融資保証金詐欺を避けるための対策

融資保証金詐欺は、振り込め詐欺の中では珍しく65歳未満の被害者が多いです。この記事を読んでいるあなたも例外ではありません。

誰もが被害にあう可能性がある融資保証金詐欺ですが、詐欺にあうことを避けるための対策方法について解説していきます。

融資前の振り込みは必要ない

一般的な貸金業の場合、融資前に保証金を振り込むように求められることはありません

お金を借りる前に「まだ信用がないから、担保として振り込んでください」など、理由をつけて振り込みを要求してくる場合には、融資保証金詐欺だと思ってください。

融資を受ける前に支払いを要求された場合には、支払わず警察などに相談しましょう。

融資会社を調べる

融資会社を調べることも、被害にあわないための対策方法です。

メールやFAXなどで融資の勧誘がきた際には、まず融資元や会社名を見つけて検索し、実在する会社かを確認しましょう。実在する会社であったとしても、ロゴマークなどを比較してみると異なる場合もあります。インターネットで検索すると、以前詐欺にあったなどの口コミが見られる場合もあり、詐欺会社かを判断する手助けになります

電話番号の一致を確認

電話番号の一致の確認は、有効な対策方法です。

実在する会社に電話が繋がったとしても、犯人にメリットがありません。そのため有名な金融会社や貸金業の名前やロゴマークを使用している場合でも、電話番号は詐欺会社のものが記載されている場合が多いです。

電話番号が記載されている場合は、まず電話番号の一致を調べてみましょう。

貸金業の登録を確認

貸金業を行うためには、財務局長か都道府県知事に登録申請をする必要があります。

登録貸金業者のみ貸金業務が許されているため、登録されていない業者は違法です。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」を利用し、登録がされているか確認しましょう。

以下のページから貸金登録がされているか確認が可能です。

登録貸金業者情報検索サービス : 金融庁

融資の条件が良すぎないか

融資の条件が良すぎる場合には、詐欺を疑いましょう。

実際にあった融資保証金詐欺の事例1で紹介したように「100万円まではある時払いでよい」であったり、「金利が0.1%」など融資の条件が良すぎたりする場合は詐欺の可能性が非常に高いです。

そのほかにも、以下のようなうたい文句には要注意です。

  • 無金利
  • 審査不要
  • 即日融資
  • 高額融資
  • 100%融資可能

家族や知人へ相談する

身近な家族・友人・知人などへの相談も、融資保証金詐欺の対策に有効です。

「お金がない、早くなんとかしないと」と焦っていると、判断が鈍り詐欺にあう可能性が上がります。一度、周囲の方に相談することで冷静になれるうえ、第三者目線での見解も得られます。

そのため、少しでも怪しいと感じた際には、身の回りの方に相談するのがおすすめです。

融資詐欺の手口を知って被害にあわないようにしよう!

本記事では、融資保証金詐欺の手口・事例・対策方法などを解説しました。

振り込め詐欺の中でも融資保証金詐欺は、65歳未満の方でも被害にあう可能性が高い詐欺です。FAX・メール・Webサイトなどさまざまな方法で融資の勧誘がきます。融資保証金詐欺は年々減少傾向にはありますが、1件あたりの被害額は大きく油断はできません

本記事で何度も警鐘を鳴らしているように、融資前に振り込みが必要とされることはありません。保証金・手数料・振り込みを要求された場合は、詐欺の可能性が非常に高いと判断しましょう。

融資保証金詐欺の被害にあわないためにも、本記事で紹介した方法を参考に対策しましょう。

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