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赤字経営でも会社が潰れないのはなぜ?赤字の種類と潰れない理由を徹底解説
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赤字経営でも会社が潰れないのはなぜ?赤字の種類と潰れない理由を徹底解説

赤字経営と聞くと、すぐに倒産してしまうイメージを持っている方も多いでしょう。

しかし、日本全国で6割以上が赤字経営ですが、倒産を免れている企業は数多く存在します。

本記事では、赤字の種類・倒産しない理由・赤字経営のメリット・デメリットなどを解説します。本記事を読めば、赤字経営なのになぜ潰れないのかという理由が理解できます。

赤字経営は長期的に続くと倒産リスクにつながるため、可能な限り黒字化しておきたいところです。赤字経営を脱出して黒字化するための方法も紹介しますので、参考にしてみてください。

赤字経営とは

赤字経営とは、収入よりも支出が多いまま会社経営を続けている状態です。

赤字経営には一時的な赤字と慢性的な赤字の2種類があります。退職金の支払い・売掛債権の未回収で起きる赤字は一時的です。しかし、原価の計算・固定費に問題があると慢性的な赤字につながります。

国税庁が公開している「令和3年度 国税庁統計法人税表」によると、赤字経営の会社は全体の61.7%です。調査結果からわかるように、赤字経営なら必ず潰れるわけではなく、経営を続けている会社も数多く存在しています。

黒字経営と赤字経営の違い

赤字経営と異なり、黒字経営は収入から固定費などの支出を差し引いた純利益がプラスの状態です。

黒字経営だからといって、倒産の心配がないわけではありません。損益計算書で黒字の場合でも、売掛金の延滞・未回収で資金ショートして倒産する恐れがあります。

資金不足で金融機関からの借入の返済が遅れると、将来的に融資を受けづらくなります。黒字経営・赤字経営のどちらでも、返済が滞らないようキャッシュの確保が必要です。

赤字経営の4つの種類

赤字経営には以下の4つの種類があります。

  • 営業損失
  • 経常損失
  • 当期純損失
  • 現金収支の赤字

赤字の種類によって、見直しが必要なポイントが異なります。4つの赤字の種類ごとに見直しが必要なポイントと会社の状態を解説しますので、参考にしてください。

営業損失

営業損益とは、商品を仕入れて販売するまでのプロセスで得られる損益を示した値です。

営業損益は以下の式で表せます。

営業損益=売上総利益-(販売費+一般管理費)

得られたすべての利益から、販売促進費・広告宣伝費などの販売費と会社運営に必要な一般管理費を差し引いた値が営業損益です。営業損益がプラスなら営業利益、マイナスなら営業損失となります。

営業損失が生まれる原因には、売上額が少ない・原価が高い・販売費や一般管理費が高いなどがあげられます。

営業損失が生じている状態は、赤字経営の中で最も危険です。そのため、売上・原価高・コスト高のいずれかを改善して早急に対処をするのが大切です。

経常損失

経常損益とは、営業損益に加えて営業外の損益を加えた値です。

経常損益は以下の式で表せます。

経常損益=営業損益+営業外損益

営業外の損益とは、別事業での損益・不動産収入・補助金や助成金・金融機関への利息の支払いや受け取り利息を指します。

営業外の損失がある場合、「事業をM&Aで手放す」「経営改善する」といったアクションを起こして赤字状態を脱出しましょう。

経常損益が黒字だと経常利益、赤字だと経常損失と呼ばれます。具体的には、借入の返済利息に追われ経常損失になるケースが多く見られます。「事業規模に見合った額であるか」「返済を続けられる利息であるか」を確認したうえで借入を行いましょう。

当期純損失

当期純損益とは一定期間における会社の収益と損失を合計したもので、経常損益に特別利益・特別損失を加えた値です。

当期純損失は以下の式で表せます。

当期純損失=経常損益+(特別利益+特別損失)

特別利益・特別損失とは、例外的な利益や損失を指します。

一定期間・例外的な損失である点から、当期純損失がある場合でも一概に経営状態が悪いとはいえません。

現金収支の赤字

現金収支は別名キャッシュフローと呼ばれており、現金の増加と減少を把握するために必要な値です。

キャッシュフローは、現金が増減した理由の解析に使用されます。金融機関から融資を受ける際に確認されるため、可能な限り黒字化しておきたい項目です。

損益計算書では黒字の場合でも、手元に資金がない状態に陥る恐れがあります。たとえば、黒字でも売掛金の多くが未回収なら倒産につながる可能性が考えられます。

手元資金が不足しないように、売掛金の回収遅れには注意しましょう。

赤字経営の会社がなぜ潰れないのか?その理由とは

日本国内の会社の6割以上が赤字経営であるのを紹介しましたが、倒産しないのはなぜかと気になる方も多いでしょう。

赤字経営でも会社が潰れない理由として、以下の4つがあります。

  • 事業内容の切り替えを行っている
  • 現金化が可能な資産が多い
  • 本業以外の収入で賄っている
  • 金融機関から融資を受けている

赤字経営の会社がなぜ潰れないのかという理由を、わかりやすく解説します。

事業内容の切り替えを行っている

赤字経営でも事業内容の切り替えを行っている場合は、会社が潰れる可能性はほとんどありません。

市場のトレンドに合わせて事業を切り替えている企業の場合、設備投資などの初期費用に多額の資金が必要なため赤字が発生します。すべての事業で切り替え後からすぐに黒字化できるわけではないため赤字経営が続く場合もあります。しかし、数年後に黒字化できれば倒産の回避が可能です。

また、頻繁に事業切り替えを行っているのは中小企業である場合が多く、意思決定のスピードが速い点も倒産しない理由です。赤字で経営が立ち行かなくなる前に事業切り替えの判断を下せば、倒産を回避できる確率が高まります。

現金化が可能な資産が多い

現金化が可能な資産を多く所有している場合は、赤字経営でも倒産の回避が可能です。

会社を経営していれば、土地や建物などの不動産を保有している可能性が高いです。不動産を売却して資金調達したり、不動産を担保として金融機関から融資を受けたりして運転資金を確保すれば倒産を免れられます。

不動産以外にも、受取手形・売掛金・貸付金などの現金化可能な資産を持っていれば、赤字状態でも資金を獲得可能です。重機や営業車などの乗り物も、売却すれば一時的に倒産をしのげるでしょう。

本業以外の収入で賄っている

本業以外の収入で赤字分を賄えば、倒産を回避しながら経営を続けられます。

たとえば、不動産を所有していて賃貸収入が定期的に得られるのであれば、事業資金として補填して倒産の回避が可能です。本業で収入を得て黒字にするのが最もよい方法です。しかし、本業以外の収入で一時的に補填し、経営を続ける手段が取られる場合もあります。

金融機関から融資を受けている

金融機関から融資を受けている場合は、赤字経営でも倒産しません。

赤字経営・黒字経営のどちらの場合でも、手元資金の不足により倒産するケースがほとんどです。手元資金を充実させ、運転資金さえ確保できれば赤字経営でも倒産を回避できます。

企業が倒産するのは、キャッシュフロー悪化で支払いができないのが理由です。キャッシュさえあれば、借入額が大きくても倒産しません。

なお、赤字経営だと融資が受けられないわけではありません。一時的な赤字や金融機関から、成長見込みのある事業だと判断されれば融資は受けられます。金融機関に認められる実現性の高い事業計画を着実に実行すれば、数年後に黒字回復する可能性は高いです。

赤字経営のメリット

意図的に赤字経営にするメリットは、以下の2つです。

  • 法人税の還付を受けられる
  • 赤字の繰り越し・相殺が可能

意図的な赤字経営のメリットを紹介しますので、自社に活用できるか検討してください。

法人税の還付を受けられる

赤字経営によって、法人税の還付が受けられたり軽減できたりする点がメリットです。

法人税の還付を受けるには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 出資金・資本金が1億円以下の中小企業
  • 青色申告法人であり確定申告書を提出している
  • 還付請求書の提出

還付を受けられる額の計算式は以下の通りです。

還付金額=前期に支払った法人税額×(当期の赤字額/前期の所得金額)

赤字経営の場合は法人税の還付以外にも「繰越控除」の利用も可能なため、有利な方を選択しましょう。

赤字の繰り越し・相殺が可能

赤字の繰り越しや相殺ができる点も、赤字経営で得られるメリットです。

平成30年4月1日以降に開始した事業であれば、最長で10年間赤字の繰り越し・相殺ができます。

課税されない例

  • 2年前は1,000万円の赤字
  • 1年前は500万円の黒字
  • 今年は300万円の黒字

黒字が相殺されるため、得た利益に対して課税されません。

課税される例

  • 2年前は1,000万円の赤字
  • 1年前は500万円の黒字
  • 今年は800万円の黒字

1,000万円を超えた300万円に対して課税されます。

赤字の繰り越し・相殺によって税負担を大きく軽減できるため、意図的な赤字経営をしている企業も存在します。

赤字経営のデメリット

赤字経営のデメリットは以下の3つです。

  • 資金調達が難しくなる
  • 倒産の可能性が上がる
  • 税務調査される場合がある

一時的な赤字経営はメリットになる可能性がありますが、長期的に続くとデメリットが多くなります。赤字経営のデメリットを押さえて、さらなる経営状況の悪化を防ぎましょう。

資金調達が難しくなる

赤字経営のデメリットとして、資金調達が難しくなる点があげられます。

赤字経営は短期的であれば節税のメリットが得られますが、銀行などの金融機関からの信頼が落ちて融資を受けづらくなります。融資を受けられなければ、運転資金の確保・設備投資・事業活動などに必要な資金調達ができず経営に影響を与えかねません。

金融機関に対して事業の成長見込みや返済能力があると示せると、赤字経営でも融資を受けられる可能性はあります。しかし、基本的には融資を受けづらくなると考えておきましょう。

倒産の可能性が上がる

赤字経営が続いている状態では、倒産の可能性が高くなる点に注意が必要です。

一時的な赤字であれば他事業の利益や資産売却で補填が可能ですが、長期間続くと補填できなくなり債務超過になります。債務超過とは、企業が持っている負債額が、すべての資産を合算しても補えない状態を指します。「手元資金の不足で仕入れができない」「従業員の給与が払えない」など、債務超過の状態で経営の継続は困難です。

売上高を増やす・売上利益率の改善・固定経費の削減などで慢性的な赤字を回避しましょう。

税務調査される場合がある

長期間の赤字経営では、税務調査される可能性が高まる点もデメリットです。

長期的な赤字経営をしていると、余計なものを経費計上して意図的に赤字経営にしているのではないかと疑われます。経営状況に疑義が生じた場合に、税務調査が介入する場合があります。

税務調査で細かな点までチェックされ、不備が見つかれば本来納めるべき金額を納税しなければなりません。本来納付すべきだった税金を追加で納めることを追徴課税といいます。不備の内容によっては、本来の納税額に加えて追加で支払いが必要なケースもあります。

本来の納税額に加えて徴収される追徴課税の種類は、以下の通りです。

  • 過少申告加算税
  • 無申告加算税
  • 不納付加算税
  • 重加算税
  • 延滞税
  • 利子税

5%~40%追加で納税する必要が出てくるため、確定申告の時期を忘れず正しい額を納めましょう。

赤字経営を脱出するためには

赤字経営を脱出して黒字経営化するためには、以下の3つの方法が効果的です。

  • コストの見直し
  • キャッシュフローの改善
  • 余剰在庫の削減

黒字経営を実現できれば、銀行からの融資を受けやすくなるため倒産リスクを避けつつ健全な経営につながります。そのためにも、3つの方法を試して黒字経営を目指しましょう。

コストの見直し

赤字経営を脱出するためには、コストの見直しは欠かせません。

売上が順調でも不要なコストが利益を圧迫しているケースは多く、定期的に見直しておくべき要素です。

業種により異なりますが、コスト見直し時に検討すべき項目を以下に示します。

  • 仕入れコスト
  • 製造コスト
  • 配送ルート
  • 広告宣伝コスト
  • 営業費

短期的には目に見えない小さな削減だとしても、積み重ねていけば大きなコスト削減につながります。

キャッシュフローの改善

赤字経営から黒字経営に転換するためには、キャッシュフローの見直し・改善が重要です。

キャッシュフローは現金の流れを表す言葉で、支払い・入金のタイミング・項目・取引先を示します。

キャッシュフローの悪化により手元資金が不足してしまえば、支払いができないため倒産に至ります。会社の経営には現金が必要不可欠であるため、キャッシュフローの改善は非常に重要なポイントです。

キャッシュフローを改善するために、資金繰り表の作成が効果的です。資金不足が予想されるタイミングを予想し、融資を受けるなどの準備を整えておきましょう。

資金繰り表とは、企業が経済活動を行う場合の現金収支をまとめた表です。資金繰り表で迅速な対応ができる状態にしておけば、会社の倒産リスクを下げられます。

余剰在庫の削減

赤字経営から脱して黒字経営を目指すには、余剰在庫の削減が必要です。

長期保管によるデメリットは以下の通りです。

  • 保管費用がかかる
  • 保管場所の確保が必要
  • 品質の劣化
  • 流行が過ぎ去る

保管場所が圧迫されれば、他の商品を仕入れる際に邪魔になります。しかし、価値が下がってしまう前に売却すれば、劣化による価値の低下・管理費の削減につながります。

セール品として少し安く販売したり、必要としている業者に売却したりするなどして余剰在庫を削減しておきましょう。

赤字経営で資金に困ったときにはファクタリングが最適!

赤字経営が続いていて、資金不足で困ったときにはファクタリングの利用がおすすめです。

融資やビジネスローンを利用するには、返済能力の有無・融資したお金の使い道が重要視されます。赤字経営を続けていれば返済能力がないと判断され、融資を受けられない可能性は小さくありません。

しかし、ファクタリングでは自社の経営状態・財務状況が悪くても審査の通過が可能です。なぜなら、ファクタリング審査は売掛先の支払い能力が重視されているからです。

ファクタリングを利用するメリットは以下の通りです。

  • 最短即日で資金調達ができる
  • 売掛金の未回収リスクが回避できる
  • 自社の業績が悪くても審査通過が可能

一方で、デメリットは以下の2つです。

  • 売掛先の経営状況が悪いと審査落ちする可能性が大きい
  • 融資よりも手数料が高い

ファクタリングを利用して、スピーディーな資金調達で資金繰りを改善しましょう。

赤字経営を脱出して健全な経営を目指そう

赤字経営には種類があり、以下の4つの種類がありました。

  • 営業損失
  • 経常損失
  • 当期純損失
  • 現金収支の赤字

赤字の種類によっては倒産までの猶予があるものもあります。中でも営業損失で赤字経営をしている場合は要注意です。

「トレンドに合わせて事業転換を行う」「本業以外で賄う」「融資を受ける」など、赤字経営でも潰れない会社が多くなっています。実際に、日本国内の6割以上が赤字経営であり、倒産していない企業は数多く存在しています。

意図的な赤字経営でメリットを得ている企業もありますが、赤字が続くと倒産のリスクが上昇するため注意が必要です。早めに赤字経営を脱出し、健全な会社経営を目指しましょう。

売掛債権が溜まっている場合は、ファクタリングの利用によって最短即日で現金化が可能です。売掛金の未回収で倒産に追い込まれる事例は少なくないため、ファクタリングで早期に資金化できるのは大きなメリットになります。

ファクタリング利用の場合、売掛金の未回収リスクを負うのはファクタリング会社です。倒産にもつながる未回収リスクを抑えて、資金調達できるファクタリングを検討してみてはいかがでしょうか。

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